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三章『ギア編』
第315話 餞別に言質
しおりを挟むセラが驚いたような声をあげた。
「な、ちょっと待ってくれ! キラーキラーを破壊しろと言うのか!?」
「ああ、そこまで行かれると回収は不可能になる。だから秘密保持のためキラーキラーを破壊する」
「ポラニアの遺品を私に破壊しろと言うのか」
「ああ」
「・・・・・・ッ。分かった、その場合は潔く葬ってやろう」
「損な役回りだが、それがセラの仕事だ」
「分かっている! 私は剣でその剣を振るうのはギアだ!」
セラはそう言って意気込んでいるが、正直セラにキラーキラーを仕留めきれる実力があるかと言われると不安が残るな。
「これを貸してやる。確実に破壊しろ」
「これは・・・・・・Kソード!?」
「プロトタイプだ。前にセラも使いたいと言っていただろ? それにこの剣なら退魔鉱石製のボディーを持つキラーキラーの機体を切り裂くことができる」
「本当にいいのか?」
「ああ、それだけ重要な仕事ということだ。プロトタイプじゃない完成したKソードは俺が持っているしな」
「・・・・・・ありがたく借り受けよう」
俺からKソード・プロトタイプを受け取ったセラは扉の方に歩を進める。そして何かに気づいたのか、振り向いた。
「これも可能性の話だが」
「なんだ?」
「もし仮にだが、王国領土内で勇者と出会ったら」
「・・・・・・あん?」
「倒してしまっていいか?」
俺の目的は勇者を殺すことだ。俺自身が殺さなくても俺の親衛隊が殺せばそれで俺の仕事は達成される。少し前の俺なら俺が倒すと言っていただろうが、今となってはバカな話だ。仲間に仕事を任せられねぇで何が最高の仕事だ。
「構わん、殺せるならな」
「もし勇者を倒せた場合、私が絶者になるがいいのか?」
現時点での絶者は他の絶者候補に勝った俺だ。
だがそれはあくまで仮だ。勇者を殺した者が本当の絶者だ。
俺は絶者になるのが目的じゃねぇ。勇者を殺すのが仕事だ。そして勇者を殺して現実世界に帰って仕事を再開するのが当面の目標だ。
「いいだろう。殺せるもんなら殺してみろ」
「おお! ならば! 勇者を倒した暁には、ギアを婿として貰うぞ!」
「あ? ああ? そんなことをしてなんの意味がある」
「強い者の遺伝子を残す。これ以上の意味が番にあるか?」
「ねぇな。俺は無機物だが、何とかなるのか?」
「何とかさせる! だからいいな!」
「構わねぇが(それが済んでから現実世界に帰ればいいしな)。いつになく興奮してんじゃねぇ」
「あ、ああ、すまない。言質は取ったからな! では行ってくる!」
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