20 / 76
第二十筆 アンチストギル梁山泊!
しおりを挟む
強襲、強襲であった。
教祖まるぐりっとに反発し、異世界令嬢教を抜けた龍を刺客が襲う。
書籍化作家のカーミラのエビ餃子とサクリンころもの食べ物コンビ『グラトニーズ』である。
この二人は異世界令嬢教の狂信者。
ストギル系を、異世界恋愛を、令嬢ものを腐す輩に神罰を加えんとする尖兵である。
「ぬぅ……書籍化作家からの作品批評!」
辛辣な批評を浴びた龍。
書籍化という実績を持つ、二人のプロ作家からの直接的な口撃。
ワナビである龍にとっては痛恨の一撃である。
しかし、オリハルコン級のメンタルを持つ龍は負けじと応戦する。
まずは、カーミラのエビ餃子へのリプだ。
ギアドラゴン:ご指摘ありがとうございます。「マジでビックラこきましたわ」は私なりの表現法の一つなのです。読者にクリスティーナが高貴なだけでなく、ちょっとユーモアある女性ということを読者に伝えるためです。
続いて、サクリンころもへリプする。
ギアドラゴン:文体不一致のご指摘どうもです。雑な文章とおっしゃいますが、まるぐりっと先生の文体を意識したのですがダメなのでしょうか。
サクリンころもへのリプだけは、まるぐりっとの当てつけが凄いがここは置いておこう。
この龍のリプに対し、グラトニーズはリプではなく『引用』というツープラトンを見せる。
カーミラのエビ餃子@特別賞「にんにく聖女は吸血鬼に愛される」好評発売中:意図は理解しました。しかし、高貴な言葉遣いと俗っぽい表現のギャップが大きすぎて、読者としてはキャラクターの一貫性に違和感を覚えますよ。
サクリンころも@「天ぷらを極めた悪役令嬢」電子書籍にて配信中!:まるぐりっと先生の文体を「意識」してこの結果ですか? それは驚きですね。もしかして、もう少し「意識」し過ぎない方が良かったかもしれませんね。
「うおうッ!?」
グラトニーズのツープラントンは強烈だった。
的を得ている部分もあり、イラつく部分もあり、龍の筆力を弱めるには十分であった。
「く、くう……なかなかやるじゃないか。でも、俺のライオン令嬢の執筆は止まらないぜ!」
強がる龍。
だが、このツープラトンは相手へダメージを与えるだけではない。
引用することで、異世界令嬢教の狂信者達を呼び寄せる効果もあるのだ。
ラブリーゴブリン:この作者さんのライオン令嬢を読んだけど何これ? ジャンル詐欺じゃん。
ヘカテー@「猛毒令嬢」ストギルで連載中:まるぐりっと先生の作品を意識してコレ……もっと勉強して欲しいよ。
シヴァ婆さん@ウダヨミにて執筆:こいつマジ才能なしw 物語に魅力なしw はよ消せw
「ぐわあああああッ!」
グラトニーズの犬笛により、龍は悪のワナビ達に一斉放火を浴びる。
書籍化を目指す同じワナビなのに、何故憎み、攻撃するのか。
無論、龍が異世界令嬢教を敵に回してしまったことが原因だ。
しかし、心理学の世界でもう少し説明したい。
これは「内集団バイアス」と呼ばれる現象で、自分が属するグループ(内集団)を優遇し、他のグループ(外集団)を不利に扱う傾向のことである。
異世界令嬢教の狂信者達は、教団に対する忠誠心が強い。
それ故に、それを脅かす存在に対しては無慈悲に攻撃してくるのだ。
「う、うぐう……ま、負けてなるものか」
龍は心的ダメージを負った。
執筆だ、とにかく執筆をしてライオン令嬢の続きを書かなければならないと思った。
だが――。
▶感想が書かれました
「か、感想!」
新着通知が入った。
なんと、ライオン令嬢への感想だ。
龍は嫌な予感がした。もしかすると狂信者のよるものではないかと――。
そして、不幸にもその予感は的中してしまう。
――――――
気になる点
第一話から滑ってます。全然面白くありません。
それと、クリスティーナに全く魅力を感じません。
一言
早く目を覚まして下さい。
投稿者: 紅蓮マウザ
――――――
それは強筆敵、マウザからのクソ感想だった。
「マ、マウザ……」
強筆敵と思っていたものからのクソ感想。
マウザは完全に異世界令嬢教に染まっていた。
そこまでなら、龍の心はまだ耐えられよう。
それ以上に辛いことは、強筆敵にクリスティーナを名指しで否定されたことだ。
「ク、クリスティーナ……俺の筆力不足のせいで……ごめん……ごめんよう……」
龍の眼から悲しみの滴、涙が流れた。
自分が異世界令嬢教を敵に回したばかりに、クリスティーナを傷つけてしまった。(架空の自キャラだけど)
その後悔と絶望は、ワナビストの筆を折らせるのに十分であった。
「おおおおおおおおおおんッ!」
とうとう、龍はパソコン前で号泣してしまった。
龍よ、お前はここまでなのか。ここで筆を折ってしまうのか。
ライオン令嬢 (後、ウルフ大将も)をエタらせてしまっていいのか。
そんなとき、龍のSNSに通知が入った。
シュートが強いうまむすこ:@gear_dragon_fight @utunomiyaebi @SAKUSAKU_TEN おいおい、まーた書籍化作家様のダメ出しか? どんな表現しようと作家の自由だろうが。それがWeb小説の良さってもんだろ!
腐ったみかんスミス:@gear_dragon_fight @utunomiyaebi @SAKUSAKU_TEN クソ受けるわw 一発屋どもめw お前ら二人とも「打ち切り」やんけw
ピンクのバッタ:@gear_dragon_fight @utunomiyaebi @SAKUSAKU_TEN 異世界恋愛なんてお子様の恋愛よ。官能小説こそ本当の「愛」よ!
「こ、これは……」
それはフザけた名前のアカウントからのものだった。
また、他にも龍のアカウントに通知が入っていた。
色帯寸止め:@gear_dragon_fight プロ面する作家の言うことなんて無視しなさい。
「あ、あなたは!」
龍はメッセージを見て驚いた。
色帯寸止め、龍が昔投稿していたサイト『セレナーデ』のランキングトップを走っていた剛の者。
また、RPG『ダンジョンオデッセイ』のノベライズを執筆していたプロでもある。
「い、色帯寸止め先生!」
それはまさかの邂逅。
本物のプロ、二次創作のスペシャリストからのものだった。
二次創作出身の龍だけに驚いたが、サプライズはこれだけに留まらなかった。
内モンゴル自治区マン:@gear_dragon_fight ファンアートだ! 受け取れ!
「な、なんとオオオオオッ!」
龍に画像が送りつけられた。
そこには、龍が脳内でイメージしていたクリスティーナが寸分狂わず美しく描かれていた。
「クリスティーナ! これはまさしくクリスティーナだ!」
何故か背景がプロレス会場だが――。
一方、グラトニーズは驚きのポストを投げ込む。
カーミラのエビ餃子@特別賞「にんにく聖女は吸血鬼に愛される」好評発売中:なっ……。
サクリンころも@「天ぷらを極めた悪役令嬢」電子書籍にて配信中!:何ヤツ!
シュートが強いうまむすこ:我ら! 『アンチストギル梁山泊』!
腐ったみかんスミス:腐った書籍化作家の悪事を懲らしめる! 好執筆家の集まりなり!
龍を助けたのは『アンチストギル梁山泊』を名乗る集団であった。
教祖まるぐりっとに反発し、異世界令嬢教を抜けた龍を刺客が襲う。
書籍化作家のカーミラのエビ餃子とサクリンころもの食べ物コンビ『グラトニーズ』である。
この二人は異世界令嬢教の狂信者。
ストギル系を、異世界恋愛を、令嬢ものを腐す輩に神罰を加えんとする尖兵である。
「ぬぅ……書籍化作家からの作品批評!」
辛辣な批評を浴びた龍。
書籍化という実績を持つ、二人のプロ作家からの直接的な口撃。
ワナビである龍にとっては痛恨の一撃である。
しかし、オリハルコン級のメンタルを持つ龍は負けじと応戦する。
まずは、カーミラのエビ餃子へのリプだ。
ギアドラゴン:ご指摘ありがとうございます。「マジでビックラこきましたわ」は私なりの表現法の一つなのです。読者にクリスティーナが高貴なだけでなく、ちょっとユーモアある女性ということを読者に伝えるためです。
続いて、サクリンころもへリプする。
ギアドラゴン:文体不一致のご指摘どうもです。雑な文章とおっしゃいますが、まるぐりっと先生の文体を意識したのですがダメなのでしょうか。
サクリンころもへのリプだけは、まるぐりっとの当てつけが凄いがここは置いておこう。
この龍のリプに対し、グラトニーズはリプではなく『引用』というツープラトンを見せる。
カーミラのエビ餃子@特別賞「にんにく聖女は吸血鬼に愛される」好評発売中:意図は理解しました。しかし、高貴な言葉遣いと俗っぽい表現のギャップが大きすぎて、読者としてはキャラクターの一貫性に違和感を覚えますよ。
サクリンころも@「天ぷらを極めた悪役令嬢」電子書籍にて配信中!:まるぐりっと先生の文体を「意識」してこの結果ですか? それは驚きですね。もしかして、もう少し「意識」し過ぎない方が良かったかもしれませんね。
「うおうッ!?」
グラトニーズのツープラントンは強烈だった。
的を得ている部分もあり、イラつく部分もあり、龍の筆力を弱めるには十分であった。
「く、くう……なかなかやるじゃないか。でも、俺のライオン令嬢の執筆は止まらないぜ!」
強がる龍。
だが、このツープラトンは相手へダメージを与えるだけではない。
引用することで、異世界令嬢教の狂信者達を呼び寄せる効果もあるのだ。
ラブリーゴブリン:この作者さんのライオン令嬢を読んだけど何これ? ジャンル詐欺じゃん。
ヘカテー@「猛毒令嬢」ストギルで連載中:まるぐりっと先生の作品を意識してコレ……もっと勉強して欲しいよ。
シヴァ婆さん@ウダヨミにて執筆:こいつマジ才能なしw 物語に魅力なしw はよ消せw
「ぐわあああああッ!」
グラトニーズの犬笛により、龍は悪のワナビ達に一斉放火を浴びる。
書籍化を目指す同じワナビなのに、何故憎み、攻撃するのか。
無論、龍が異世界令嬢教を敵に回してしまったことが原因だ。
しかし、心理学の世界でもう少し説明したい。
これは「内集団バイアス」と呼ばれる現象で、自分が属するグループ(内集団)を優遇し、他のグループ(外集団)を不利に扱う傾向のことである。
異世界令嬢教の狂信者達は、教団に対する忠誠心が強い。
それ故に、それを脅かす存在に対しては無慈悲に攻撃してくるのだ。
「う、うぐう……ま、負けてなるものか」
龍は心的ダメージを負った。
執筆だ、とにかく執筆をしてライオン令嬢の続きを書かなければならないと思った。
だが――。
▶感想が書かれました
「か、感想!」
新着通知が入った。
なんと、ライオン令嬢への感想だ。
龍は嫌な予感がした。もしかすると狂信者のよるものではないかと――。
そして、不幸にもその予感は的中してしまう。
――――――
気になる点
第一話から滑ってます。全然面白くありません。
それと、クリスティーナに全く魅力を感じません。
一言
早く目を覚まして下さい。
投稿者: 紅蓮マウザ
――――――
それは強筆敵、マウザからのクソ感想だった。
「マ、マウザ……」
強筆敵と思っていたものからのクソ感想。
マウザは完全に異世界令嬢教に染まっていた。
そこまでなら、龍の心はまだ耐えられよう。
それ以上に辛いことは、強筆敵にクリスティーナを名指しで否定されたことだ。
「ク、クリスティーナ……俺の筆力不足のせいで……ごめん……ごめんよう……」
龍の眼から悲しみの滴、涙が流れた。
自分が異世界令嬢教を敵に回したばかりに、クリスティーナを傷つけてしまった。(架空の自キャラだけど)
その後悔と絶望は、ワナビストの筆を折らせるのに十分であった。
「おおおおおおおおおおんッ!」
とうとう、龍はパソコン前で号泣してしまった。
龍よ、お前はここまでなのか。ここで筆を折ってしまうのか。
ライオン令嬢 (後、ウルフ大将も)をエタらせてしまっていいのか。
そんなとき、龍のSNSに通知が入った。
シュートが強いうまむすこ:@gear_dragon_fight @utunomiyaebi @SAKUSAKU_TEN おいおい、まーた書籍化作家様のダメ出しか? どんな表現しようと作家の自由だろうが。それがWeb小説の良さってもんだろ!
腐ったみかんスミス:@gear_dragon_fight @utunomiyaebi @SAKUSAKU_TEN クソ受けるわw 一発屋どもめw お前ら二人とも「打ち切り」やんけw
ピンクのバッタ:@gear_dragon_fight @utunomiyaebi @SAKUSAKU_TEN 異世界恋愛なんてお子様の恋愛よ。官能小説こそ本当の「愛」よ!
「こ、これは……」
それはフザけた名前のアカウントからのものだった。
また、他にも龍のアカウントに通知が入っていた。
色帯寸止め:@gear_dragon_fight プロ面する作家の言うことなんて無視しなさい。
「あ、あなたは!」
龍はメッセージを見て驚いた。
色帯寸止め、龍が昔投稿していたサイト『セレナーデ』のランキングトップを走っていた剛の者。
また、RPG『ダンジョンオデッセイ』のノベライズを執筆していたプロでもある。
「い、色帯寸止め先生!」
それはまさかの邂逅。
本物のプロ、二次創作のスペシャリストからのものだった。
二次創作出身の龍だけに驚いたが、サプライズはこれだけに留まらなかった。
内モンゴル自治区マン:@gear_dragon_fight ファンアートだ! 受け取れ!
「な、なんとオオオオオッ!」
龍に画像が送りつけられた。
そこには、龍が脳内でイメージしていたクリスティーナが寸分狂わず美しく描かれていた。
「クリスティーナ! これはまさしくクリスティーナだ!」
何故か背景がプロレス会場だが――。
一方、グラトニーズは驚きのポストを投げ込む。
カーミラのエビ餃子@特別賞「にんにく聖女は吸血鬼に愛される」好評発売中:なっ……。
サクリンころも@「天ぷらを極めた悪役令嬢」電子書籍にて配信中!:何ヤツ!
シュートが強いうまむすこ:我ら! 『アンチストギル梁山泊』!
腐ったみかんスミス:腐った書籍化作家の悪事を懲らしめる! 好執筆家の集まりなり!
龍を助けたのは『アンチストギル梁山泊』を名乗る集団であった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる