【完結】前世、婚約目前で私を捨てた元カレそっくりな男に「妊娠しないと出られない部屋」への入居を迫ったら溺愛されました

福重ゆら

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13. 私が「密かに愛する彼と繁殖活動を行う部屋」で食べられたいと願った理由※

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 ユークリッド様は蜂蜜のお皿を片手に、ニッコリ笑って言った。

「覚悟は出来ているだろうな? アイデシア」

 え……覚悟?

 ティータイム中、ユークリッド様に体中を舐められる悪戯をされた。
 なのに、ユークリッド様が、自分は食べないなんて言うから、私の意地悪心に火がついて、仕返ししてしまった。
 最初はちょっとだけのつもりだったのに、いつもと違うユークリッド様がすっごく可愛くて……、どんどんエスカレートしてしまったのだ。

 という訳で、もちろん。

 ーーー『覚悟』なんてできていませんよ?!

 どうしようどうしようどうしよう!!!

「……っ」

 私、今、絶対涙目になってる。

「まずは、ここからだな」

 ユークリッド様は、ニッコリ微笑んだまま、私の胸の蕾に蜂蜜を落とす。もう片方の蕾にも、落とす。

「ゆ……ユークリッドさまぁ……」

 なんとも情けない声が出てしまう。

「ああ、アイデシア、とっても美味そうだ」

 ユークリッド様は恍惚とした表情で瞳をギラリと光らせた。
 その美しい顔が嗜虐性たっぷりに歪められる様子に、恐怖を感じているはずなのに、それ以上にお腹の奥が疼く。

 ユークリッド様……?! ちょっと、いや、ものすごく、カッコ良すぎませんか……?!?!

「お預けをくらった分、じっくり味わわせていただくとするか」

「……!」

 そうだ! 私、ピンチだった!
 ユークリッド様に見惚れている場合じゃない!

 思わず両手を握って、口元に寄せた。
 意図せず胸を覆うような状態になった腕は、ちょっぴり震えている。
 すると、ユークリッド様はニッコリ笑って私の両手を取った。

「こら、アイデシア。スイーツを隠してしまっては、ティータイムができないじゃないか」

 私の両腕は、ユークリッド様の両腕で、呆気なく体の両サイドに縫い止められた。

 ーーーもう、ダメだ!

 私は思わずギュッと目を瞑る。

 そして、ユークリッド様の舌が私の胸の蕾を這った。

「……ひぅっ」

 ユークリッド様は蕾の周りを舌でベロリと舐め回しながら、もう片方の蕾を指でクルクルと愛撫し始めた。
 蜂蜜のトロリとした感触のせいで、いつもより強い快感を拾ってしまう。

「ぅあっ……やぁんっ……ぁああんっ」

 先程から既に高まりきっていた私には、すぐに限界が訪れた。
 思わず脚を擦り合わせてしまう。

「ユークリッド様……私、もう、限界です……」

「アイデシア、ダメだ。待望の、俺のティータイムだからな」

 ユークリッド様は顔を上げると、私を見下ろし、舌でペロリと自分の唇を舐めた。
 その美しい顔に浮かぶ妖艶な表情と仕草に、私はゾクゾクしてお腹の奥が更に激しく疼く。

 ピンチなのに! ピンチなのに、……カッコ良すぎますよぉ!!!

 そして、ユークリッド様は私の蕾の尖りを舌で刺激する。

「ぃやああんっ」

 反対側の蕾は、指で摘まれ愛撫される。
 その愛撫の激しさはどんどん増していく。

「ぃやあっ、ひゃあんっ、ぁああんっ」

 とっくに限界を迎えている私の中に、堪えきれない快感が押し寄せる。

「ゆーくりっど、さまっ、も、もうっ、ほんとにっ、ムリ……」

 そう訴えたら、ユークリッド様はなんと唇を離してくれた。

「ユークリッドさま……!」

 そうだ。今までユークリッド様は、私が本気で無理と訴えたらやめてくれていたじゃないか。
 だから今も、私の切羽詰まった様子に気付いてやめてくれたんだ!

 ホッとした気持ちで、ユークリッド様を見上げると。

 ……ユークリッド様は、嗜虐性がたっぷり含まれる表情でニヤリと笑い、私を見下ろしていた。

 え……どうして?

「もう片方も味わわないとな」

 ユークリッド様は、うっとりとした表情でそう言って、自分の指に付いた蜂蜜をペロリと舐めた。
 その美しく妖艶な光景に、また、ゾクゾクゾクッと私のお腹の奥に激しい疼きが走る。

 もう片方なんて、む、む、む、無理です!!!なのに、カッコ良すぎるのも、無理ですぅ!!!

 そして、ユークリッド様は反対側の蕾に吸い付いた。

「ぃやぁああっ」

 ユークリッド様の唇の吸い付きは激しさを増していく。
 そして反対側を指で弾いては、撫でる。

「ぁあっぁああんっひゃああんっ」

 激しい快感に、一気に押し上げられるのを感じた。
 ユークリッド様は蕾に吸い付きながら、舌で尖りを刺激する。反対側は、指で小刻みにはじかれる。
 両方の愛撫がどんどん強く、速く、激しさを増していく。

「ぁああんっゆーくりっど、さまっ、もうっもうっ」

 ユークリッド様は私の蕾を甘噛みし、反対側を摘み上げた。その瞬間。

「やぁあああああぁっ」

 私の頭の中が白く爆ぜた。

 脱力して、はぁ、はぁと息をする。
 視界が涙で滲んでいる。

「アイデシア……」

 ユークリッド様が優しい笑みを浮かべている。
 その表情は慈愛に溢れていて、嗜虐性はすっかりなくなっていた。
 そして、優しいキスをして、抱きしめてくれた。

 ああ、良かった……。今度こそ、いつもの、優しい、ユークリッド様だ。

「ユークリッドさま……」

 私はユークリッド様の背に腕を回す。
 私の息が整うまで、ぎゅっと抱きしめてくれた。
 ユークリッド様、優しい。幸せ。

「アイデシア、落ち着いたか?」

 優しい声音の重低音ボイスで、私に囁く。

「はい……」

 私を気遣ってくれるユークリッド様、本当に優しい。大好き。

 すると、ユークリッド様は再び身を起こした。

 きっと優しい笑みを浮かべているのだろう。
 そう思って見上げると……。

 ユークリッド様の笑顔は、また嗜虐性がたっぷりと含まれるものに戻っていた。
 しかも、再び蜂蜜のお皿を手にしている。何故?!

「えっ?……ユークリッド様?!」

「では、俺のティータイムの続きといこうか」

 そう口にしたユークリッド様の微笑みは、今までよりも一層、美しく凶悪で妖艶で。
 ……私のお腹の奥も一段と疼いた。

 ユークリッド様が笑みを浮かべたまま、蜂蜜を落とす。

 そこは……!

 私の秘部に蜜が落ちる。

「……っ!」

 私の秘部を蜜が伝っていく。

「……ぁあ……」

 一度達したとはいえすっかり蕩けきっている私は、蜜の刺激だけで声が漏れてしまう。

「アイデシア、お前は好物を先に食べるタイプか?」

 そう言って蜂蜜のお皿をテーブルに置く。

「え……?」

「俺はな」

 ユークリッド様は、呆然とする私の脚を持ち上げ、広げていく。

「最後に取っておくタイプだ」

 そう言って、ユークリッド様が、すっかり蕩けきった私の秘部を舐め上げた。

「ひゃああんっ」

「ああ、やはり、ここは本当に美味いな」

 ユークリッド様はそう言って一度顔を上げた。

 私の秘部に視線を落としたまま、私の物より大きく鋭い八重歯を見せて笑う。

 ドラゴンの瞳がギラリと光る。

 たぶん私、今、絶対絶命のピンチなのに、、、カッコ良すぎますよぅ!!!!!

 ーーーああ、このまま、ユークリッド様に食べられてしまうんだろうか。

 お腹の奥の疼きも最高潮だった。

 そして、ユークリッド様の唇がまた私の秘部へと落とされる。
 唇で私の秘部全体を覆い、舌先で秘裂を舐め上げる。
 上に下に、何度も何度も舌が往復する。

「ああっ……ぁんっ……ああんっ……やあんっ」

 私は快感に耐えられず、腰を動かす。
 ユークリッド様が舌を上下させながら、少しずつ私の秘裂を割り開いていく。

「んんっ……くふぅ……」

 ユークリッド様の舌が私の蜜口の周りを這う。
 そして蜜口のナカへ挿し入れ、舌を動かす。

「んんっくぅっふうんっ」

 ユークリッド様の唇が、私の溢れる蜜を吸い上げた。

「んあああっ」

 はぁはぁとどんどん呼吸が荒くなる。
 呼吸を整える間もなく、ユークリッド様の舌が、秘裂の中を通り、上へ上へと移動する。
 ユークリッド様の舌が私の秘芽を探り当てた時。

「ぁああああんっ」

 私の脳内に快楽の波が押し寄せた。
 そのままユークリッド様は、舌で秘芽の愛撫を始める。
 唇でちゅぱちゅぱと吸い上げられ、舌先でコリコリ刺激を与えられ、私は何度も押し寄せる快感の波に目が眩む。

「ぁあんっ、ああんっ、やあんっ」

 そして、ユークリッド様は舌で秘芽を愛撫しながら、私の秘部に指を挿し入れた。
 秘芽の表を舌で、裏側をナカから指で刺激される。

「やぁああっ、ぁあああん、いやぁああんっ」

 とんでもない快感に支配され、もう、何度も何度も意識を手放してしまいそうになった。
 そして、より一層激しい快楽の波が押し寄せてくるのを感じた瞬間。

「だめぇっ、きちゃうっ、きちゃうのおおおっ、ゆーくりっど、さまぁっ」

 ユークリッド様が私の秘芽を甘噛みした。

「あああああああああぁっっっ」


 意識が飛んでしまった私の中に、また、叶うはずの無い願い。

 ーーー離れないで。
 行かないで。
 捨てないで。
 私を一人にしないで。
 もう一人は嫌。嫌なの。


 そして、私は深く沈んでいった。


 ***


 大学の自販機の前。
 夢の中の私は言った。

「私、あなたのこと、好きなの」

 彼は目を見開いた。

 ああ、懐かしい。
 確かあれは、初めて話した日から2年半。

 初めて話した日、図書館で同じ席を使わせてもらって、自販機の飲み物でお礼をした。
 彼が選んだのは無糖のストレートティー。私は甘いミルクティー。
 彼は最初、自販機で一番安いミネラルウォーターを選ぼうとするぐらい、とっても優しい人だった。
 その優しさと、繊細で美しい物腰に、私が紅茶を飲み終わる頃にはすっかり恋に落ちていた。

 それからも、図書館でお互い見かけたら隣に座り合ったり、その後自販機に寄ったりして、他愛の無い話をした。
 特に、お互い動物園が好きだって話をした時は、とっても盛り上がった。
 すごくすごく楽しかった。

 でも、大学三年生の後半、就活が始まった頃から、図書館で会わなくなってしまった。

 学内で、たまに彼を見かけたけど。
 遠い距離。わざわざ話しかけに行く仲じゃない。
 まして、女の子といる時は話しかけられる訳がない。

 学部が違うから、二年生からは同じ講義もなくなった。
 連絡先も知らない、共通の知人もいない関係。

 ーーー初恋だった。
 ダメ元で告白しておけばよかったって何度も何度も後悔した。

 だから、偶然、あの自販機で彼に会った時、『今、言わなきゃ』って思ったの。

 夢の中の私が、もう一度言う。

「私、あなたのこと、好きなの」

「……!」

 彼は目を見開き、その後、固まった。

 あ、困らせてる! と咄嗟に思った私は、慌てて謎の言い訳を並べ立てた。

「ごめん! ……突然、こんなこと言って迷惑だよね?……就活が始まってから、図書館でもなかなかであなたに会えなくなって、後悔したの。……ダメ元で私の気持ち、あなたに伝えておけばよかったって、ものすごく後悔して。……だから、これは、ただの自己満足なの! ……だから、あの、伝えられて、満足だから」

「……」

 彼はなおも固まっていた。

 ああ、彼を困らせてしまった。
 きっと、彼は優しいから、私を傷付けない言葉を考えようとして、固まってしまったんだろう。

「ごめんね、本当にごめんね。忘れていいからね? それじゃ!」

 そう言って立ち去ろうとしたら、手を掴まれた。

「待って……!」

 私が振り向くと、彼の顔は真っ赤になっていた。

「あ、うん……」

「……あの、……えーと……」

「……ズバッと言っちゃっても、大丈夫だよ?」

「ううん、あの……」

「元々、ダメだってわかってたから」

「ううん、ええと……待ってね……」

「……うん」

 彼は真っ赤になったまま、黙り込んでしまった。

 そして、少し経った後、彼は意を決したように、口を開いた。

「……僕さ、君と一緒に、動物園に行きたい」

 その瞬間、私の瞳には涙が込み上げてしまって。
 涙で彼の顔が見えないまま、こくんと頷いた。


 ーーーねぇ、悠くん。悠くんは、あの時さ、どんな顔してたの?
 もしかしてさ、何かを我慢してる時の顔、だったんじゃない?
 だってさ、悠くんが大学でよく一緒にいた女の子、スレンダーで美人で、悠くんが好きになった私の会社の後輩と、よく似てたことを思い出したの。
 本当はあの子のことを好きだったのに、私が告白したせいで、優しい悠くんは私の告白を断れなくなったんじゃない?

 私が好きになって、告白したせいで、あんなにも長い間、悠くんの自由を奪って、束縛して、ごめんね。

 私は、悠くんに、本当に、酷いことした。

 だからね、私。
 ーーー今度こそ、絶対、間違えないって決めたの。


 夢の中の風景が研究所に変わる。
 研究室に向かう途中の廊下。

 夢の中の私は言う。

「……ユークリッド様。今度、一緒に観覧しませんか?」

「ああ、もちろんだ。アイデシア、一緒に行こう」

 夢の中で、ユークリッド様は私に、心底幸せそうに微笑む。


 ーーー私は自分の恋心なんかより、大好きな人の自由の方がずっと、ずっと、大事。


 だけど。本当は。ずっと心の奥で叫んでる。

 ーーー離れないで。
 行かないで。
 捨てないで。
 私を一人にしないで。
 もう一人は嫌。嫌なの。

 叶うはずのない願い。


 ーーーああ、そうだ。
 ユークリッド様に、本当に食べてもらうのはどうだろう?
 ユークリッド様の血となり肉となれば、お別れなんかしなくていい。
 ずっとずっと一緒にいられる。一緒に旅にだって行ける。
 ユークリッド様の記憶を消さなきゃいけないかも、なんて考えなくたっていい。
 ドラゴン型のユークリッド様なら、ヒト型の私なんて、きっと一口だよね。

 ……でも私のそんなお願い、優しいユークリッド様が聞いてくれる訳ないか。
 ああ、なんて、バカな、私……。


 ***


 そして、私の意識がゆっくりと浮上していくのを感じた。
 目覚めた私が、あんなことになっているとも知らずに。
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