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三章『ギア編』
第156話 最後に勝つのはこの俺だ
しおりを挟む俺が連れてこられたのは、わけのわからねぇ機材が大量に置かれている研究室(ラボ)だ。
「ここで待っているポメ」
「おい、俺に何の用だ」
「だから実験をするポメ」
待っていろと言っても、このキラーって奴が俺を鷲掴んだまま放しやがらねぇ。この犬っころが1番ヤバかったか。見余った。
ホネルトンの奴はあれから傍観を決め込んじまってるしどうしたもんか。
少しして、ポラニアがちっこいメタリックな人形持ってきた。
「おまたせポメ」
「なんだそれは」
「キラーのプロトタイプだポメ」
このキラーって奴が成人男性のサイズだとしたら、このプロトタイプは、チンチクリンの5歳児って感じの見た目だ。
拷問か、即廃棄されるよりはマシだ。レイの奴も麻痺ったままだとすると、時間を稼いでこいつを始末する作戦を練るしかねぇ。
「その鉄屑で俺をどうするつもりだ?」
「ここを見るポメ」
「あん?」
プロトタイプの胸の部分に凹みがある。見たことあるシルエットだな。
あぁ、俺の歯車の形と同じなのか。
「ここに君をハメるポメ」
「おいコラ最低限の説明をしやがれ」
「君のボディとなっている歯車は元々僕のものだったポメ。でも魔物化しそうだったからホネルトン様に預けていたんだポメ」
「本来はそこにはめ込むための部品だったってわけか」
「そういうことポメ」
「わかったさっさとハメろ」
「観念したポメか?」
「そんなところだ」
今は言う事を聞いておくしか方法がないからな(このキラーの手から逃れられるしな)、それに不思議とハマることに嫌悪感がなかった。キラーが俺をプロトタイプの凹みにはめる。
「うお」
どういうことだ、俺の視線がいきなり高くなった。これは一体。
「成功ポメ! やっぱりそうだと思っていたポメ!」
「はぁ?」
俺は視界の下の方にマジックハンドのような手が映り込んでいることに気づく。俺の意思で動いてやがる。
「ポメ、説明しろ!」
「僕はポラニアだって言ってるポメ······。物質系の魔物は他の物質を取り込んで巨大化する事があるポメ」
「ほぅ、つまり俺は大きくなれるのか」
「でもそれは同じようなものでないと成功しにくいポメ」
「俺は歯車だから、つまり」
「機械の体を手に入れることができるポメ!」
「こいつぁいいッ!! お前ポラニアとかいったか? 俺の傘下に加われ」
「その立場でよく言えるポメね······。僕は絶者には興味が無いポメ、その体を研究させてくれるなら、君に協力してやってもいいポメよ」
その言葉がどこまで本当かは分からねぇが、ボディの研究は是が非でも進めたい。利用してやる。最後に勝つのはこの俺だ。
「分かった、代わりに俺のこの体を好きに使わせてやる」
「交渉成立ポメね」
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