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四章『トマト編』
第549話 礼儀杯12
しおりを挟む「予定通りのつまらねぇ幕引きだ。審判なにをボサっとしてやがるさっさと」
「・・・・・・す」
「お! おお!?」
「まだ・・・・・・終わって・・・・・・ません」
めちゃくちゃ痛いです。両手の感覚がありません。多分折れてます。背中も痛いです。サンザフラもどこにあるかわかりません。
「でもまだ戦えます」
「おおおお!! いいぞ! いいぞお前! ヒマリと言ったか! よく立ったな!」
クロスケ様は私を褒めながら歩み寄ってきます。
「その軟弱な体で! 失神不可避な痛みを耐える! 同じ状況下で俺の拳を耐えられるやつなんざ。一握りだぜ!」
「ありがとう・・・・・・ございます」
「だから故にもったいねぇ。ここで粉々に粉砕されちまうんだからな!」
私は構えます。体が震えます。でもまだ戦えるのです。だって、おにぃちゃんが、私のおにぃちゃんが
「うおおおおおおおおお」
私は今まで出したことのない雄叫びを上げてクロスケ様に殴りかかります。クロスケ様は凶悪な笑顔で迎えてくれます。黄金大剣を振りかぶります。あれで終わらせるつもりです。
勝ちたい! たった一年鍛えただけの私がおこがましいかもしれない! それでも勝ちたい! 勝たなくちゃ! ならない!
『覚悟認識シマシタ』
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