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完結後推奨 番外編 妄想仮想代替恋愛
◆トビラ後日談 A SEQUEL『妄想仮想代替恋愛 -8-』
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◆トビラ後日談 A SEQUEL『妄想仮想代替恋愛 -8-』
※本編終了後閲覧推奨、古谷愛ことアインさんメインの後日談です※
「……お前、やっちまったな……」
「なんとでもいえ」
テリーちゃん、とりあえず事情を説明し終えて空のグラスを掴んだまま項垂れてしまっている。
日が昇り少し蒸し暑くなってきたからか、ハーフマントを解いて立派なボタンがいっぱいついているジャケットを脱ぎ、上等なシャツも脱ぎ捨てて……でもちゃんと律義に畳むのね。
シャツ一枚のラフな格好になっているテリー。
脱ぐと相変わらず凄い筋肉なお兄さんです。
ヤトは無言で彼のグラスに酒を継ぎ足した。
「でもテリーちゃん、奥さんの事好きなんでしょ」
あたしはすっかり話に興奮し、野次馬的精神でテリーちゃんの事を理解しようと努めた。
「素直に言うと……よくわかんねぇ。分かんなくなってきた。俺、奥さん好きだと思ってたんだけど……ぶっちゃけ苦手意識あるし……本当は嫌いなのかな?」
本当に素直に言うんだなぁ。
「お子さんは?」
「……なんだかこのままだと可愛くねぇガキに育ちそうだ、と言っておこう」
「え?何それ」
テリーはふっと上気した顔をあげた。
「お前、あれ、俺の事何って呼ぶか教えてやるよ。父上だぞ?父上?ああん?俺ぁガキん時は遠慮無く親父の事はオヤジって呼んでたぞ!」
……ああ、じゃ子供は大好きって事か。もう、ツンデレオヤジめ。そうならそうと言えばいいのに。
「なんで、いいじゃない!大人しそうで可愛いじゃない」
「そりゃ、大人しいのは今のうちだろ!あれが大人しいのはエレンの教育の所為だ、俺はもっと……自由にだな!」
エレン、というのはテリオスさんの奥さんの事ね。
「じゃ、そう言えば」
「言ってるが通じねぇんだってば!」
あたしは届かない手で腕を組む仕草をする。
「……奥さんが気に入りません、息子は跡継ぎなので親権はウチに、離婚します!とかは」
「そこまでするのはどうかと思ったが、一応考えてみた」
冗談で言ったのに……か、考えてみたんだ……。
あたしとヤトは呆れて苦笑いをこぼしてしまう。
「結論から言うに……ダメだ、政略結婚だから相手の家に泥を塗る訳にはいかん」
「めんどくせぇ」
「だろ、めんどくせぇんだよ!」
二人は同時にグラスの原酒を飲み干し、その後なぜかがっちりと握手を交わすのだった。
これって二人の間で良く見る動作なんだけど、何か根本から分かり合えたという事を確認するに行う決まった動作みたい。エズ時代についた文化特有の癖なのかもね。
あたしは頭をかしげてテリーの言いだした事を思い出す。
「それでなんてあたしを?レズミオに」
そう、それで……あたしをレズミオに送り込んでみたらどうだろうかっていう話になってたんだよ!それが朝の話だったんだ。
「アインさんはほら、非常識の固まりじゃないか」
「何それ」
ヤトの言葉にあたしは憤慨した。非常識って何よ!
「魔物の癖に人語を話す、可愛い、お子様。ほら、レズミオにおいては『非常識』極まりないだろ?」
褒められてるのか、バカにされているのかいまいちよくわかんないわねぇそれ。
「テリーも元来非常識な訳じゃねぇか。こいつはレズミオで一人非常識やってるのに疲れてる訳だよ。なら、お前が側にいれば少しは気が紛れるんじゃないかなぁって思って俺がアインさん連れてけばって提案したんだ」
あたしは口を開け、成る程と思う反面……ヤトの思惑を察するに口を閉じる。
「だから、あたしは別にここの生活で満足してるってば!何よ、ヤトってばあたしをここから追い出したいって訳?」
「え?いや、そう言う訳じゃなけど……」
「じゃ、なんでそんな事勝手に決めるのよ!」
「……そんな嫌がるとは思わなかった」
逆に困った顔をされてあたしは口を、少し曲げた。ドラゴンなので一見では分からないだろうけれど。
ヤトはちょっとがっかりした顔でテリーを振り返る。
「アインさん、嫌だってさ、」
「だから言っただろう、アインはお前のモノじゃねぇんだ。お前で勝手に決めるなって」
人権もとい竜権とかにはきっちりしてるのね、テリーちゃん。
奥さんとも平等関係でいたいとか、それがそもそもレズミオ文化的には『非常識』って事なのに。
テリーは深い溜息を洩らし苦笑いをあたしたちに投げた。
「……悪いな、グチばっかりだけどこれは、俺の問題だ。俺でなんとかするしかねぇんだ……心配掛けて済まない」
あらやだ、なんでそんな……あたし、まだレズミオに行きたくないなんて言ってないのに!
「一寸待ってよ、別に嫌だって訳じゃないのよ。ただ……あたしなんかついて行って何がどうなるって言うの?」
「息子さんの遊び相手にでもどうだ?」
ヤトはまだ諦めてないらしく、テリーちゃんに提案する。
「あたしが?」
ヤトの提案に、テリーは思う所があったようで顔を上げる。
「あー……そうだ、とりあえずだな、父上は止めさせて欲しい」
何それ、と私は笑ってしまった。
「こいつ、ウチの鉄壁淑女をお前を連れてってギャフン言わせてやれって言いやがるんだ」
「ああ~なるほど」
なんとなく理解してきた。
高地レズミオの超閉鎖文化のなかにあたしが現れたら……どうなるのか。
レズミオも魔物も魔法も基本的には禁制区にしてる、って古い文化がある所なのよ?
あ、実際には今はもう建前で、便利な魔導技術は少なからず使われているらしい。
さてそこに、現れる可愛くておしゃべりするドラゴン。あたし、自分では自分の事はよくわかんないけどヤトの言葉を素直にのみ込むに可愛いらしいので自分で言っちゃう。可愛いって言われて、悪い気はしないし。
……前に一度、数日間滞在した時は大騒ぎだったわね。
めんどくさいから荷物の中に隠れててって、面白くない状況だった。
成る程、それくらい、あたしはあそこでは『非常識』だったんだ。
存在非常識のあたしとテリオスさんが暮らす事になるに、鉄壁の淑女エレンさんはどんな反応を示す事になるだろう。
……というか、奥さんあたしの事認識できるのかな?
こんなもの連れてきて貴方、どうするんですっていう家庭内バトルになったりしちゃうんじゃないのかな……テリー?
「……ちょっと、面白そうだなぁと思ってしまって……な」
というか、あえて困らせたいって事?
ふうむ……。
「確かに、ちょっと面白そうな話ね」
元来のお祭り騒ぎ好きな気質が勝り、興味の方が強く成りつつあるあたし。
……テリーちゃんの奥さん見てみたいかも、一番には、ジュニアに興味がありまくりです!
「お子さん、何歳?」
「……4歳だ」
ああ、もうそんな立つんだなぁとヤトが苦笑いしてる。
「かわいい盛りかしらねー、ちょっと生意気も言ってみたり」
「そうだな、俺は生意気な方がいいんだが……」
テリーちゃん、わんぱくっ子を希望なのね。
「興味あるなら俺は全然構わないから、ちょっと遊びに行ってこいって、」
「……本当にいいの?」
もちろんだ、と頷いて……ヤトは笑う。で、何が起きたかとか事細かに俺に後で聞かせろと言う。
ああそっか。成る程。そう云う事なのか。
あたしはヤトに向けて首を回す。
「そんなに興味あるならヤトが行けばいいじゃない」
「バカ言うな、俺は顔も何もかもバレてんだぞ?行けるはずないだろ」
「そーおー?」
「顔隠すなり、何なり方法はあると思うがな……」
「めんどくせぇんだよ」
いっつもそれなんだもん。でも、確かにあたしが行くよりもずっとずっとめんどくさい事になるのは間違いないんだろうな……。
彼の頭上に世界に唯一の存在としてプレイヤーが存在する事を示す青い旗がある、だから彼は『彼』だ……っていう判別の仕方は『反則』なんだよね。
そうやって彼を彼と呼んではいけないんだよ。
だから、ヤトはヤトである為にここから出る事は出来ないんだ。
そして彼の頭上に青い旗を見る事が無い、世界の多くが彼を『ヤト』だと呼ぶ為にも、用意されている席に収まって居るしかないって事。
「ねぇテリーちゃん」
「……行っとくが、レズミオ来るならそのテリー『ちゃん』ってのは勘弁してくれよ?」
「むふふ、勘弁するのはいいけど、一つあたしからも条件出して良いかな?」
「……何だ」
「今後はさ、もっと遠慮無くヤトん所に遊び来てあげてよ」
「あ?」
どういう意味だとテリーは惚けた。
「お仕事忙しいのは分かるけどほら、ヤトも引き籠もってるから話題には飢えてる訳じゃない、そういう事でしょ?」
もっと頻繁に遊びに来て、それで酒でも飲んでついにでお泊まりとかもすればいいわ。
その既成事実さえ作ってしまえばあとはもう、理由とかについては二次創作で好きなように料理出来ますからね。ふふふふ……。
「べ、別にそんな事お前が気にする事じゃねぇだろ」
そのツン対応は相変わらず美味しいわよヤトちゃん!
「……いいだろう、その条件呑んだ」
「おい!」
あらあらテリーさん、私の本当の意図には気が付いていないのかしら?ちゃんと正体は暴露してあるはずなのに。未だ上手く関連性には気が付いてないのかな?
好都合、ふっふっふ……。
「お前がここを出る気がないのなら、俺がここに来るしかねぇみてぇだしな」
「はぁ?」
「お前が覚悟して捨てたものが何なのか、俺はお前に知らしめてやる義務があると思っている。その選択をお前に迫った俺達の、義務だ」
「…………」
ヤトが捨てたもの?
あたしには……よく分かんないんだけど。
捨てたもの。
……一般的と呼べる生活とか?
こんな所で世捨て人になっているって事は、そういう暮らしを捨てた事になるかもしれない。
どこかの町で、昔凄い事をやった英雄という肩書をこっそり背負いながら誰かと恋愛し、家庭を持って子供を作り……幸せに暮らす。
そういうのをヤトは、捨ててしまったと……言えるかもしれないね。
そんなの分かってると思ってたけど……ヤト、無言で少し不機嫌な顔してるね。
また、彼はそういう事実から『逃げて』いるのだろうか?
「ここに来て何度でも言ってやる。俺はここに逃げてきた、ここは誰にとっても逃場だって事をお前が理解するまで言ってやる」
「……勝手にしろよ」
ヤトは斜に構えて不敵に笑う。
「誰しも逃場は必要だ。お前にだって必要なんだからな、俺はここで俺の必然性を主張するだけだ」
何故か二人はそうやって……睨みあうでもなく互いに笑い、残っていたグラスの中身を一気に空にした。
お互い腕で口をぬぐい空になったグラスを合わせた。
「ちっ……少し安心したら一気に酔いが廻りやがったぜ」
「ずいぶんと弱っちくなったんじゃねぇのか?」
「守るものがあるって事はそれだけ弱点抱えるって事だろ、昔お前が散々嫌った事だろうが」
「その話は無しだろ?」
それは、まるで決まり文句だったみたいに飲み会は終了しちゃた。
テリーはヤトの小屋で一休みする事になって、ヤトはヤトでいつもの野良仕事に出かけると少し千鳥足で農具を担いでいる。
「えー、大丈夫?」
体、傾いてるの自分で分かってる?
「畑に水やりくらいはしてやんねぇとだからな。それから休む」
全く、気張っちゃって。朝から酒なんか飲むからだよ。
「一緒にお休みすればいいのに」
二人が仲良く並んで昼寝しているのを妄想してあたしは、例によってニヤけていたりする。
「……それの何が嬉しいんだ?」
柄杓の入った大きな桶を鍬にぶら下げ、それをかつぎ直しながらヤトはあたしを振り返った。
あらやだ、妄想漏れてた?こういう時ばっかり鋭いんだから!
「嬉しい……って?」
「あ、いや……なんとなくだが……」
少し口ごもり、ヤトはあたしに問いかける。
「お前、俺とレッドが話してる時よりテリーが来てる時の方が嬉しそうだなぁって感じがするんだけど?」
あたしは小さな手で自分のほっぺたを抑えてしまった。
「そりゃ嬉しいわよ」
ドラゴンって、顔の鱗が固いからこれといって表情らしいものなんかないのに……よく分かったわね?
そう、嬉しい。
テリーちゃんが遊びに来てくれるのは凄く嬉しい。
だって。
……ええと。
「テリーはあたしのパパだもんね」
「パパぁ?」
なんだそれはとヤトは奇妙な顔で、真っ直ぐ立てずに少し左右にふらついている。
「そんで、ヤトはあたしのママなのよ!」
ヤトは呆れた表情をしてから……ふっと視線を天に逸らす。
あたしの言ってる事、冗談じゃなくてちょっと本当だってのを察したみたい。
そ、これフルヤさんの冗談じゃない。
幼生ドラゴンのあたしの、本当の感情。
「じゃ、アベルは?」
「お姉ちゃん」
即答しておいた。
「あれはママにはならんのか」
「だって、ごはんくれるのヤトだもん。頼りになるのはアベちゃんだけどね」
俺は頼りにならないご飯係ですか、というようにがっくりと肩を落としてヤトはため息を漏らした。
「やっぱりね、パパとママが仲良くしてるのは子供的には嬉しいのよ」
「はあ……、そういうもんか?」
そこは少し疑わしいというようにヤトは目を細める。
「じゃなきゃ、どうだって言うのよ」
あたしは少し苦笑気味に答えてしまった。
本当、でなければこの気持ちは何なのか、チビドラゴンのあたしにはよく分からないじゃない。
「だよなぁ」
それにしても……パパとママ、あとお姉ちゃんか……我ながらしっくりくる。
エズ3人組から助けて貰って、その後一緒に旅する事になったあたしは、その時から3人を特別な存在と認識してるみたい。
言葉は喋れても自分の状況を正しく認識出来てない、あたしは本当にお子様だった。一人世界に投げ出されて居た所助けてくれた3人は、あたしにとって卵の殻を破った直後初めて見たモノのように強烈に、あたしを守って導いてくれる『親』っていう認識になってるって訳か。
そうだって事にすらずっと気が付かずにいたけど……多くの野生生物は、そうである事を知覚する必要もなく、いずれ親から巣立つんだとも思う。
でもあたしは神竜種、一著前に人間の意識と知識を備えてる。
だから、余計な事を考えてしまうんだろうな。
余計な事っていうのは要するに『好きって何だろう』とか、そういう事。
フルヤ-アイさんの感情は……。
ここでは、この世界ではどこまでも嘘で、正しくないはずなのにひっくり返ってこうやって正当化されているんだね。
この世界、仮想現実の中で正しいはずの感情に惑わされてる。
好きだという気持ちが歪んで、代替恋愛をするに『私』は腐ってる訳じゃない。
あたしは、アインは神竜種でちょっとばかりおませさんで、大人の事情を分かったふりをしながらも実は良く分かって居ない。
ヤトとテリーが仲良くしているのは確かに『嬉しい』
でもそれは、向こうのフルヤ-アイさんのちょっと歪んでる感情の所為じゃない。中の人の趣味が腐っているから男同士で仲良いのを見ているのが嬉しいんじゃない。
あたしが、アインが、嬉しいと感じているのはフルヤ-アイの趣味とは関係無い。
それなのに、あたしは……アインは。
そいうのが好きなのはフルヤさんの所為だと勘違いしていたかも。
そうやって仮想現実から見事に騙されているんだ。
だってほら、あたしの中の人が『腐女子』である事を知っているはずのヤト氏が居ないと、この世界で純粋にヤト・ガザミである彼は……あたしが好きだと言った事に、何か歪んだ意図が有る事には気づきもしない。
あたし、中の人が腐女子っていうちょっとした異常者なのよ、と説明しても勿論理解はされない。それ、ペナルティされちゃう行為だし。
野良仕事に怪しい足取りで歩いていくヤトを見送って……あたしは、なんだか急に嬉しくなった。
朝から酔っぱらってるあの何ってことはないお兄さんが、何を犠牲にして、どんな覚悟で、今あるこの世界を『守って』くれたのか。
元デバッカーとして、この世界は壊れているからとリセットボタンを押す事を、どういう理由で頑として拒否したか。
何を持って世界を救えると判断し……彼は今こんな田舎で暮らしているのか。
みんな、彼の事が大好きなんだよね。
みんなの中には勿論あたしも含まれている。
何気ない事、フルヤさんの言う現実で異常をきたしているかもしれない事、そうやってどうにも素直に成れない事とか、この世界は全ての事を受け入れる為に本当に憎らしいほどに上手く辻褄を合せてくる。
違和感が無いように、ここにいて当然というように……この異世界に存在しても良いのだとあらゆる全てを許すように。
ああ、あたしここではフルヤ-アイみたいに異常者じゃぁないんだ。
あたしは、アインは、ヤトとテリーが仲良くしてるのを応援しても何も異常じゃぁない。それもアリだと世界から許されている。
そしてそういう世界をヤトは守ってくれたんだよね。
そう気が付いたらね……もうひとつ気づかなくちゃいけない事があるんだ。
事実は……現実と呼べる世界に戻る為のトビラを潜り、もう一回ひっくり返るって事に『私』は気が付いてない訳じゃない。
多分『私』は自分で言うほど異常者じゃないんだね。
やっぱり所詮代替なんだよ。それに『私』は気が付いていたのに。代替だと指摘されてその通りだと笑って居たじゃない。
フルヤさんはこの世界のヤトちゃんになりたいんだ。それは、どこか彼と似た所を自分に見つけているからじゃないのかな?
きっと素直になれないだけ。
まるで空気を吸って吐く事のように自然にあたしは……現実で『何かに』向けてツンツンしているだけなのかもしれないね。
がんばれフルヤ-アイ。
あたしは中から向こうに向けてエールを送った。
ここでの事は上手く『向こう』には持って帰れないけれど……いつかそうだって事に気が付いて少し素直になろうよって応援するんだ。
大丈夫、きっと気が付くよ。
気が付く為のこの世界は、あたしたちを見事に騙して受け入れてくれるんだからさ。
※本編終了後閲覧推奨、古谷愛ことアインさんメインの後日談です※
「……お前、やっちまったな……」
「なんとでもいえ」
テリーちゃん、とりあえず事情を説明し終えて空のグラスを掴んだまま項垂れてしまっている。
日が昇り少し蒸し暑くなってきたからか、ハーフマントを解いて立派なボタンがいっぱいついているジャケットを脱ぎ、上等なシャツも脱ぎ捨てて……でもちゃんと律義に畳むのね。
シャツ一枚のラフな格好になっているテリー。
脱ぐと相変わらず凄い筋肉なお兄さんです。
ヤトは無言で彼のグラスに酒を継ぎ足した。
「でもテリーちゃん、奥さんの事好きなんでしょ」
あたしはすっかり話に興奮し、野次馬的精神でテリーちゃんの事を理解しようと努めた。
「素直に言うと……よくわかんねぇ。分かんなくなってきた。俺、奥さん好きだと思ってたんだけど……ぶっちゃけ苦手意識あるし……本当は嫌いなのかな?」
本当に素直に言うんだなぁ。
「お子さんは?」
「……なんだかこのままだと可愛くねぇガキに育ちそうだ、と言っておこう」
「え?何それ」
テリーはふっと上気した顔をあげた。
「お前、あれ、俺の事何って呼ぶか教えてやるよ。父上だぞ?父上?ああん?俺ぁガキん時は遠慮無く親父の事はオヤジって呼んでたぞ!」
……ああ、じゃ子供は大好きって事か。もう、ツンデレオヤジめ。そうならそうと言えばいいのに。
「なんで、いいじゃない!大人しそうで可愛いじゃない」
「そりゃ、大人しいのは今のうちだろ!あれが大人しいのはエレンの教育の所為だ、俺はもっと……自由にだな!」
エレン、というのはテリオスさんの奥さんの事ね。
「じゃ、そう言えば」
「言ってるが通じねぇんだってば!」
あたしは届かない手で腕を組む仕草をする。
「……奥さんが気に入りません、息子は跡継ぎなので親権はウチに、離婚します!とかは」
「そこまでするのはどうかと思ったが、一応考えてみた」
冗談で言ったのに……か、考えてみたんだ……。
あたしとヤトは呆れて苦笑いをこぼしてしまう。
「結論から言うに……ダメだ、政略結婚だから相手の家に泥を塗る訳にはいかん」
「めんどくせぇ」
「だろ、めんどくせぇんだよ!」
二人は同時にグラスの原酒を飲み干し、その後なぜかがっちりと握手を交わすのだった。
これって二人の間で良く見る動作なんだけど、何か根本から分かり合えたという事を確認するに行う決まった動作みたい。エズ時代についた文化特有の癖なのかもね。
あたしは頭をかしげてテリーの言いだした事を思い出す。
「それでなんてあたしを?レズミオに」
そう、それで……あたしをレズミオに送り込んでみたらどうだろうかっていう話になってたんだよ!それが朝の話だったんだ。
「アインさんはほら、非常識の固まりじゃないか」
「何それ」
ヤトの言葉にあたしは憤慨した。非常識って何よ!
「魔物の癖に人語を話す、可愛い、お子様。ほら、レズミオにおいては『非常識』極まりないだろ?」
褒められてるのか、バカにされているのかいまいちよくわかんないわねぇそれ。
「テリーも元来非常識な訳じゃねぇか。こいつはレズミオで一人非常識やってるのに疲れてる訳だよ。なら、お前が側にいれば少しは気が紛れるんじゃないかなぁって思って俺がアインさん連れてけばって提案したんだ」
あたしは口を開け、成る程と思う反面……ヤトの思惑を察するに口を閉じる。
「だから、あたしは別にここの生活で満足してるってば!何よ、ヤトってばあたしをここから追い出したいって訳?」
「え?いや、そう言う訳じゃなけど……」
「じゃ、なんでそんな事勝手に決めるのよ!」
「……そんな嫌がるとは思わなかった」
逆に困った顔をされてあたしは口を、少し曲げた。ドラゴンなので一見では分からないだろうけれど。
ヤトはちょっとがっかりした顔でテリーを振り返る。
「アインさん、嫌だってさ、」
「だから言っただろう、アインはお前のモノじゃねぇんだ。お前で勝手に決めるなって」
人権もとい竜権とかにはきっちりしてるのね、テリーちゃん。
奥さんとも平等関係でいたいとか、それがそもそもレズミオ文化的には『非常識』って事なのに。
テリーは深い溜息を洩らし苦笑いをあたしたちに投げた。
「……悪いな、グチばっかりだけどこれは、俺の問題だ。俺でなんとかするしかねぇんだ……心配掛けて済まない」
あらやだ、なんでそんな……あたし、まだレズミオに行きたくないなんて言ってないのに!
「一寸待ってよ、別に嫌だって訳じゃないのよ。ただ……あたしなんかついて行って何がどうなるって言うの?」
「息子さんの遊び相手にでもどうだ?」
ヤトはまだ諦めてないらしく、テリーちゃんに提案する。
「あたしが?」
ヤトの提案に、テリーは思う所があったようで顔を上げる。
「あー……そうだ、とりあえずだな、父上は止めさせて欲しい」
何それ、と私は笑ってしまった。
「こいつ、ウチの鉄壁淑女をお前を連れてってギャフン言わせてやれって言いやがるんだ」
「ああ~なるほど」
なんとなく理解してきた。
高地レズミオの超閉鎖文化のなかにあたしが現れたら……どうなるのか。
レズミオも魔物も魔法も基本的には禁制区にしてる、って古い文化がある所なのよ?
あ、実際には今はもう建前で、便利な魔導技術は少なからず使われているらしい。
さてそこに、現れる可愛くておしゃべりするドラゴン。あたし、自分では自分の事はよくわかんないけどヤトの言葉を素直にのみ込むに可愛いらしいので自分で言っちゃう。可愛いって言われて、悪い気はしないし。
……前に一度、数日間滞在した時は大騒ぎだったわね。
めんどくさいから荷物の中に隠れててって、面白くない状況だった。
成る程、それくらい、あたしはあそこでは『非常識』だったんだ。
存在非常識のあたしとテリオスさんが暮らす事になるに、鉄壁の淑女エレンさんはどんな反応を示す事になるだろう。
……というか、奥さんあたしの事認識できるのかな?
こんなもの連れてきて貴方、どうするんですっていう家庭内バトルになったりしちゃうんじゃないのかな……テリー?
「……ちょっと、面白そうだなぁと思ってしまって……な」
というか、あえて困らせたいって事?
ふうむ……。
「確かに、ちょっと面白そうな話ね」
元来のお祭り騒ぎ好きな気質が勝り、興味の方が強く成りつつあるあたし。
……テリーちゃんの奥さん見てみたいかも、一番には、ジュニアに興味がありまくりです!
「お子さん、何歳?」
「……4歳だ」
ああ、もうそんな立つんだなぁとヤトが苦笑いしてる。
「かわいい盛りかしらねー、ちょっと生意気も言ってみたり」
「そうだな、俺は生意気な方がいいんだが……」
テリーちゃん、わんぱくっ子を希望なのね。
「興味あるなら俺は全然構わないから、ちょっと遊びに行ってこいって、」
「……本当にいいの?」
もちろんだ、と頷いて……ヤトは笑う。で、何が起きたかとか事細かに俺に後で聞かせろと言う。
ああそっか。成る程。そう云う事なのか。
あたしはヤトに向けて首を回す。
「そんなに興味あるならヤトが行けばいいじゃない」
「バカ言うな、俺は顔も何もかもバレてんだぞ?行けるはずないだろ」
「そーおー?」
「顔隠すなり、何なり方法はあると思うがな……」
「めんどくせぇんだよ」
いっつもそれなんだもん。でも、確かにあたしが行くよりもずっとずっとめんどくさい事になるのは間違いないんだろうな……。
彼の頭上に世界に唯一の存在としてプレイヤーが存在する事を示す青い旗がある、だから彼は『彼』だ……っていう判別の仕方は『反則』なんだよね。
そうやって彼を彼と呼んではいけないんだよ。
だから、ヤトはヤトである為にここから出る事は出来ないんだ。
そして彼の頭上に青い旗を見る事が無い、世界の多くが彼を『ヤト』だと呼ぶ為にも、用意されている席に収まって居るしかないって事。
「ねぇテリーちゃん」
「……行っとくが、レズミオ来るならそのテリー『ちゃん』ってのは勘弁してくれよ?」
「むふふ、勘弁するのはいいけど、一つあたしからも条件出して良いかな?」
「……何だ」
「今後はさ、もっと遠慮無くヤトん所に遊び来てあげてよ」
「あ?」
どういう意味だとテリーは惚けた。
「お仕事忙しいのは分かるけどほら、ヤトも引き籠もってるから話題には飢えてる訳じゃない、そういう事でしょ?」
もっと頻繁に遊びに来て、それで酒でも飲んでついにでお泊まりとかもすればいいわ。
その既成事実さえ作ってしまえばあとはもう、理由とかについては二次創作で好きなように料理出来ますからね。ふふふふ……。
「べ、別にそんな事お前が気にする事じゃねぇだろ」
そのツン対応は相変わらず美味しいわよヤトちゃん!
「……いいだろう、その条件呑んだ」
「おい!」
あらあらテリーさん、私の本当の意図には気が付いていないのかしら?ちゃんと正体は暴露してあるはずなのに。未だ上手く関連性には気が付いてないのかな?
好都合、ふっふっふ……。
「お前がここを出る気がないのなら、俺がここに来るしかねぇみてぇだしな」
「はぁ?」
「お前が覚悟して捨てたものが何なのか、俺はお前に知らしめてやる義務があると思っている。その選択をお前に迫った俺達の、義務だ」
「…………」
ヤトが捨てたもの?
あたしには……よく分かんないんだけど。
捨てたもの。
……一般的と呼べる生活とか?
こんな所で世捨て人になっているって事は、そういう暮らしを捨てた事になるかもしれない。
どこかの町で、昔凄い事をやった英雄という肩書をこっそり背負いながら誰かと恋愛し、家庭を持って子供を作り……幸せに暮らす。
そういうのをヤトは、捨ててしまったと……言えるかもしれないね。
そんなの分かってると思ってたけど……ヤト、無言で少し不機嫌な顔してるね。
また、彼はそういう事実から『逃げて』いるのだろうか?
「ここに来て何度でも言ってやる。俺はここに逃げてきた、ここは誰にとっても逃場だって事をお前が理解するまで言ってやる」
「……勝手にしろよ」
ヤトは斜に構えて不敵に笑う。
「誰しも逃場は必要だ。お前にだって必要なんだからな、俺はここで俺の必然性を主張するだけだ」
何故か二人はそうやって……睨みあうでもなく互いに笑い、残っていたグラスの中身を一気に空にした。
お互い腕で口をぬぐい空になったグラスを合わせた。
「ちっ……少し安心したら一気に酔いが廻りやがったぜ」
「ずいぶんと弱っちくなったんじゃねぇのか?」
「守るものがあるって事はそれだけ弱点抱えるって事だろ、昔お前が散々嫌った事だろうが」
「その話は無しだろ?」
それは、まるで決まり文句だったみたいに飲み会は終了しちゃた。
テリーはヤトの小屋で一休みする事になって、ヤトはヤトでいつもの野良仕事に出かけると少し千鳥足で農具を担いでいる。
「えー、大丈夫?」
体、傾いてるの自分で分かってる?
「畑に水やりくらいはしてやんねぇとだからな。それから休む」
全く、気張っちゃって。朝から酒なんか飲むからだよ。
「一緒にお休みすればいいのに」
二人が仲良く並んで昼寝しているのを妄想してあたしは、例によってニヤけていたりする。
「……それの何が嬉しいんだ?」
柄杓の入った大きな桶を鍬にぶら下げ、それをかつぎ直しながらヤトはあたしを振り返った。
あらやだ、妄想漏れてた?こういう時ばっかり鋭いんだから!
「嬉しい……って?」
「あ、いや……なんとなくだが……」
少し口ごもり、ヤトはあたしに問いかける。
「お前、俺とレッドが話してる時よりテリーが来てる時の方が嬉しそうだなぁって感じがするんだけど?」
あたしは小さな手で自分のほっぺたを抑えてしまった。
「そりゃ嬉しいわよ」
ドラゴンって、顔の鱗が固いからこれといって表情らしいものなんかないのに……よく分かったわね?
そう、嬉しい。
テリーちゃんが遊びに来てくれるのは凄く嬉しい。
だって。
……ええと。
「テリーはあたしのパパだもんね」
「パパぁ?」
なんだそれはとヤトは奇妙な顔で、真っ直ぐ立てずに少し左右にふらついている。
「そんで、ヤトはあたしのママなのよ!」
ヤトは呆れた表情をしてから……ふっと視線を天に逸らす。
あたしの言ってる事、冗談じゃなくてちょっと本当だってのを察したみたい。
そ、これフルヤさんの冗談じゃない。
幼生ドラゴンのあたしの、本当の感情。
「じゃ、アベルは?」
「お姉ちゃん」
即答しておいた。
「あれはママにはならんのか」
「だって、ごはんくれるのヤトだもん。頼りになるのはアベちゃんだけどね」
俺は頼りにならないご飯係ですか、というようにがっくりと肩を落としてヤトはため息を漏らした。
「やっぱりね、パパとママが仲良くしてるのは子供的には嬉しいのよ」
「はあ……、そういうもんか?」
そこは少し疑わしいというようにヤトは目を細める。
「じゃなきゃ、どうだって言うのよ」
あたしは少し苦笑気味に答えてしまった。
本当、でなければこの気持ちは何なのか、チビドラゴンのあたしにはよく分からないじゃない。
「だよなぁ」
それにしても……パパとママ、あとお姉ちゃんか……我ながらしっくりくる。
エズ3人組から助けて貰って、その後一緒に旅する事になったあたしは、その時から3人を特別な存在と認識してるみたい。
言葉は喋れても自分の状況を正しく認識出来てない、あたしは本当にお子様だった。一人世界に投げ出されて居た所助けてくれた3人は、あたしにとって卵の殻を破った直後初めて見たモノのように強烈に、あたしを守って導いてくれる『親』っていう認識になってるって訳か。
そうだって事にすらずっと気が付かずにいたけど……多くの野生生物は、そうである事を知覚する必要もなく、いずれ親から巣立つんだとも思う。
でもあたしは神竜種、一著前に人間の意識と知識を備えてる。
だから、余計な事を考えてしまうんだろうな。
余計な事っていうのは要するに『好きって何だろう』とか、そういう事。
フルヤ-アイさんの感情は……。
ここでは、この世界ではどこまでも嘘で、正しくないはずなのにひっくり返ってこうやって正当化されているんだね。
この世界、仮想現実の中で正しいはずの感情に惑わされてる。
好きだという気持ちが歪んで、代替恋愛をするに『私』は腐ってる訳じゃない。
あたしは、アインは神竜種でちょっとばかりおませさんで、大人の事情を分かったふりをしながらも実は良く分かって居ない。
ヤトとテリーが仲良くしているのは確かに『嬉しい』
でもそれは、向こうのフルヤ-アイさんのちょっと歪んでる感情の所為じゃない。中の人の趣味が腐っているから男同士で仲良いのを見ているのが嬉しいんじゃない。
あたしが、アインが、嬉しいと感じているのはフルヤ-アイの趣味とは関係無い。
それなのに、あたしは……アインは。
そいうのが好きなのはフルヤさんの所為だと勘違いしていたかも。
そうやって仮想現実から見事に騙されているんだ。
だってほら、あたしの中の人が『腐女子』である事を知っているはずのヤト氏が居ないと、この世界で純粋にヤト・ガザミである彼は……あたしが好きだと言った事に、何か歪んだ意図が有る事には気づきもしない。
あたし、中の人が腐女子っていうちょっとした異常者なのよ、と説明しても勿論理解はされない。それ、ペナルティされちゃう行為だし。
野良仕事に怪しい足取りで歩いていくヤトを見送って……あたしは、なんだか急に嬉しくなった。
朝から酔っぱらってるあの何ってことはないお兄さんが、何を犠牲にして、どんな覚悟で、今あるこの世界を『守って』くれたのか。
元デバッカーとして、この世界は壊れているからとリセットボタンを押す事を、どういう理由で頑として拒否したか。
何を持って世界を救えると判断し……彼は今こんな田舎で暮らしているのか。
みんな、彼の事が大好きなんだよね。
みんなの中には勿論あたしも含まれている。
何気ない事、フルヤさんの言う現実で異常をきたしているかもしれない事、そうやってどうにも素直に成れない事とか、この世界は全ての事を受け入れる為に本当に憎らしいほどに上手く辻褄を合せてくる。
違和感が無いように、ここにいて当然というように……この異世界に存在しても良いのだとあらゆる全てを許すように。
ああ、あたしここではフルヤ-アイみたいに異常者じゃぁないんだ。
あたしは、アインは、ヤトとテリーが仲良くしてるのを応援しても何も異常じゃぁない。それもアリだと世界から許されている。
そしてそういう世界をヤトは守ってくれたんだよね。
そう気が付いたらね……もうひとつ気づかなくちゃいけない事があるんだ。
事実は……現実と呼べる世界に戻る為のトビラを潜り、もう一回ひっくり返るって事に『私』は気が付いてない訳じゃない。
多分『私』は自分で言うほど異常者じゃないんだね。
やっぱり所詮代替なんだよ。それに『私』は気が付いていたのに。代替だと指摘されてその通りだと笑って居たじゃない。
フルヤさんはこの世界のヤトちゃんになりたいんだ。それは、どこか彼と似た所を自分に見つけているからじゃないのかな?
きっと素直になれないだけ。
まるで空気を吸って吐く事のように自然にあたしは……現実で『何かに』向けてツンツンしているだけなのかもしれないね。
がんばれフルヤ-アイ。
あたしは中から向こうに向けてエールを送った。
ここでの事は上手く『向こう』には持って帰れないけれど……いつかそうだって事に気が付いて少し素直になろうよって応援するんだ。
大丈夫、きっと気が付くよ。
気が付く為のこの世界は、あたしたちを見事に騙して受け入れてくれるんだからさ。
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