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三章『ギア編』
第252話 スターライト7
しおりを挟むそうか、あの時の岩石鬼(ロックオーガ)か、このために右腕を削いでいたんだ。
私はお告げの底知れぬ力に畏怖の念を抱きつつも冷静に対処する。
「非戦闘民は速やかに脱出を!」
幸い、私のところに飛ばされてきた岩石鬼(ロックオーガ)はあの隻腕の1頭のみだ。これなら他のところのフォローをしつつ脱出ができる。
上空から見下ろすディザスターがため息をこぼした。
「さっそくやられたか、やはり隻腕を頭数に入れるのは間違いだったか。とはいえ建設期のビルディー様によって私の岩石鬼(ロックオーガ)軍団も散り散りにされ戦力が足りない状態・・・・・・わがままも言ってられない、私も行くか」
思い出したように重力が仕事をする。ディザスターは腕を組んだまま直立不動の体制で真下に急速落下する。
岩石鬼(ロックオーガ)の落下時の衝撃とは比べ物にならない規模の揺れが発生する。
ディザスターが落下した箇所にはクレーターができ。爆風で付近にいたスターライトメンバーが吹き飛ばされる。
「大将が来やがった、ブルー、退避しろ!」
「私はまだやれる」
「くっ! おい! メシタキ!」
素早い動きで食堂当番のメシタキが私を抱える。
「は、放して、私が戦わないと被害が」
「子供は逃げるんだ、後のことは大人たちに任せろ!」
「こんな時に子供扱いしないで!」
大人の腕力には適わず私はメシタキに連れていかれる。だが、そう簡単に魔王軍からは逃げられない。
「誰一人として、生かして返すことはできないよ」
ディザスターが跳躍して私たちの目の前に現れる。
「くっ、ちくしょう!」
「メシタキ!」
メシタキは私を後ろに放り投げる。そして腰の剣を抜く。
「そんなにその娘が大事なのか?」
「子供を守るのが大人の役目だ」
「そうか、敬意を表する」
ディザスターは右手をメシタキに向ける。
「だが死ね、超重力(スーパーグラビティ)」
目の前にいたメシタキが潰れる。血飛沫すら飛ばなかった。
「メシタキ!」
「さて次は君の番だ」
ディザスターはメシタキに向けていた手をそのまま私に向ける。
「魔王様のために死ね」
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