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二章『パテ編』
第65話 大喧嘩祭12
しおりを挟む「バーガー様ひどいです、スーが人質に取られていたのに??????」
「アイナすまなかった、他にいい方法があったよな」
「そうですよ、スーは死んでも蘇るけど痛そうじゃないですか??????」
「まぁまぁアイにゃさんや、そこら辺にしておくんだにゃ、バーガーはミーの仇をとってくれたんだし、許してやってくれにゃいか。にゃあジゼルさんや」
「スーは一瞬で逝った。痛みを感じずに一瞬で」
「ぼくの風船どこなの、つらいの」
「スーこっちへ、よしよし、つらいね。もうバーガー様! 今回だけですからね!」
「はい、以後超気をつけます」
ふぅ??????アイナはきっと何をしても『今回だけは』って言って許してくれそうだな。これならあと何回かは??????否否、優しさに漬け込むハンバーガーがどこにいる、漬けるのはピクルスだけだ。スーの命令も命大事に変えておかねばならないな!
「バーガー、決勝の相手のこと」
「ん? ああ、そういやジゼルはカルボのことをオペペ・チロローンと言ったよな。間違いないのか?」
「間違いない、奴は芸術家オペペ・チロローンと同一人物」
「つまり、何個も顔を持っているってことか、まるで詐欺師だな。戦い方は奇術師(マジシャン)みたいだったが」
あんなふざけた硬貨のデザインを採用させるなんて、やり手の詐欺師に違いない。つまり何にでも化けれるということだ。あの爆弾といい、敵に回さない方がいいタイプの人間だな。やるならば完璧に始末しないといけなくなる。
「エリノアの麻痺もとれて良かったよ」
「だにゃ、ほんと死ぬかと思ったよ。あいつはやばい奴だにゃ、もう会いたくにゃいにゃ」
さて、それでは本題に入ろうか。優勝した俺たちが宴会ではなく、宿屋の一室でチマチマとした会議を開いているのは一つの問題が発生したからだ。
「もらった斧牛(アックスブル)の子牛が可愛い件について」
「早く食べましょう!」
即答かよっ!
「アイナは食いしん坊だなぁ」
「ち、違いますよ。せっかく手に入ったのに食べないなんてもったいないなと思っただけで、その」
「ほいほい、エリノアはどう思う?」
「食べにゃいのにゃら、適当なところに売ればいいよ」
換金か、どのみち肉にされてしまうな。
「??????ジゼルは?」
「どっちでもいい。でもバーガーが斧牛(アックスブル)を挟んでどうなるかは気になる」
俺だって気になるよ、挟むだけなら角だけでもいいんだけどね。それにしたって可哀想じゃないか。こんなに可愛いんだよ?
「スーは?」
「きゃっきゃ!」
「ほっほ、坊や、牛さんから離れなさい」
参ったな、甘い考えなのは俺だけか。まぁそうだよな、現代で家畜をしめたことなんてないからな、アイナたちの世界とは考え方が違うのだ、ならばどうする。あ、閃いた。
「この子牛に荷物を背負わせて一緒に旅をしよう」
「にゃ! それはミーの仕事だよ」
「硬貨の支払いは変わらない、俺が保証する」
「変わらにゃいにゃらオッケーだにゃ」
「他はどうだ?」
「バーガー様がそう仰るなら、優勝したのはバーガー様ですし」
「非常食兼、荷物持ち」
ジゼルのやつ、なんて物騒なことを??????。
「??????そ、そうだね。旅だからな、何があるかわからない、もちろんそういう意味も込めて提案したのだよ!」
「黙認」
「ジゼルさん、あざっす!」
「それはそれとして」
「ジゼルさん、なんでしょう!」
「魂(マテリア)の実体化(ライズソウル)についてだけど」
「ハハ??????、あれはですねー」
その後、俺はカルボに説明した事をそのまま話した。つまり嘘をついたわけだ。この時のジゼルの表情の変化に俺は気づかなかった。
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