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第一話 それでも日常を愛する
しおりを挟む「何度言ったらわかるのだ!」
「日常系アニメが終わるということは、これから彼女たちの百合百合しい日常が見れないんだぞ!しかも、何故が寂しい気持ちになるというか、鬱になるというかなんとも言えない気持ちになる…」
「いや、寂しいとか感じないし鬱になるとかもないからそーゆーのわからん」
そもそも俺、アニメ見ないんだよね。ほんと、最後に観たアニメは3歳の頃にやってたアソ○ソマソだったかなー。てか、俺ニュースの方が面白いと思うんだよねー。世の中の事知れて賢くなった気分になれる。うん、俺頭いい。
「まー、取り敢えず一つぐらい観てみ。マジでおもろいから。」
「美優乃はすごいよなー、色んなアニメ知ってて。歩くアニメ辞書って感じ。」
俺は歩くニュース辞書だけどな。…ニュース辞書ってなんだ?
「そりゃもちろん、小学生の時からアニメ毎日観てますからね。月君はほんっと、ニュースしか観ないよね。」
「月君ってのやめろ。俺は月山だ。てか、もう五時じゃん。早く帰らねーと。」
今日は俺が夕飯当番だから早く買い物済ませて作らないと、あの鬼ばばに殺されちまうぜ。あの鬼ばばを怒らせたら、3日間はご機嫌ななめでみんなに当たり散らすからな。
「そーだね。じゃ、続きはまた明日!」
月君をアニオタに染める日はそう遠くないかもね(・∀・)ニヤニヤ
「そうだな。また明日な…って、明日もアニメについて聞かないといけないのかよ!」
どんだけ俺をアニメオタクとやらにしたいんだよ。まったくよう。
「ナイスノリツッコミ!それじゃ、まったね!
たのしかったよ。」
「お、おう、またなー。ん、今楽しかったって言ったよね、確実にいったよね!」
俺はそう言って美優乃の走りゆく姿に奇妙な感覚を覚えながら、公園をあとにした。なんだろう、なんかモヤモヤした感じが残る。なんというか、美優乃とまだ話していたかったというか、ってそれって恋じゃね。いやでもそんなわけないよね。うん、そうだよきっと。………きっとだよね?
恋なんてしたら俺の平和な日常が崩れてしまう。平和をこよなく愛するこの俺が揺るぐはずはない!
あー、家に帰ってニュース観よ。
(アニメ観るとは一言もいっていない)
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