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31~40話
38b、すんすんすんすん ※
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「ああ、……これでいいか?」
グレニスはボタンの外されたシャツを脱ぐと、ついでとばかりにズボンのベルトも外してベッドの外へ放った。
ごつごつとして逞しい上半身から、少し寛げられたズボンから覗く下腹部まで、均整の取れたグレニスの肉体が部屋の明かりに晒される。
裸の上半身なんて鍛練後に何度も目にしたことがあるのに、今からそういうことをするために脱いだかと思うと叫びだしたいほどの羞恥が襲う。
それ以上見つめているのは耐えられなくて、あぐら座のグレニスの胸にぎゅっとしがみついた。
ぴたりと触れ合った素肌が熱い。
……すんすんすん
「おい、脇に鼻を突っ込むな」
「ろこれも嗅いれいいって言いまひた!」
嗅ぎ放題という言葉に二言はないはずである。
「……そんなところを嗅いで楽しいか?」
「ん、濃い香りがひて好きれふ」
「そうか」
グレニスの手が後頭部をひと撫でして、サイドでゆるくまとめていた髪を解く。
少し癖のある髪が、さらりと背中を滑った。
「俺も好きだぞ。やわらかな髪も、小さく華奢な身体も」
一房すくい上げた髪に、口付けられる気配。
現実だと知らしめるための『告白』はまだ続いているらしい。
たっぷりとグレニスの香りを堪能しながら、幾度となく愛を囁かれ。
夢でさえ味わったことのないほどの幸せが、本当に現実だなんて。
グレニスはボタンの外されたシャツを脱ぐと、ついでとばかりにズボンのベルトも外してベッドの外へ放った。
ごつごつとして逞しい上半身から、少し寛げられたズボンから覗く下腹部まで、均整の取れたグレニスの肉体が部屋の明かりに晒される。
裸の上半身なんて鍛練後に何度も目にしたことがあるのに、今からそういうことをするために脱いだかと思うと叫びだしたいほどの羞恥が襲う。
それ以上見つめているのは耐えられなくて、あぐら座のグレニスの胸にぎゅっとしがみついた。
ぴたりと触れ合った素肌が熱い。
……すんすんすん
「おい、脇に鼻を突っ込むな」
「ろこれも嗅いれいいって言いまひた!」
嗅ぎ放題という言葉に二言はないはずである。
「……そんなところを嗅いで楽しいか?」
「ん、濃い香りがひて好きれふ」
「そうか」
グレニスの手が後頭部をひと撫でして、サイドでゆるくまとめていた髪を解く。
少し癖のある髪が、さらりと背中を滑った。
「俺も好きだぞ。やわらかな髪も、小さく華奢な身体も」
一房すくい上げた髪に、口付けられる気配。
現実だと知らしめるための『告白』はまだ続いているらしい。
たっぷりとグレニスの香りを堪能しながら、幾度となく愛を囁かれ。
夢でさえ味わったことのないほどの幸せが、本当に現実だなんて。
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