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完結後推奨 番外編 妄想仮想代替恋愛
◆トビラ後日談 A SEQUEL『妄想仮想代替恋愛 -7-』
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◆トビラ後日談 A SEQUEL『妄想仮想代替恋愛 -7-』
※本編終了後閲覧推奨、古谷愛ことアインさんメインの後日談です※
ヤトは昨日準備したお酒じゃなくて、アルコール度数が高いままの、原酒が入った瓶を持って来た。コーヒーを飲んでたコップに氷砂糖の固まりを入れ、とろみのある原酒を注ぎ入れている。蒸留したのを熟成させたものなんですって、これは料理とか保存食を作る時には使わない、本当にとっておきの時のお酒だ。
肴にと持ってきたのは塩と油で煎った木の実と生ベーコン、それに塩を小皿にひと山、酸味の強いフルーツを半分に割ったもの。
リコレクト、昨日頼まれてあたしが調達した奴だ。
「ついに酒も作り始めたのか?」
匂いを嗅ぎ、品種を推測しかねているらしくテリーは一口舐める。
「なんだ、ただのリキュールか」
「ディアス国の方から貰ったすんげぇ高い酒なんだが。ぶっちゃけて酒の良し悪しは分かる方じゃないからなぁ、ちびちび飲むならこいつは悪くねぇぞ」
そう言って一口舐めてからヤトは話を続ける。
「酒造りなぁ、ヒマがあればやってみたいとは思うけど……今の所、消費量はそんな多くないんだよなぁ」
ヤト、アルコールよりカフェイン依存してるからね。
強かったらコーヒーで割ると美味いぞ、と早速自分は残っていたコーヒーで割ってる。
「ヤートー、あたしにはー?」
「何言ってる、アインさんはお子様だからダメに決まってるだろ。ほら、バター入りのお茶で我慢しろ」
そう言って煮詰めた発酵茶に氷砂糖を砕き入れて、自家製の無塩ラムバターの固まりを放りこんだものを出してくれた。
バター、いつもより大きいのが嬉しい。
あ、実は小屋の裏で羊と鶏を数羽飼ってるんだよ。近年乳牛の導入も考えてたけど、やっぱり毛が取れて、時にツブしても二人で食べきれるサイズって考えると牛は考え物なんですって。
基本的に、ここではただの水を飲む習慣が無い。
清流が知覚に無いのね。飲み水は雨水を貯め込んだものか、あるいはちょっと遠くにある川の所まで汲みにいかないとなの。
目の前に沼はあるけどそこの水、とてもじゃないけど飲めたものじゃない。勿論水浴びなんかも論外という泥の沈んだ『沼』なのよ。逆に、畑にやるならこの沼の水で十分。
だから飲料水は最低一回は沸騰させないといけない、衛生上の都合消毒も兼ねてお茶にして飲むのが普通なの。
あたしは生水や泥水でも問題ないんだけどね……ヤトはそうじゃないから。
雨水を蓄えておく貯水池は真っ先に作ってたわ。
そこに清流から水を引く灌漑設備は勿論考えてみたらしいけど、高低差の都合簡単ではないっぽい。風車とか色々駆使しないといけないみたいで、とりあえずそこまで水に困って無いからと、思いついた時に一人でせっせと整備しているみたい。
あたしたちはお互い飲み物を確保し、カップを手に、合わせて音頭を取ってから、早速とテリーちゃんの話を詳しく聞く事になった。
テリーの悩みはぶっちゃけて言えば、レズミオ文化に馴染むに馴染めないという事みたいね。
テリオスさん家はね、一応上手く行ってるみたいよ。
でもそれはファマメント国の首都レズミオにおける、上流階級の常である非常にドライな関係性の上での話なのよね。表面上は問題無いって事だよ、問題なのは中の方。
話をよく聞いてみると……奥さん、とても良く出来た人でテリー、奥さんの事嫌いって訳じゃないんだ。ならそうだって言えばいいのに……もう、照れ屋さん。
彼が口にする、どうにも悪口に聞こえる奥さんの話は実は褒め言葉の裏返しなのね。それでも文化的な都合慣れてない、嫌いではないけれど正直にいえば苦手意識がある事を彼は素直に暴露してくれた。
奥さんは、とてもとても『レズミオの淑女』であるらしい。
レズミオの文化に照らし合わせれば極めて有能で良く出来た奥さんである事は間違いない、とテリーは断言した。俺にはもったいないくらいのスゲェ女だとまで言ったわね。……ん?じゃぁもしかして尻にしかれてるのかしらん?
レズミオの淑女ってところで、どんなものなのかなんか分かる?
あたしはさっぱり分からなかったけどようするに、それはファマメント国の政治中心地『レズミオ』で一般的に評価が高い女性って事だよ。
人の価値観ってさ、文化によって異なるワケじゃない。
フルヤさんの所では男女平等が理想だって言って、あまり格差は無いようにってお互いが譲り合っているけれど、実際には染みついた男尊女卑の価値観がガッチガチでフェミニズムだ、なんだと、日々色々バトルしているような感じなんだけど。
こちらの世界ではそういう、男女で差の無い文化の所の方が少ない。
男尊女卑か、あるいはその全く逆の文化が結構当たり前で、格差や差別も当然とある。
本当はさ、平等っていうのは所詮建前で何をどうやっても格差ってのはあるのかもしれないね。こっちの世界、エイトエレメンタラティスだと平等は理想論にもならないのよ。
レッドが言ってた。
平等であると唱えられると不都合のある支配階級が、平等は悪とせっせと教え込んでいるのがこの世界の理ですからね、とか。
何しろこちらの世界では、北方賢者、方位神イン・テラールが平等を司り、平等である事の残忍さと救いの無さを説いているらしいものねぇ。イン・テラールは『悪神』の代名詞みたいなものだから、すなわち平等は悪と結び付けられて考えられやすい傾向にあると思う。
とにかくそういうわけでレズミオって言う所では格差社会が当たり前としてあるわけ。男女関係も平等じゃない。
そういう都合頭の良い、教養のある女性はレズミオでは一般的に好まれない傾向があるんですって。女性の政治家は少ないそうだけれど居ない訳ではない。その場合、割と男装麗人として結婚しない人が多いそうだ。
男として振る舞わないとレズミオで、女性は強くなれないのね。
テリーちゃん、最近ようやく口を割ったんだけどお姉さんがまさしくそんな感じで、ウィン家を一時的に預かってはいたけれどその後、完全に縁を切ってしまったんだそうだ。それで……魔王討伐隊第一陣を率いて戻ってこなかったんですって。
レズミオで『淑女』って言ったらどんなのかというと、男性を立てて自分は一切主張をせず、一歩下がって慎ましやかに振る舞うってのがどんぴしゃりかな。自分の存在を主張する事もダメらしい。嫁いだ場合、旦那さまをとにかく引き立てるに終始し、跡取りが生まれた場合はこれに従属して立派に育て上げるに全力全霊傾けるのが『淑女』なんですって。
勿論旦那や息子さんを自分のものみたいに勘違いして、自分自身が目立ってしまったりする行為は極めてNG。それをやってもいいのはレズミオでは男性のみ。女性がそういう事するのは、はしたない行為なんだって。
それ聞いてヤト、アベルはあれ淑女無理だな、とか笑ってた。
あ、だからナッツの奴レズミオを出る必要に迫られたのか!とかひとりで爆笑してるんだけど……それ、アベちゃんが聞いたらボッコボコにされちゃうよ?
ファマメント国って一応民主主義の国で、珍しく王様っていう概念が無いんだって。国を動かしているのは政治家と呼ばれるレズミオの上流階級。テリーはずっと隠していたけれど……レズミオで5本指にはいるくらい有名な家の次男、テリオス・ウィンだったりした。
彼は都合『家』から逃げ出し、好きだからと言って拳一つで戦う『拳闘士』をやっていた。その時にヤトと『好敵手』として出会い、幾多の戦いを経て親友とお互いに呼べるようになったそうだ。で、その時彼らは遠東方国イシュタルのエズに居たのでこの頃の事を『エズ時代』って言ってるのね。
テリーさんは自分が『テリオス・ウィン』である事を隠し、10年以上国に帰らない出奔生活をしていた。その間に雑多な文化に触れ、それに慣れてしまってレズミオの生活なんてすっかり忘れた訳よ。彼としてはもう家には戻らない覚悟もしての出奔だったそうだ。レズミオに戻って政治家に成るつもりはさらさらなかったって事。
そこ、色々あって戻る事になった訳だけど……いざウィン家に戻るに『ただいま』って言って門をくぐればいいってもんじゃないのね。
都合次男でありながらウィン家当主を務めなきゃならない事情なんかもあって、大きなお屋敷に住んでウィン家当主に成るに……なんか良く分からないけど、奥さん貰う事になったんだってさ。
だから、完ッ全に政略結婚なのね。
もうそれは嫌だとか、俺は恋愛してから結婚したいとか文句言える状況じゃないみたいで淡々と受け入れたみたい。
あたしはもちろん、本当にそれでいいのって驚いたと思う。
ヤトも、素直に喜べないかもなぁ……とか最初は言ってた。
……ですよね、体で語り合った親友―――あえてそう言わせて頂きます!!!が、あっさり結婚とか、そりゃ納得いきませんよね?そのネタ貰ったとフルヤさんはほくそ笑んだものです。
いいのよヤトちゃん、もっと悔しがってもいいんだからねっ!
だけど勿論、ヤトが喜ばなかったのは単純に、テリーが早速結婚するって事実に向けての素直な心配だったみたい。
あの男は男女関係非常にドライだし、まぁなんとかするんだろうと政略結婚な事は別段、珍しい事じゃないって受け流すのよ。
残念ながらフルヤさんが望むような展開とかは……そりゃ当然無かったわけです。
……どうして納得いかないと思ったのか、そこからこう、禁断の愛に目覚めてしまえばいいとか密かに念を送り続けたというのに。
最終的には政略結婚ど疲れー、とか楽しそうに冷やかすに終わるんだもん。フルヤさんがっかりー。
政略結婚だよ?婚姻にあたり愛が無い可能性もあるわけじゃない!
お前は本当にそれでいいのか?みたいなツッコミくらい入れてもいいと思いますよヤトちゃん!
愛がある先に結婚が、自然と云うわけじゃないのね。
この世界の『普通』では、愛と結婚は別問題なんだ。
このあたり……フルヤ-アイの世界における事情と極めて違う気もするけれど……正直言えば良く分かって無いのかな。
とにかく世界や文化が違うんだなぁ、ここって異世界なんだぁ……と、ちょっと改めて感じてしまったりした。
さて、長らくレズミオから出奔していたテリーちゃん……家の都合だからと政略結婚したはいいけど。
やる事もやって子供も出来て、ウィン家の仕事すなわち政治にもある程度慣れてきて。
ようやく落ち着いたのでここでようやく家庭問題を振り返ったのだそうです。
政略結婚とはいえ妻は妻、子供が出来て子育てに忙しいと、お互いあまりゆっくりとした時間が持てていなかったなぁと反省して、遅ればせながらほったらかしですまないに始まり改めて妻と『恋愛』にいそしんでみようという心の余裕が出来たのだそうです。
……テリオスさんってば、あの乱暴な口調に見合わず本当ーに、生真面目な人よね。
ところが。
奥さんの態度がそっけない!
というか、レズミオの文化である『男尊女卑』が徹底していて妻はとことん旦那を立てる亭主関白。
テリオスさんの理想としてはですね、ちょっと弱音を吐くぐらいの弱い女性あるいは、対等な立場で話が出来る女性、ってのがいいのだとおっしゃいます。
両極端だね……まぁ、好みは誰にでもあるしそれを主張するのは悪くないよね、うん。
ところが嫁いできたのは、ウィン家に入っただけあり最強のレズミオ淑女。
弱音は吐かない、しかし旦那様と対等な立場などもってのほか!
テリオスさんがそこを緩めて、肩肘張らずにフランクな態度を求めるも奥さん、頑としてこれを受け入れないという状況に……最近ようやく気が付いて参って来ているという訳なんですね。
奥さん、レズミオの古いしきたりとかにガッチガチなんだわ。
テリオスさんが二人でどこかにちょっと出かけようか、とか誘ってもウィン家に嫁いだ淑女的にそれは出来ないとか、あれはダメだとか、とにかく『私はあなたの妻』としてモノ化を主張する割に、なかなか『自由』にならない。
奥さんは身勝手という訳でも無いのね。テリーには非常識と思える事がレズミオでは常識であるだけ。
ついカッとなって命令するのように言ってしまうと今度は一転、ではそのようにしますと機械的に答えられて、弱音も吐かずに従おうとするので……テリオスさんはちょっと自己嫌悪に陥ってしまうという有様。
まるで妻は、俺の道具みたいな振る舞いをする。
あるいは、道具である事がレズミオ淑女たるもののようなんだが……
はたして女の扱いってこれで本当に良いのか?
具体例、説明しとくね。
仕事で殆ど外出していて、奥さんと顔合わせたいんだけど合わせられない日ってのが、結構あるんだそうだ。帰りが夜遅くになる事もよくあるんだって。
普通そこまで働く必要は無いんだけど、テリオスさんは長らくレズミオを開けていた都合、色々根回しをする必要が有って、会食やら何やらで働きまわる必要に迫られてる、そういう生活がずっと続いていたわけ。
で、テリオスさんは優しいのね。
出来る限り奥さんと子供に顔を合わせようと努力してるんだけど、夜中まで奥さんに起きてろとは言えない。
ところが、亭主関白が淑女というレズミオの文化的に、旦那が望む事とは裏腹に、奥さんはレズミオ常識にトコトン従おうとする。
真夜中に帰るに奥さんは当然という様に出迎えに待ってる。
『休んでいて構わない』と言ってもこれを頑として受け入れない。ようするに奥さん、淑女として有能すぎて融通が利かない。
するとですね、結局の所テリオス氏は優しいから、強権を発動させて一定の時間を過ぎた場合は先に休むようにと奥さんに『命じる』ハメになる。
命じられればこれが最優先であるレズミオ淑女、粛々とこれを受け入れて以後漸く……夜中の出迎えは無くなったそうである。
こういうやり取りが積み重なって、気が付けばテリオスさんは奥さんらに無理をさせない為に家で、無理に彼女らを冷たく扱う必要性に迫られている事に……今更ながら気が付いちゃった。自分が願っている事は、レズミオ淑女としては非常識で、実はガチレズミオ淑女の奥さん的には心休まって無い。しかし旦那の命令だから従うしかない。何故そんな事を命令までしてやらせるのか、奥さんを何だと思っているのか、的な激しくて厳しい認識のズレが生じていていつしか関係が真面目に冷え切り始めたというのだ。
だからこそ仕事がようやく落ち着いてきた事だし、今までの行いを含めてすまなかったなと謝ってみたんだって。
ところが、貴方は何も間違っていないのだから謝る必要など在りません、貴方は当然の事をしていると奥さんは言って、テリオスさんの謝罪すら受け入れようとしないのだという。
ウィン家の状況は分かって嫁いできた、貴方の足を引っ張らないようにするのがわたくしの務めだ……と、逆にそんな事で一々頭下げるのはウィン家の当主として品位が低い事だから為さらないように、とまで言われる。
それは、正しいのかもしれないとテリーは項垂れて肯定する。
でも本当にそれでいいのか?
どうしても気に食わない時は命令して『思い通り』に出来る、でもそんな事をしていて俺はいいのか……?
所でこれら問題に対し……テリオスさんは身近に相談できる頼りになるお兄さんが居ます。
今は頼りにしてるんですって、兄弟不仲は解消しているので遠慮なく、お兄さんにこの件をご相談されたそうです。名前が微妙に似ている、テニー・ウィンさんですね。よくわかんないんだけど、都合ウィン家を継げないのでお兄さんなんだけど、ウィン家の当主補佐ポジションに居る。屋敷も、近くだけど別居してるんですって。
で、テニーさんからの答えは『それでいい』だったそうだ。
都合家を継げないお兄さんの言葉を信じない訳ではないし、反抗心はもはや無い、けれど……テリオスさんはその答えにどうしても納得が行かない。
そして、ついにテリオスさんは奥さんとの直談判に踏み切った。
すごいねテリーちゃん、ヤトとはなんか色々と違うわ……。
俺とお前、ウィン家とかそんなのほっといて男と女として腹を割って話をしよう。
そう切り出したそうです。ああなんという男らしさ。
レズミオに縛られる事はない、俺が許すからお前はもう少し我が儘に振る舞え、的な事を提案し、約束させようと試みるもこれがまぁ上手く行かない。
相手はガチガチのレズミオ淑女。
腹、割ってくれない。自分はウィン家の為に嫁いだとしか言わない。
『じゃぁ何か、お前は俺の事は別段愛しているわけじゃねぇって事か』
あ、これあたしのイメージね。実際どういう風に奥さんにせまったのかはあたしの妄想で進めますよ。
ついにテリオスさんは感情論に踏み入ったわけです。もう、ここまで来ると実は妻から嫌われてるとしか思えなくなった、との事。
もちろん、レズミオ淑女は旦那に向って本音を語るはずもない。
『そんな事はありません、貴方の事は愛しております』
『あんたは俺に嫁いで来たんじゃねぇ、ウィン家に嫁いだ、そういうわけだ』
『そんな事はありません、貴方の事を愛しております』
『あんたが愛してるのは俺じゃなくてウィン家って事だ、そうだろう』
『そんな事はありません、貴方のk(以下同文につき略)』
『ならどうして俺の言葉に耳を傾けない、どうしてウィン家がどーのこーのという話ばかりをするんだ』
『そんな事はありません、(略)』
キレ気味になりつつあるテリオスさんのちょっと幼稚かもしれない追及に対し、涙一つ見せずに淡々とウィン家の妻として振る舞う奥さん。
そしてついに、……流石にガマンの限界を迎えテリオスさんキレてしまった。
これ、先週の話ね。
で、今に至る。
手本を見せてやる、俺がまず勝手にしてやる。
そう言って、天空国で定められている由緒正しき家族の祝日に、見事に家庭を放りだしてこのド田舎に『逃げ込んできた』というわけ。
※本編終了後閲覧推奨、古谷愛ことアインさんメインの後日談です※
ヤトは昨日準備したお酒じゃなくて、アルコール度数が高いままの、原酒が入った瓶を持って来た。コーヒーを飲んでたコップに氷砂糖の固まりを入れ、とろみのある原酒を注ぎ入れている。蒸留したのを熟成させたものなんですって、これは料理とか保存食を作る時には使わない、本当にとっておきの時のお酒だ。
肴にと持ってきたのは塩と油で煎った木の実と生ベーコン、それに塩を小皿にひと山、酸味の強いフルーツを半分に割ったもの。
リコレクト、昨日頼まれてあたしが調達した奴だ。
「ついに酒も作り始めたのか?」
匂いを嗅ぎ、品種を推測しかねているらしくテリーは一口舐める。
「なんだ、ただのリキュールか」
「ディアス国の方から貰ったすんげぇ高い酒なんだが。ぶっちゃけて酒の良し悪しは分かる方じゃないからなぁ、ちびちび飲むならこいつは悪くねぇぞ」
そう言って一口舐めてからヤトは話を続ける。
「酒造りなぁ、ヒマがあればやってみたいとは思うけど……今の所、消費量はそんな多くないんだよなぁ」
ヤト、アルコールよりカフェイン依存してるからね。
強かったらコーヒーで割ると美味いぞ、と早速自分は残っていたコーヒーで割ってる。
「ヤートー、あたしにはー?」
「何言ってる、アインさんはお子様だからダメに決まってるだろ。ほら、バター入りのお茶で我慢しろ」
そう言って煮詰めた発酵茶に氷砂糖を砕き入れて、自家製の無塩ラムバターの固まりを放りこんだものを出してくれた。
バター、いつもより大きいのが嬉しい。
あ、実は小屋の裏で羊と鶏を数羽飼ってるんだよ。近年乳牛の導入も考えてたけど、やっぱり毛が取れて、時にツブしても二人で食べきれるサイズって考えると牛は考え物なんですって。
基本的に、ここではただの水を飲む習慣が無い。
清流が知覚に無いのね。飲み水は雨水を貯め込んだものか、あるいはちょっと遠くにある川の所まで汲みにいかないとなの。
目の前に沼はあるけどそこの水、とてもじゃないけど飲めたものじゃない。勿論水浴びなんかも論外という泥の沈んだ『沼』なのよ。逆に、畑にやるならこの沼の水で十分。
だから飲料水は最低一回は沸騰させないといけない、衛生上の都合消毒も兼ねてお茶にして飲むのが普通なの。
あたしは生水や泥水でも問題ないんだけどね……ヤトはそうじゃないから。
雨水を蓄えておく貯水池は真っ先に作ってたわ。
そこに清流から水を引く灌漑設備は勿論考えてみたらしいけど、高低差の都合簡単ではないっぽい。風車とか色々駆使しないといけないみたいで、とりあえずそこまで水に困って無いからと、思いついた時に一人でせっせと整備しているみたい。
あたしたちはお互い飲み物を確保し、カップを手に、合わせて音頭を取ってから、早速とテリーちゃんの話を詳しく聞く事になった。
テリーの悩みはぶっちゃけて言えば、レズミオ文化に馴染むに馴染めないという事みたいね。
テリオスさん家はね、一応上手く行ってるみたいよ。
でもそれはファマメント国の首都レズミオにおける、上流階級の常である非常にドライな関係性の上での話なのよね。表面上は問題無いって事だよ、問題なのは中の方。
話をよく聞いてみると……奥さん、とても良く出来た人でテリー、奥さんの事嫌いって訳じゃないんだ。ならそうだって言えばいいのに……もう、照れ屋さん。
彼が口にする、どうにも悪口に聞こえる奥さんの話は実は褒め言葉の裏返しなのね。それでも文化的な都合慣れてない、嫌いではないけれど正直にいえば苦手意識がある事を彼は素直に暴露してくれた。
奥さんは、とてもとても『レズミオの淑女』であるらしい。
レズミオの文化に照らし合わせれば極めて有能で良く出来た奥さんである事は間違いない、とテリーは断言した。俺にはもったいないくらいのスゲェ女だとまで言ったわね。……ん?じゃぁもしかして尻にしかれてるのかしらん?
レズミオの淑女ってところで、どんなものなのかなんか分かる?
あたしはさっぱり分からなかったけどようするに、それはファマメント国の政治中心地『レズミオ』で一般的に評価が高い女性って事だよ。
人の価値観ってさ、文化によって異なるワケじゃない。
フルヤさんの所では男女平等が理想だって言って、あまり格差は無いようにってお互いが譲り合っているけれど、実際には染みついた男尊女卑の価値観がガッチガチでフェミニズムだ、なんだと、日々色々バトルしているような感じなんだけど。
こちらの世界ではそういう、男女で差の無い文化の所の方が少ない。
男尊女卑か、あるいはその全く逆の文化が結構当たり前で、格差や差別も当然とある。
本当はさ、平等っていうのは所詮建前で何をどうやっても格差ってのはあるのかもしれないね。こっちの世界、エイトエレメンタラティスだと平等は理想論にもならないのよ。
レッドが言ってた。
平等であると唱えられると不都合のある支配階級が、平等は悪とせっせと教え込んでいるのがこの世界の理ですからね、とか。
何しろこちらの世界では、北方賢者、方位神イン・テラールが平等を司り、平等である事の残忍さと救いの無さを説いているらしいものねぇ。イン・テラールは『悪神』の代名詞みたいなものだから、すなわち平等は悪と結び付けられて考えられやすい傾向にあると思う。
とにかくそういうわけでレズミオって言う所では格差社会が当たり前としてあるわけ。男女関係も平等じゃない。
そういう都合頭の良い、教養のある女性はレズミオでは一般的に好まれない傾向があるんですって。女性の政治家は少ないそうだけれど居ない訳ではない。その場合、割と男装麗人として結婚しない人が多いそうだ。
男として振る舞わないとレズミオで、女性は強くなれないのね。
テリーちゃん、最近ようやく口を割ったんだけどお姉さんがまさしくそんな感じで、ウィン家を一時的に預かってはいたけれどその後、完全に縁を切ってしまったんだそうだ。それで……魔王討伐隊第一陣を率いて戻ってこなかったんですって。
レズミオで『淑女』って言ったらどんなのかというと、男性を立てて自分は一切主張をせず、一歩下がって慎ましやかに振る舞うってのがどんぴしゃりかな。自分の存在を主張する事もダメらしい。嫁いだ場合、旦那さまをとにかく引き立てるに終始し、跡取りが生まれた場合はこれに従属して立派に育て上げるに全力全霊傾けるのが『淑女』なんですって。
勿論旦那や息子さんを自分のものみたいに勘違いして、自分自身が目立ってしまったりする行為は極めてNG。それをやってもいいのはレズミオでは男性のみ。女性がそういう事するのは、はしたない行為なんだって。
それ聞いてヤト、アベルはあれ淑女無理だな、とか笑ってた。
あ、だからナッツの奴レズミオを出る必要に迫られたのか!とかひとりで爆笑してるんだけど……それ、アベちゃんが聞いたらボッコボコにされちゃうよ?
ファマメント国って一応民主主義の国で、珍しく王様っていう概念が無いんだって。国を動かしているのは政治家と呼ばれるレズミオの上流階級。テリーはずっと隠していたけれど……レズミオで5本指にはいるくらい有名な家の次男、テリオス・ウィンだったりした。
彼は都合『家』から逃げ出し、好きだからと言って拳一つで戦う『拳闘士』をやっていた。その時にヤトと『好敵手』として出会い、幾多の戦いを経て親友とお互いに呼べるようになったそうだ。で、その時彼らは遠東方国イシュタルのエズに居たのでこの頃の事を『エズ時代』って言ってるのね。
テリーさんは自分が『テリオス・ウィン』である事を隠し、10年以上国に帰らない出奔生活をしていた。その間に雑多な文化に触れ、それに慣れてしまってレズミオの生活なんてすっかり忘れた訳よ。彼としてはもう家には戻らない覚悟もしての出奔だったそうだ。レズミオに戻って政治家に成るつもりはさらさらなかったって事。
そこ、色々あって戻る事になった訳だけど……いざウィン家に戻るに『ただいま』って言って門をくぐればいいってもんじゃないのね。
都合次男でありながらウィン家当主を務めなきゃならない事情なんかもあって、大きなお屋敷に住んでウィン家当主に成るに……なんか良く分からないけど、奥さん貰う事になったんだってさ。
だから、完ッ全に政略結婚なのね。
もうそれは嫌だとか、俺は恋愛してから結婚したいとか文句言える状況じゃないみたいで淡々と受け入れたみたい。
あたしはもちろん、本当にそれでいいのって驚いたと思う。
ヤトも、素直に喜べないかもなぁ……とか最初は言ってた。
……ですよね、体で語り合った親友―――あえてそう言わせて頂きます!!!が、あっさり結婚とか、そりゃ納得いきませんよね?そのネタ貰ったとフルヤさんはほくそ笑んだものです。
いいのよヤトちゃん、もっと悔しがってもいいんだからねっ!
だけど勿論、ヤトが喜ばなかったのは単純に、テリーが早速結婚するって事実に向けての素直な心配だったみたい。
あの男は男女関係非常にドライだし、まぁなんとかするんだろうと政略結婚な事は別段、珍しい事じゃないって受け流すのよ。
残念ながらフルヤさんが望むような展開とかは……そりゃ当然無かったわけです。
……どうして納得いかないと思ったのか、そこからこう、禁断の愛に目覚めてしまえばいいとか密かに念を送り続けたというのに。
最終的には政略結婚ど疲れー、とか楽しそうに冷やかすに終わるんだもん。フルヤさんがっかりー。
政略結婚だよ?婚姻にあたり愛が無い可能性もあるわけじゃない!
お前は本当にそれでいいのか?みたいなツッコミくらい入れてもいいと思いますよヤトちゃん!
愛がある先に結婚が、自然と云うわけじゃないのね。
この世界の『普通』では、愛と結婚は別問題なんだ。
このあたり……フルヤ-アイの世界における事情と極めて違う気もするけれど……正直言えば良く分かって無いのかな。
とにかく世界や文化が違うんだなぁ、ここって異世界なんだぁ……と、ちょっと改めて感じてしまったりした。
さて、長らくレズミオから出奔していたテリーちゃん……家の都合だからと政略結婚したはいいけど。
やる事もやって子供も出来て、ウィン家の仕事すなわち政治にもある程度慣れてきて。
ようやく落ち着いたのでここでようやく家庭問題を振り返ったのだそうです。
政略結婚とはいえ妻は妻、子供が出来て子育てに忙しいと、お互いあまりゆっくりとした時間が持てていなかったなぁと反省して、遅ればせながらほったらかしですまないに始まり改めて妻と『恋愛』にいそしんでみようという心の余裕が出来たのだそうです。
……テリオスさんってば、あの乱暴な口調に見合わず本当ーに、生真面目な人よね。
ところが。
奥さんの態度がそっけない!
というか、レズミオの文化である『男尊女卑』が徹底していて妻はとことん旦那を立てる亭主関白。
テリオスさんの理想としてはですね、ちょっと弱音を吐くぐらいの弱い女性あるいは、対等な立場で話が出来る女性、ってのがいいのだとおっしゃいます。
両極端だね……まぁ、好みは誰にでもあるしそれを主張するのは悪くないよね、うん。
ところが嫁いできたのは、ウィン家に入っただけあり最強のレズミオ淑女。
弱音は吐かない、しかし旦那様と対等な立場などもってのほか!
テリオスさんがそこを緩めて、肩肘張らずにフランクな態度を求めるも奥さん、頑としてこれを受け入れないという状況に……最近ようやく気が付いて参って来ているという訳なんですね。
奥さん、レズミオの古いしきたりとかにガッチガチなんだわ。
テリオスさんが二人でどこかにちょっと出かけようか、とか誘ってもウィン家に嫁いだ淑女的にそれは出来ないとか、あれはダメだとか、とにかく『私はあなたの妻』としてモノ化を主張する割に、なかなか『自由』にならない。
奥さんは身勝手という訳でも無いのね。テリーには非常識と思える事がレズミオでは常識であるだけ。
ついカッとなって命令するのように言ってしまうと今度は一転、ではそのようにしますと機械的に答えられて、弱音も吐かずに従おうとするので……テリオスさんはちょっと自己嫌悪に陥ってしまうという有様。
まるで妻は、俺の道具みたいな振る舞いをする。
あるいは、道具である事がレズミオ淑女たるもののようなんだが……
はたして女の扱いってこれで本当に良いのか?
具体例、説明しとくね。
仕事で殆ど外出していて、奥さんと顔合わせたいんだけど合わせられない日ってのが、結構あるんだそうだ。帰りが夜遅くになる事もよくあるんだって。
普通そこまで働く必要は無いんだけど、テリオスさんは長らくレズミオを開けていた都合、色々根回しをする必要が有って、会食やら何やらで働きまわる必要に迫られてる、そういう生活がずっと続いていたわけ。
で、テリオスさんは優しいのね。
出来る限り奥さんと子供に顔を合わせようと努力してるんだけど、夜中まで奥さんに起きてろとは言えない。
ところが、亭主関白が淑女というレズミオの文化的に、旦那が望む事とは裏腹に、奥さんはレズミオ常識にトコトン従おうとする。
真夜中に帰るに奥さんは当然という様に出迎えに待ってる。
『休んでいて構わない』と言ってもこれを頑として受け入れない。ようするに奥さん、淑女として有能すぎて融通が利かない。
するとですね、結局の所テリオス氏は優しいから、強権を発動させて一定の時間を過ぎた場合は先に休むようにと奥さんに『命じる』ハメになる。
命じられればこれが最優先であるレズミオ淑女、粛々とこれを受け入れて以後漸く……夜中の出迎えは無くなったそうである。
こういうやり取りが積み重なって、気が付けばテリオスさんは奥さんらに無理をさせない為に家で、無理に彼女らを冷たく扱う必要性に迫られている事に……今更ながら気が付いちゃった。自分が願っている事は、レズミオ淑女としては非常識で、実はガチレズミオ淑女の奥さん的には心休まって無い。しかし旦那の命令だから従うしかない。何故そんな事を命令までしてやらせるのか、奥さんを何だと思っているのか、的な激しくて厳しい認識のズレが生じていていつしか関係が真面目に冷え切り始めたというのだ。
だからこそ仕事がようやく落ち着いてきた事だし、今までの行いを含めてすまなかったなと謝ってみたんだって。
ところが、貴方は何も間違っていないのだから謝る必要など在りません、貴方は当然の事をしていると奥さんは言って、テリオスさんの謝罪すら受け入れようとしないのだという。
ウィン家の状況は分かって嫁いできた、貴方の足を引っ張らないようにするのがわたくしの務めだ……と、逆にそんな事で一々頭下げるのはウィン家の当主として品位が低い事だから為さらないように、とまで言われる。
それは、正しいのかもしれないとテリーは項垂れて肯定する。
でも本当にそれでいいのか?
どうしても気に食わない時は命令して『思い通り』に出来る、でもそんな事をしていて俺はいいのか……?
所でこれら問題に対し……テリオスさんは身近に相談できる頼りになるお兄さんが居ます。
今は頼りにしてるんですって、兄弟不仲は解消しているので遠慮なく、お兄さんにこの件をご相談されたそうです。名前が微妙に似ている、テニー・ウィンさんですね。よくわかんないんだけど、都合ウィン家を継げないのでお兄さんなんだけど、ウィン家の当主補佐ポジションに居る。屋敷も、近くだけど別居してるんですって。
で、テニーさんからの答えは『それでいい』だったそうだ。
都合家を継げないお兄さんの言葉を信じない訳ではないし、反抗心はもはや無い、けれど……テリオスさんはその答えにどうしても納得が行かない。
そして、ついにテリオスさんは奥さんとの直談判に踏み切った。
すごいねテリーちゃん、ヤトとはなんか色々と違うわ……。
俺とお前、ウィン家とかそんなのほっといて男と女として腹を割って話をしよう。
そう切り出したそうです。ああなんという男らしさ。
レズミオに縛られる事はない、俺が許すからお前はもう少し我が儘に振る舞え、的な事を提案し、約束させようと試みるもこれがまぁ上手く行かない。
相手はガチガチのレズミオ淑女。
腹、割ってくれない。自分はウィン家の為に嫁いだとしか言わない。
『じゃぁ何か、お前は俺の事は別段愛しているわけじゃねぇって事か』
あ、これあたしのイメージね。実際どういう風に奥さんにせまったのかはあたしの妄想で進めますよ。
ついにテリオスさんは感情論に踏み入ったわけです。もう、ここまで来ると実は妻から嫌われてるとしか思えなくなった、との事。
もちろん、レズミオ淑女は旦那に向って本音を語るはずもない。
『そんな事はありません、貴方の事は愛しております』
『あんたは俺に嫁いで来たんじゃねぇ、ウィン家に嫁いだ、そういうわけだ』
『そんな事はありません、貴方の事を愛しております』
『あんたが愛してるのは俺じゃなくてウィン家って事だ、そうだろう』
『そんな事はありません、貴方のk(以下同文につき略)』
『ならどうして俺の言葉に耳を傾けない、どうしてウィン家がどーのこーのという話ばかりをするんだ』
『そんな事はありません、(略)』
キレ気味になりつつあるテリオスさんのちょっと幼稚かもしれない追及に対し、涙一つ見せずに淡々とウィン家の妻として振る舞う奥さん。
そしてついに、……流石にガマンの限界を迎えテリオスさんキレてしまった。
これ、先週の話ね。
で、今に至る。
手本を見せてやる、俺がまず勝手にしてやる。
そう言って、天空国で定められている由緒正しき家族の祝日に、見事に家庭を放りだしてこのド田舎に『逃げ込んできた』というわけ。
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