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51~60話
52d、またよろしくね
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「私の涙を返して」
「え……?」
「私の涙を返してちょうだい!」
マニーは憤慨しているというのに、先ほどまでの他人行儀な態度が崩れたことにひどくほっとしてしまう。
「ごっ、ごめんなさい。私も本当に知らなくって……」
「リヴが望まない結婚をさせられちゃうって! 酷いことされたり、一生辛い思いをすることになったらどうしようって! 私、ずっとずーっと心配してたんだからね!!?」
「マニー……」
「それがなんなのよ、旦那様の婚約者って! これからここに住むって! ちゃんと両想いで幸せいっぱいじゃないのよ、ばかぁー!!」
ぎゅっと私に抱きついたマニーは、嗚咽の合間に、ばか、ばか、と何度も繰り返した。
「うん、うんっ、ありがとう……っ。たくさん心配かけちゃって、ごめんなさい……!」
「本当よ! わっ、私が一体どれだけ心配したと、思って……っ」
「うん……、っマニー、これからまたよろしくね!」
こんなにも自分のことを思ってくれる親友に恵まれて、私はなんて幸せ者なのだろう。
私からもきつくマニーを抱きしめ返すと、お互いの肩をびっしょりと濡らしながら再会を喜び合った。
「ぐすっ……戻ってきたからには、あの晩旦那様と何があったのかもしっかり聞かせてもらうからね」
「えっ……。シ、ショコラタルトじゃだめかしら……? 人気店のを買ってきたのよ、ほら」
「これはお詫びとして貰っておくわ。それから私の恋にも協力してちょうだい」
「えっ!?」
「え……?」
「私の涙を返してちょうだい!」
マニーは憤慨しているというのに、先ほどまでの他人行儀な態度が崩れたことにひどくほっとしてしまう。
「ごっ、ごめんなさい。私も本当に知らなくって……」
「リヴが望まない結婚をさせられちゃうって! 酷いことされたり、一生辛い思いをすることになったらどうしようって! 私、ずっとずーっと心配してたんだからね!!?」
「マニー……」
「それがなんなのよ、旦那様の婚約者って! これからここに住むって! ちゃんと両想いで幸せいっぱいじゃないのよ、ばかぁー!!」
ぎゅっと私に抱きついたマニーは、嗚咽の合間に、ばか、ばか、と何度も繰り返した。
「うん、うんっ、ありがとう……っ。たくさん心配かけちゃって、ごめんなさい……!」
「本当よ! わっ、私が一体どれだけ心配したと、思って……っ」
「うん……、っマニー、これからまたよろしくね!」
こんなにも自分のことを思ってくれる親友に恵まれて、私はなんて幸せ者なのだろう。
私からもきつくマニーを抱きしめ返すと、お互いの肩をびっしょりと濡らしながら再会を喜び合った。
「ぐすっ……戻ってきたからには、あの晩旦那様と何があったのかもしっかり聞かせてもらうからね」
「えっ……。シ、ショコラタルトじゃだめかしら……? 人気店のを買ってきたのよ、ほら」
「これはお詫びとして貰っておくわ。それから私の恋にも協力してちょうだい」
「えっ!?」
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