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1~10話
9c、おしまい、れふか……?
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「ばれてしまっては仕方ない……。おっしゃる通り、私はあの日、甲冑の香りをそれはそれは楽しく拝嗅していました。許可なく大事な甲冑に触れたことについては申し訳ありませんでした」
「反省しているのならいい」
「……しかしながら、私に非があるにしたって先ほどの発言は看過できません! この汗は厳しい鍛錬によって生み出された努力の結晶、たゆまぬ精励の証なんです! 例え旦那様ご自身であっても、汗を貶めるようなことを言ってはなりません!」
「あ、ああ……、すまなかった……?」
「それにそもそも旦那様はおっさんなんかじゃありません! おっさんっていうのはうちのお父様みたいな、色気もへったくれもない中年男性のことを言うんです!」
『ぶぇっくしょい!』
『あらあなた、お風邪ですか?』
『いやぁ、不意に鼻がムズムズしてね。身体はこの通りピンピンしてるよ』
『そうですか、お元気なのでしたら結構。今すぐタオルをお持ちになって、盛大に唾を吹きかけられたわたくしの顔を拭いていただけますわね?』
『ご、ごめんよハニー……』
言いたいことを言って気が済むと、フンッと鼻息を吐いてグレニスの胸に鼻を埋めなおした。
「……なあ」
「なんれふか」
「甲冑に触れた理由もわかったことだし、もうコレを続ける意味はないんじゃないか」
そう言いながら、抱きしめる手でポンポンと私の背を叩く。
「反省しているのならいい」
「……しかしながら、私に非があるにしたって先ほどの発言は看過できません! この汗は厳しい鍛錬によって生み出された努力の結晶、たゆまぬ精励の証なんです! 例え旦那様ご自身であっても、汗を貶めるようなことを言ってはなりません!」
「あ、ああ……、すまなかった……?」
「それにそもそも旦那様はおっさんなんかじゃありません! おっさんっていうのはうちのお父様みたいな、色気もへったくれもない中年男性のことを言うんです!」
『ぶぇっくしょい!』
『あらあなた、お風邪ですか?』
『いやぁ、不意に鼻がムズムズしてね。身体はこの通りピンピンしてるよ』
『そうですか、お元気なのでしたら結構。今すぐタオルをお持ちになって、盛大に唾を吹きかけられたわたくしの顔を拭いていただけますわね?』
『ご、ごめんよハニー……』
言いたいことを言って気が済むと、フンッと鼻息を吐いてグレニスの胸に鼻を埋めなおした。
「……なあ」
「なんれふか」
「甲冑に触れた理由もわかったことだし、もうコレを続ける意味はないんじゃないか」
そう言いながら、抱きしめる手でポンポンと私の背を叩く。
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