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13. 私が「密かに愛する彼と繁殖活動を行う部屋」で食べられたいと願った理由※
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ユークリッド様は蜂蜜のお皿を片手に、ニッコリ笑って言った。
「覚悟は出来ているだろうな? アイデシア」
え……覚悟?
ティータイム中、ユークリッド様に体中を舐められる悪戯をされた。
なのに、ユークリッド様が、自分は食べないなんて言うから、私の意地悪心に火がついて、仕返ししてしまった。
最初はちょっとだけのつもりだったのに、いつもと違うユークリッド様がすっごく可愛くて……、どんどんエスカレートしてしまったのだ。
という訳で、もちろん。
ーーー『覚悟』なんてできていませんよ?!
どうしようどうしようどうしよう!!!
「……っ」
私、今、絶対涙目になってる。
「まずは、ここからだな」
ユークリッド様は、ニッコリ微笑んだまま、私の胸の蕾に蜂蜜を落とす。もう片方の蕾にも、落とす。
「ゆ……ユークリッドさまぁ……」
なんとも情けない声が出てしまう。
「ああ、アイデシア、とっても美味そうだ」
ユークリッド様は恍惚とした表情で瞳をギラリと光らせた。
その美しい顔が嗜虐性たっぷりに歪められる様子に、恐怖を感じているはずなのに、それ以上にお腹の奥が疼く。
ユークリッド様……?! ちょっと、いや、ものすごく、カッコ良すぎませんか……?!?!
「お預けをくらった分、じっくり味わわせていただくとするか」
「……!」
そうだ! 私、ピンチだった!
ユークリッド様に見惚れている場合じゃない!
思わず両手を握って、口元に寄せた。
意図せず胸を覆うような状態になった腕は、ちょっぴり震えている。
すると、ユークリッド様はニッコリ笑って私の両手を取った。
「こら、アイデシア。スイーツを隠してしまっては、ティータイムができないじゃないか」
私の両腕は、ユークリッド様の両腕で、呆気なく体の両サイドに縫い止められた。
ーーーもう、ダメだ!
私は思わずギュッと目を瞑る。
そして、ユークリッド様の舌が私の胸の蕾を這った。
「……ひぅっ」
ユークリッド様は蕾の周りを舌でベロリと舐め回しながら、もう片方の蕾を指でクルクルと愛撫し始めた。
蜂蜜のトロリとした感触のせいで、いつもより強い快感を拾ってしまう。
「ぅあっ……やぁんっ……ぁああんっ」
先程から既に高まりきっていた私には、すぐに限界が訪れた。
思わず脚を擦り合わせてしまう。
「ユークリッド様……私、もう、限界です……」
「アイデシア、ダメだ。待望の、俺のティータイムだからな」
ユークリッド様は顔を上げると、私を見下ろし、舌でペロリと自分の唇を舐めた。
その美しい顔に浮かぶ妖艶な表情と仕草に、私はゾクゾクしてお腹の奥が更に激しく疼く。
ピンチなのに! ピンチなのに、……カッコ良すぎますよぉ!!!
そして、ユークリッド様は私の蕾の尖りを舌で刺激する。
「ぃやああんっ」
反対側の蕾は、指で摘まれ愛撫される。
その愛撫の激しさはどんどん増していく。
「ぃやあっ、ひゃあんっ、ぁああんっ」
とっくに限界を迎えている私の中に、堪えきれない快感が押し寄せる。
「ゆーくりっど、さまっ、も、もうっ、ほんとにっ、ムリ……」
そう訴えたら、ユークリッド様はなんと唇を離してくれた。
「ユークリッドさま……!」
そうだ。今までユークリッド様は、私が本気で無理と訴えたらやめてくれていたじゃないか。
だから今も、私の切羽詰まった様子に気付いてやめてくれたんだ!
ホッとした気持ちで、ユークリッド様を見上げると。
……ユークリッド様は、嗜虐性がたっぷり含まれる表情でニヤリと笑い、私を見下ろしていた。
え……どうして?
「もう片方も味わわないとな」
ユークリッド様は、うっとりとした表情でそう言って、自分の指に付いた蜂蜜をペロリと舐めた。
その美しく妖艶な光景に、また、ゾクゾクゾクッと私のお腹の奥に激しい疼きが走る。
もう片方なんて、む、む、む、無理です!!!なのに、カッコ良すぎるのも、無理ですぅ!!!
そして、ユークリッド様は反対側の蕾に吸い付いた。
「ぃやぁああっ」
ユークリッド様の唇の吸い付きは激しさを増していく。
そして反対側を指で弾いては、撫でる。
「ぁあっぁああんっひゃああんっ」
激しい快感に、一気に押し上げられるのを感じた。
ユークリッド様は蕾に吸い付きながら、舌で尖りを刺激する。反対側は、指で小刻みにはじかれる。
両方の愛撫がどんどん強く、速く、激しさを増していく。
「ぁああんっゆーくりっど、さまっ、もうっもうっ」
ユークリッド様は私の蕾を甘噛みし、反対側を摘み上げた。その瞬間。
「やぁあああああぁっ」
私の頭の中が白く爆ぜた。
脱力して、はぁ、はぁと息をする。
視界が涙で滲んでいる。
「アイデシア……」
ユークリッド様が優しい笑みを浮かべている。
その表情は慈愛に溢れていて、嗜虐性はすっかりなくなっていた。
そして、優しいキスをして、抱きしめてくれた。
ああ、良かった……。今度こそ、いつもの、優しい、ユークリッド様だ。
「ユークリッドさま……」
私はユークリッド様の背に腕を回す。
私の息が整うまで、ぎゅっと抱きしめてくれた。
ユークリッド様、優しい。幸せ。
「アイデシア、落ち着いたか?」
優しい声音の重低音ボイスで、私に囁く。
「はい……」
私を気遣ってくれるユークリッド様、本当に優しい。大好き。
すると、ユークリッド様は再び身を起こした。
きっと優しい笑みを浮かべているのだろう。
そう思って見上げると……。
ユークリッド様の笑顔は、また嗜虐性がたっぷりと含まれるものに戻っていた。
しかも、再び蜂蜜のお皿を手にしている。何故?!
「えっ?……ユークリッド様?!」
「では、俺のティータイムの続きといこうか」
そう口にしたユークリッド様の微笑みは、今までよりも一層、美しく凶悪で妖艶で。
……私のお腹の奥も一段と疼いた。
ユークリッド様が笑みを浮かべたまま、蜂蜜を落とす。
そこは……!
私の秘部に蜜が落ちる。
「……っ!」
私の秘部を蜜が伝っていく。
「……ぁあ……」
一度達したとはいえすっかり蕩けきっている私は、蜜の刺激だけで声が漏れてしまう。
「アイデシア、お前は好物を先に食べるタイプか?」
そう言って蜂蜜のお皿をテーブルに置く。
「え……?」
「俺はな」
ユークリッド様は、呆然とする私の脚を持ち上げ、広げていく。
「最後に取っておくタイプだ」
そう言って、ユークリッド様が、すっかり蕩けきった私の秘部を舐め上げた。
「ひゃああんっ」
「ああ、やはり、ここは本当に美味いな」
ユークリッド様はそう言って一度顔を上げた。
私の秘部に視線を落としたまま、私の物より大きく鋭い八重歯を見せて笑う。
ドラゴンの瞳がギラリと光る。
たぶん私、今、絶対絶命のピンチなのに、、、カッコ良すぎますよぅ!!!!!
ーーーああ、このまま、ユークリッド様に食べられてしまうんだろうか。
お腹の奥の疼きも最高潮だった。
そして、ユークリッド様の唇がまた私の秘部へと落とされる。
唇で私の秘部全体を覆い、舌先で秘裂を舐め上げる。
上に下に、何度も何度も舌が往復する。
「ああっ……ぁんっ……ああんっ……やあんっ」
私は快感に耐えられず、腰を動かす。
ユークリッド様が舌を上下させながら、少しずつ私の秘裂を割り開いていく。
「んんっ……くふぅ……」
ユークリッド様の舌が私の蜜口の周りを這う。
そして蜜口のナカへ挿し入れ、舌を動かす。
「んんっくぅっふうんっ」
ユークリッド様の唇が、私の溢れる蜜を吸い上げた。
「んあああっ」
はぁはぁとどんどん呼吸が荒くなる。
呼吸を整える間もなく、ユークリッド様の舌が、秘裂の中を通り、上へ上へと移動する。
ユークリッド様の舌が私の秘芽を探り当てた時。
「ぁああああんっ」
私の脳内に快楽の波が押し寄せた。
そのままユークリッド様は、舌で秘芽の愛撫を始める。
唇でちゅぱちゅぱと吸い上げられ、舌先でコリコリ刺激を与えられ、私は何度も押し寄せる快感の波に目が眩む。
「ぁあんっ、ああんっ、やあんっ」
そして、ユークリッド様は舌で秘芽を愛撫しながら、私の秘部に指を挿し入れた。
秘芽の表を舌で、裏側をナカから指で刺激される。
「やぁああっ、ぁあああん、いやぁああんっ」
とんでもない快感に支配され、もう、何度も何度も意識を手放してしまいそうになった。
そして、より一層激しい快楽の波が押し寄せてくるのを感じた瞬間。
「だめぇっ、きちゃうっ、きちゃうのおおおっ、ゆーくりっど、さまぁっ」
ユークリッド様が私の秘芽を甘噛みした。
「あああああああああぁっっっ」
意識が飛んでしまった私の中に、また、叶うはずの無い願い。
ーーー離れないで。
行かないで。
捨てないで。
私を一人にしないで。
もう一人は嫌。嫌なの。
そして、私は深く沈んでいった。
***
大学の自販機の前。
夢の中の私は言った。
「私、あなたのこと、好きなの」
彼は目を見開いた。
ああ、懐かしい。
確かあれは、初めて話した日から2年半。
初めて話した日、図書館で同じ席を使わせてもらって、自販機の飲み物でお礼をした。
彼が選んだのは無糖のストレートティー。私は甘いミルクティー。
彼は最初、自販機で一番安いミネラルウォーターを選ぼうとするぐらい、とっても優しい人だった。
その優しさと、繊細で美しい物腰に、私が紅茶を飲み終わる頃にはすっかり恋に落ちていた。
それからも、図書館でお互い見かけたら隣に座り合ったり、その後自販機に寄ったりして、他愛の無い話をした。
特に、お互い動物園が好きだって話をした時は、とっても盛り上がった。
すごくすごく楽しかった。
でも、大学三年生の後半、就活が始まった頃から、図書館で会わなくなってしまった。
学内で、たまに彼を見かけたけど。
遠い距離。わざわざ話しかけに行く仲じゃない。
まして、女の子といる時は話しかけられる訳がない。
学部が違うから、二年生からは同じ講義もなくなった。
連絡先も知らない、共通の知人もいない関係。
ーーー初恋だった。
ダメ元で告白しておけばよかったって何度も何度も後悔した。
だから、偶然、あの自販機で彼に会った時、『今、言わなきゃ』って思ったの。
夢の中の私が、もう一度言う。
「私、あなたのこと、好きなの」
「……!」
彼は目を見開き、その後、固まった。
あ、困らせてる! と咄嗟に思った私は、慌てて謎の言い訳を並べ立てた。
「ごめん! ……突然、こんなこと言って迷惑だよね?……就活が始まってから、図書館でもなかなかであなたに会えなくなって、後悔したの。……ダメ元で私の気持ち、あなたに伝えておけばよかったって、ものすごく後悔して。……だから、これは、ただの自己満足なの! ……だから、あの、伝えられて、満足だから」
「……」
彼はなおも固まっていた。
ああ、彼を困らせてしまった。
きっと、彼は優しいから、私を傷付けない言葉を考えようとして、固まってしまったんだろう。
「ごめんね、本当にごめんね。忘れていいからね? それじゃ!」
そう言って立ち去ろうとしたら、手を掴まれた。
「待って……!」
私が振り向くと、彼の顔は真っ赤になっていた。
「あ、うん……」
「……あの、……えーと……」
「……ズバッと言っちゃっても、大丈夫だよ?」
「ううん、あの……」
「元々、ダメだってわかってたから」
「ううん、ええと……待ってね……」
「……うん」
彼は真っ赤になったまま、黙り込んでしまった。
そして、少し経った後、彼は意を決したように、口を開いた。
「……僕さ、君と一緒に、動物園に行きたい」
その瞬間、私の瞳には涙が込み上げてしまって。
涙で彼の顔が見えないまま、こくんと頷いた。
ーーーねぇ、悠くん。悠くんは、あの時さ、どんな顔してたの?
もしかしてさ、何かを我慢してる時の顔、だったんじゃない?
だってさ、悠くんが大学でよく一緒にいた女の子、スレンダーで美人で、悠くんが好きになった私の会社の後輩と、よく似てたことを思い出したの。
本当はあの子のことを好きだったのに、私が告白したせいで、優しい悠くんは私の告白を断れなくなったんじゃない?
私が好きになって、告白したせいで、あんなにも長い間、悠くんの自由を奪って、束縛して、ごめんね。
私は、悠くんに、本当に、酷いことした。
だからね、私。
ーーー今度こそ、絶対、間違えないって決めたの。
夢の中の風景が研究所に変わる。
研究室に向かう途中の廊下。
夢の中の私は言う。
「……ユークリッド様。今度、一緒に観覧しませんか?」
「ああ、もちろんだ。アイデシア、一緒に行こう」
夢の中で、ユークリッド様は私に、心底幸せそうに微笑む。
ーーー私は自分の恋心なんかより、大好きな人の自由の方がずっと、ずっと、大事。
だけど。本当は。ずっと心の奥で叫んでる。
ーーー離れないで。
行かないで。
捨てないで。
私を一人にしないで。
もう一人は嫌。嫌なの。
叶うはずのない願い。
ーーーああ、そうだ。
ユークリッド様に、本当に食べてもらうのはどうだろう?
ユークリッド様の血となり肉となれば、お別れなんかしなくていい。
ずっとずっと一緒にいられる。一緒に旅にだって行ける。
ユークリッド様の記憶を消さなきゃいけないかも、なんて考えなくたっていい。
ドラゴン型のユークリッド様なら、ヒト型の私なんて、きっと一口だよね。
……でも私のそんなお願い、優しいユークリッド様が聞いてくれる訳ないか。
ああ、なんて、バカな、私……。
***
そして、私の意識がゆっくりと浮上していくのを感じた。
目覚めた私が、あんなことになっているとも知らずに。
「覚悟は出来ているだろうな? アイデシア」
え……覚悟?
ティータイム中、ユークリッド様に体中を舐められる悪戯をされた。
なのに、ユークリッド様が、自分は食べないなんて言うから、私の意地悪心に火がついて、仕返ししてしまった。
最初はちょっとだけのつもりだったのに、いつもと違うユークリッド様がすっごく可愛くて……、どんどんエスカレートしてしまったのだ。
という訳で、もちろん。
ーーー『覚悟』なんてできていませんよ?!
どうしようどうしようどうしよう!!!
「……っ」
私、今、絶対涙目になってる。
「まずは、ここからだな」
ユークリッド様は、ニッコリ微笑んだまま、私の胸の蕾に蜂蜜を落とす。もう片方の蕾にも、落とす。
「ゆ……ユークリッドさまぁ……」
なんとも情けない声が出てしまう。
「ああ、アイデシア、とっても美味そうだ」
ユークリッド様は恍惚とした表情で瞳をギラリと光らせた。
その美しい顔が嗜虐性たっぷりに歪められる様子に、恐怖を感じているはずなのに、それ以上にお腹の奥が疼く。
ユークリッド様……?! ちょっと、いや、ものすごく、カッコ良すぎませんか……?!?!
「お預けをくらった分、じっくり味わわせていただくとするか」
「……!」
そうだ! 私、ピンチだった!
ユークリッド様に見惚れている場合じゃない!
思わず両手を握って、口元に寄せた。
意図せず胸を覆うような状態になった腕は、ちょっぴり震えている。
すると、ユークリッド様はニッコリ笑って私の両手を取った。
「こら、アイデシア。スイーツを隠してしまっては、ティータイムができないじゃないか」
私の両腕は、ユークリッド様の両腕で、呆気なく体の両サイドに縫い止められた。
ーーーもう、ダメだ!
私は思わずギュッと目を瞑る。
そして、ユークリッド様の舌が私の胸の蕾を這った。
「……ひぅっ」
ユークリッド様は蕾の周りを舌でベロリと舐め回しながら、もう片方の蕾を指でクルクルと愛撫し始めた。
蜂蜜のトロリとした感触のせいで、いつもより強い快感を拾ってしまう。
「ぅあっ……やぁんっ……ぁああんっ」
先程から既に高まりきっていた私には、すぐに限界が訪れた。
思わず脚を擦り合わせてしまう。
「ユークリッド様……私、もう、限界です……」
「アイデシア、ダメだ。待望の、俺のティータイムだからな」
ユークリッド様は顔を上げると、私を見下ろし、舌でペロリと自分の唇を舐めた。
その美しい顔に浮かぶ妖艶な表情と仕草に、私はゾクゾクしてお腹の奥が更に激しく疼く。
ピンチなのに! ピンチなのに、……カッコ良すぎますよぉ!!!
そして、ユークリッド様は私の蕾の尖りを舌で刺激する。
「ぃやああんっ」
反対側の蕾は、指で摘まれ愛撫される。
その愛撫の激しさはどんどん増していく。
「ぃやあっ、ひゃあんっ、ぁああんっ」
とっくに限界を迎えている私の中に、堪えきれない快感が押し寄せる。
「ゆーくりっど、さまっ、も、もうっ、ほんとにっ、ムリ……」
そう訴えたら、ユークリッド様はなんと唇を離してくれた。
「ユークリッドさま……!」
そうだ。今までユークリッド様は、私が本気で無理と訴えたらやめてくれていたじゃないか。
だから今も、私の切羽詰まった様子に気付いてやめてくれたんだ!
ホッとした気持ちで、ユークリッド様を見上げると。
……ユークリッド様は、嗜虐性がたっぷり含まれる表情でニヤリと笑い、私を見下ろしていた。
え……どうして?
「もう片方も味わわないとな」
ユークリッド様は、うっとりとした表情でそう言って、自分の指に付いた蜂蜜をペロリと舐めた。
その美しく妖艶な光景に、また、ゾクゾクゾクッと私のお腹の奥に激しい疼きが走る。
もう片方なんて、む、む、む、無理です!!!なのに、カッコ良すぎるのも、無理ですぅ!!!
そして、ユークリッド様は反対側の蕾に吸い付いた。
「ぃやぁああっ」
ユークリッド様の唇の吸い付きは激しさを増していく。
そして反対側を指で弾いては、撫でる。
「ぁあっぁああんっひゃああんっ」
激しい快感に、一気に押し上げられるのを感じた。
ユークリッド様は蕾に吸い付きながら、舌で尖りを刺激する。反対側は、指で小刻みにはじかれる。
両方の愛撫がどんどん強く、速く、激しさを増していく。
「ぁああんっゆーくりっど、さまっ、もうっもうっ」
ユークリッド様は私の蕾を甘噛みし、反対側を摘み上げた。その瞬間。
「やぁあああああぁっ」
私の頭の中が白く爆ぜた。
脱力して、はぁ、はぁと息をする。
視界が涙で滲んでいる。
「アイデシア……」
ユークリッド様が優しい笑みを浮かべている。
その表情は慈愛に溢れていて、嗜虐性はすっかりなくなっていた。
そして、優しいキスをして、抱きしめてくれた。
ああ、良かった……。今度こそ、いつもの、優しい、ユークリッド様だ。
「ユークリッドさま……」
私はユークリッド様の背に腕を回す。
私の息が整うまで、ぎゅっと抱きしめてくれた。
ユークリッド様、優しい。幸せ。
「アイデシア、落ち着いたか?」
優しい声音の重低音ボイスで、私に囁く。
「はい……」
私を気遣ってくれるユークリッド様、本当に優しい。大好き。
すると、ユークリッド様は再び身を起こした。
きっと優しい笑みを浮かべているのだろう。
そう思って見上げると……。
ユークリッド様の笑顔は、また嗜虐性がたっぷりと含まれるものに戻っていた。
しかも、再び蜂蜜のお皿を手にしている。何故?!
「えっ?……ユークリッド様?!」
「では、俺のティータイムの続きといこうか」
そう口にしたユークリッド様の微笑みは、今までよりも一層、美しく凶悪で妖艶で。
……私のお腹の奥も一段と疼いた。
ユークリッド様が笑みを浮かべたまま、蜂蜜を落とす。
そこは……!
私の秘部に蜜が落ちる。
「……っ!」
私の秘部を蜜が伝っていく。
「……ぁあ……」
一度達したとはいえすっかり蕩けきっている私は、蜜の刺激だけで声が漏れてしまう。
「アイデシア、お前は好物を先に食べるタイプか?」
そう言って蜂蜜のお皿をテーブルに置く。
「え……?」
「俺はな」
ユークリッド様は、呆然とする私の脚を持ち上げ、広げていく。
「最後に取っておくタイプだ」
そう言って、ユークリッド様が、すっかり蕩けきった私の秘部を舐め上げた。
「ひゃああんっ」
「ああ、やはり、ここは本当に美味いな」
ユークリッド様はそう言って一度顔を上げた。
私の秘部に視線を落としたまま、私の物より大きく鋭い八重歯を見せて笑う。
ドラゴンの瞳がギラリと光る。
たぶん私、今、絶対絶命のピンチなのに、、、カッコ良すぎますよぅ!!!!!
ーーーああ、このまま、ユークリッド様に食べられてしまうんだろうか。
お腹の奥の疼きも最高潮だった。
そして、ユークリッド様の唇がまた私の秘部へと落とされる。
唇で私の秘部全体を覆い、舌先で秘裂を舐め上げる。
上に下に、何度も何度も舌が往復する。
「ああっ……ぁんっ……ああんっ……やあんっ」
私は快感に耐えられず、腰を動かす。
ユークリッド様が舌を上下させながら、少しずつ私の秘裂を割り開いていく。
「んんっ……くふぅ……」
ユークリッド様の舌が私の蜜口の周りを這う。
そして蜜口のナカへ挿し入れ、舌を動かす。
「んんっくぅっふうんっ」
ユークリッド様の唇が、私の溢れる蜜を吸い上げた。
「んあああっ」
はぁはぁとどんどん呼吸が荒くなる。
呼吸を整える間もなく、ユークリッド様の舌が、秘裂の中を通り、上へ上へと移動する。
ユークリッド様の舌が私の秘芽を探り当てた時。
「ぁああああんっ」
私の脳内に快楽の波が押し寄せた。
そのままユークリッド様は、舌で秘芽の愛撫を始める。
唇でちゅぱちゅぱと吸い上げられ、舌先でコリコリ刺激を与えられ、私は何度も押し寄せる快感の波に目が眩む。
「ぁあんっ、ああんっ、やあんっ」
そして、ユークリッド様は舌で秘芽を愛撫しながら、私の秘部に指を挿し入れた。
秘芽の表を舌で、裏側をナカから指で刺激される。
「やぁああっ、ぁあああん、いやぁああんっ」
とんでもない快感に支配され、もう、何度も何度も意識を手放してしまいそうになった。
そして、より一層激しい快楽の波が押し寄せてくるのを感じた瞬間。
「だめぇっ、きちゃうっ、きちゃうのおおおっ、ゆーくりっど、さまぁっ」
ユークリッド様が私の秘芽を甘噛みした。
「あああああああああぁっっっ」
意識が飛んでしまった私の中に、また、叶うはずの無い願い。
ーーー離れないで。
行かないで。
捨てないで。
私を一人にしないで。
もう一人は嫌。嫌なの。
そして、私は深く沈んでいった。
***
大学の自販機の前。
夢の中の私は言った。
「私、あなたのこと、好きなの」
彼は目を見開いた。
ああ、懐かしい。
確かあれは、初めて話した日から2年半。
初めて話した日、図書館で同じ席を使わせてもらって、自販機の飲み物でお礼をした。
彼が選んだのは無糖のストレートティー。私は甘いミルクティー。
彼は最初、自販機で一番安いミネラルウォーターを選ぼうとするぐらい、とっても優しい人だった。
その優しさと、繊細で美しい物腰に、私が紅茶を飲み終わる頃にはすっかり恋に落ちていた。
それからも、図書館でお互い見かけたら隣に座り合ったり、その後自販機に寄ったりして、他愛の無い話をした。
特に、お互い動物園が好きだって話をした時は、とっても盛り上がった。
すごくすごく楽しかった。
でも、大学三年生の後半、就活が始まった頃から、図書館で会わなくなってしまった。
学内で、たまに彼を見かけたけど。
遠い距離。わざわざ話しかけに行く仲じゃない。
まして、女の子といる時は話しかけられる訳がない。
学部が違うから、二年生からは同じ講義もなくなった。
連絡先も知らない、共通の知人もいない関係。
ーーー初恋だった。
ダメ元で告白しておけばよかったって何度も何度も後悔した。
だから、偶然、あの自販機で彼に会った時、『今、言わなきゃ』って思ったの。
夢の中の私が、もう一度言う。
「私、あなたのこと、好きなの」
「……!」
彼は目を見開き、その後、固まった。
あ、困らせてる! と咄嗟に思った私は、慌てて謎の言い訳を並べ立てた。
「ごめん! ……突然、こんなこと言って迷惑だよね?……就活が始まってから、図書館でもなかなかであなたに会えなくなって、後悔したの。……ダメ元で私の気持ち、あなたに伝えておけばよかったって、ものすごく後悔して。……だから、これは、ただの自己満足なの! ……だから、あの、伝えられて、満足だから」
「……」
彼はなおも固まっていた。
ああ、彼を困らせてしまった。
きっと、彼は優しいから、私を傷付けない言葉を考えようとして、固まってしまったんだろう。
「ごめんね、本当にごめんね。忘れていいからね? それじゃ!」
そう言って立ち去ろうとしたら、手を掴まれた。
「待って……!」
私が振り向くと、彼の顔は真っ赤になっていた。
「あ、うん……」
「……あの、……えーと……」
「……ズバッと言っちゃっても、大丈夫だよ?」
「ううん、あの……」
「元々、ダメだってわかってたから」
「ううん、ええと……待ってね……」
「……うん」
彼は真っ赤になったまま、黙り込んでしまった。
そして、少し経った後、彼は意を決したように、口を開いた。
「……僕さ、君と一緒に、動物園に行きたい」
その瞬間、私の瞳には涙が込み上げてしまって。
涙で彼の顔が見えないまま、こくんと頷いた。
ーーーねぇ、悠くん。悠くんは、あの時さ、どんな顔してたの?
もしかしてさ、何かを我慢してる時の顔、だったんじゃない?
だってさ、悠くんが大学でよく一緒にいた女の子、スレンダーで美人で、悠くんが好きになった私の会社の後輩と、よく似てたことを思い出したの。
本当はあの子のことを好きだったのに、私が告白したせいで、優しい悠くんは私の告白を断れなくなったんじゃない?
私が好きになって、告白したせいで、あんなにも長い間、悠くんの自由を奪って、束縛して、ごめんね。
私は、悠くんに、本当に、酷いことした。
だからね、私。
ーーー今度こそ、絶対、間違えないって決めたの。
夢の中の風景が研究所に変わる。
研究室に向かう途中の廊下。
夢の中の私は言う。
「……ユークリッド様。今度、一緒に観覧しませんか?」
「ああ、もちろんだ。アイデシア、一緒に行こう」
夢の中で、ユークリッド様は私に、心底幸せそうに微笑む。
ーーー私は自分の恋心なんかより、大好きな人の自由の方がずっと、ずっと、大事。
だけど。本当は。ずっと心の奥で叫んでる。
ーーー離れないで。
行かないで。
捨てないで。
私を一人にしないで。
もう一人は嫌。嫌なの。
叶うはずのない願い。
ーーーああ、そうだ。
ユークリッド様に、本当に食べてもらうのはどうだろう?
ユークリッド様の血となり肉となれば、お別れなんかしなくていい。
ずっとずっと一緒にいられる。一緒に旅にだって行ける。
ユークリッド様の記憶を消さなきゃいけないかも、なんて考えなくたっていい。
ドラゴン型のユークリッド様なら、ヒト型の私なんて、きっと一口だよね。
……でも私のそんなお願い、優しいユークリッド様が聞いてくれる訳ないか。
ああ、なんて、バカな、私……。
***
そして、私の意識がゆっくりと浮上していくのを感じた。
目覚めた私が、あんなことになっているとも知らずに。
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そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
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