現代最強は楽しいハンバーガーに転生しました

黒木シロウ

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三章『ギア編』

第272話 間違っている

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 1週間後、魔王の間。


「星の魔力を得たビルディー様は再び建設期に入り、チョウホウ街を一つの超巨大建築物にしてしまったのです」

 アリスの報告が終わる。
 魔王が目を開ける。

「残ったディザスターの安否は分からぬが、ディザスターならば大丈夫だろう」
「拙者の英断でござるな」

 ブラギリオンは勝手に納得して頷いている。

「魔王様、申し訳こざいません。ギアに戦場を経験させよ、とのご命令。達成できませんでした」

 アリスは深々と頭を下げる。冷や汗をかいて、その顔は青ざめている。

「よい。ギアよ、何にしても、ギアが見たものが戦場だ。どうだった?」

 この部屋にいる全員が俺に視線を向ける。

「俺は浅はかだった」
「ほう、それはどういう意味だ?」

 魔王は興味があるのか、少し身を乗り出す。

「俺のやってきたことなんざ、お遊戯だったってことだ」
「ふむ、我はそうは思わぬがな。どうした? ブラギリオンらの戦いを見て焦りを感じたのか?」
「その通りだ。今の俺じゃ、あの場にいた誰にも勝てねぇだろう」
「そうかもしれぬが、これはギアだけの戦いではないのだぞ? ギアにショックを与えたのはギアの仲間でもあるのだ」
「それじゃダメなんだよ」

 その発言にアリスが殺意をむき出しにした。

「魔王様の意見に口答えするつもりかしら?」
「間違ったことを言った時は訂正してやるのが本当の愛だろうが」
「本当の愛・・・・・・」

 アリスは口ごもる。邪魔しやがって、

「我が間違っていると?」
「間違っている。俺単騎でも勇者を殺せるようにならねぇといけねぇ。王国最強は間違いなく勇者なんだからな」

 絶者が勇者を殺す者なら。勇者は魔王を殺す者だ。
 つまり俺は最強にならねぇといけねぇ。それなのに俺は魔王どころか、その部下の九大天王や、王国の老いぼれにすら勝てやしねぇ。

「分かった。ではどうするのだ? 事実は受け止めねばならぬぞ」
「今の俺にできること、それは」
「それは?」



「仕事だ」
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