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番外編・後日談 A SEQUEL
◆ 『トビラ』リリースβ版『黄金色のトビラを閉めろ!』中
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『黄金色のトビラを閉めろ!』中
※正式リリースされた想定の『後日談』です
某のゲストキャラとのPvP(プレイヤーキル)戦
城内に空から侵入、って手もあるのだが。
どうやらそれを完全に警戒されている様だ。
あの30人程の黄金旗ゲストキャラ襲撃事件の合間に魔法防御壁があっという間に張り巡らされ、俺達は城内に入る手段をまず考えなければいけなくなった。
ゲスト達の襲撃はその後無い。
城を完全に閉ざし篭城の構えか。戦士を送り出したらその穴から、進入される事を相手は予測しているんだろう。まぁ、確実にその隙を狙うつもりでいたからな。それをやってこないって事は、なかなか考えられていると俺は思う。
最初にゲスト30人が城から出た入り口は城門裏手にあった。
だがこれは今、しっかり何重もの魔法鍵で閉じられてしまっている。
強引に解除する事も可能だが、手痛いトラップが仕掛けられている可能性が高いとの事で力技は使わない事にした。開錠魔法を発動させた無防備状態な所、魔法封じなんかが働いたら魔法だけがとりえのレッドあたりはシャレにならんだろう。
探査系の魔法もかなり制御されているが、かろうじてナッツがその穴を見つけた。
地下だ。
地下には透視魔法を制限する魔法壁が働いていないらしく、どうにか地下通路からの進入が出来そうだと言う事で……今その地下へ続く道を探している。
さて、それはあっさり発見できた。
堀を船で渡る為の艀だけが残っている所に、地下排水溝が死角になってぽっかり開いている。狭いが、通れない高さではない。
「……こっから行くしかねぇのか」
「まぁ、ここしか入り口が無いとすると、明らかに罠ですが」
入り口を制限する事で、俺達を確実にしとめるつもりか。
よぅし、面白い。
「挑戦、受けて立とうじゃねぇかよ」
排水溝はほぼまっすぐに城の真下付近まで続いている。真下部分には若干広い空間があるが……先方が仕掛けてくるとなると恐らくはソコが危ない。
しかしこっちが警戒する事くらいは相手も察するだろう。
とすればこれはもう、読み合いだ。
互いに取れる手段は多岐に渡る。特に受ける側である俺達は、何を仕掛けられても柔軟に対応する必要に迫られる所だ。
魔法探知に一々ビクついていても仕方が無いので、今は堂々と魔法の灯火なんかも持っている俺。ほぼ最高位魔導師レッドの基礎魔法を無効化できる程の使い手はいないだろうからな、消える心配は無い。
闇討ちされる可能性はこれで消えた。まぁ、真っ暗になっても暗視持ちが三人いる、何とかなるだろう。
基礎魔法ってのは単純だからこそ強力だ。
また、魔法というのは先手必勝な所があり、発動してしまった魔法を打ち消すのは難しく、逆に発動を邪魔する魔法はすなわち『先に』発動している事になるので有効になるんだそうだ。色々なルールがあるらしいが、戦士ヤトは魔法はあんまり扱わないので正直その辺り詳しくは覚えてないっぽい。これ以上の説明は無理。知識枠においては管理者とか関係ないもんね、こっちの世界だと。
城地下のホールは広い、天井が高くぐるりと踊り場があって……案の定、そこにずらりと黄金旗をはためかせた皆様方が待ち構えておりました。
だがこれも大体読めてた展開だぜ、俺達はすばやく中央に陣取る。
ゴゥンというものっそい音を立て、今俺達が出てきた排水溝通路に鉄の落とし戸が落ちる。
退路を断ったつもりか?ははん、別に退却する気はねぇから……
……て、何ィ!
いつの間にやら足が、足というか脛あたりまである足元の水場が凍りついてやがる!
当然とこれで俺達、脚を封じられた形になる。
体をひねり、レッドとナッツを一瞥。
「おおい!何敵の魔法発動許してんだよ!」
「すいません、相手の魔法発動はこの場合媒体に触れられないので詠唱になるのですが……」
「さっきの落とし戸が落ちる音と重ねられちゃって。いやはや……なかなかやるじゃないか」
とにかくさっさと解除を頼むぞ!
すっかり凍りついた中央広場に、踊場からまさに躍り掛かってくる敵のみなさん。成る程、足を封じてタコ殴りの算段か。
……ふっ、これくらいで俺達を封じた……って!おい、剣が抜けん!
「凍り付いてるーッ!」
「しかたない、」
アベルはしかし動じることなく、剣を鞘に収めたまま得意の付加魔法を発動。
刃に熱を与える『ヒート』で鞘ごと破壊、難なく剣を抜き放つ。こいつは相変わらずモノを大事にしない……剣と鞘は一心同体とも言える存在だというのに。
テリーは元々武器なんぞ使わないから問題無し。マツナギも弓矢とちょっとした魔法……正しくは精霊干渉らしいが……を使える、早速敵を次々と矢で射抜いている所だ。
さて俺は、と言うと残念ながら純粋な戦士なので剣が抜けないとどうしようもない訳だが……幸い、武器はもう一つあるんだな。
エモノが無いと見て必勝と、真上から切りかかってきた相手を串刺しにする。
早速ゲスト一匹消滅。
そう、篭手にして収納している水龍銀の槍だ。
足が固められているにもかかわらず、相変わらず強い俺達。これくらいのハンデはものともしないぜ俺達。
あーいかん、割と楽勝にクリアできちまうんじゃね?
踊場に数人の魔法使いがいる、奴らの魔法攻撃はナッツが全て盾魔法で事前相殺した。レッドは足元の魔法を破るのにつきっきりだ。先にも言ったように、発動した魔法を解除するのは相当に大変で、さしものレッドも一発解除という訳にはいかない。
「!?」
氷の矢がナッツの張っている魔法防御壁を越えて来た。
「さっきの魔法か?」
「いや、物理法則への置き換えがなされている、頭いいなぁ」
関心している場合か!物理飛び道具への防御壁はレッドの手が空かないので張れない。しかしこの乱戦時に飛び道具は……ヘタするとお味方にもあたるのでは?
「ゲストならお構いなしでしょう」
レッドは魔法解除に梃子摺っているようでため息を漏らしつつ言った。
「うへ、そう来たか」
冷気が頭上に集う。バキバキという音を立て、天井にツララを発達させた氷の塊が整形されていく。落ちモノで俺達をもろとも潰す算段か、容赦ねぇぜ。
「……ふむ、これならどうです?」
ズズズ、という不吉な音を立て、天井が落ちてくる。魔法生成した氷だが、生成された方法によっては純粋な氷として物理法則に従うのな。氷が重みで落っこちて来たんだ。魔法で物理対策を張らないとこれを回避できない。
押しつぶされる、だが……慌てる必要はないっぞ。
これくらいを回避出来ないウチの腹黒魔導師じゃない。付き合いは長いんだ、信用だって潰えていない。
そもそも『氷』は奴の得意分野だ。
爆音が響き渡り、俺は頭を竦めて衝撃をやりすごす。目を開け、靄が晴れると足を固定していた氷が無くなっていた。替わりに踊場付近まで氷の壁が魔法使い含め全てを閉じ込めている。
数人の魔法使いを残して……敵は全て消滅した様だ。
踊場の魔法使いの数人は『ヘッド』だったようだな。
「解除が出来ないのなら……乗っ取るまで」
不敵に笑ってレッドは紫色のローブを払いのける。バキバキと音を立て、踊場とその奥に見える通路に向かって氷の階段が作られていった。成る程、物理変換されている氷と見てそれを逆に魔法制御する形で乗っ取った訳だな。
「やー、ちょっとレベルを読み間違えたかな」
聞き慣れない声がする。
今しがたレッドが作った氷の階段上に、靄を振り払いながら見慣れない青年が顔を出した。
「へッ、ようやく話し合う気になったか?」
「話し合う?……無駄だろ。あんたらの目的は『扉』を閉める事だ。扉の開放を妥協して貰わない限り俺達とは絶対に相容れない、そうだろ?」
おどけたように肩をすくめる青年。
どうやら……まともに話が出来そうなキャラクターだ。もう少し情報を引き出すとしよう。
「確かに、僕達は扉を閉めに来た。しかし誰も僕らの話し合いに応じるつもりは無く、貴方がたが何故違法である扉を開けたのか、その理由を僕らは存じ上げております」
「理由があり、それが正当なら退く?」
「その理由にもよるでしょうが。お話願えませんか」
青年は笑った。フツーの笑みだ。
にっこりと、簡潔にそいつは黄金旗連中の理由を語る。
「この世界への侵略なんだけど」
あー残念。
それは、許せませんなぁ。
なんとなくそんな事だろうと思ってたけど。
「成る程、イエロー権限は侵略者設定ですか」
小さくレッドが俺達にだけ聞こえるように呟いた。
正真正銘この世界を破壊、乗っ取る存在だな。
……懐かしい、俺達は正直にそう思って青年を見上げていた事だろう。
「僕らはこの世界を保全する、その最先鋒ですからね。残念ですが和睦は無理かと」
「世界保全ね……異なる者を排除する事が保全に繋がるとは限らないと思うけど」
確かに。
そうなんだがな。
俺は苦笑する青年に何か、親近感を覚えてしまった。
いや、親近感覚えちゃいけないんだけどさ、本当は。
でも今、自由に世界に放たれている今ならいいだろう?
仕事でこっちに来てる訳じゃないんだし。
「あんたらとは……長い闘争になりそうだ」
俺は笑い、武器を下ろして届かない手を差し出す。
「俺はヤト、覚えておいて損は無いぜ」
まぁ色々な意味でな。
こいつらにとっては……今後、最悪な敵になることは間違いないんだし。
青年は笑って一歩背後に下がる。
「オービットだ」
そしてその通路の奥へ俺達を誘う様に、そいつの姿は闇に溶けた。
ようやく一階と思われるフロアにたどり着いた俺達。
だが、窓もろくに無いから薄暗く明かりは必須だ。
地下へ続く石階段を上がった先は、若干広い廊下。
交互に部屋の扉があるが、鉄の扉が硬く下りている。
魔法防御もしっかり働いていて先に進むより無い。
「とりあえず上を目指しましょう……あ」
前に進もうとした俺の腕を掴んでレッドが止める。無言で指す先に目をやると……成る程、廊下のタイル一つ一つになにやら怪しい紋様が書いてある。
俺は跳び越えるのはちょっと難しいなぁ、アインやナッツは飛んで行けるし、レッドも飛翔魔法持ってるけど……。なんとか踏まずに……行くしかないだろうか?
そもそも、この模様はどんなトラップなんだ?
「何だろう?」
「……何でしょうね」
ナッツとレッドもお手上げか。探知できないほど魔法防御が相当に働いているらしいが、少なくとも物理罠じゃないな、魔法系には違いない。
「じゃぁ、久しぶりに」
「そうですね」
「行ってもらうしかないか」
……嫌な予感。
「うあッ!」
ぽんと肩を叩かれて、次の瞬間ドンと前に押し出された。
見かけによらずアベルの力は強い、遠東方人は怪力の奴が稀にいるのだがその典型だ。人間種である俺にはその怪力に、抗う術が無いのだよあーもう。
数歩前に踏み出すハメになった俺は、問題のタイルをなんとか避けようと努力したが……努力した挙句端っこの一個を見事に踏み込んでしまった。
……で途端、強制転移魔法でどこぞの部屋に飛ばされる事になったのであった。
窓がある、扉もある、しかし他には何も無い部屋だ。
窓からのぞく景色からして、3階相当って所か。扉は木製だが鍵が掛かっている。蹴破る事も出来そうだが……とりあえず、後続が来る事を期待してしばらくはアクションを起こさずに待ってみた。
しかし待てども続いて誰かが現れる気配がない。
しんと、静まり返っている部屋に一人。
これは……あれだな、引き剥がされたな。
俺だけにとどまらず、多分これが奴らの次なる手だ。
パーティを分断して個々撃破を狙っているのだろう。とすると今俺に何も危害が加えられていないという事は、他の誰かが集中攻撃を食らっている可能性がある。
数分間迷って俺は、行動を開始する事にした。
パーティー分断が奴らの作戦なら、俺達は合流を目指さなければいけない。
槍を構え気を溜める。
「おりゃぁッ!」
鍵の掛かった取っ手ごと槍で射抜き破壊して、俺は扉を蹴破った。
すると……隣の部屋に居た男がびっくりして俺を凝視している。なんかものすごく驚いている。
……なんでそんなに驚くんだよ?
「……アホか?」
「アホ?」
おいまて、第一声がアホかってそれ、俺か?俺に言ってんのかテメェ?
「っかーッ、全く、よりにもよって一発目からアタリを引くアホがいるとはな……」
あたり?
男は額を押さえて頭を振りつつ、仕方なしという風に腰の後ろにぶら下げていた杖を掴む。
俺はその隙に部屋の様子を見回した。
……いくつものディスプレイ。魔法映写だ、その四角い窓が無数に壁に張り付いている。さながら……ここは監視カメラ監視塔。
激しい動きのある画面に目が釘付けになる。
目を眇めてしまった。見覚えのある男が戦っている……テリーだ!
「どうなってやがる……?」
「見ての通りだ、監視部屋だぜ」
男は杖を手に肩をすくめる。
軽装で鍵やら小物を腰にジャラジャラ付けていて、長い髪を邪魔にならないように縛りこんでいる風貌などからして……シーフっぽいイメージを受けるのだが。
その手に持ってるのは間違いなく魔法使い特有のロッドだよなぁ?
魔法使いとの戦闘相性は最悪なんだが……ま、経験が無い訳じゃない。
「お前、まさかこの城の主とか言うんじゃないだろうな?」
「ああ、」
男は苦笑して身構える。
「似たようなもんだぜ、」
って事はコイツが……?俺は本当にアタリを引いてしまったのかもしれない。
コイツが例の『扉』を開いた邪術師か?!
問答無用で斬りに行った。魔法使いが相手なら常に、剣の間合いにいないと俺に勝機は無い。
が、相手は事もあろうかこの俺の一撃を紙一重で避けやがった!相当にすばしっこい、やっぱシーフか?
振りかぶった剣を戻すモーションの間に、壁に張り付いていた映写が次々に剥がれ、剃刀になって襲い掛かってくる。
槍を盾に戻してで往なして攻撃を退けたが、相手の狙いは俺との距離を取る事にあったらしい。
本能的に危険を感じる、こういう戦法を取ってくる事からして相手はやっぱり魔法使いに違いない。
これでは狙い撃ちにされる。
相手の攻撃手段を考えろ、発動するよりも早く電気の流れる速度でとっさに行動に移らなければ……やられる!
光の速度で狭い部屋に雷が走る。
だが俺は盾を引っ込めて槍を突き刺し、背後で身を低く構えてなんとか、その攻撃を読み勝った。敵の放った雷は全て槍に落とし、回避したのだ。
何という事はない、氷や炎を投げつけられるより、即死性のある魔法をぶち込んでくる魔法使いというのは割りと多いのだ。
いくら俺が強いったって、この世界はとことんリアルに物事が進む、雷なんぞ打ち所が悪ければ即死してしまうんである。
普通は避けられない所だが、それを回避運動に入れる『行動力』こそが俺の高いレベルに反映される所だ。
戦闘に入ったら、とかく魔法使い相手に迷いは致命的になる事は十二分に承知してるぜ。
迷いを捨てろ、俺は放電熱にくすぶる槍を問答無用で引き抜いて再び相手との距離を詰めに入る。
魔法使いは攻撃に入るまでの間がどうしたって生じる、レベルにもよるが魔法発動には詠唱やら動作が必要だ。最高位魔導師レベルになると、そのセオリーを無視してくるので危険なのだが。
とにかく、近距離戦闘には向いていない。
間合いに入ればこっちに勝機がある。発動の早い魔法程威力は低い、魔法使いの戦闘はためこんでの一撃必殺、どんな盾をも無効にしやがる一撃が脅威だ。
俺の剣が届く、しかし恐らく弾かれる、魔法使いは物理魔法盾を使える奴が少なくない。
一撃で届くとは考えない事だ。牽制の一撃、連打が重要だ。
しかし……。
相手がヘタすると素人という事を俺は忘れていた。
すっかり、熟練魔導師相手の戦闘ベースで考えていた。
いや?もしかしたらこの男、熟練魔導師でさえも凌ぐ相当な『やり手』だって可能性も無くも無い。
爆発に吹き飛ばされ、致命的な距離を相手に与えてしまった事を悟った俺は瞬時に以上の事を考えたが……幸い次の攻撃を警戒する必要は無かった。
相手も俺の剣撃を返す為に放った魔法で吹き飛んでいた。ええ、この部屋、狭すぎたんですよ。剣の一撃を、空気の刃で撃ち返す形で防ごうとして、その魔法が自分に少し跳ね返ったと見える。
……防御点の問題から言って奴の方が致命傷受けてやがります。
おいおいおい。
「くっそ……」
クソも何もあるかい。わき腹を押さえ滴る血に悪態をつきつつ男は立ち上がった。
なんで物理魔法盾を使わないで……相殺なんか選んだ?
ん?まさか、物理盾が使えないとか言うんじゃなかろうな?
ともあれチャンスだ、いっちまえ、悪く思うなー!と……躍り掛かりたい所だったが冷静に考えて思いとどまった。
手負いの敵は相当に危険だ、特に魔法使いはな……爆弾抱えてる様なものだからな。
慎重に、俺は奴にとどめを刺す手段を講じ、身構えた。
しかしこの選択は誤りだった。俺はその時、奴に近づいた方がよかったんだ。
「……ふう」
何ィ!回復、魔法だとーッ!
明らかにポーション的なガラス瓶を開けて患部に直接掛けたと思った時には治癒魔法がキマった後でした。
生じた隙に、ごっつい一撃を俺に飛ばす、という手もあっただろうに!レッドやナッツが相手なら間違いなくそうしているぞ貴様ー!その程度の怪我はその後ゆっくりしてから直すべきじゃないのか!!
それなのにだ、相手がこの貴重なターンに選んだのは自らの体力回復だったのだ。
……いかん、やっぱり奴はゲーム素人かもしれん。
※正式リリースされた想定の『後日談』です
某のゲストキャラとのPvP(プレイヤーキル)戦
城内に空から侵入、って手もあるのだが。
どうやらそれを完全に警戒されている様だ。
あの30人程の黄金旗ゲストキャラ襲撃事件の合間に魔法防御壁があっという間に張り巡らされ、俺達は城内に入る手段をまず考えなければいけなくなった。
ゲスト達の襲撃はその後無い。
城を完全に閉ざし篭城の構えか。戦士を送り出したらその穴から、進入される事を相手は予測しているんだろう。まぁ、確実にその隙を狙うつもりでいたからな。それをやってこないって事は、なかなか考えられていると俺は思う。
最初にゲスト30人が城から出た入り口は城門裏手にあった。
だがこれは今、しっかり何重もの魔法鍵で閉じられてしまっている。
強引に解除する事も可能だが、手痛いトラップが仕掛けられている可能性が高いとの事で力技は使わない事にした。開錠魔法を発動させた無防備状態な所、魔法封じなんかが働いたら魔法だけがとりえのレッドあたりはシャレにならんだろう。
探査系の魔法もかなり制御されているが、かろうじてナッツがその穴を見つけた。
地下だ。
地下には透視魔法を制限する魔法壁が働いていないらしく、どうにか地下通路からの進入が出来そうだと言う事で……今その地下へ続く道を探している。
さて、それはあっさり発見できた。
堀を船で渡る為の艀だけが残っている所に、地下排水溝が死角になってぽっかり開いている。狭いが、通れない高さではない。
「……こっから行くしかねぇのか」
「まぁ、ここしか入り口が無いとすると、明らかに罠ですが」
入り口を制限する事で、俺達を確実にしとめるつもりか。
よぅし、面白い。
「挑戦、受けて立とうじゃねぇかよ」
排水溝はほぼまっすぐに城の真下付近まで続いている。真下部分には若干広い空間があるが……先方が仕掛けてくるとなると恐らくはソコが危ない。
しかしこっちが警戒する事くらいは相手も察するだろう。
とすればこれはもう、読み合いだ。
互いに取れる手段は多岐に渡る。特に受ける側である俺達は、何を仕掛けられても柔軟に対応する必要に迫られる所だ。
魔法探知に一々ビクついていても仕方が無いので、今は堂々と魔法の灯火なんかも持っている俺。ほぼ最高位魔導師レッドの基礎魔法を無効化できる程の使い手はいないだろうからな、消える心配は無い。
闇討ちされる可能性はこれで消えた。まぁ、真っ暗になっても暗視持ちが三人いる、何とかなるだろう。
基礎魔法ってのは単純だからこそ強力だ。
また、魔法というのは先手必勝な所があり、発動してしまった魔法を打ち消すのは難しく、逆に発動を邪魔する魔法はすなわち『先に』発動している事になるので有効になるんだそうだ。色々なルールがあるらしいが、戦士ヤトは魔法はあんまり扱わないので正直その辺り詳しくは覚えてないっぽい。これ以上の説明は無理。知識枠においては管理者とか関係ないもんね、こっちの世界だと。
城地下のホールは広い、天井が高くぐるりと踊り場があって……案の定、そこにずらりと黄金旗をはためかせた皆様方が待ち構えておりました。
だがこれも大体読めてた展開だぜ、俺達はすばやく中央に陣取る。
ゴゥンというものっそい音を立て、今俺達が出てきた排水溝通路に鉄の落とし戸が落ちる。
退路を断ったつもりか?ははん、別に退却する気はねぇから……
……て、何ィ!
いつの間にやら足が、足というか脛あたりまである足元の水場が凍りついてやがる!
当然とこれで俺達、脚を封じられた形になる。
体をひねり、レッドとナッツを一瞥。
「おおい!何敵の魔法発動許してんだよ!」
「すいません、相手の魔法発動はこの場合媒体に触れられないので詠唱になるのですが……」
「さっきの落とし戸が落ちる音と重ねられちゃって。いやはや……なかなかやるじゃないか」
とにかくさっさと解除を頼むぞ!
すっかり凍りついた中央広場に、踊場からまさに躍り掛かってくる敵のみなさん。成る程、足を封じてタコ殴りの算段か。
……ふっ、これくらいで俺達を封じた……って!おい、剣が抜けん!
「凍り付いてるーッ!」
「しかたない、」
アベルはしかし動じることなく、剣を鞘に収めたまま得意の付加魔法を発動。
刃に熱を与える『ヒート』で鞘ごと破壊、難なく剣を抜き放つ。こいつは相変わらずモノを大事にしない……剣と鞘は一心同体とも言える存在だというのに。
テリーは元々武器なんぞ使わないから問題無し。マツナギも弓矢とちょっとした魔法……正しくは精霊干渉らしいが……を使える、早速敵を次々と矢で射抜いている所だ。
さて俺は、と言うと残念ながら純粋な戦士なので剣が抜けないとどうしようもない訳だが……幸い、武器はもう一つあるんだな。
エモノが無いと見て必勝と、真上から切りかかってきた相手を串刺しにする。
早速ゲスト一匹消滅。
そう、篭手にして収納している水龍銀の槍だ。
足が固められているにもかかわらず、相変わらず強い俺達。これくらいのハンデはものともしないぜ俺達。
あーいかん、割と楽勝にクリアできちまうんじゃね?
踊場に数人の魔法使いがいる、奴らの魔法攻撃はナッツが全て盾魔法で事前相殺した。レッドは足元の魔法を破るのにつきっきりだ。先にも言ったように、発動した魔法を解除するのは相当に大変で、さしものレッドも一発解除という訳にはいかない。
「!?」
氷の矢がナッツの張っている魔法防御壁を越えて来た。
「さっきの魔法か?」
「いや、物理法則への置き換えがなされている、頭いいなぁ」
関心している場合か!物理飛び道具への防御壁はレッドの手が空かないので張れない。しかしこの乱戦時に飛び道具は……ヘタするとお味方にもあたるのでは?
「ゲストならお構いなしでしょう」
レッドは魔法解除に梃子摺っているようでため息を漏らしつつ言った。
「うへ、そう来たか」
冷気が頭上に集う。バキバキという音を立て、天井にツララを発達させた氷の塊が整形されていく。落ちモノで俺達をもろとも潰す算段か、容赦ねぇぜ。
「……ふむ、これならどうです?」
ズズズ、という不吉な音を立て、天井が落ちてくる。魔法生成した氷だが、生成された方法によっては純粋な氷として物理法則に従うのな。氷が重みで落っこちて来たんだ。魔法で物理対策を張らないとこれを回避できない。
押しつぶされる、だが……慌てる必要はないっぞ。
これくらいを回避出来ないウチの腹黒魔導師じゃない。付き合いは長いんだ、信用だって潰えていない。
そもそも『氷』は奴の得意分野だ。
爆音が響き渡り、俺は頭を竦めて衝撃をやりすごす。目を開け、靄が晴れると足を固定していた氷が無くなっていた。替わりに踊場付近まで氷の壁が魔法使い含め全てを閉じ込めている。
数人の魔法使いを残して……敵は全て消滅した様だ。
踊場の魔法使いの数人は『ヘッド』だったようだな。
「解除が出来ないのなら……乗っ取るまで」
不敵に笑ってレッドは紫色のローブを払いのける。バキバキと音を立て、踊場とその奥に見える通路に向かって氷の階段が作られていった。成る程、物理変換されている氷と見てそれを逆に魔法制御する形で乗っ取った訳だな。
「やー、ちょっとレベルを読み間違えたかな」
聞き慣れない声がする。
今しがたレッドが作った氷の階段上に、靄を振り払いながら見慣れない青年が顔を出した。
「へッ、ようやく話し合う気になったか?」
「話し合う?……無駄だろ。あんたらの目的は『扉』を閉める事だ。扉の開放を妥協して貰わない限り俺達とは絶対に相容れない、そうだろ?」
おどけたように肩をすくめる青年。
どうやら……まともに話が出来そうなキャラクターだ。もう少し情報を引き出すとしよう。
「確かに、僕達は扉を閉めに来た。しかし誰も僕らの話し合いに応じるつもりは無く、貴方がたが何故違法である扉を開けたのか、その理由を僕らは存じ上げております」
「理由があり、それが正当なら退く?」
「その理由にもよるでしょうが。お話願えませんか」
青年は笑った。フツーの笑みだ。
にっこりと、簡潔にそいつは黄金旗連中の理由を語る。
「この世界への侵略なんだけど」
あー残念。
それは、許せませんなぁ。
なんとなくそんな事だろうと思ってたけど。
「成る程、イエロー権限は侵略者設定ですか」
小さくレッドが俺達にだけ聞こえるように呟いた。
正真正銘この世界を破壊、乗っ取る存在だな。
……懐かしい、俺達は正直にそう思って青年を見上げていた事だろう。
「僕らはこの世界を保全する、その最先鋒ですからね。残念ですが和睦は無理かと」
「世界保全ね……異なる者を排除する事が保全に繋がるとは限らないと思うけど」
確かに。
そうなんだがな。
俺は苦笑する青年に何か、親近感を覚えてしまった。
いや、親近感覚えちゃいけないんだけどさ、本当は。
でも今、自由に世界に放たれている今ならいいだろう?
仕事でこっちに来てる訳じゃないんだし。
「あんたらとは……長い闘争になりそうだ」
俺は笑い、武器を下ろして届かない手を差し出す。
「俺はヤト、覚えておいて損は無いぜ」
まぁ色々な意味でな。
こいつらにとっては……今後、最悪な敵になることは間違いないんだし。
青年は笑って一歩背後に下がる。
「オービットだ」
そしてその通路の奥へ俺達を誘う様に、そいつの姿は闇に溶けた。
ようやく一階と思われるフロアにたどり着いた俺達。
だが、窓もろくに無いから薄暗く明かりは必須だ。
地下へ続く石階段を上がった先は、若干広い廊下。
交互に部屋の扉があるが、鉄の扉が硬く下りている。
魔法防御もしっかり働いていて先に進むより無い。
「とりあえず上を目指しましょう……あ」
前に進もうとした俺の腕を掴んでレッドが止める。無言で指す先に目をやると……成る程、廊下のタイル一つ一つになにやら怪しい紋様が書いてある。
俺は跳び越えるのはちょっと難しいなぁ、アインやナッツは飛んで行けるし、レッドも飛翔魔法持ってるけど……。なんとか踏まずに……行くしかないだろうか?
そもそも、この模様はどんなトラップなんだ?
「何だろう?」
「……何でしょうね」
ナッツとレッドもお手上げか。探知できないほど魔法防御が相当に働いているらしいが、少なくとも物理罠じゃないな、魔法系には違いない。
「じゃぁ、久しぶりに」
「そうですね」
「行ってもらうしかないか」
……嫌な予感。
「うあッ!」
ぽんと肩を叩かれて、次の瞬間ドンと前に押し出された。
見かけによらずアベルの力は強い、遠東方人は怪力の奴が稀にいるのだがその典型だ。人間種である俺にはその怪力に、抗う術が無いのだよあーもう。
数歩前に踏み出すハメになった俺は、問題のタイルをなんとか避けようと努力したが……努力した挙句端っこの一個を見事に踏み込んでしまった。
……で途端、強制転移魔法でどこぞの部屋に飛ばされる事になったのであった。
窓がある、扉もある、しかし他には何も無い部屋だ。
窓からのぞく景色からして、3階相当って所か。扉は木製だが鍵が掛かっている。蹴破る事も出来そうだが……とりあえず、後続が来る事を期待してしばらくはアクションを起こさずに待ってみた。
しかし待てども続いて誰かが現れる気配がない。
しんと、静まり返っている部屋に一人。
これは……あれだな、引き剥がされたな。
俺だけにとどまらず、多分これが奴らの次なる手だ。
パーティを分断して個々撃破を狙っているのだろう。とすると今俺に何も危害が加えられていないという事は、他の誰かが集中攻撃を食らっている可能性がある。
数分間迷って俺は、行動を開始する事にした。
パーティー分断が奴らの作戦なら、俺達は合流を目指さなければいけない。
槍を構え気を溜める。
「おりゃぁッ!」
鍵の掛かった取っ手ごと槍で射抜き破壊して、俺は扉を蹴破った。
すると……隣の部屋に居た男がびっくりして俺を凝視している。なんかものすごく驚いている。
……なんでそんなに驚くんだよ?
「……アホか?」
「アホ?」
おいまて、第一声がアホかってそれ、俺か?俺に言ってんのかテメェ?
「っかーッ、全く、よりにもよって一発目からアタリを引くアホがいるとはな……」
あたり?
男は額を押さえて頭を振りつつ、仕方なしという風に腰の後ろにぶら下げていた杖を掴む。
俺はその隙に部屋の様子を見回した。
……いくつものディスプレイ。魔法映写だ、その四角い窓が無数に壁に張り付いている。さながら……ここは監視カメラ監視塔。
激しい動きのある画面に目が釘付けになる。
目を眇めてしまった。見覚えのある男が戦っている……テリーだ!
「どうなってやがる……?」
「見ての通りだ、監視部屋だぜ」
男は杖を手に肩をすくめる。
軽装で鍵やら小物を腰にジャラジャラ付けていて、長い髪を邪魔にならないように縛りこんでいる風貌などからして……シーフっぽいイメージを受けるのだが。
その手に持ってるのは間違いなく魔法使い特有のロッドだよなぁ?
魔法使いとの戦闘相性は最悪なんだが……ま、経験が無い訳じゃない。
「お前、まさかこの城の主とか言うんじゃないだろうな?」
「ああ、」
男は苦笑して身構える。
「似たようなもんだぜ、」
って事はコイツが……?俺は本当にアタリを引いてしまったのかもしれない。
コイツが例の『扉』を開いた邪術師か?!
問答無用で斬りに行った。魔法使いが相手なら常に、剣の間合いにいないと俺に勝機は無い。
が、相手は事もあろうかこの俺の一撃を紙一重で避けやがった!相当にすばしっこい、やっぱシーフか?
振りかぶった剣を戻すモーションの間に、壁に張り付いていた映写が次々に剥がれ、剃刀になって襲い掛かってくる。
槍を盾に戻してで往なして攻撃を退けたが、相手の狙いは俺との距離を取る事にあったらしい。
本能的に危険を感じる、こういう戦法を取ってくる事からして相手はやっぱり魔法使いに違いない。
これでは狙い撃ちにされる。
相手の攻撃手段を考えろ、発動するよりも早く電気の流れる速度でとっさに行動に移らなければ……やられる!
光の速度で狭い部屋に雷が走る。
だが俺は盾を引っ込めて槍を突き刺し、背後で身を低く構えてなんとか、その攻撃を読み勝った。敵の放った雷は全て槍に落とし、回避したのだ。
何という事はない、氷や炎を投げつけられるより、即死性のある魔法をぶち込んでくる魔法使いというのは割りと多いのだ。
いくら俺が強いったって、この世界はとことんリアルに物事が進む、雷なんぞ打ち所が悪ければ即死してしまうんである。
普通は避けられない所だが、それを回避運動に入れる『行動力』こそが俺の高いレベルに反映される所だ。
戦闘に入ったら、とかく魔法使い相手に迷いは致命的になる事は十二分に承知してるぜ。
迷いを捨てろ、俺は放電熱にくすぶる槍を問答無用で引き抜いて再び相手との距離を詰めに入る。
魔法使いは攻撃に入るまでの間がどうしたって生じる、レベルにもよるが魔法発動には詠唱やら動作が必要だ。最高位魔導師レベルになると、そのセオリーを無視してくるので危険なのだが。
とにかく、近距離戦闘には向いていない。
間合いに入ればこっちに勝機がある。発動の早い魔法程威力は低い、魔法使いの戦闘はためこんでの一撃必殺、どんな盾をも無効にしやがる一撃が脅威だ。
俺の剣が届く、しかし恐らく弾かれる、魔法使いは物理魔法盾を使える奴が少なくない。
一撃で届くとは考えない事だ。牽制の一撃、連打が重要だ。
しかし……。
相手がヘタすると素人という事を俺は忘れていた。
すっかり、熟練魔導師相手の戦闘ベースで考えていた。
いや?もしかしたらこの男、熟練魔導師でさえも凌ぐ相当な『やり手』だって可能性も無くも無い。
爆発に吹き飛ばされ、致命的な距離を相手に与えてしまった事を悟った俺は瞬時に以上の事を考えたが……幸い次の攻撃を警戒する必要は無かった。
相手も俺の剣撃を返す為に放った魔法で吹き飛んでいた。ええ、この部屋、狭すぎたんですよ。剣の一撃を、空気の刃で撃ち返す形で防ごうとして、その魔法が自分に少し跳ね返ったと見える。
……防御点の問題から言って奴の方が致命傷受けてやがります。
おいおいおい。
「くっそ……」
クソも何もあるかい。わき腹を押さえ滴る血に悪態をつきつつ男は立ち上がった。
なんで物理魔法盾を使わないで……相殺なんか選んだ?
ん?まさか、物理盾が使えないとか言うんじゃなかろうな?
ともあれチャンスだ、いっちまえ、悪く思うなー!と……躍り掛かりたい所だったが冷静に考えて思いとどまった。
手負いの敵は相当に危険だ、特に魔法使いはな……爆弾抱えてる様なものだからな。
慎重に、俺は奴にとどめを刺す手段を講じ、身構えた。
しかしこの選択は誤りだった。俺はその時、奴に近づいた方がよかったんだ。
「……ふう」
何ィ!回復、魔法だとーッ!
明らかにポーション的なガラス瓶を開けて患部に直接掛けたと思った時には治癒魔法がキマった後でした。
生じた隙に、ごっつい一撃を俺に飛ばす、という手もあっただろうに!レッドやナッツが相手なら間違いなくそうしているぞ貴様ー!その程度の怪我はその後ゆっくりしてから直すべきじゃないのか!!
それなのにだ、相手がこの貴重なターンに選んだのは自らの体力回復だったのだ。
……いかん、やっぱり奴はゲーム素人かもしれん。
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