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四章『トマト編』
第325話 パーティ解散
しおりを挟む宿屋に戻った俺たちは丸テーブルを囲んで話し合いを開始する。
「長(にゃが)かった旅も終わってみればあっという間だったにゃー」
「エリノアとジゼルはこのあとどうするんだ?」
「んー、ミーは冒険者だし、また羽振りのいいクエストを受けに行くと思うよ」
「ジゼルは?」
「私はこの旅で手に入れた知識をまとめに家に帰る」
「家か、ここから近いのか?」
「城のすぐ側。王国魔導師は王国から家が支給される」
「そりゃまた高待遇な、あ、ルフレオはその家にいるのか?」
「うん。いると思う」
「そっか、落ち着いたら久しぶりに会いに行こう」
「きっとおじいちゃんも喜ぶ」
2人は自分の生活に戻るのか。
「となると勇者パーティも解散か」
「そうだにゃあ」
「流れゆくもの」
しばらくはレベル上げみたいな感じだし、問題ないか。
「分かった、寂しくなるけどしょうがないな」
こうなることは薄々分かっていたしな。それに死に別れるわけじゃない。皆この王都にいるんだ、いつでも会えるだろう。
「ヒマリは聖騎士になるんだよな」
「はい、書類も記入し終わったので明日の朝には届けに行こうと思ってます」
「善は急げってか」
「はい」
村娘であるヒマリがどこまで行けるかは正直なところ不安だ。だが聖騎士に入った方がいいのは明確だ。
「で、スーは」
「ぶらぶらするの! おかねもたくさんもらったの! これでたくさんたべれるの!」
平常運転か。
「でも国民には自分の正体は絶対に言っちゃダメだからな」
「うん! わかったの!」
最後はアイナだ。
「アイナ、タスレ村に帰らなくて本当に大丈夫か?」
「はい。バーガー様についていくと私は決めてます。・・・・・・バーガー様がよろしければですが」
「よろしいも何もこれからもよろしく頼む」
俺はバンズのクラウン部分を下げてお辞儀する。
「はい! よろしくお願いします!」
アイナは嬉しそうに返事する。
ぶっちゃけアイナが戻るなら俺も帰ってた。
「私からも1ついいですか?」
「なんだ?」
「いまさらですが、冒険者でよかったんですか? 私が決めたみたいになっちゃいましたけど」
「いいんだ、どっちのルートでも俺は強くなれる。むしろ決まったルートでしか強くなれないようでは勇者失格だ。俺の進む道が勇者道なんだ、だから何も問題ない」
「そう言ってもらえると助かります。ああ、冒険者、楽しみです!」
「明日になったら冒険者ギルドに言って登録を済ませよう」
「はい! でも学校も気になるんですけど」
「ああ。タスレ村にはそういう施設はなかったもんな」
大人たちがその役目を果たしていたしな。
俺は親からエセ関西弁を学んだ。
「学校ってどんなところなんですか?」
「色んなことを学ぶところだよ」
「それは楽しそうです! 冒険者と掛け持ちですね」
「ああ、学校で学び休みの日に冒険に出かけるんだ!」
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