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11~20話
真紅の果実【上】
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「チェリア、本気か?」
私との食事が『ご褒美』……。
これはやっぱり、ルークにアプローチされているのだろうか。
歳はたしか十八と言っていたから、私の二つ下だ。明るく好青年で人当たりのいいルークは第六部隊でも可愛がられているし、間違いなく女性にもモテるだろう。
そんな将来有望な騎士のハートを射止めてしまうとは……まったく私も罪な女である。
思わずニヤリと顔が緩む。
「おい、なに笑ってんだ? まさかルークとの食事が楽しみなのか……!? おいっ!?」
――そしてこれにより、私を一切淑女扱いしない同僚たちの感性がおかしいということが証明された。
やれ人を取り扱い危険物だ、珍獣だ、と!
見る人が見れば、こうしてちゃーんと私の魅力に気付くのだ!
「チェリアちゃーん!」
野太い声に呼ばれて振り返ると、少し離れた場所で訓練中の騎士の一人が、重石を持った手を振っていた。
「なあ、剣術大会に優勝したら、一日デートしてくれんだってー!?」
「えっ!?」
「俺、本気で頑張っからよー! 応援しててくれなー!」
「こんな奴より俺のが強ぇから、俺を応援したほうがいいぞー!」
「優勝したら二人で呑みに行こーぜー! うまい酒出すとこ知ってんだー!」
「俺もカミさんさえいなきゃなーっ」
「えっ? えっ?」
一瞬のうちに尾ひれが付いてもはや初耳レベルの約束を、いつの間にやら騎士の全員と交わしたことになっているらしい。
しかも大声で話すものだから、それを聞いた周囲の騎士たちまでも続々と意欲的な反応を示している。
そんな……、そんなことって……。
まさか私が――――こんなにモテていたなんて!
なによ、みんな見る目あるじゃない!
「おまえら、訓練に集中しろ!!!」
不機嫌そうなディノが吠えるように一喝すると、騎士たちはぶぅぶぅ言いながらも各々の訓練に戻っていった。
私との食事が『ご褒美』……。
これはやっぱり、ルークにアプローチされているのだろうか。
歳はたしか十八と言っていたから、私の二つ下だ。明るく好青年で人当たりのいいルークは第六部隊でも可愛がられているし、間違いなく女性にもモテるだろう。
そんな将来有望な騎士のハートを射止めてしまうとは……まったく私も罪な女である。
思わずニヤリと顔が緩む。
「おい、なに笑ってんだ? まさかルークとの食事が楽しみなのか……!? おいっ!?」
――そしてこれにより、私を一切淑女扱いしない同僚たちの感性がおかしいということが証明された。
やれ人を取り扱い危険物だ、珍獣だ、と!
見る人が見れば、こうしてちゃーんと私の魅力に気付くのだ!
「チェリアちゃーん!」
野太い声に呼ばれて振り返ると、少し離れた場所で訓練中の騎士の一人が、重石を持った手を振っていた。
「なあ、剣術大会に優勝したら、一日デートしてくれんだってー!?」
「えっ!?」
「俺、本気で頑張っからよー! 応援しててくれなー!」
「こんな奴より俺のが強ぇから、俺を応援したほうがいいぞー!」
「優勝したら二人で呑みに行こーぜー! うまい酒出すとこ知ってんだー!」
「俺もカミさんさえいなきゃなーっ」
「えっ? えっ?」
一瞬のうちに尾ひれが付いてもはや初耳レベルの約束を、いつの間にやら騎士の全員と交わしたことになっているらしい。
しかも大声で話すものだから、それを聞いた周囲の騎士たちまでも続々と意欲的な反応を示している。
そんな……、そんなことって……。
まさか私が――――こんなにモテていたなんて!
なによ、みんな見る目あるじゃない!
「おまえら、訓練に集中しろ!!!」
不機嫌そうなディノが吠えるように一喝すると、騎士たちはぶぅぶぅ言いながらも各々の訓練に戻っていった。
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