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第二十三筆 爆誕スーパーワナビスト!
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古田島とのフラグをクラッシュしてしまった我らが龍。
昨今流行りのラブコメ展開など、そうは問屋が卸さない。
この物語のコンセプトは『Web小説の悲哀』なのだ。
つまらんラブコメを書いたとしても話が脱線し、読者諸君を苛立たせるだけだろう。
従って、龍は古田島の謎の涙と怒りについては「まあ、いいか」とスルーしてしまった。
「ライオン令嬢の続きだ……」
それよりも、龍はライオン令嬢の第二話を書けないまま一日が終わったことが気になっていた。
なんてヤツだ。これを読む青少年少女の諸君に告ぐ。
前途有望な君達は龍のようになってはいけないことを改めて強調しておきたい。
「この間は古田島メガネの妨害を受けたが――今日こそはッ!」
龍は2Pカラーのスカイブルー鉢巻きに、白地にピンクのハイビスカス柄シャツ。
今日はおめかし、勝負服だ。
「ファイトッ! 一発ッ!」
仕事を終えた龍は栄養ドリンクを飲み干し、エネルギー充電完了。
「ワイは龍! ワナビスト龍や!」
パソコン画面に映るのは『ライオン令嬢道』というタイトル。
龍は異世界令嬢教から脱会した記念にクソ長タイトルから卒業した。
従って、男気溢れる令嬢タイトルに改題。
クリスティーナと共に新たなスタートを切ると誓ったのである。
「これがクリスティーナに送るッ! サンダードラゴン・ライティングじゃあああああッ!」
と、作品公開画面のライオン令嬢をクリックしようとした時だった。
(女のケツを追いかけるたァ! 情けない野郎だぜ龍さんよ!)
龍の脳内に若い男の声が響いた。
それは昨今のアイドル声優的な軽い声ではなく、非常に深みのある渋い声だった。
「だ、誰だ!」
周囲を見渡す龍。
だが、そこには誰もいない。こいつは一体どういうことだろうか。
(俺だよ、俺だよ俺)
オレオレ詐欺だろうか。
否、それだったら高齢者宅へ電話をかけるはずだ。
今聞こえるこの声は己の脳内からのものである。
「俺だけでわかるわけないだろ! 名を名乗れ!」
(ふっ……呆れたもんだな。そこの作品公開場面に『未完のタイトル』があるだろうがよい)
「ま、まさか! お、お前はーっ!」
龍の瞳孔は開き、その瞳にはパソコン画面が映り、一つのタイトルが書かれていた。
そのタイトルの名は『男一匹ウルフ大将』である。
(いつまでもエタらせやがって、ライオン令嬢にお熱ってか?)
「ま、まさか……お前は『月影狼介』なのかッ!」
(ピンポーンだぜ! 俺っちのことを忘れてなかったみたいだな! 作者様よ!)
そう、声の主は『男一匹ウルフ大将』の主人公『月影狼介』だった。
「く、くそう……キャラが勝手に動きやがった!」
創作の世界には『キャラが勝手に動く』という逸話がある。
これは創作者が物語を描いている際、キャラクターがあたかも自分の意志を持っているかのように予想外の行動を取ったり、予定とは違う方向に話が進んでしまう現象のことである。
しかし、我らが龍の場合はちょっと違っていた。
脳内で作り出した自キャラが、あたかも意志を持ったかのように話し始めたようだ。
生理学的に『キャラが勝手に動いた』と言えよう。
ここで、もう少し詳しく適当な疑似科学で説明したい。
これは龍が自作をエタらせていることの後ろめたさによる高ストレス。
あるいは完結させるという強い意志により、脳から発散された脳内物質による現象。
もしくは頭を痛めて生んだ自作への『愛』によって育まれた化学反応のスパーク。
もう何を言ってるのか、作者自身にもわからなくなったがそういうことだ。
なに? それはちょっと専門家に診てもらった方がいいだって?
あのな、この世には科学で解決できないことだってあるんだぜィ。
(硬派なワナビを気取ってるが、お前さんはその程度のワナビ。男一匹ウルフ大将を完結できねえ軟弱者なのさ)
「お、俺は……そのうち完結させようと……」
(言い訳が見苦しいぜ! その軟弱な服装はなんでィ!)
「ぬぐっ!?」
龍は己の服を見た。
いつもの黒地に赤い花柄のド派手シャツではない。
あるのは爽やかさを強調した白に、ピンクのハイビスカスだ。
これが戦う男の姿であろうか? 否、そこには女のケツを追うワナビストの醜い姿だ。
(おめえさんの頭の中は、ライオン令嬢のことでいっぱいだろうが!)
「ち、違う……お、俺は!」
(けっ! たった一つの作品も完結できねえヘタレめ!)
「へ、ヘタレ……」
脳内の狼介は龍に昭和テイストな罵詈雑言を飛ばし始めた。
エタりかけた狼介の怒りは収まらないようだ。
(おめえさんはサブカルオタクの軟弱クソ野郎! ザコが描くキャラはさぞかし『弱者男性好みの女』なんだろうぜ!)
「じゃ、弱者男性好みの女だと!?」
(そう! あのライオン令嬢のヒロインことだよ! あの女はオッサンに道端で拾われて監禁されるのがお似合いだぜ! カッカッカッ!)
「ライオン令嬢のヒロイン……クリスティーナ……」
(それかあれだな! あの女は巨乳に設定変更されて――)
「クリスティーナのことかアアアアアアアアアアッ!」
(な、なんでィ! この著作権を無視したような髪型は!?)
古来より怒髪天を衝くという言葉がある。
怒りで髪が天を衝つくほど逆立っている様、あるいは激しい怒りの形相のことを意味する。
龍はまさしく怒りで髪が逆立ち、不動明王像のような相貌になっていた。
「狼介……お前を完結にさせる」
己のことならば許されよう。
だが、最愛の自キャラであるクリスティーナの侮辱だけは我慢ならなかった。
「覚悟しろ。男一匹ウルフ大将を一時間以内に終わらせてやる」
(なっ……てめえ! 俺を打ち切りにさせるだと!? ふざけんな!)
「黙れ、お前はクリスティーナを侮辱した」
ここに『スーパーワナビスト龍』が爆誕した。
「スーパーサンダードラゴン・ライティング! 秘技ヤマタノオロチ!」
そして、男一匹ウルフ大将の最終回の執筆が開始される……。
昨今流行りのラブコメ展開など、そうは問屋が卸さない。
この物語のコンセプトは『Web小説の悲哀』なのだ。
つまらんラブコメを書いたとしても話が脱線し、読者諸君を苛立たせるだけだろう。
従って、龍は古田島の謎の涙と怒りについては「まあ、いいか」とスルーしてしまった。
「ライオン令嬢の続きだ……」
それよりも、龍はライオン令嬢の第二話を書けないまま一日が終わったことが気になっていた。
なんてヤツだ。これを読む青少年少女の諸君に告ぐ。
前途有望な君達は龍のようになってはいけないことを改めて強調しておきたい。
「この間は古田島メガネの妨害を受けたが――今日こそはッ!」
龍は2Pカラーのスカイブルー鉢巻きに、白地にピンクのハイビスカス柄シャツ。
今日はおめかし、勝負服だ。
「ファイトッ! 一発ッ!」
仕事を終えた龍は栄養ドリンクを飲み干し、エネルギー充電完了。
「ワイは龍! ワナビスト龍や!」
パソコン画面に映るのは『ライオン令嬢道』というタイトル。
龍は異世界令嬢教から脱会した記念にクソ長タイトルから卒業した。
従って、男気溢れる令嬢タイトルに改題。
クリスティーナと共に新たなスタートを切ると誓ったのである。
「これがクリスティーナに送るッ! サンダードラゴン・ライティングじゃあああああッ!」
と、作品公開画面のライオン令嬢をクリックしようとした時だった。
(女のケツを追いかけるたァ! 情けない野郎だぜ龍さんよ!)
龍の脳内に若い男の声が響いた。
それは昨今のアイドル声優的な軽い声ではなく、非常に深みのある渋い声だった。
「だ、誰だ!」
周囲を見渡す龍。
だが、そこには誰もいない。こいつは一体どういうことだろうか。
(俺だよ、俺だよ俺)
オレオレ詐欺だろうか。
否、それだったら高齢者宅へ電話をかけるはずだ。
今聞こえるこの声は己の脳内からのものである。
「俺だけでわかるわけないだろ! 名を名乗れ!」
(ふっ……呆れたもんだな。そこの作品公開場面に『未完のタイトル』があるだろうがよい)
「ま、まさか! お、お前はーっ!」
龍の瞳孔は開き、その瞳にはパソコン画面が映り、一つのタイトルが書かれていた。
そのタイトルの名は『男一匹ウルフ大将』である。
(いつまでもエタらせやがって、ライオン令嬢にお熱ってか?)
「ま、まさか……お前は『月影狼介』なのかッ!」
(ピンポーンだぜ! 俺っちのことを忘れてなかったみたいだな! 作者様よ!)
そう、声の主は『男一匹ウルフ大将』の主人公『月影狼介』だった。
「く、くそう……キャラが勝手に動きやがった!」
創作の世界には『キャラが勝手に動く』という逸話がある。
これは創作者が物語を描いている際、キャラクターがあたかも自分の意志を持っているかのように予想外の行動を取ったり、予定とは違う方向に話が進んでしまう現象のことである。
しかし、我らが龍の場合はちょっと違っていた。
脳内で作り出した自キャラが、あたかも意志を持ったかのように話し始めたようだ。
生理学的に『キャラが勝手に動いた』と言えよう。
ここで、もう少し詳しく適当な疑似科学で説明したい。
これは龍が自作をエタらせていることの後ろめたさによる高ストレス。
あるいは完結させるという強い意志により、脳から発散された脳内物質による現象。
もしくは頭を痛めて生んだ自作への『愛』によって育まれた化学反応のスパーク。
もう何を言ってるのか、作者自身にもわからなくなったがそういうことだ。
なに? それはちょっと専門家に診てもらった方がいいだって?
あのな、この世には科学で解決できないことだってあるんだぜィ。
(硬派なワナビを気取ってるが、お前さんはその程度のワナビ。男一匹ウルフ大将を完結できねえ軟弱者なのさ)
「お、俺は……そのうち完結させようと……」
(言い訳が見苦しいぜ! その軟弱な服装はなんでィ!)
「ぬぐっ!?」
龍は己の服を見た。
いつもの黒地に赤い花柄のド派手シャツではない。
あるのは爽やかさを強調した白に、ピンクのハイビスカスだ。
これが戦う男の姿であろうか? 否、そこには女のケツを追うワナビストの醜い姿だ。
(おめえさんの頭の中は、ライオン令嬢のことでいっぱいだろうが!)
「ち、違う……お、俺は!」
(けっ! たった一つの作品も完結できねえヘタレめ!)
「へ、ヘタレ……」
脳内の狼介は龍に昭和テイストな罵詈雑言を飛ばし始めた。
エタりかけた狼介の怒りは収まらないようだ。
(おめえさんはサブカルオタクの軟弱クソ野郎! ザコが描くキャラはさぞかし『弱者男性好みの女』なんだろうぜ!)
「じゃ、弱者男性好みの女だと!?」
(そう! あのライオン令嬢のヒロインことだよ! あの女はオッサンに道端で拾われて監禁されるのがお似合いだぜ! カッカッカッ!)
「ライオン令嬢のヒロイン……クリスティーナ……」
(それかあれだな! あの女は巨乳に設定変更されて――)
「クリスティーナのことかアアアアアアアアアアッ!」
(な、なんでィ! この著作権を無視したような髪型は!?)
古来より怒髪天を衝くという言葉がある。
怒りで髪が天を衝つくほど逆立っている様、あるいは激しい怒りの形相のことを意味する。
龍はまさしく怒りで髪が逆立ち、不動明王像のような相貌になっていた。
「狼介……お前を完結にさせる」
己のことならば許されよう。
だが、最愛の自キャラであるクリスティーナの侮辱だけは我慢ならなかった。
「覚悟しろ。男一匹ウルフ大将を一時間以内に終わらせてやる」
(なっ……てめえ! 俺を打ち切りにさせるだと!? ふざけんな!)
「黙れ、お前はクリスティーナを侮辱した」
ここに『スーパーワナビスト龍』が爆誕した。
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