現代最強は楽しいハンバーガーに転生しました

黒木シロウ

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三章『ギア編』

第164話 魔王様を定規代わりに使わないでください

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「魔力総量だとぉ?」
「はい、魔力の総量を超えた魔法を使うのは危険なので、魔法を教える際は最初にはかっているみたいなんです」
「そうか、どうやってはかるんだ?」
「そうですね、この部屋にあるかなー」

 そう言うとレイは部屋を漁り出す。引き出しを2つ開けたところで、石を取り出した。

「その石っころはなんだ?」
「魔力測定石と呼ばれている鉱石です」
「これがか、別段変わった様子はないが」
「これに触れて魔力を流すと石が輝きます、その光の強さでその人の魔力の量が分かります」
「なるほど、試しにレイ、やってみろ」
「はい、ふん!」

 レイの右手に握られた魔力測定石が輝く。取り替えたばかりの豆電球ていどには光ってるな。

「それは強いのか?」
「それなりには強いです」
「よし、俺に乗せてみろ」
「はい」

 レイは横に倒れている俺に魔力測定石を乗せる。魔力を流すか、何となく感覚で分かるが、念じるようなものだなこいつぁ。

 軽くやって見るか、俺は魔力を乗せられた石に集中する。

 すると、部屋が真っ白になった。

「目がああああああああ!!」

 レイの叫び声が聞こえる。真っ白になったのは部屋が光で満たされているからのようだ。

 ちぃ、これではレイが失明するな。俺は魔力をさらに絞る。魔力測定石もそれに比例して光が弱くなっていく。

「レイ、今のはどのくらいだ?」
「は、はひ、今まで見たことのない光でした」
「おい、そっちは壁だ。目を休めろ」
「あ、はい」

 レイは左手に手を当てて、なにやら魔法を掛けている。しかし意味がないようだ。諦めたのか目を閉じて自然回復するのを待っている。

 そんなに魔力があるのか、だが、生まれてすぐに一度魔力切れになっている。そこまで動いたつもりはない。どういう事だ?

「おい、魔力は成長とともに増えたりするのか?」
「は、はい、成長していくと体力がつくように、魔力もついていきます」

 なるほど、俺は成長しているのか。ククク、ながらく大人をやっていたもんだから忘れていたぜ、子供は成長するんだったな。

「それと魔力の強さは精神力の強さでもあります」
「ほう、つまり俺の精神力が尋常ではないと?」
「尋常ではない、どころではないというか······比べるものがない程に強い光だったので」

 その言葉を聞き。ふと疑問が浮かぶ。

「俺は魔王より強いのか?」
「すみません、魔王様の魔力総量は見たことがないのでなんとも言えません」
「魔王にこの石を持たせてみるか」
「そんな失礼なことをしたら殺されてしまいますよ」
「ちぃ、比べる定規がねぇとどんなものがイマイチ実感がわかねぇ」
「魔王様を定規代わりに使わないでください」


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