485 / 486
番外編
挿絵記念SS 同僚は勤務日程をわかっていないa
しおりを挟む
仕事から帰宅し部屋で休んでいると、ドアの方から物音が聞こえた。
タンッ……タシタシタシ……ガチャッ
すっかりドアの開け方を覚えたウルが、当然の顔をして入室する。
まるでここを自分の部屋だとでも思っているような澄ました態度が可笑しくて、思わず吹き出しそうになるのをなんとか堪える。
乙女心は繊細だからな。
ソファに座る俺の元まで来ると、ウルは鼻先を俺の脇に突っ込んでグリグリと押し広げ、頭ごとすっぽりと腕に収まって満足そうにこちらを見上げた。
「わふっ!」
「ああ、ただいまウル。今日もいい子にしてたか?」
「フンッ」
『当然のことを聞かないで』とばかりにウルが強く鼻息を吐く。
いやはやまったく、おっしゃる通りで。
ウルは人の言葉を完璧に理解しているらしく、一度ダメだと言われたことはやらないし、無闇に騒いだり暴れたりすることもない。
おかげで手がかからないお利口さんだと、家族や使用人からもかなり可愛がられているようだ。
よしよしと頭を撫でれば、気持ちよさそうにクゥンと甘えた声を出す。
抱き上げるのも苦労するほどでかくなったけれど、まだまだ甘えたい盛りの可愛い女の子だ。
「……わぅ?」
前足を俺の腿の上に置いたウルが、『どうしたの?』とでも言いたげにこちらを窺う。
こういうところは本当に、よく気が付くものだと思う。
お言葉に甘えて、俺は心優しい相棒に愚痴を聞いてもらうことにした。
タンッ……タシタシタシ……ガチャッ
すっかりドアの開け方を覚えたウルが、当然の顔をして入室する。
まるでここを自分の部屋だとでも思っているような澄ました態度が可笑しくて、思わず吹き出しそうになるのをなんとか堪える。
乙女心は繊細だからな。
ソファに座る俺の元まで来ると、ウルは鼻先を俺の脇に突っ込んでグリグリと押し広げ、頭ごとすっぽりと腕に収まって満足そうにこちらを見上げた。
「わふっ!」
「ああ、ただいまウル。今日もいい子にしてたか?」
「フンッ」
『当然のことを聞かないで』とばかりにウルが強く鼻息を吐く。
いやはやまったく、おっしゃる通りで。
ウルは人の言葉を完璧に理解しているらしく、一度ダメだと言われたことはやらないし、無闇に騒いだり暴れたりすることもない。
おかげで手がかからないお利口さんだと、家族や使用人からもかなり可愛がられているようだ。
よしよしと頭を撫でれば、気持ちよさそうにクゥンと甘えた声を出す。
抱き上げるのも苦労するほどでかくなったけれど、まだまだ甘えたい盛りの可愛い女の子だ。
「……わぅ?」
前足を俺の腿の上に置いたウルが、『どうしたの?』とでも言いたげにこちらを窺う。
こういうところは本当に、よく気が付くものだと思う。
お言葉に甘えて、俺は心優しい相棒に愚痴を聞いてもらうことにした。
12
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた
狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている
いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった
そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた
しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた
当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった
この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
魔性の大公の甘く淫らな執愛の檻に囚われて
アマイ
恋愛
優れた癒しの力を持つ家系に生まれながら、伯爵家当主であるクロエにはその力が発現しなかった。しかし血筋を絶やしたくない皇帝の意向により、クロエは早急に後継を作らねばならなくなった。相手を求め渋々参加した夜会で、クロエは謎めいた美貌の男・ルアと出会う。
二人は契約を交わし、割り切った体の関係を結ぶのだが――
次期騎士団長の秘密を知ってしまったら、迫られ捕まってしまいました
Karamimi
恋愛
侯爵令嬢で貴族学院2年のルミナスは、元騎士団長だった父親を8歳の時に魔物討伐で亡くした。一家の大黒柱だった父を亡くしたことで、次期騎士団長と期待されていた兄は騎士団を辞め、12歳という若さで侯爵を継いだ。
そんな兄を支えていたルミナスは、ある日貴族学院3年、公爵令息カルロスの意外な姿を見てしまった。学院卒院後は騎士団長になる事も決まっているうえ、容姿端麗で勉学、武術も優れているまさに完璧公爵令息の彼とはあまりにも違う姿に、笑いが止まらない。
お兄様の夢だった騎士団長の座を奪ったと、一方的にカルロスを嫌っていたルミナスだが、さすがにこの秘密は墓場まで持って行こう。そう決めていたのだが、翌日カルロスに捕まり、鼻息荒く迫って来る姿にドン引きのルミナス。
挙句の果てに“ルミタン”だなんて呼ぶ始末。もうあの男に関わるのはやめよう、そう思っていたのに…
意地っ張りで素直になれない令嬢、ルミナスと、ちょっと気持ち悪いがルミナスを誰よりも愛している次期騎士団長、カルロスが幸せになるまでのお話しです。
よろしくお願いしますm(__)m
女の子がほとんど産まれない国に転生しました。
さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。
100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳
そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。
当面は2日に1話更新予定!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる