タクシーの行先 全三話

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タクシーの行先 第二話

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主人公:ん?ここはどこだ?あっ!ここは地元の花火大会の会場か!あの頃と何にも変わってないなぁ。
花火大会に好きな子と一緒に行くの憧れてたんだよなぁ。高校ではテニス部に入ってたけど部活が忙しくて、付き合うなんて考えもしなかった。
テニス部のマネージャーの披露宴に出席した時、一緒のテーブルになった後輩たちが、高校当時マネージャーは俺の事好きだったらしいっていうのを聞いて後悔したんだよな。
俺はそういうの本当鈍かったし気付かなかったんだよなぁ。
マネージャーは強引過ぎる位の人がタイプだったみたいで、別の高校のテニス部のやつに猛アタックされて付き合い出して、結局そのまま結婚したって言ってたっけ。
高校の時、マネージャーと付き合ってたら人生違ってたのかなぁ。
んっ??この花火大会のポスター、1989年8月15日夜7時からって書いてある。
今年って2024年だよな…ん?35年前??って今の俺どんなだ?髪は?え?坊主?!おでこにはニキビができてるし、腕がこんがり焼けてる!
えっとこれは夢??高校の頃に戻ったってことか?!
今日って何日なんだ?ポスターがまだ貼ってあるし、やぐらが組んであるし、ちょうちんも飾ってある。あれ?出店が出てるって事は、今日が花火大会当日って事か!
夢でも何でもいいや!夢が覚めるまで、この時代を楽しまなくっちゃ損だよな!早く家に帰って、マネージャーを花火大会に誘ってみるか!


主人公:ただいまーってあれ?声が今よりも高いや。声まで若返るとは驚いた!
まだ昼間だしみんなまだ仕事でいないのか。まぁいいや、早くマネージャーの電話番号調べなきゃ!そういえば机に連絡網が貼ってあったっけ。あっ、あった!(番号を書きとる)これでよし。マネージャーに電話してみるかな、家にいるかなぁ。

主人公:あっ!もしもし。(マネージャーの名字)矢沢さんのお宅ですか?私テニス部員の坂井と申します。(マネージャーの名前)純子さんいらっしゃいますか?」

マネージャー:あっ坂井君、私よ。うちに電話してくるなんて珍しいわね、どうしたの?何かあった?

主人公:あっあのさ、今日って花火大会だよな?誰かと行く約束ってしてる?

マネージャー:あっそれがね、クラスの女の子と行く約束してたんだけど、みんな都合悪くなっちゃって。私一人で行くのもなんだし、行くのやめようと思ってたの。

主人公:え!じゃあさ、俺と一緒に行かないか?イヤか?

マネージャー:え、いいの?行きたい!行くっ!

主人公:そかそか!誘ってみて良かった。じゃあ7時に花火大会の会場の入口で待ってるな。うん、それじゃあまた後でな。

主人公:誘ってみるもんだなー!やった!!楽しみだなー

~第三話へ続く~
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