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11~20話
20c、今日も暑くなりそうだなー
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「リヴェリー、昨日の話だが」
「はなひ……?」
ポンポンとメイドキャップ越しの後頭部を撫でられる。
「水妖日に出かけると約束しただろう」
あ、そういえば。
口付けに意識を全部持っていかれて、すっかり忘れていた。
「どこか行きたい所はあるか?」
「えっと……実は、ドレフはこの前の一着ひか持参ひてなくて」
「新しいドレスを買いに行くか?」
「とんれもない!」
そんな高価なものを買ってもらうなんて!
しかも、買ってもらったところで使用人部屋の狭いクローゼットには入りきらない。
ぶんぶんと首を振れば、谷間に埋めていた鼻先がぐりぐりと左右の胸筋に擦れる。
「簡単なワンピーフならあるのれ、れかける時はいつもそれれ……」
「そうか、なら俺もラフな服装で出かけるとしよう。特に希望がないようなら、観劇なんかはどうだ?」
「はい。いいと思いまふ……っ」
グレニスの硬い手がするりとうなじを撫でおろす。
くすぐったさに、ピクリと身体が跳ねた。
……なんだか、いつもの吸引タイムとは様子が違わないだろうか。
私を抱きしめる左腕は身体が隙間なく密着するほどに力強く、右手は今、感触を楽しむかのように私の頬をふにふにと突ついている。
ふにふに、ふにふに、
何かがおかしい気がする。
グレニスの腰に抱きつき胸に鼻先を埋めたまま、何が違うのだろうと考えを巡らせる。
えーと、抱きしめ合っているのはいつもと同じで……
ふにふに、ふにふに、
「っんもぅ、なんですか」
延々と頬をくすぐられていては考えに集中もできず、ムッとして顔を起こす。
「はなひ……?」
ポンポンとメイドキャップ越しの後頭部を撫でられる。
「水妖日に出かけると約束しただろう」
あ、そういえば。
口付けに意識を全部持っていかれて、すっかり忘れていた。
「どこか行きたい所はあるか?」
「えっと……実は、ドレフはこの前の一着ひか持参ひてなくて」
「新しいドレスを買いに行くか?」
「とんれもない!」
そんな高価なものを買ってもらうなんて!
しかも、買ってもらったところで使用人部屋の狭いクローゼットには入りきらない。
ぶんぶんと首を振れば、谷間に埋めていた鼻先がぐりぐりと左右の胸筋に擦れる。
「簡単なワンピーフならあるのれ、れかける時はいつもそれれ……」
「そうか、なら俺もラフな服装で出かけるとしよう。特に希望がないようなら、観劇なんかはどうだ?」
「はい。いいと思いまふ……っ」
グレニスの硬い手がするりとうなじを撫でおろす。
くすぐったさに、ピクリと身体が跳ねた。
……なんだか、いつもの吸引タイムとは様子が違わないだろうか。
私を抱きしめる左腕は身体が隙間なく密着するほどに力強く、右手は今、感触を楽しむかのように私の頬をふにふにと突ついている。
ふにふに、ふにふに、
何かがおかしい気がする。
グレニスの腰に抱きつき胸に鼻先を埋めたまま、何が違うのだろうと考えを巡らせる。
えーと、抱きしめ合っているのはいつもと同じで……
ふにふに、ふにふに、
「っんもぅ、なんですか」
延々と頬をくすぐられていては考えに集中もできず、ムッとして顔を起こす。
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