『一期一会を求めて』(全5話)

③彼の正体

家政婦：
失礼致します。
なつみ様でよろしいでしょうか？
ゆうた様のご依頼によりお迎えに参りました。
あちらに車を用意しておりますのでご案内致します。
…こちらです。どうぞ。
今回なつみ様がゆうた様の食事会に参加されるのは初めて、でしたね。
そんなに緊張なさらなくても大丈夫ですよ。
すでにゆうた様のご友人がお見えですし、なつみ様のお知り合いもいるかもしれませんね。

ゆうた様から、なつみ様はとても綺麗だと聞いておりましたが、
本当にお美しくて驚きました。
今までたくさんの女性を見てきましたが、なつみ様が一番お美しい。

ゆうた様からプレゼントをお預かりしております。
右手側にある大きな紙袋を開けてみて下さい。
食事会にはその衣装を着てきて欲しいとの事ですので
……なつみ様？

寝たみたいね。
ふっ、まさか紙袋から催眠ガスが出るなんて思いもよらないわよね。

《ゆうたへ電話》
｢ゆうた様、準備が整いました。では後ほど。｣

《ゆうたと合流する》
(ゆうたに言っている感じで)目をつぶっているお姿もとてもお美しいですね。
なつみ様の白い肌にこの黒い衣装がとても映えますね、ゆうた様。

…そ、そうですね。
ここへ運んだ時も軽いと思いましたが、
少し衣装がゆるいかもしれませんね。

…あ、はい。分かりました。
ではこれから毎日、なつみ様のお食事は私が用意致します。
ゆうた様のご希望の少しふっくらとするように。