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61~最終話
エピローグ1a、お楽しみはこれから
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グレニスとともに、賑わう大ホールを後にする。
「いいんですか? 披露宴なのに主役が抜けちゃって」
今私が着ているのは、披露宴のために仕立てたシックな群青色のドレス。
グレニスの瞳と同じ色をしたそれは、スカート部分に散りばめられた宝石の欠片が星のように煌めいて、澄んだ夏の宵———まさに今宵の空を切り取ったかのような美々しい逸品。
グレニスも甲冑から着替え、今は白地に金の装飾の付いた式典用の騎士服を纏っている。
「ああ、あの調子では一晩中飲み明かすだろうからな。あとのことは父上たちに任せておけばいい」
「……お父様、二日酔い大丈夫かしら……」
グレニスに腰を抱かれて歩きながらも、私の足元は少々覚束ない。
嬉しくてつい呑みすぎてしまったようだ。
「リヴも大分呑んでいただろう。歩くのが辛ければ抱いていくが、どうだ?」
「ふふっ、部屋までくらい歩けますよ———っとと」
早速何もない床でつんのめると、ぐいと腰を引き寄せられて元通りの体勢に戻される。
「……ほーら! グレンがいれば大丈夫!」
えへんと胸を張れば、「はいはい」と言う相槌とともにあっさりと横抱きに抱き上げられた。
「いいんですか? 披露宴なのに主役が抜けちゃって」
今私が着ているのは、披露宴のために仕立てたシックな群青色のドレス。
グレニスの瞳と同じ色をしたそれは、スカート部分に散りばめられた宝石の欠片が星のように煌めいて、澄んだ夏の宵———まさに今宵の空を切り取ったかのような美々しい逸品。
グレニスも甲冑から着替え、今は白地に金の装飾の付いた式典用の騎士服を纏っている。
「ああ、あの調子では一晩中飲み明かすだろうからな。あとのことは父上たちに任せておけばいい」
「……お父様、二日酔い大丈夫かしら……」
グレニスに腰を抱かれて歩きながらも、私の足元は少々覚束ない。
嬉しくてつい呑みすぎてしまったようだ。
「リヴも大分呑んでいただろう。歩くのが辛ければ抱いていくが、どうだ?」
「ふふっ、部屋までくらい歩けますよ———っとと」
早速何もない床でつんのめると、ぐいと腰を引き寄せられて元通りの体勢に戻される。
「……ほーら! グレンがいれば大丈夫!」
えへんと胸を張れば、「はいはい」と言う相槌とともにあっさりと横抱きに抱き上げられた。
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