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31~40話
35c、そんなの嘘
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「ちょっ、ちょっと待っててね! 今着替えるから!」
その場でタンタンと駆け足するマニーに釣られ、わたわたと焦りながらクローゼットの戸を開ける。
私は今、寝衣のネグリジェ一枚だ。さすがにこのまま出歩くわけにはいくまい。
「んもぅ、着替えてる時間なんてないってば! ガウン羽織れば大丈夫でしょ、ほら!」
マニーは私の背後からクローゼットに手を突っ込むと、ガウンを引っ張り出して寄越した。
使用人棟を出るには、管理人窓口のある廊下を通る必要がある。
しかしこんな時間に正攻法で行っても通してもらえるはずはなく。
「———でね、蝶番が緩んでるみたいで、なんだかドアの調子がおかしい気がして……」
マニーが窓口の前に立ち塞がって管理人と話をしているうちに、こそこそと足元を這って管理人室の前を抜ける。
ドアの蝶番がおかしくなったとすれば、先ほどのマニーの過激な開放によるものだと思うけれど———それはさておき。
管理人から見えない位置まで来ると、そっと立ち上がってドアを抜けた。
その場でタンタンと駆け足するマニーに釣られ、わたわたと焦りながらクローゼットの戸を開ける。
私は今、寝衣のネグリジェ一枚だ。さすがにこのまま出歩くわけにはいくまい。
「んもぅ、着替えてる時間なんてないってば! ガウン羽織れば大丈夫でしょ、ほら!」
マニーは私の背後からクローゼットに手を突っ込むと、ガウンを引っ張り出して寄越した。
使用人棟を出るには、管理人窓口のある廊下を通る必要がある。
しかしこんな時間に正攻法で行っても通してもらえるはずはなく。
「———でね、蝶番が緩んでるみたいで、なんだかドアの調子がおかしい気がして……」
マニーが窓口の前に立ち塞がって管理人と話をしているうちに、こそこそと足元を這って管理人室の前を抜ける。
ドアの蝶番がおかしくなったとすれば、先ほどのマニーの過激な開放によるものだと思うけれど———それはさておき。
管理人から見えない位置まで来ると、そっと立ち上がってドアを抜けた。
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