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三章 夜と霧編
二日酔い
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「朝ですよー、起きてくださーい」
「うるせぇ今日は休む!」
「またそんなこと言って~」
二日酔いで頭がズキズキ痛む。今日は休むって言ったはずなのに、アグネスに叩き起された。まだ瞼が重い。窓から差し込む太陽の光が、さらに頭痛を悪化させた。
放っておいたら、一生ドアを叩き続ける。とりあえずいつものゴスロリに着替え、リボンで髪を括った。ふぁ、眠い。
「いいか、俺は働きたくないんだ!」
「今日は働かなくてもいいですよ」
目をごしごし擦る。あー、これ腫れてないかな。鏡を見ている暇はなかった。ま、どのみち俺は世界一かわいいからたいした問題ではないか。
「まじか! じゃあ今日は――」
「裁判所に呼び出されてます」
「あぁ゛? なんでまた」
いつもの慌てた様子は一切なく、冷静沈着にアグネスは答えた。裁判所ってなんだよ。まさか賄賂ごときで、いちいち文句を言ってくるわけないだろうし。
スカートポケットに手を突っ込んで、入れっぱなしの葉巻の箱を取り出す。アグネスは横目でチラっと確認するように俺のことを見た。なんだよ。やっぱり目、晴れてる?
「ハイネと一緒に」
「あんなのと同じ扱いなんて、俺も落ちたもんだな」
階段を下りて玄関を目指す。葉巻を咥えて、いつも通りに指を鳴らして火をつけた。脳の血管が収縮して、余計に二日酔いが悪化する。うぅ……。
「うるせぇ今日は休む!」
「またそんなこと言って~」
二日酔いで頭がズキズキ痛む。今日は休むって言ったはずなのに、アグネスに叩き起された。まだ瞼が重い。窓から差し込む太陽の光が、さらに頭痛を悪化させた。
放っておいたら、一生ドアを叩き続ける。とりあえずいつものゴスロリに着替え、リボンで髪を括った。ふぁ、眠い。
「いいか、俺は働きたくないんだ!」
「今日は働かなくてもいいですよ」
目をごしごし擦る。あー、これ腫れてないかな。鏡を見ている暇はなかった。ま、どのみち俺は世界一かわいいからたいした問題ではないか。
「まじか! じゃあ今日は――」
「裁判所に呼び出されてます」
「あぁ゛? なんでまた」
いつもの慌てた様子は一切なく、冷静沈着にアグネスは答えた。裁判所ってなんだよ。まさか賄賂ごときで、いちいち文句を言ってくるわけないだろうし。
スカートポケットに手を突っ込んで、入れっぱなしの葉巻の箱を取り出す。アグネスは横目でチラっと確認するように俺のことを見た。なんだよ。やっぱり目、晴れてる?
「ハイネと一緒に」
「あんなのと同じ扱いなんて、俺も落ちたもんだな」
階段を下りて玄関を目指す。葉巻を咥えて、いつも通りに指を鳴らして火をつけた。脳の血管が収縮して、余計に二日酔いが悪化する。うぅ……。
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