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三章『ギア編』
第202話 なかなかの眺めじゃねぇか
しおりを挟む建設開始から3年。施設が完成した。
できたのは魔鉱石の加工工場。この施設は地下で『犬小屋』に繋がっている、トロッコから直に魔鉱石が届くように設計されている(このトンネルを掘る作業が難航した)。
その工場の隣に作ったのが大規模実験場(外から見れば一つの建物に見える)、工場で加工した魔石を直に送り研究することが可能だ。
この研究施設の完成と同時にポラニアのラボもここに移動した。
施設はそれだけじゃねぇが細々したことなのでここでは割愛する。
「これで本格的に研究ができるポメ」
「時間がかかっちまったな」
「······これだけでも10年かかる予定だったポメよ」
「設計しながら建設させたのが正解だったな(日本じゃ有り得ねぇ事だ)」
「お陰で歪な工場になったポメ」
「機能性は極めてるだろうが」
「ギアは無骨なデザインが好きポメね」
「ああ、無駄な塗装はいらねぇ」
「でもロマンは欲しいポメ」
ポラニアはそういうとキラープロトタイプ(修理した)を操作して酒を持ってこさせた。
「酒、飲めるのか?」
「こういうときくらいだけポメ」
「ふうん、まあ、明日魔王に見せるまでは工場も動かせねぇしな」
その発言を受けてレイが手を合わせて嬉しそうに言った。
「じゃあ宴を開きましょうよ!」
「打ち上げか」
そういや打ち上げには行ったことがねぇな。
「そうです! 生き残った魔物たちや絶者候補も集めて大々的にやりましょうよ!」
「わかった」
「ギアの気持ちも分かりますよ、次の仕事がしたいんですよね? でもこういう時くらいは······え?」
手をオーバーに動かして饒舌に語っていたレイの動きが止まる。
「いいんだすか?」
「何訛ってんだよ、わかったっつったろうが、やるなら魔王に発表するまでだ、早くしろ」
「わーい! わーい! 魔物の皆に言ってきますね!」
「なら僕はメアリーとセギュラに声をかけてくるポメ」
そういうと2人は足早に去っていった。
レイの奴は魔物どもとすっかり仲良くなったな。
工場前で一人残された俺は新たにできた建物を見上げる。
「なかなかの眺めじゃねぇか」
魔王城と対になるような工場ができあがった。
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