ご主人様は愛玩奴隷をわかっていない ~皆から恐れられてるご主人様が私にだけ甘すぎます!~

南田 此仁@書籍発売中

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11~20話

12d、ご主人様は同僚の気持ちをわかっていない

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 帰ってその小さく華奢な身体を抱きしめいい香りのする艶やかな黒髪に鼻を埋めて五感全てでマヤを堪能しーーー

「なぁ、もうすぐ俺らの非番が被ってる日あったろ?」

「……五日後の休みか」

 思考の邪魔をされた事で図らずも不機嫌そうな声が出てしまうが、ウィルドに気にした様子はない。

「そうそう。その日にさ、マヤちゃん誘ってうちに来いよ」

「なんでわざわざ」

 普段こうして一日中顔を突き合わせているというのに、なぜ好き好んで休みの日にまでこいつの顔を見なければならないのか。

「ほら、前からうちの可愛いウルを見に来いって言ってたろ? 絶っ対可愛いから!」

「ああ、ウォーウルフの幼獣だったか?」

「そう! もう本っ当可愛いんだよー! 毛並みなんかふわっふわで一生懸命よちよち歩いちゃって」

「だが……」

「マヤちゃんも好きだと思うなー! 女の子って動物の赤ちゃんとか大好きだし」

「次の休みだったな。呼ばれよう」

「その言葉忘れるなよ! んじゃ、俺はちょっと紛れ込んでた書類第三部隊第三に届けてくるわ」

 強引に約束を取り付けると、ウィルドは書類を一枚ペラリと持って執務室を後にした。


 俺もまた、家で待つマヤに思いを馳せながらペンを持つ手を動かした。

 今日もまた、一秒でも早くマヤの顔を見るため走って帰宅する事だろう。
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