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五章『チーズ編』

第622話 究極化2

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広場に移動した俺とアイナは互いに距離をとる。

「じゃあ行くぞ」
「はい!」
「どんな魔法か分からないから上を向いて放つ。一応警戒しておいてくれ」
「わからりました!」

アイナは細剣を抜き払い構える。それを確認した俺はロストエイジチーズの魔法を発動させる。

「『究極化(アルティメット)』」

俺の体を赤いオーラが包んだ。これは一体。

「バーガー様!  なんだかすごいです!」
「どうなってるんだ俺は」
「オーラ?  を纏ってます!」
アイナにも見えているのか、少し動いてみるか。俺は軽く跳ねた。


俺は遥か上空にいた。

「ーーーーえ?」

最初何が起こったのか分からなかった。
自由落下を始めて現状を理解する。

「うっ!  わわわわわわわ!!」

瞬く間に落ちる。アイナが真下でキャッチしてくれた。

「バーガー様!  大丈夫ですか!?」
「あ、ありがとう・・・・・・なんだこの魔法は」
「たぶんですが、身体能力の強化だと思います」
「身体能力の強化か、なるほど」

今のは俺がやったのか。確かに思い返してみれば高速で吹き飛んでいた。

「バーガー様、手合わせしてみませんか?」
「そうだな」

俺は近くに掛けてある木刀を咥えた。アイナは俺をキャッチする時に放った細剣を拾い上げた。

「行くぞ」
「はい!」

俺はかなり力を抑えて跳ねる。超高速の弾丸のような速さでアイナに向かって飛んだ。

アイナは木刀を細剣でいなす。起動のズレた俺はアイナの斜め後方の地面に着地する。

「すまん!  かなり力を抜いたんだが、大丈夫か!?」
「手が痺れてます・・・・・・すごい力です!」
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