不能だと噂の騎士隊長が『可能』なことを私だけが知っている(※のぞきは犯罪です)

南田 此仁

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1~10話

壁の向こうで【下】 ※

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「はっ……、はぁっ……」

 逃がしようのない熱を吐き出す自分の呼吸だけが聞こえる。
 今日のヨルグの行為はいつも以上に白熱している様子だ。

 ハンカチを顔に載せて仰向けにベッドに倒れ込んだヨルグの、下半身だけが座った姿勢のままこちらに向いている。

 寝そべった身体の上では、屹立した雄芯が真っ直ぐに天を指していた。

「あんなに強く……っはぁ、痛くないのかしら……」

 いつもパンの袋を受け取る大きな手のひらが、雄芯を強く握り込んで上下にしごく。
 先端から溢れる汁をすくい取って、塗りつけて。

 ヨルグの大きな手のひらに握り込まれても、雄芯は全長の半分近くが露出している。
 私の手だったら、きっと両手で握ろうとすべてを包み込むことはできないのだろう。

 口づけられ、見つめられ、一番近くにいられるが羨ましい。
 まさか人生で『ハンカチになりたい』と思う日が来ようとは。


 ――実のところ、一番近くで行為を見ているという点だけであれば、私もいい勝負なのだ。

 通りを挟み、壁を隔てた向こうにいるヨルグの姿が、まるで同じ室内にでもいるかのようにに見える。
 最初の頃は壁を透視できるだけで、見える位置そのものは通りの向こうのままだったのに。

 こんなこと誰にも相談できないので推測でしかないけれど、どうやら『もっとよく見たい』と毎晩必死に目を凝らすうち、透視能力そのものが鍛えられていったようなのだ。
 まさか下心を原動力に能力がアップしたなんて、自分でも信じたくはないのだけれど……。


 目の前にそびえ立つ雄芯、緩く開かれた脚。
 ヨルグの腰が、自ら動きたいとばかりにグッ、グッ、と小刻みに跳ねる。

 手の動きが早く、大きくなっていく。
 自身の手に打ち付けるかのように強く腰が跳ねたかと思えば、下方の膨らみがぎゅっと持ち上がり、高らかに白濁が打ち上げられた。

「あっ――!」

 汚れてしまうと思ったのか、もったいないと思ったのか。
 ヨルグの精に思わず手を伸ばせば、コツリと窓ガラスに爪先が当たった。

「あ……」

 ぺたりと、冷たい窓ガラスに手を触れる。

 どんなに間近に見ていても、届かない距離。
 現実に引き戻される瞬間。

 上体を白濁で汚したヨルグは、取り残された私に気付くはずもなく寝室を出ていった。
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