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五章『チーズ編』
第612話 ダークバーガー5
しおりを挟むこのままでは共倒れになる。そうなる前にキメに行かなければならない。
何度目かになる剣戟を終えて距離を取る。
「俺たちに勝ち負けはない、同じなのだからな。チーズを諦めて大人しく帰れ」
「そうはいかない。俺をコピーしたなら分かるはずだ。めちゃくちゃ挟みたいんだよ、チーズ!」
ダークバーガーは無言で剣を構える。俺の気持ちが分かるのだろう。絶対に諦めないのが分かっているんだ。
「ダークバーガー、お前も挟みたいんじゃないのか?」
「なにを」
「チーズだよ。挟みたいだろ?」
「挟みたくない」
「嘘だ、俺の影から生まれたなら挟みたいはずだ」
「挟みたくない」
「熱を通してトロトロになったチーズがパテやトマトに絡む」
ダークバーガーはゴクリとない喉を鳴らす。
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