251 / 277
51~60話
60a、楽しみですね
しおりを挟む
「リヴェリー、もう安心していいぞ!」
夕食の席で、唐突に前侯爵様が言った。
「??」
「俺の団長退任の話がなくなったんだ」
ぱちくりと目を瞬く私に、グレニスが補足してくれる。
「じゃあ、スターシュ伯爵の件ではお咎めなしですか?」
「いいや。新人騎士の育成係として、父上が一年間の無償奉仕をすることになった」
「えっ!?」
それは結構大変なことではないだろうか。
前侯爵様は、グレニスの退任を差し止めるために無茶をしたのでは?
驚く私を、前侯爵様がはっはと笑い飛ばす。
「なあに、そう大したことじゃない。ちょっと城に通って、チャッチャとひよっこどもを鍛え上げりゃいいだけだ」
なんでも、元々騎士団を退く際に育成係にと打診があったにも関わらず、振り切るように領地に引っ込んで隠居生活を始めた経緯があるのだとか。
「俺は『半年間』と言ったんだが、陛下との交渉に破れてな……。陛下め、端からこれを狙ってグレニスの退任を保留していたに違いない。どうにも話が早すぎる」
前侯爵様のあんまりな物言いに、聞いているこっちがハラハラしてしまう。
長年騎士団長を務めていたということもあり、国王とは気安い仲のようだ。
夕食の席で、唐突に前侯爵様が言った。
「??」
「俺の団長退任の話がなくなったんだ」
ぱちくりと目を瞬く私に、グレニスが補足してくれる。
「じゃあ、スターシュ伯爵の件ではお咎めなしですか?」
「いいや。新人騎士の育成係として、父上が一年間の無償奉仕をすることになった」
「えっ!?」
それは結構大変なことではないだろうか。
前侯爵様は、グレニスの退任を差し止めるために無茶をしたのでは?
驚く私を、前侯爵様がはっはと笑い飛ばす。
「なあに、そう大したことじゃない。ちょっと城に通って、チャッチャとひよっこどもを鍛え上げりゃいいだけだ」
なんでも、元々騎士団を退く際に育成係にと打診があったにも関わらず、振り切るように領地に引っ込んで隠居生活を始めた経緯があるのだとか。
「俺は『半年間』と言ったんだが、陛下との交渉に破れてな……。陛下め、端からこれを狙ってグレニスの退任を保留していたに違いない。どうにも話が早すぎる」
前侯爵様のあんまりな物言いに、聞いているこっちがハラハラしてしまう。
長年騎士団長を務めていたということもあり、国王とは気安い仲のようだ。
応援ありがとうございます!
22
お気に入りに追加
1,243
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる