38 / 76
第三十八筆 闇のサロンにヤツがいた!
しおりを挟む
黒鳥により設立された『レイヴンクラブ』。
集まる者達は全て、何らかの形で黒鳥と接触して入会した者達である。
まだ書籍化に至っていないワナビは勿論のこと、これからストギル小説を始める者、書籍化を達成したプロと様々。
メンバーはのべ五十人以上と大所帯だ。
レイヴンクラブ内ではスレッドが立てられ、創作のことがテキストチャットで語られている。
※スレッド:掲示板などのメッセージを話題ごとにまとめたもの。
挨拶文には黒鳥より、このようなメッセージが書かれていた。
<黒鳥響士郎>
レイヴンクラブへようこそ!
私はこのサーバーの管理者、黒鳥響士郎です。
と……皆さんは既に私のことは知っていますよね。(笑)
書籍化やコミカライズ、アニメ化もガンガンしていますから。(笑)
オホン……。
さて、ここは書籍化を目指すサロンです。
まだ書籍化に至っていないWeb小説家の皆さん、そして既にその夢を叶えた書籍化作家の方々が集まり、交流し、情報を共有するために立ち上げました。
そして、レイヴンクラブはこの黒鳥はもちろんのこと、私の弟子やその弟子が認めたものしか入会出来ない『会員制』となっています。
故にこのサロンに於いては『プロもワナビも関係ありません』。
皆様は云わば導かれし創作者、黒鳥の可愛い子供達です。
執筆の技術やストーリー構築のコツ、マーケティングや出版業界の裏側まで、幅広い話題でお互いに積極的な答弁をしていきましょう。
成功者からのアドバイスを得たり、自分の経験を共有したりすることで、より良い作品作りを目指していくわけです。
出版への道のりは決して簡単ではありません。
が、このコミュニティが少しでも皆さんの力になれることを黒鳥は願っています。
皆さんの作品が世に出る瞬間を楽しみにしています!
一緒に夢を追いかけ、実現させていきましょうね!
「のっけから拗らせているな」
龍は挨拶文から醸し出される黒鳥の性格を看破した。
冒頭の四行目で、書籍化などを遠回しに自慢する文が書かれていたからだ。
鬼丸に誘われ、そのままレイヴンクラブに入会した龍。
如何にラノベ業界に実績があろうと、黒鳥響士郎から漏れ出るマウント気質に鼻持ちならない気分となる。
この怪しげなサロン即効で退会したい気分であるが――。
『登らなければ、やってみなければわからない境地もあるでしょう』
再び鬼丸の言葉が脳内でエコーする。
やまびこだ、やまびこのように鬼丸の言葉が脳味噌に木霊する。
書籍化への道を突き進むならば、好き嫌いで人を判断してはならない。
「やってみよう、いってみよう」
ここで作者が好きな野球ネタを唐突にぶち込みたいと思う。
某ライオン球団のHという名将がいた。
就任当初は選手から嫌われていたという。
しかし、その手腕に選手達も納得し、指示に従うと遂には優勝して黄金時代を築き上げた。
然らば、我流が強い龍も他者からの意見を参考にしながら実力をつけていかなければならない。
いつまでも、好き勝手にやってはいけないと心の内で思っていた。
そのため、この自己啓発セミナーのようなサロン『レイヴンクラブ』へと突入したのだ。
「どんな話をしているのかな」
龍はとりあえず、レイヴンクラブ内でどんな会話がされているのか見ることにした。
多くあるスレッドにあるもので、龍が目をつけたのは『読者を飽きさせない!新しい展開アイデア!』というものである。
そこには見覚えのある名前があった。
カーミラのエビ餃子:最近、異世界恋愛でよくある展開ばかりになってしまって……何か新しいアイデアを取り入れたいんだよね。
サクリンころも:ひねりを加えると面白くなるよね。例えば主人公が異世界の住人じゃなくて、異世界に召喚された神様だったりするとか。
「こ、こいつら……ここにおったんか……」
カーミラのエビ餃子とサクリンころも。
龍が以前、鬼丸ことまるぐりっととケンカになった際に送り込まれた刺客『グラトニーズ』である。
このお二人さんも、どうやらレイヴンクラブの会員になっているようだ。
龍は何とも言えない気持ちになるが――。
「フェアリー・ドラゴン・タップ!」
親指だけでスマホの画面をタップする。
早速メッセージを打ち込むことにしたのだ。
ギアドラゴン:はじめまして、ギアドラゴンです。
挨拶するのは社会人の常識だ。
嫌な二人がいるが、ここも好き嫌いで人を判断してはならない。
リアルな職場だって、イヤな上司やお客に感情を殺して挨拶しなくてはならないからだ。
さて、はじめましての挨拶をする龍。
すると、グラトニーズからメッセージが返ってきた。
カーミラのエビ餃子:あ、あんたが何でここに!
サクリンころも:アンチストギル梁山泊のお前がいるんだよ!
カーミラのエビ餃子:だいたいスレ違いよ。挨拶は『自己紹介』のところでしなさいよアホ。
サクリンころも:そうよ! ここはアイデアをお互いに出して研鑽するスレなんだから! 出ていけ!
罵詈雑言の嵐が秒速で返ってきた。
SNSでの嫌味な言動がそのままこのサロンでも放たれていた。
やっぱり、イヤなヤツはイヤなままだった。
そらそうよ。
彼女達 (女性かは不明だが)は龍へのクソ引用を起点に『アンチストギル梁山泊』が現れ、メンタルを傷つけられ鍵垢やブロックするまでに追い込まれていてしまった。
従って、龍は全くアンチストギル梁山泊とは関係ないのだが、この二人の脳内では『アンチストギルの人』に認定されてしまっていた。
全く人の思い込みは恐ろしいものである。
「ク、クソったれーっ!」
眉間に皺を寄せ、額から怒りの汗を流す龍。
普通に挨拶したのに、何故ここまでボロカスに言われなきゃならんのだ。
龍はグラトニーズの思い込みには全く気付かず「この非常識人どもめ!」とキレちまった。
「殴られたら殴り返せだよキミィ! 目には目、歯には歯じゃい!」
不動明王のような顔を作り出す龍。
これより、グラトニーズへ「だまらっしゃい打ち切り作家が!」の暴言メッセージを打ち込もうとするが……。
――お止めなさい。
お止めなさい。
龍の眼にメッセージが飛び込んできた。
グラトニーズを注意する何者かのメッセージだ。
「お、お前はーっ!?」
そのメッセージは懐かしき強筆敵からのものだった。
紅蓮まうざりっと:グラトニーズ、ここは書籍化を目指すものが集う聖地。無駄な争いはおよしなさい。
それは龍と共にWeb小説界で切磋琢磨した――。
「マ、マウザじゃなくなってる!?」
紅蓮マウザから改め『紅蓮まうざりっと』であった。
どういうことか名前も変わり、アイコンもブラックライオンの雄度の高いものから百八十度変わっていた。
「し、しかも……イケメンのアイコン!」
なんと、ストギル漫画によくいそうな黒髪イケメン主人公のアイコンになっている。
どこかの漫画から無断借用したのだろうか。
カーミラのエビ餃子:ま、まうざりっと様!
サクリンころも:私達は別に……。
「ど、どういうことだ!?」
書籍化経験ありのグラトニーズがマウザ、否まうぐりっとにへりくだっている。
龍と同じワナビであったはずのWeb小説家に頭が上がらない感じだ。
一体全体どういうことであろうか。
紅蓮まうざりっと:久しぶりだね、ギアドラゴンさん。
ギアドラゴン:マ、マウザなのか?
紅蓮まうざりっと:ふん……聞くのもイヤなくらいの黒歴史ネームだね。
ギアドラゴン:く、黒歴史ネームってお前……。
紅蓮まうざりっと:僕は『負け犬のマウザ』じゃない。
ギアドラゴン:マウザじゃない?
紅蓮まうざりっと:ボクは『真異世界令嬢教』の教祖! 紅蓮まうざりっとさッ!
「な、なんだってーっ!?」
龍は休日で人通りの多い道で雄々しく叫ぶ。
「な、なにあの人?」
「あんまり見ちゃダメよ……」
通行人の若い女性二人組は龍から遠ざかる。
完全に『ヤバい人』扱いであるが、そんなことはどうでもいい。(よくないけど)
「真異世界令嬢教ってなんだよ!」
それよりも『真異世界令嬢教』というワードだ。
異世界令嬢教に『真』の文字がついている。
それに、その教祖が『まうざりっと』と改名したマウザがなっている。
このレイヴンクラブ、曲者しかいない闇のサロン――。
集まる者達は全て、何らかの形で黒鳥と接触して入会した者達である。
まだ書籍化に至っていないワナビは勿論のこと、これからストギル小説を始める者、書籍化を達成したプロと様々。
メンバーはのべ五十人以上と大所帯だ。
レイヴンクラブ内ではスレッドが立てられ、創作のことがテキストチャットで語られている。
※スレッド:掲示板などのメッセージを話題ごとにまとめたもの。
挨拶文には黒鳥より、このようなメッセージが書かれていた。
<黒鳥響士郎>
レイヴンクラブへようこそ!
私はこのサーバーの管理者、黒鳥響士郎です。
と……皆さんは既に私のことは知っていますよね。(笑)
書籍化やコミカライズ、アニメ化もガンガンしていますから。(笑)
オホン……。
さて、ここは書籍化を目指すサロンです。
まだ書籍化に至っていないWeb小説家の皆さん、そして既にその夢を叶えた書籍化作家の方々が集まり、交流し、情報を共有するために立ち上げました。
そして、レイヴンクラブはこの黒鳥はもちろんのこと、私の弟子やその弟子が認めたものしか入会出来ない『会員制』となっています。
故にこのサロンに於いては『プロもワナビも関係ありません』。
皆様は云わば導かれし創作者、黒鳥の可愛い子供達です。
執筆の技術やストーリー構築のコツ、マーケティングや出版業界の裏側まで、幅広い話題でお互いに積極的な答弁をしていきましょう。
成功者からのアドバイスを得たり、自分の経験を共有したりすることで、より良い作品作りを目指していくわけです。
出版への道のりは決して簡単ではありません。
が、このコミュニティが少しでも皆さんの力になれることを黒鳥は願っています。
皆さんの作品が世に出る瞬間を楽しみにしています!
一緒に夢を追いかけ、実現させていきましょうね!
「のっけから拗らせているな」
龍は挨拶文から醸し出される黒鳥の性格を看破した。
冒頭の四行目で、書籍化などを遠回しに自慢する文が書かれていたからだ。
鬼丸に誘われ、そのままレイヴンクラブに入会した龍。
如何にラノベ業界に実績があろうと、黒鳥響士郎から漏れ出るマウント気質に鼻持ちならない気分となる。
この怪しげなサロン即効で退会したい気分であるが――。
『登らなければ、やってみなければわからない境地もあるでしょう』
再び鬼丸の言葉が脳内でエコーする。
やまびこだ、やまびこのように鬼丸の言葉が脳味噌に木霊する。
書籍化への道を突き進むならば、好き嫌いで人を判断してはならない。
「やってみよう、いってみよう」
ここで作者が好きな野球ネタを唐突にぶち込みたいと思う。
某ライオン球団のHという名将がいた。
就任当初は選手から嫌われていたという。
しかし、その手腕に選手達も納得し、指示に従うと遂には優勝して黄金時代を築き上げた。
然らば、我流が強い龍も他者からの意見を参考にしながら実力をつけていかなければならない。
いつまでも、好き勝手にやってはいけないと心の内で思っていた。
そのため、この自己啓発セミナーのようなサロン『レイヴンクラブ』へと突入したのだ。
「どんな話をしているのかな」
龍はとりあえず、レイヴンクラブ内でどんな会話がされているのか見ることにした。
多くあるスレッドにあるもので、龍が目をつけたのは『読者を飽きさせない!新しい展開アイデア!』というものである。
そこには見覚えのある名前があった。
カーミラのエビ餃子:最近、異世界恋愛でよくある展開ばかりになってしまって……何か新しいアイデアを取り入れたいんだよね。
サクリンころも:ひねりを加えると面白くなるよね。例えば主人公が異世界の住人じゃなくて、異世界に召喚された神様だったりするとか。
「こ、こいつら……ここにおったんか……」
カーミラのエビ餃子とサクリンころも。
龍が以前、鬼丸ことまるぐりっととケンカになった際に送り込まれた刺客『グラトニーズ』である。
このお二人さんも、どうやらレイヴンクラブの会員になっているようだ。
龍は何とも言えない気持ちになるが――。
「フェアリー・ドラゴン・タップ!」
親指だけでスマホの画面をタップする。
早速メッセージを打ち込むことにしたのだ。
ギアドラゴン:はじめまして、ギアドラゴンです。
挨拶するのは社会人の常識だ。
嫌な二人がいるが、ここも好き嫌いで人を判断してはならない。
リアルな職場だって、イヤな上司やお客に感情を殺して挨拶しなくてはならないからだ。
さて、はじめましての挨拶をする龍。
すると、グラトニーズからメッセージが返ってきた。
カーミラのエビ餃子:あ、あんたが何でここに!
サクリンころも:アンチストギル梁山泊のお前がいるんだよ!
カーミラのエビ餃子:だいたいスレ違いよ。挨拶は『自己紹介』のところでしなさいよアホ。
サクリンころも:そうよ! ここはアイデアをお互いに出して研鑽するスレなんだから! 出ていけ!
罵詈雑言の嵐が秒速で返ってきた。
SNSでの嫌味な言動がそのままこのサロンでも放たれていた。
やっぱり、イヤなヤツはイヤなままだった。
そらそうよ。
彼女達 (女性かは不明だが)は龍へのクソ引用を起点に『アンチストギル梁山泊』が現れ、メンタルを傷つけられ鍵垢やブロックするまでに追い込まれていてしまった。
従って、龍は全くアンチストギル梁山泊とは関係ないのだが、この二人の脳内では『アンチストギルの人』に認定されてしまっていた。
全く人の思い込みは恐ろしいものである。
「ク、クソったれーっ!」
眉間に皺を寄せ、額から怒りの汗を流す龍。
普通に挨拶したのに、何故ここまでボロカスに言われなきゃならんのだ。
龍はグラトニーズの思い込みには全く気付かず「この非常識人どもめ!」とキレちまった。
「殴られたら殴り返せだよキミィ! 目には目、歯には歯じゃい!」
不動明王のような顔を作り出す龍。
これより、グラトニーズへ「だまらっしゃい打ち切り作家が!」の暴言メッセージを打ち込もうとするが……。
――お止めなさい。
お止めなさい。
龍の眼にメッセージが飛び込んできた。
グラトニーズを注意する何者かのメッセージだ。
「お、お前はーっ!?」
そのメッセージは懐かしき強筆敵からのものだった。
紅蓮まうざりっと:グラトニーズ、ここは書籍化を目指すものが集う聖地。無駄な争いはおよしなさい。
それは龍と共にWeb小説界で切磋琢磨した――。
「マ、マウザじゃなくなってる!?」
紅蓮マウザから改め『紅蓮まうざりっと』であった。
どういうことか名前も変わり、アイコンもブラックライオンの雄度の高いものから百八十度変わっていた。
「し、しかも……イケメンのアイコン!」
なんと、ストギル漫画によくいそうな黒髪イケメン主人公のアイコンになっている。
どこかの漫画から無断借用したのだろうか。
カーミラのエビ餃子:ま、まうざりっと様!
サクリンころも:私達は別に……。
「ど、どういうことだ!?」
書籍化経験ありのグラトニーズがマウザ、否まうぐりっとにへりくだっている。
龍と同じワナビであったはずのWeb小説家に頭が上がらない感じだ。
一体全体どういうことであろうか。
紅蓮まうざりっと:久しぶりだね、ギアドラゴンさん。
ギアドラゴン:マ、マウザなのか?
紅蓮まうざりっと:ふん……聞くのもイヤなくらいの黒歴史ネームだね。
ギアドラゴン:く、黒歴史ネームってお前……。
紅蓮まうざりっと:僕は『負け犬のマウザ』じゃない。
ギアドラゴン:マウザじゃない?
紅蓮まうざりっと:ボクは『真異世界令嬢教』の教祖! 紅蓮まうざりっとさッ!
「な、なんだってーっ!?」
龍は休日で人通りの多い道で雄々しく叫ぶ。
「な、なにあの人?」
「あんまり見ちゃダメよ……」
通行人の若い女性二人組は龍から遠ざかる。
完全に『ヤバい人』扱いであるが、そんなことはどうでもいい。(よくないけど)
「真異世界令嬢教ってなんだよ!」
それよりも『真異世界令嬢教』というワードだ。
異世界令嬢教に『真』の文字がついている。
それに、その教祖が『まうざりっと』と改名したマウザがなっている。
このレイヴンクラブ、曲者しかいない闇のサロン――。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
れすとあ ─モンキーガール、風になる─
海凪ととかる
キャラ文芸
中学女子の100㍍走の記録保持者で、天才スプリンターとして将来を嘱望されていた大倉香奈 《おおくらかな》はスポーツ特待生として陸上強豪校への進学が決まっていたが、競技中の怪我で引退を余儀なくされ、燃え尽き状態で日々を過ごしていた。
香奈のクラスメイトで同じ中学出身である宮本佑樹《みやもとゆうき》は母子家庭で、パン屋に勤める姉の紗羅《さら》、不登校である小学生の妹の咲良《さくら》と一緒に暮らしている。ミニバイク『モンキー』を姉共々愛しており、整備を一手に引き受け、高校にもモンキーでバイク通学している。
ある日、登校直前までモンキーを整備していた佑樹は、学校の玄関で電車通学している香奈と会い、オイルで汚れた手を見られ、バイクの整備ができることを明かす。その時は特にバイクに関心はなかった香奈だったが、その日の放課後、偶然に紗羅の勤めるパン屋に寄り、そこにあった沙羅のモンキーに一目惚れしたことで、モンキーに乗るために二輪免許を取ることにする。
すでに廃番となっている旧車のモンキーをどうやって手に入れたらいいか佑樹に相談した香奈に、佑樹は自宅にある壊れた廃車のモンキーを自分の手で再生《レストア》してみることを提案する。自分の目でそのモンキーを目にした香奈は、自分の足で走れなくなった自分自身と乗り手に見捨てられたモンキーの境遇を重ね、再び一緒に走れるようにモンキーのレストアに着手していく。
これは、自分の足で前へ進めなくなって俯いていた少女が新たな足を得て再び顔を上げて前へ踏み出すまでの"再生"の物語。
これは、乗り手から見捨てられて朽ちつつあった旧車のバイクが新たな乗り手によってレストアされて再び走り出す"再生"の物語。
※この物語の本文にはAIは使用していません。表紙イラストおよび作中挿絵はAI生成です。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる