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4章 禍 つ 者 『魔王様と愉快な?八逆星』
書の1前半 女王?暴露する 『まじですか。それ、マジデスカ』
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■書の1前半■ 女王?暴露する maybe queen,come to light
なんつーか、あんまり敵の侵入を許した事が無いんじゃないのかな、この城。やられ放題、という意味じゃぁなくって、不法侵入される事が無いって意味な。そもそも、敵とか云うモノが侵入する事態無さそう……というのが正しい。
無防備極まりないのだ。
敵に見つからないように侵入するという、某ゲームなんかをやり込んでいる俺からするととはっきり言って、この城の警備は温い、温すぎる。
なぜにこんなに警備が緩々なのかの方が疑問だ。そこの所思わずレッドに聞き正したい位疑問なのだが、無駄口叩いてる場合でもない。
そんな訳であっさりと夜の月白城内へ侵入を果たした俺達なのだが……だからってこっちまで緩々になる訳にもいかないだろう。
誰かに見られたりする事も無く、だだっ広い本殿の一階廊下を柱に隠れながら進んでいる最中だ。足音は立たない様にナッツの『音消し』魔法が施されている。魔法探知機でもあれば引っかかっちまうらしいが、レッド曰く城内にそういう仕掛けは無いとの事。これは最初に城に来た時に、すでに探査済みらしい。ウチの頭脳は連中はホント抜け目無い。
巡回兵は居るんだが数は疎ら。すでにどういうシフトで巡回兵が動いているか、という情報はヒュンスから教えてもらってある。大きな螺旋階段をあくびを漏らしながら、緩々な兵士が降りて来て廊下へ歩を進める。これをやり過ごせば階段を見回る兵はいない。
俺達は素早く階段を駆け上がり2階へ到達した。
静かだ……。
3回折り返してたどり着いた2階は、俺の知るビル構造だと3階から4階相当の高さだ。
2階は執務室や会議室が多いとの事で、人がいる気配は全く無い。城に住んでいるのは一握りなんだそうだ。役人達は城下に住んでいて、城は仕事をするための施設なんだな。例えればオフィスビルみたいなもんだ。会社に住み込むってのはそう考えると異常な事だと思えるのは……サラリーマン的な思考か?
うーむ、俺は自分で考えて抱いた疑問を解いていた。つまりあれか、この城は襲撃されるべき要素があんまり無いんだな。盗賊なんぞが盗みに入りそうなもんだが割と、王が住んでいる住居にしてはさっぱりとしている。そう、まず第一に盗むべきブツが無さそうってのがある。
金銀細工で絢爛豪華って感じは全く無い。所々高そうな彫像やら壺やらは置いてあるが、全体的に広々とした城の作りに合わせた調度品はデカい。デカすぎて多分運び出すに出せないだろうなと、俺は豪華絢爛の巨大な壺の影に隠れて2階廊下の様子を伺っている。
誰も居ない廊下を素早く駆け抜ける俺達。
目的の扉を前にして、レッドは小さく首を横に振った。
手筈では鍵を『開錠魔法』とやらで突破するつもりだったのだがどうやら、それが使えない状況だという合図だ。じゃぁどうするか……。力ずくで蹴破るか?鍵開け技能とか持ってる奴は?
「何の障害?」
ナッツが囁き声で聞く。レッドは同じく小声で答えた。
「魔法探査アラームです、えらく古い魔法が生きていますね」
そんな仕掛けがあるとは聞いてない。
恐らくヒュンスやミスト王子などの城の関係者でさえ、この扉にアラームの仕掛けがされている事を知らなかったんだろうな。
「力技は」
「壊したら、明日にも侵入者がいた事がバレてしまいますよ」
「インティの鍵は?」
「明らかにタイプが違う」
ナッツはドアノブの下にある鍵穴や、隙間から鍵の掛けられた状況を確認して首を振った。
……じゃぁどうすんだよ?
「アベル、熱魔法エンチャットは?」
「出来るわよ」
「ドアノブは……廻るな。これは所謂『インテグラル錠』だ、錠シリンダーを焼き切ってしまおう」
基本的に『付加魔法』というのは探知系の魔法を欺くのにはもってこいなんだそうだ。発動した魔法などの動的な力を察知するのが基本形だとかで、魔力の動きを表に出さずに物理に還元する付加魔法(エンチャット)は、探査魔法泣かせの憎い奴って訳。
付加魔法まで探知するとなると、相当上級な探査魔法を敷かないといけないらしい。
条件を詳しく定義してやらなきゃいけないとかで……とにかくその魔法の重さ自体で探査魔法が敷いてあるのがバレちまう位物々しいとの事。そんなん、魔法使いのレベルで判る感覚だろ?
戦士である俺には説明されてもさっぱり分らんわ。
ナッツの提案で鍵を物理的に破壊する事になった訳だが……鍵を物理的に焼き切った時に、熱魔法を宿らせた剣を差し入れた焦げ跡がついてしまった。
これを何時買ったものだか、化粧品のファンデーションらしき物でマツナギが上手い事ごまかす。彼女の肌は浅黒いからな、ちょうど枠木と似た色だ。しかしマツナギ、お前すっぴんでも十分に美人なのに何で化粧品なんか買ってるんだ?
という突っ込みはいずれしようと思う。
とにかく今はそんな漫才をやっている場合ではない。
扉を静かに開け、俺達は目的の部屋に入った。一先ずここまで来れば第一ステージクリアって所。
さて、一息付かずに第二ステージに挑むか。
この部屋はミスト王子の執務室だ。
今は使ってないから先程の様に鍵が掛かっている。鍵をミスト自身が持っていればよかったのだが、生憎と5階にある自室の鍵付き机の中らしい。そこまで忍び込むのはリスクが高いだろうと、ヒュンスから執務室の鍵は壊して構わないと言われていたんだ。
本棚には難しい表題の分厚い本が並び、接客用のテーブルと椅子とお茶セット覗く収納棚や、ちょっとした飾り物が並べてある棚がいくつか。
机は大きいがインク壺とペン立てと、文鎮らしいものが置いてある程度で質素だ。細かい格子のガラス窓の向こうには小さなテラス、そして漆黒の闇。
「ここ、ですね」
机の背後にある飾り棚を調べていたレッドはどうやら『入り口』を見つけたようだ。テラスの隣にある大きな柱の隣の壁。素晴らしい刺繍の施された布を捲り上げて、露になった白いレンガの壁を軽く叩く。
「間違いありません」
「よし、」
テリーがしゃがみこみ、アインがマツナギの胸に飛び移る。
飾り棚の下の一つ出っ張っているレンガを、ゆっくりとテリーは抜き取った。次々と上の段から引き抜かれていくレンガを受け取っては、俺は丁重に机の下の目立たない所へ並べて行く。
レンガおよそ三列分を抜き取ると、現れたのは真っ黒い空間だ。しゃがみこんで潜った先、レッドが明かりを灯せば人一人通れる位のホントに狭い階段が現れる。
これは、ミスト王子が教えてくれた隠し通路。
月城の丘の地下にある鍾乳洞へ続く道で、道中城の地下にあるという牢屋へも通じていると云う。さらに情報屋AWLが持っていた地図をコピってまでインティが俺達に恩着せがましく突きつけて来た地図が示す所、この地下通路は事もあろうか南方神殿まで続いているらしい。
つまりだ、地下で偽王アイジャンの住居まで繋がってるって事だよ。
もちろんそれはアイジャンも知っているだろう。知らないとすれば弟王子エルーク位だろうとヒュンスは言っていた。最近城に連れてこられた弟王子は、広大な地下洞窟の事は知るはずがなかろう、ってな。
逆にミスト王子は城の内部をよく知っている。
長年そこで育った事もあるだろうし何より、自分の家だもんな。
広大な城ではあるが、何処に誰が居て何をして働いているのか、という人事の把握には自信があるのだそうだ。月白城に王が居ないのだから城の主はミスト王子だ、その責務として人事把握は自ら行っているのだという。いやはや、エラい王子様です。
城の内部であれば、ミスト王子に隠し事など出来はしないとの事。最近城に住む事になった弟王子の世話を焼いているのは、つまり全面的に兄王子って事か。
つまり、ミスト王子の目の届く場所にはユーステルは居ない。そして逆にいえば、目の届かない部分に隠されているという事になるだろう。
女王誘拐が弟王子の仕業であると断定しているミストは、ならば女王は自分の目が唯一届かない、地下牢だろうと推測したわけである。何やらその地下牢が最近、不正に使われている形跡がある事は知っていた様だ。調べて把握しておきたかった事実ではあったものの、何しろそれは地下通路で南方神殿、偽王アイジャンの所にも繋がっている。ヘタに探ろうとすれば、アイジャンに不審がられる事も十二分に考えられるだろう。
ともすればきっと使用しているのは伯父であろうと、ミスト王子は追及を諦めたと言っていた。
誰かを匿う場所は、城のはずれにあるたった一つの入り口しか『無いはずの』地下牢しか無い。
ところがこの地下牢の警護は厳しいらしく、正面切っての突入は穏便には行かない。
それで、この秘密の地下通路の出番ってわけだよ。
「ここからは何が出るかわかりません」
了解と、俺達は無言で頷いた。
手筈通り先頭は俺でその次にナッツ。本来ならナッツが先頭でもいいんだが、夜なので鳥目の奴は当てにならない。先頭は人柱役……もといリーダー兼盾役である俺の仕事だぜ。この席、テリーには絶対譲らないからな!
例えばアベルを先頭に立たせたらどうか?……それだと迷子になる恐れがある。そんな事態は避けなきゃいけねぇだろ?マツナギは先頭は嫌だと言うし、打たれ弱いレッドなんかを前に出す訳にも行かない。真ん中にレッド、背後にマツナギ、殿はなぜか何時もの通りテリーとアインだ。割りとこの順番が定着中。
狭い階段を下りていく。鎧が擦れる音だけが響き、明かりもなく暗闇の中ひたすら手足で通路をと階段を確認しながら降りる。
明かりなんか無くてもいい、狭すぎて転びようも無いからな。幸い、暗闇閉所恐怖症などというヘタなマイナスアビリティ(不利特徴)を持ってる奴は居ない。足元はしっかりしていて階段も単調だ。何度か折り返しながら進んでいくと、ぼんやりと先に明かりが見えてくる。
普段なら気が付かないだろう程のささやかな明かりだ。暗闇に目が慣れているから気が付ける程度。
「大分降りました、そろそろ地下です」
レッドのささやき声が聞こえた。
ヒュンスの話だとこの秘密通路は、地下牢獄に平行して作ってある排水溝および換気通路に出るとの事。ひんやりとしていた空気が妙に熱っぽくなって来た。じめっとして不快指数も高い。城は風に晒されて夜冷え込む構造なのだろうが、地下だと話は別だ。
昼間の地熱を十分に蓄えた砂の下、繁殖してる光苔に覆われた問題の左換気通路に到着。マジメに僅かな黄緑色の発光をしている苔が辺りを覆い尽くしている。ここは、人が通る様には作られていない、単なる水と空気の通り道という通路だった。
浅く、水が足元を流れていく。ぬるぬるして滑りやすい。
肩幅より若干広い程度の通路の両脇に手を置き、軟らかな苔の感触に触れながら水の下り落ちる方へと俺は進んだ。
話に聞いていた通りに行き止まる。水は立ちはだかった壁の向こうへ狭い口から流れていく。僅かな風の吹き付ける天井にぽっかりと空いた闇、乾燥している風に苔は繁殖できないらしい。
地図だと、この右手にあるブロック塀を崩してさらに地下へ通路が伸びているのだが……生憎その先の鍾乳洞には用が無い。
俺達はこの左手の壁の向こう側にある牢屋施設を目指しているんだ。
レンガが若干登りやすいようにデコボコと突き出しているが、すっかり苔に覆われていて上手く掴めそうにないな。
「アイン、」
狭い頭上を俺達の肩を渡りながら小竜のアインが先頭にやってきた。何をするのか、ちゃんと彼女は察してくれている。
「伏せて、」
俺とナッツ、アベルがその場にしゃがみこみ、アインは上へ向かう通路へ灼熱のブレスを軽く一吹き。圧倒的な光に目がくらんだが、再び闇に目が慣れると光苔が焼き払われてぽっかりと、目の前に闇が浮かんでいる。
十分に手加減されたブレスにレンガ石まで焼けている気配はない。熱はすぐに引くだろう。
俺はナッツからロープを渡されつつ暗闇に向けて慎重にレンガの取っ手を掴み、上へ登り始めた。
狭い通気口はそれ程長くはなく、すぐに横に伸びる狭い道に手が届く。這い上がると下の通路と同じ位の幅があるが高さは膝を付かないと進めない具合だ。
俺はロープを口に咥えたまま更に暗がりを慎重に進む。
ざりざりする……砂が幾分入り込んでるな。途中、斜め右手に伸びる通気工があるがこれはスルー。外に続く単なる通気口だ、普通の人には通れないと地図にはメモされている。アインとか、身軽なアベルくらいなら通り抜けられるかもな。
更に進み、光苔のぼんやりとした明かりが下に見える……出口だ、右換気通路に到着。俺は慎重に水の流れる下の通路に下りて、ロープを引いた。ロープを伝って他の連中も次々に右通路へ到着する。
これで第二ステージはクリアだ。今の所問題は無し。
さてさて、今度は水の流れに逆行。
ヒュンスの手引きに寄れば、この右通路の上流果てが……地下牢最深部へと続いているんだ。あとは生命探査魔法か何かを駆使し、人の気配を探せばいい。
何しろこの地下牢屋、使われているのは入り口に程近い50部屋だけと言う。戦争をするとか色々物騒な噂のある南国カルケードではあるが、元々犯罪および犯罪者は西国に比べたら圧倒的に少ないのが『お国柄』だ。文化と国民性と、あとは法律の問題らしいが今はその話は割愛する。とにかく牢屋なんて50部屋あれば事足りるらしい。ましてや地下牢は長期拘置刑にのみ使用されてる特殊な施設らしいからな。
直線状に並んだ200を数えると云う牢屋の半分以上が未使用。
50部屋ごとについている区切り扉はもはや壁として機能し、扉は開けられる事が無いと『言われている』……利用帳票上はな。
実際どうなっているのかは足を運ぶ機会があるわけじゃないので分らない、とかってミスト王子……それは当たり前な話だと思います。だから、直線に並んでいる部屋の51部屋より後部に誰か居る気配が在る、となったら……そりゃ、怪しいだろう?
「では、行きます」
果てに近い壁の一つに手を置いて、レッドは深呼吸する。
頷く俺達。
壁に片手をついたレッドは目を閉じて頭を垂れ、小さく魔法行使の詠唱を口の中で繰り返す。
「イシよイシを伝えよ。トランスミッション」
……それって親父ギャグ?俺の密かなツッコミはともかく、レッドは魔法を唱えてからもう一つ息を付きゆっくりと壁に向かって囁いた。
「女王陛下、そこにおいでですか?」
誰かが息を呑んだ音が生々しく聞こえてくる。
「……レッドさん?」
「ユース、そこに居るんだな?」
彼女の声だと確認したら、堪らなくなって俺は壁に手をついていた。
「ヤト……」
壁の向こうで彼女が溜め息を漏らしたのを、俺はすぐそこに彼女がいるみたいに聞いていた。
とりあえず安堵の溜め息をもらし、ナッツとアベルが思わず手を軽く叩いて目的へと無事たどり着いた事を喜び合う。
「まず、状況を教えていただけますか?」
まだ安心するには早い、彼女の柔らかな手をこの手に握るまでは……安心なんか出来ないぜ。レッドは慎重に、壁の向こう側にいるユースから状況を聞き出した。
場所は悪いが待遇は悪くない様で、ちゃんと三食運ばれてくるらしい。という事は一日3回は誰かしら見回りに来るってわけだろ?前からの正規の入り口は閉じてるはずなのに、誰かがちゃんと見回りに来る……冷静に俺達は状況を想像する。
「どんな人かは分かりますか?」
レッドの質問に若干の沈黙。考えているのだろうか?
「……見知らぬ、学者風の男の方です」
「兵士ではないのですね?」
「はい、いつも同じ……人です」
じゃぁそいつの口を塞げば万事オッケー?
「時間帯は……分かるはずは無いですね。今は夜ですよ、起きていましたか?」
「日にちは数えていました、夜である事も分かっています。ただ、何もする事が無いので……眠れなくって」
「……そうですか、ではここに閉じ込められて何日程?」
「2度、7精を巡ったかと思います」
聞きなれない言い回しだが『思い出してみる』とすんなり理解できる。何の事は無い、2週間の事だ。こっちの普遍的な知識で7精ってのは7曜の事な。
「……王子とは、お会いになりましたか?」
「……王子、エルーク王子の事ですね」
エルーク。初登場っぽいが実はそうでもない。エルーク・ルーンザードというのが例のミスト王子の双子の弟王子の名前だ。
ユースは二人いる王子の内、弟王子の名前を先に出してきた。俺にはその意味する所は正直分からない。しかしレッドはどうやら、弟王子との事を聞きたかった訳じゃぁ無いらしい。
「ミスト王子をご存知ですね」
「……ええ」
俺達が今、ここに居る事情をよく分かっていないユースは遠慮がちに肯定した。大丈夫だ、ミスト王子と文通してたのはバレてるから……とは暴露出来ないしなぁ。
しおらしい彼女の態度に、俺はヘタな事を聞けず口を閉じていた。
「彼とは?」
「……会いました」
え?
なら、なんでミスト王子はユーステルと会ったという事を俺達に教えてくれなかったんだ?
言うヒマが無かった?いや、いくら多忙とはいえそんな事はないだろう。思えば、キリュウの手紙を渡した時から何やらおかしい態度を見せている。
そもそもその手紙だってなんだか変な事になっているし……。
レッドは壁に手をついたまま小さく溜め息を漏らし、目を閉じた。
「詳しい事情をお聞かせ願えませんかね、ユーステルさん。キリュウさんは貴方の事を女王であって実は女王ではない等と漏らしていた。……貴方は一体誰ですか?」
なんだそれ?なんだ、その質問の仕方は。
俺達は多分ナッツ以外、レッドの言わんとしている事をよく汲み取れず、沈黙して二人のやり取りを見守っている。
「……ああ、」
小さく何か納得が行った様な呟きが壁の向こうから漏れる。
「そう……ですね、何というか……信じて貰えないかもしれませんけれど」
言葉を切り、ユーステルは壁の向こうで一瞬息を止め、覚悟を決めた様に言った。
「実は、ユーステル・シールーズは男なんです」
なんつーか、あんまり敵の侵入を許した事が無いんじゃないのかな、この城。やられ放題、という意味じゃぁなくって、不法侵入される事が無いって意味な。そもそも、敵とか云うモノが侵入する事態無さそう……というのが正しい。
無防備極まりないのだ。
敵に見つからないように侵入するという、某ゲームなんかをやり込んでいる俺からするととはっきり言って、この城の警備は温い、温すぎる。
なぜにこんなに警備が緩々なのかの方が疑問だ。そこの所思わずレッドに聞き正したい位疑問なのだが、無駄口叩いてる場合でもない。
そんな訳であっさりと夜の月白城内へ侵入を果たした俺達なのだが……だからってこっちまで緩々になる訳にもいかないだろう。
誰かに見られたりする事も無く、だだっ広い本殿の一階廊下を柱に隠れながら進んでいる最中だ。足音は立たない様にナッツの『音消し』魔法が施されている。魔法探知機でもあれば引っかかっちまうらしいが、レッド曰く城内にそういう仕掛けは無いとの事。これは最初に城に来た時に、すでに探査済みらしい。ウチの頭脳は連中はホント抜け目無い。
巡回兵は居るんだが数は疎ら。すでにどういうシフトで巡回兵が動いているか、という情報はヒュンスから教えてもらってある。大きな螺旋階段をあくびを漏らしながら、緩々な兵士が降りて来て廊下へ歩を進める。これをやり過ごせば階段を見回る兵はいない。
俺達は素早く階段を駆け上がり2階へ到達した。
静かだ……。
3回折り返してたどり着いた2階は、俺の知るビル構造だと3階から4階相当の高さだ。
2階は執務室や会議室が多いとの事で、人がいる気配は全く無い。城に住んでいるのは一握りなんだそうだ。役人達は城下に住んでいて、城は仕事をするための施設なんだな。例えればオフィスビルみたいなもんだ。会社に住み込むってのはそう考えると異常な事だと思えるのは……サラリーマン的な思考か?
うーむ、俺は自分で考えて抱いた疑問を解いていた。つまりあれか、この城は襲撃されるべき要素があんまり無いんだな。盗賊なんぞが盗みに入りそうなもんだが割と、王が住んでいる住居にしてはさっぱりとしている。そう、まず第一に盗むべきブツが無さそうってのがある。
金銀細工で絢爛豪華って感じは全く無い。所々高そうな彫像やら壺やらは置いてあるが、全体的に広々とした城の作りに合わせた調度品はデカい。デカすぎて多分運び出すに出せないだろうなと、俺は豪華絢爛の巨大な壺の影に隠れて2階廊下の様子を伺っている。
誰も居ない廊下を素早く駆け抜ける俺達。
目的の扉を前にして、レッドは小さく首を横に振った。
手筈では鍵を『開錠魔法』とやらで突破するつもりだったのだがどうやら、それが使えない状況だという合図だ。じゃぁどうするか……。力ずくで蹴破るか?鍵開け技能とか持ってる奴は?
「何の障害?」
ナッツが囁き声で聞く。レッドは同じく小声で答えた。
「魔法探査アラームです、えらく古い魔法が生きていますね」
そんな仕掛けがあるとは聞いてない。
恐らくヒュンスやミスト王子などの城の関係者でさえ、この扉にアラームの仕掛けがされている事を知らなかったんだろうな。
「力技は」
「壊したら、明日にも侵入者がいた事がバレてしまいますよ」
「インティの鍵は?」
「明らかにタイプが違う」
ナッツはドアノブの下にある鍵穴や、隙間から鍵の掛けられた状況を確認して首を振った。
……じゃぁどうすんだよ?
「アベル、熱魔法エンチャットは?」
「出来るわよ」
「ドアノブは……廻るな。これは所謂『インテグラル錠』だ、錠シリンダーを焼き切ってしまおう」
基本的に『付加魔法』というのは探知系の魔法を欺くのにはもってこいなんだそうだ。発動した魔法などの動的な力を察知するのが基本形だとかで、魔力の動きを表に出さずに物理に還元する付加魔法(エンチャット)は、探査魔法泣かせの憎い奴って訳。
付加魔法まで探知するとなると、相当上級な探査魔法を敷かないといけないらしい。
条件を詳しく定義してやらなきゃいけないとかで……とにかくその魔法の重さ自体で探査魔法が敷いてあるのがバレちまう位物々しいとの事。そんなん、魔法使いのレベルで判る感覚だろ?
戦士である俺には説明されてもさっぱり分らんわ。
ナッツの提案で鍵を物理的に破壊する事になった訳だが……鍵を物理的に焼き切った時に、熱魔法を宿らせた剣を差し入れた焦げ跡がついてしまった。
これを何時買ったものだか、化粧品のファンデーションらしき物でマツナギが上手い事ごまかす。彼女の肌は浅黒いからな、ちょうど枠木と似た色だ。しかしマツナギ、お前すっぴんでも十分に美人なのに何で化粧品なんか買ってるんだ?
という突っ込みはいずれしようと思う。
とにかく今はそんな漫才をやっている場合ではない。
扉を静かに開け、俺達は目的の部屋に入った。一先ずここまで来れば第一ステージクリアって所。
さて、一息付かずに第二ステージに挑むか。
この部屋はミスト王子の執務室だ。
今は使ってないから先程の様に鍵が掛かっている。鍵をミスト自身が持っていればよかったのだが、生憎と5階にある自室の鍵付き机の中らしい。そこまで忍び込むのはリスクが高いだろうと、ヒュンスから執務室の鍵は壊して構わないと言われていたんだ。
本棚には難しい表題の分厚い本が並び、接客用のテーブルと椅子とお茶セット覗く収納棚や、ちょっとした飾り物が並べてある棚がいくつか。
机は大きいがインク壺とペン立てと、文鎮らしいものが置いてある程度で質素だ。細かい格子のガラス窓の向こうには小さなテラス、そして漆黒の闇。
「ここ、ですね」
机の背後にある飾り棚を調べていたレッドはどうやら『入り口』を見つけたようだ。テラスの隣にある大きな柱の隣の壁。素晴らしい刺繍の施された布を捲り上げて、露になった白いレンガの壁を軽く叩く。
「間違いありません」
「よし、」
テリーがしゃがみこみ、アインがマツナギの胸に飛び移る。
飾り棚の下の一つ出っ張っているレンガを、ゆっくりとテリーは抜き取った。次々と上の段から引き抜かれていくレンガを受け取っては、俺は丁重に机の下の目立たない所へ並べて行く。
レンガおよそ三列分を抜き取ると、現れたのは真っ黒い空間だ。しゃがみこんで潜った先、レッドが明かりを灯せば人一人通れる位のホントに狭い階段が現れる。
これは、ミスト王子が教えてくれた隠し通路。
月城の丘の地下にある鍾乳洞へ続く道で、道中城の地下にあるという牢屋へも通じていると云う。さらに情報屋AWLが持っていた地図をコピってまでインティが俺達に恩着せがましく突きつけて来た地図が示す所、この地下通路は事もあろうか南方神殿まで続いているらしい。
つまりだ、地下で偽王アイジャンの住居まで繋がってるって事だよ。
もちろんそれはアイジャンも知っているだろう。知らないとすれば弟王子エルーク位だろうとヒュンスは言っていた。最近城に連れてこられた弟王子は、広大な地下洞窟の事は知るはずがなかろう、ってな。
逆にミスト王子は城の内部をよく知っている。
長年そこで育った事もあるだろうし何より、自分の家だもんな。
広大な城ではあるが、何処に誰が居て何をして働いているのか、という人事の把握には自信があるのだそうだ。月白城に王が居ないのだから城の主はミスト王子だ、その責務として人事把握は自ら行っているのだという。いやはや、エラい王子様です。
城の内部であれば、ミスト王子に隠し事など出来はしないとの事。最近城に住む事になった弟王子の世話を焼いているのは、つまり全面的に兄王子って事か。
つまり、ミスト王子の目の届く場所にはユーステルは居ない。そして逆にいえば、目の届かない部分に隠されているという事になるだろう。
女王誘拐が弟王子の仕業であると断定しているミストは、ならば女王は自分の目が唯一届かない、地下牢だろうと推測したわけである。何やらその地下牢が最近、不正に使われている形跡がある事は知っていた様だ。調べて把握しておきたかった事実ではあったものの、何しろそれは地下通路で南方神殿、偽王アイジャンの所にも繋がっている。ヘタに探ろうとすれば、アイジャンに不審がられる事も十二分に考えられるだろう。
ともすればきっと使用しているのは伯父であろうと、ミスト王子は追及を諦めたと言っていた。
誰かを匿う場所は、城のはずれにあるたった一つの入り口しか『無いはずの』地下牢しか無い。
ところがこの地下牢の警護は厳しいらしく、正面切っての突入は穏便には行かない。
それで、この秘密の地下通路の出番ってわけだよ。
「ここからは何が出るかわかりません」
了解と、俺達は無言で頷いた。
手筈通り先頭は俺でその次にナッツ。本来ならナッツが先頭でもいいんだが、夜なので鳥目の奴は当てにならない。先頭は人柱役……もといリーダー兼盾役である俺の仕事だぜ。この席、テリーには絶対譲らないからな!
例えばアベルを先頭に立たせたらどうか?……それだと迷子になる恐れがある。そんな事態は避けなきゃいけねぇだろ?マツナギは先頭は嫌だと言うし、打たれ弱いレッドなんかを前に出す訳にも行かない。真ん中にレッド、背後にマツナギ、殿はなぜか何時もの通りテリーとアインだ。割りとこの順番が定着中。
狭い階段を下りていく。鎧が擦れる音だけが響き、明かりもなく暗闇の中ひたすら手足で通路をと階段を確認しながら降りる。
明かりなんか無くてもいい、狭すぎて転びようも無いからな。幸い、暗闇閉所恐怖症などというヘタなマイナスアビリティ(不利特徴)を持ってる奴は居ない。足元はしっかりしていて階段も単調だ。何度か折り返しながら進んでいくと、ぼんやりと先に明かりが見えてくる。
普段なら気が付かないだろう程のささやかな明かりだ。暗闇に目が慣れているから気が付ける程度。
「大分降りました、そろそろ地下です」
レッドのささやき声が聞こえた。
ヒュンスの話だとこの秘密通路は、地下牢獄に平行して作ってある排水溝および換気通路に出るとの事。ひんやりとしていた空気が妙に熱っぽくなって来た。じめっとして不快指数も高い。城は風に晒されて夜冷え込む構造なのだろうが、地下だと話は別だ。
昼間の地熱を十分に蓄えた砂の下、繁殖してる光苔に覆われた問題の左換気通路に到着。マジメに僅かな黄緑色の発光をしている苔が辺りを覆い尽くしている。ここは、人が通る様には作られていない、単なる水と空気の通り道という通路だった。
浅く、水が足元を流れていく。ぬるぬるして滑りやすい。
肩幅より若干広い程度の通路の両脇に手を置き、軟らかな苔の感触に触れながら水の下り落ちる方へと俺は進んだ。
話に聞いていた通りに行き止まる。水は立ちはだかった壁の向こうへ狭い口から流れていく。僅かな風の吹き付ける天井にぽっかりと空いた闇、乾燥している風に苔は繁殖できないらしい。
地図だと、この右手にあるブロック塀を崩してさらに地下へ通路が伸びているのだが……生憎その先の鍾乳洞には用が無い。
俺達はこの左手の壁の向こう側にある牢屋施設を目指しているんだ。
レンガが若干登りやすいようにデコボコと突き出しているが、すっかり苔に覆われていて上手く掴めそうにないな。
「アイン、」
狭い頭上を俺達の肩を渡りながら小竜のアインが先頭にやってきた。何をするのか、ちゃんと彼女は察してくれている。
「伏せて、」
俺とナッツ、アベルがその場にしゃがみこみ、アインは上へ向かう通路へ灼熱のブレスを軽く一吹き。圧倒的な光に目がくらんだが、再び闇に目が慣れると光苔が焼き払われてぽっかりと、目の前に闇が浮かんでいる。
十分に手加減されたブレスにレンガ石まで焼けている気配はない。熱はすぐに引くだろう。
俺はナッツからロープを渡されつつ暗闇に向けて慎重にレンガの取っ手を掴み、上へ登り始めた。
狭い通気口はそれ程長くはなく、すぐに横に伸びる狭い道に手が届く。這い上がると下の通路と同じ位の幅があるが高さは膝を付かないと進めない具合だ。
俺はロープを口に咥えたまま更に暗がりを慎重に進む。
ざりざりする……砂が幾分入り込んでるな。途中、斜め右手に伸びる通気工があるがこれはスルー。外に続く単なる通気口だ、普通の人には通れないと地図にはメモされている。アインとか、身軽なアベルくらいなら通り抜けられるかもな。
更に進み、光苔のぼんやりとした明かりが下に見える……出口だ、右換気通路に到着。俺は慎重に水の流れる下の通路に下りて、ロープを引いた。ロープを伝って他の連中も次々に右通路へ到着する。
これで第二ステージはクリアだ。今の所問題は無し。
さてさて、今度は水の流れに逆行。
ヒュンスの手引きに寄れば、この右通路の上流果てが……地下牢最深部へと続いているんだ。あとは生命探査魔法か何かを駆使し、人の気配を探せばいい。
何しろこの地下牢屋、使われているのは入り口に程近い50部屋だけと言う。戦争をするとか色々物騒な噂のある南国カルケードではあるが、元々犯罪および犯罪者は西国に比べたら圧倒的に少ないのが『お国柄』だ。文化と国民性と、あとは法律の問題らしいが今はその話は割愛する。とにかく牢屋なんて50部屋あれば事足りるらしい。ましてや地下牢は長期拘置刑にのみ使用されてる特殊な施設らしいからな。
直線状に並んだ200を数えると云う牢屋の半分以上が未使用。
50部屋ごとについている区切り扉はもはや壁として機能し、扉は開けられる事が無いと『言われている』……利用帳票上はな。
実際どうなっているのかは足を運ぶ機会があるわけじゃないので分らない、とかってミスト王子……それは当たり前な話だと思います。だから、直線に並んでいる部屋の51部屋より後部に誰か居る気配が在る、となったら……そりゃ、怪しいだろう?
「では、行きます」
果てに近い壁の一つに手を置いて、レッドは深呼吸する。
頷く俺達。
壁に片手をついたレッドは目を閉じて頭を垂れ、小さく魔法行使の詠唱を口の中で繰り返す。
「イシよイシを伝えよ。トランスミッション」
……それって親父ギャグ?俺の密かなツッコミはともかく、レッドは魔法を唱えてからもう一つ息を付きゆっくりと壁に向かって囁いた。
「女王陛下、そこにおいでですか?」
誰かが息を呑んだ音が生々しく聞こえてくる。
「……レッドさん?」
「ユース、そこに居るんだな?」
彼女の声だと確認したら、堪らなくなって俺は壁に手をついていた。
「ヤト……」
壁の向こうで彼女が溜め息を漏らしたのを、俺はすぐそこに彼女がいるみたいに聞いていた。
とりあえず安堵の溜め息をもらし、ナッツとアベルが思わず手を軽く叩いて目的へと無事たどり着いた事を喜び合う。
「まず、状況を教えていただけますか?」
まだ安心するには早い、彼女の柔らかな手をこの手に握るまでは……安心なんか出来ないぜ。レッドは慎重に、壁の向こう側にいるユースから状況を聞き出した。
場所は悪いが待遇は悪くない様で、ちゃんと三食運ばれてくるらしい。という事は一日3回は誰かしら見回りに来るってわけだろ?前からの正規の入り口は閉じてるはずなのに、誰かがちゃんと見回りに来る……冷静に俺達は状況を想像する。
「どんな人かは分かりますか?」
レッドの質問に若干の沈黙。考えているのだろうか?
「……見知らぬ、学者風の男の方です」
「兵士ではないのですね?」
「はい、いつも同じ……人です」
じゃぁそいつの口を塞げば万事オッケー?
「時間帯は……分かるはずは無いですね。今は夜ですよ、起きていましたか?」
「日にちは数えていました、夜である事も分かっています。ただ、何もする事が無いので……眠れなくって」
「……そうですか、ではここに閉じ込められて何日程?」
「2度、7精を巡ったかと思います」
聞きなれない言い回しだが『思い出してみる』とすんなり理解できる。何の事は無い、2週間の事だ。こっちの普遍的な知識で7精ってのは7曜の事な。
「……王子とは、お会いになりましたか?」
「……王子、エルーク王子の事ですね」
エルーク。初登場っぽいが実はそうでもない。エルーク・ルーンザードというのが例のミスト王子の双子の弟王子の名前だ。
ユースは二人いる王子の内、弟王子の名前を先に出してきた。俺にはその意味する所は正直分からない。しかしレッドはどうやら、弟王子との事を聞きたかった訳じゃぁ無いらしい。
「ミスト王子をご存知ですね」
「……ええ」
俺達が今、ここに居る事情をよく分かっていないユースは遠慮がちに肯定した。大丈夫だ、ミスト王子と文通してたのはバレてるから……とは暴露出来ないしなぁ。
しおらしい彼女の態度に、俺はヘタな事を聞けず口を閉じていた。
「彼とは?」
「……会いました」
え?
なら、なんでミスト王子はユーステルと会ったという事を俺達に教えてくれなかったんだ?
言うヒマが無かった?いや、いくら多忙とはいえそんな事はないだろう。思えば、キリュウの手紙を渡した時から何やらおかしい態度を見せている。
そもそもその手紙だってなんだか変な事になっているし……。
レッドは壁に手をついたまま小さく溜め息を漏らし、目を閉じた。
「詳しい事情をお聞かせ願えませんかね、ユーステルさん。キリュウさんは貴方の事を女王であって実は女王ではない等と漏らしていた。……貴方は一体誰ですか?」
なんだそれ?なんだ、その質問の仕方は。
俺達は多分ナッツ以外、レッドの言わんとしている事をよく汲み取れず、沈黙して二人のやり取りを見守っている。
「……ああ、」
小さく何か納得が行った様な呟きが壁の向こうから漏れる。
「そう……ですね、何というか……信じて貰えないかもしれませんけれど」
言葉を切り、ユーステルは壁の向こうで一瞬息を止め、覚悟を決めた様に言った。
「実は、ユーステル・シールーズは男なんです」
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