現代最強は楽しいハンバーガーに転生しました

黒木シロウ

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三章『ギア編』

第193話 セギュラ・バーミリオン2

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「私の親衛隊をか」
「そうだ、どのみち負けたら正式に俺の傘下に加わるんだ、いいだろう?」


 夜のうちに、俺はレイから、他の絶者候補に仕えている親衛隊の情報を聞いていた。

 セギュラの親衛隊は小龍(ワイバーン)部隊だ。
 小龍(ワイバーン)の強さも聞いた。Sクラスの門番にして群れればSクラスの中位はくだらないとされる龍どもだ。

 それをセギュラは30頭従えている。

 親衛隊のレベルの違いに(こっちは洗脳した捕虜だ)、最初は文句を言おうと思ったが、奪っちまえばいいとキラーの体を手に入れた時に閃いた。

「わかった、ギアが私に勝ったら小龍(ワイバーン)部隊も譲ろう。これでいいか?」
「ああ、もちろんだ」

 さ、お膳立ては整った。
 俺はレイに目配せする。審判はレイの仕事だ。

 レイは慌てて声を張り上げた。

「で、では! ギアとセギュラの決闘を開始します! 勝利条件は相手に負けを認めさせるか、相手を殺害するか、あとは白線の外に追いやった場合も負けとみなします! よろしいですね!」
「分かった」
「おう、早くゴング鳴らせ」
「はい!」

 レイは銅鑼を叩く、試合開始だ。

「行くぞ!」

 そう言うとセギュラは駆け出す。俺との距離をどんどん詰めてくる。

 セギュラの武器は大剣だ。あれで切られたら人間なら真っ二つだ。

 俺は動かずにセギュラを待つ、その様子にセギュラは一瞬目を大きくしたがすぐに表情を戻す。大剣を振り上げて俺をなで斬りにする。

 人間なら真っ二つ。人間ならな。

「ククク、この体は最高だな」
「浅かったか!」

 俺のボディには全く傷がついていない。
 キラーの耐久力についてはポラニアから説明を受けている。

 もちろん、もっと力を込められたり、何度も斬りつけられればどこかしらが壊れるし、いずれ斬られる。

 耐久テストはこれくらいにして、次は攻撃だ。

 俺は右腕をセギュラに向ける(さらに左手で右腕を支える)。これは発射台の構えだ。

 魔力を絞るイメージ(これは夜のうちにレイから教わった魔力操作方法だ)。

 手のひらから魔力を発射する。

「火(ファイヤー)の玉(ボール)」

 右手の手のひらから、大砲から発射された弾のような勢いで火球が発射される。大きさも威力も絞れている、成功だ。

 セギュラはどうでる。俺はセギュラの様子を観察する、避けるか? それとも迎撃か?

「あ?」

 俺の予想は外れる、セギュラは避けなかった。火球はセギュラに直撃、瞬く間に火に包まれる。

「ふん、拍子抜けだな」

 俺は振り返り、審判をしているレイを見る、試合終了の宣言をしろと言おうとして、後ろからの声に振り返る。

「ギア、一つ教えてやろう」
「なんで燃えてねぇ」

 セギュラはその場で同じポーズのまま微動だにしていない。火は消えている。

「私は龍の血を引く者、龍人(ドラゴニュート)のセギュラ・バーミリオン。私の先祖は火を司る龍だった。火で私は殺せない」


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