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本編後推奨あとがきとオマケの章
番外短編1『平和を守りたい魔王八逆星の説話』
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□ ■01 主人公のオマケがみたい □から分岐しました
番外編1『平和を守りたい魔王八逆星の説話』
俺はここにいてもよいのだろうか。
風が吹き抜けて木々のざわめきの音を聞くたびに……不安に駆られる。
どうしようもない気持ちに……思考も、手足の動きも完全に止まって……胸に渦巻く不思議な感覚が何であるのか確かめるように振り返り、無心に遠くを眺めていた。
リーフの奴、また手を休めている。
陰口に慌てて我に返る。
隣の畑のおじさんが俺を、怪訝な目で窺っているのと目が合ってお互いにそらした。
……俺はここにいてもよいのだろうか。
問いかける者が誰なのか分からないこの、不気味な疑問は膨れ上がる一方だ。
それである日、我慢が出来なくなって俺はそれを口に出した。
行き倒れていた俺を拾い、自分が誰なのかも忘れ去って途方にくれている俺の面倒を見てくれてる。優しい老夫婦にだ。
小さな畑にしがみつくように暮らしている。
一方的な聞く話を聞くに、娘と息子がいたそうだ。しかし娘は隣町に嫁いで行ってそのまま都会に出てしまって疎遠になり、息子もまた田舎暮らしを嫌って出て行ってそれっきり。
音信不通でさびしくて、さびしくて……と、老夫婦は遠慮なく俺に告げて……。
たぶん、俺を家族たちの代替えとしてそばに置いている。
その雰囲気はすぐに悟った。
嫌だと思ったわけじゃない。
俺は自分がどこの誰なのか本当に、本当に分からなくて途方に暮れているから。
だけど……何か、心のどこかで。
腑に落ちない感覚が後を引く。
自分が何者なのか分からないというのが一番の不安なんだと思う。
全ての不安はきっとそこから出ているんじゃないだろうかと思うけど、考えても、考えても俺は自分が何者なのかを思い出せない。
仕方がないので一心不乱に畑の作業をするしかない。
体を動かして気を紛らわせないと堪らなくなる。頭の中がからっぽで、あまりにも何もなくて……。
どうにかなってしまいそうだ。
喉の渇きより、飢えよりも強烈な喪失感に立っているのも座っているのも許せなくなる。
俺は、ここに居てはその、堪らない不安を払拭できない気がしていた。
だから……お世話になっているのは感謝しているけれど。
ここから出ていこうと思うんだ。
老婦人は必死に俺を止めようとした。
俺の気持ちを理解はしてくれたけど、それでもあの手この手で俺を手放すことを嫌がった。
季節が悪いから夏になってからにすればいいとか、貯えが少ないから収穫が終わってからにした方がいいとか。
俺を気遣う言葉のようで、その底には俺を手放したくないという気持ちがあるのがよくわかる。
老夫婦の気持ちは……分からないでもない。
寂しいって事なんだよな。
娘も息子も戻ってこないから……寂しいから俺にここにいて欲しいというんだ。
この地方に一人というわけじゃない、村人は他にもいる、一人じゃない、夫婦なんだし寂しい事はないだろうと最初は思っていたけど、二人の一方的な話を聞いているにそういう問題じゃないのだ、という事は俺にも理解できた。
お隣の家族と仲が悪いわけじゃないらしいが、隣の畑の持ち主は俺をよく思っていないように思う。
気が付くとじっと、睨みつけられている事がある。
それで、どうにも老夫婦家族とお隣の関係が最近ぎくしゃくしているのが俺にも分かる。
老夫婦曰く、隣も息子二人とも家を出て行ったから寂しくて、あんたがウチにいるのを嫉妬しているんだわと言っていた。
じゃぁ、悪いのは俺だよな。
俺がいるからこの、小さな村の小さな世界の、小さな平和が崩れたんだ。
そう思えて罪悪感は募るばかり。
穏便に説き伏せるのは諦める事にした。俺は……無言で老夫婦の家を出る事に決めた。
で、こっそりと家を出る準備を進めている。
ここにいちゃいけない。
俺には……たぶん、俺がいるべき場所がある……ぼんやりとそう思えてきた。
風が吹き抜けて森がざわめくに、俺は呼ばれているように感じる。
吹き抜ける風の青臭いにおいが……ひどく懐かしく。森の奥へ、奥へと誘う。
あとは出て行くだけ。そのタイミングを図っていたある日。
険悪になってしまった隣の畑の爺さんが俺を、じっと見ているのに気がついた。
手に何か持っていて、それを眺めて……わざとらしく見比べているように見える。
なんだかいつもと違う。
俺に向けている視線がいつもより……キツいもののように感じる。
これは……悪意だ、直観的に感じて逃げるなら今だと悟り。
俺はその夜には小さな村を出て行く事になった。
決断が遅かったかもしれない。
行くあてもなく森をさまように、誰かが追いかけてきているような気がして俺は必死に逃げている。
逃げているようで、こうやって突き進む森の奥に……何か目的があるような錯覚も覚えて、前に進むに迷いはなかった。
呼んでいる。
俺は誰かに呼ばれている。
しかし2日と歩かないうちに俺は道に迷い、前に進めなくなった。
深い渓谷が突然目の前に開け、今来た道を戻る必要に迫られてしまう。
地理も把握せず森を歩く危険を、深い渓谷を前に今更悟り途方に暮れててしまった。
……いったい俺は何がしたいんだ。
「やっと追いつきましたね」
森の奥深く、夕暮れ時に突然聞こえた人の声に座り込んでいたところ飛び上った。
「探しましたよ」
紫色のローブを纏う男に、俺は思い当たる事は何もない。
お前は誰だと問うに、貴方を探す者ですと男は答えた。
お前が探す俺とは何だ。
自分で問いかけておいて意味不明と把握する俺の問いに、男は笑いながらメガネのブリッジを押し上げる。
そして恭しく一礼し、跪く。
「あなたが否定しても貴方はこの世界に君臨する王なのですよ。あなたは、この世界の平和をささやかに祈る魔王八逆星」
おいでなさい、呼びかけられてなぜだか男に対する警戒心が解けた。
たまらない懐かしさにひかれ、俺は……気がつけば男の手を取っていた。
魔法によるらしいトビラをくぐり、たどり着いたそこには……大きな木。
吸い寄せられる。
そうだ、これだ。
俺はこいつに呼ばれていた。
ゆっくりと幹に触れて、肌を寄せ、忘れていたことを思い出す。
俺は代替えだ。
でも代替えである事なんか容易く認めたくはなかった。
逃げたんだ。何かのはずみで逃げ出して……行き倒れた。
そうやって散らばる代替えの俺達に向けてこいつは、全部受け入れてやるから戻って来いと呼んでいる。
ここだ、ここが俺に許された唯一の居場所なんだと俺も事実を受け入れる。
硬いはずの木の幹に、緩やかに俺は埋まりゆく。伸ばされてくる蔦に絡まれ深く、深く、深く。
「……結構残ってるもんなんだな」
「僕も想定外な事でしたね」
紫色のローブの男がため息を漏らす。
「結局赤い旗の存在を世界は許したし、僕らも容認しているのです。貴方もそうやって魔王八逆星というシステムを維持している限り……赤い旗はこの世界に存在する事になる」
そうだろうなと、肯定して苦笑する。
「こうやってここに連れてこれる数など限られています。討伐されたという報告もちらほらあるようですよ」
「そりゃ、しゃーねぇだろう」
ため息交じりにそう答えるも、そうも言ってられないんですよと魔導師は言う。
「貴方が根本的に抱えている問題は大きい。討伐しようとして返り討ちにあって甚大な被害を受けた地域も少なくないのです」
「その為にいまだ俺は魔王八逆星なんだろ?俺の顔がお尋ね者になってんだろうが」
「……そうですが、出来ればその状況を撤回したいと思っているんですよ僕は」
「俺の為にやる必要はないさ」
世界の安定の為に、例えて、玉座に座る。
王ってのはエラくねぇ。国の安定の為に捧げられる生贄だ。
南国カルケードの王を見ていて俺は、そんな事を昔思った。その通りなんだ。
「俺はどこまでも消費される方。……ささやかな平和があるために」
それでいい。
本当はこんな役職くそくらえだと思ってたけど、でも拒否してもどーにもならないなら俺は全ての状況を受け入れるしかないよなぁ。そんな風に色々悟って、俺は……自分で選んでここに腰かけている。
ささやかに願う平和を守りたい、俺は魔王八逆星。
俺がここに座る事で平穏が守られるなら俺は、ここにいよう。
END
*** *** *** 分岐 *** *** ***
■03 主人公のオマケモア →おまけ03へ
□02 主人公もういい イラネ →おまけ02へ
番外編1『平和を守りたい魔王八逆星の説話』
俺はここにいてもよいのだろうか。
風が吹き抜けて木々のざわめきの音を聞くたびに……不安に駆られる。
どうしようもない気持ちに……思考も、手足の動きも完全に止まって……胸に渦巻く不思議な感覚が何であるのか確かめるように振り返り、無心に遠くを眺めていた。
リーフの奴、また手を休めている。
陰口に慌てて我に返る。
隣の畑のおじさんが俺を、怪訝な目で窺っているのと目が合ってお互いにそらした。
……俺はここにいてもよいのだろうか。
問いかける者が誰なのか分からないこの、不気味な疑問は膨れ上がる一方だ。
それである日、我慢が出来なくなって俺はそれを口に出した。
行き倒れていた俺を拾い、自分が誰なのかも忘れ去って途方にくれている俺の面倒を見てくれてる。優しい老夫婦にだ。
小さな畑にしがみつくように暮らしている。
一方的な聞く話を聞くに、娘と息子がいたそうだ。しかし娘は隣町に嫁いで行ってそのまま都会に出てしまって疎遠になり、息子もまた田舎暮らしを嫌って出て行ってそれっきり。
音信不通でさびしくて、さびしくて……と、老夫婦は遠慮なく俺に告げて……。
たぶん、俺を家族たちの代替えとしてそばに置いている。
その雰囲気はすぐに悟った。
嫌だと思ったわけじゃない。
俺は自分がどこの誰なのか本当に、本当に分からなくて途方に暮れているから。
だけど……何か、心のどこかで。
腑に落ちない感覚が後を引く。
自分が何者なのか分からないというのが一番の不安なんだと思う。
全ての不安はきっとそこから出ているんじゃないだろうかと思うけど、考えても、考えても俺は自分が何者なのかを思い出せない。
仕方がないので一心不乱に畑の作業をするしかない。
体を動かして気を紛らわせないと堪らなくなる。頭の中がからっぽで、あまりにも何もなくて……。
どうにかなってしまいそうだ。
喉の渇きより、飢えよりも強烈な喪失感に立っているのも座っているのも許せなくなる。
俺は、ここに居てはその、堪らない不安を払拭できない気がしていた。
だから……お世話になっているのは感謝しているけれど。
ここから出ていこうと思うんだ。
老婦人は必死に俺を止めようとした。
俺の気持ちを理解はしてくれたけど、それでもあの手この手で俺を手放すことを嫌がった。
季節が悪いから夏になってからにすればいいとか、貯えが少ないから収穫が終わってからにした方がいいとか。
俺を気遣う言葉のようで、その底には俺を手放したくないという気持ちがあるのがよくわかる。
老夫婦の気持ちは……分からないでもない。
寂しいって事なんだよな。
娘も息子も戻ってこないから……寂しいから俺にここにいて欲しいというんだ。
この地方に一人というわけじゃない、村人は他にもいる、一人じゃない、夫婦なんだし寂しい事はないだろうと最初は思っていたけど、二人の一方的な話を聞いているにそういう問題じゃないのだ、という事は俺にも理解できた。
お隣の家族と仲が悪いわけじゃないらしいが、隣の畑の持ち主は俺をよく思っていないように思う。
気が付くとじっと、睨みつけられている事がある。
それで、どうにも老夫婦家族とお隣の関係が最近ぎくしゃくしているのが俺にも分かる。
老夫婦曰く、隣も息子二人とも家を出て行ったから寂しくて、あんたがウチにいるのを嫉妬しているんだわと言っていた。
じゃぁ、悪いのは俺だよな。
俺がいるからこの、小さな村の小さな世界の、小さな平和が崩れたんだ。
そう思えて罪悪感は募るばかり。
穏便に説き伏せるのは諦める事にした。俺は……無言で老夫婦の家を出る事に決めた。
で、こっそりと家を出る準備を進めている。
ここにいちゃいけない。
俺には……たぶん、俺がいるべき場所がある……ぼんやりとそう思えてきた。
風が吹き抜けて森がざわめくに、俺は呼ばれているように感じる。
吹き抜ける風の青臭いにおいが……ひどく懐かしく。森の奥へ、奥へと誘う。
あとは出て行くだけ。そのタイミングを図っていたある日。
険悪になってしまった隣の畑の爺さんが俺を、じっと見ているのに気がついた。
手に何か持っていて、それを眺めて……わざとらしく見比べているように見える。
なんだかいつもと違う。
俺に向けている視線がいつもより……キツいもののように感じる。
これは……悪意だ、直観的に感じて逃げるなら今だと悟り。
俺はその夜には小さな村を出て行く事になった。
決断が遅かったかもしれない。
行くあてもなく森をさまように、誰かが追いかけてきているような気がして俺は必死に逃げている。
逃げているようで、こうやって突き進む森の奥に……何か目的があるような錯覚も覚えて、前に進むに迷いはなかった。
呼んでいる。
俺は誰かに呼ばれている。
しかし2日と歩かないうちに俺は道に迷い、前に進めなくなった。
深い渓谷が突然目の前に開け、今来た道を戻る必要に迫られてしまう。
地理も把握せず森を歩く危険を、深い渓谷を前に今更悟り途方に暮れててしまった。
……いったい俺は何がしたいんだ。
「やっと追いつきましたね」
森の奥深く、夕暮れ時に突然聞こえた人の声に座り込んでいたところ飛び上った。
「探しましたよ」
紫色のローブを纏う男に、俺は思い当たる事は何もない。
お前は誰だと問うに、貴方を探す者ですと男は答えた。
お前が探す俺とは何だ。
自分で問いかけておいて意味不明と把握する俺の問いに、男は笑いながらメガネのブリッジを押し上げる。
そして恭しく一礼し、跪く。
「あなたが否定しても貴方はこの世界に君臨する王なのですよ。あなたは、この世界の平和をささやかに祈る魔王八逆星」
おいでなさい、呼びかけられてなぜだか男に対する警戒心が解けた。
たまらない懐かしさにひかれ、俺は……気がつけば男の手を取っていた。
魔法によるらしいトビラをくぐり、たどり着いたそこには……大きな木。
吸い寄せられる。
そうだ、これだ。
俺はこいつに呼ばれていた。
ゆっくりと幹に触れて、肌を寄せ、忘れていたことを思い出す。
俺は代替えだ。
でも代替えである事なんか容易く認めたくはなかった。
逃げたんだ。何かのはずみで逃げ出して……行き倒れた。
そうやって散らばる代替えの俺達に向けてこいつは、全部受け入れてやるから戻って来いと呼んでいる。
ここだ、ここが俺に許された唯一の居場所なんだと俺も事実を受け入れる。
硬いはずの木の幹に、緩やかに俺は埋まりゆく。伸ばされてくる蔦に絡まれ深く、深く、深く。
「……結構残ってるもんなんだな」
「僕も想定外な事でしたね」
紫色のローブの男がため息を漏らす。
「結局赤い旗の存在を世界は許したし、僕らも容認しているのです。貴方もそうやって魔王八逆星というシステムを維持している限り……赤い旗はこの世界に存在する事になる」
そうだろうなと、肯定して苦笑する。
「こうやってここに連れてこれる数など限られています。討伐されたという報告もちらほらあるようですよ」
「そりゃ、しゃーねぇだろう」
ため息交じりにそう答えるも、そうも言ってられないんですよと魔導師は言う。
「貴方が根本的に抱えている問題は大きい。討伐しようとして返り討ちにあって甚大な被害を受けた地域も少なくないのです」
「その為にいまだ俺は魔王八逆星なんだろ?俺の顔がお尋ね者になってんだろうが」
「……そうですが、出来ればその状況を撤回したいと思っているんですよ僕は」
「俺の為にやる必要はないさ」
世界の安定の為に、例えて、玉座に座る。
王ってのはエラくねぇ。国の安定の為に捧げられる生贄だ。
南国カルケードの王を見ていて俺は、そんな事を昔思った。その通りなんだ。
「俺はどこまでも消費される方。……ささやかな平和があるために」
それでいい。
本当はこんな役職くそくらえだと思ってたけど、でも拒否してもどーにもならないなら俺は全ての状況を受け入れるしかないよなぁ。そんな風に色々悟って、俺は……自分で選んでここに腰かけている。
ささやかに願う平和を守りたい、俺は魔王八逆星。
俺がここに座る事で平穏が守られるなら俺は、ここにいよう。
END
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