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番外編・後日談 A SEQUEL
◆ 『トビラ』β版-逆ver.『ジニアーの異世界侵略-4』覚醒編
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『ジニアーの異世界侵略-4』覚醒編
※正式リリースされた想定の『後日談』
『黄金色の扉を閉めろ!』SFサイド側からバージョン
※※ この番外編は某のCM的な要素を含みます ※※
玉の統合、勿論これは玉の権限を『奪う』側と『奪われる』側がある訳だが、これをしかけられて取るべき手段は二つに一つ。
大人しく従って次回の侵略戦に加わる権限を留めるか、あるいは抗って完全に『枠』を奪われるか、である。
もしこれがプレイヤーの意思がある完全なゲームに対する思考であれば、利益の無さを理解して枠を手放す者が後を絶たない事だろう。しかしそうならないように、イエロープランの場合プレイヤーは立てたキャラクターに完全依存して行動をが決まる。
イエロープランのキャラクターには、世界が、見合った『辻褄を合わせる』
故に、行動はキャラクターが自動的に背負った背景と、それに対するスタンスに左右されるのだ。
自分で判断出来ないでいて、どうしてゲームをしていると言えるのか?そういう疑問を抱く者も居るだろう。
しかし、よく考えてもらうにこのゲーム、コードネーム時代はMFCと呼ばれた『夢を見る間にゲーム』であり、それを遊ぶのに自意識など最初から介入しようがない。
あくまで、夢を見る領域を使って異世界遊びが出来るというコンセプトなのだから、その中で『プレイヤーキルプレイ』と呼ばれるプレイヤー同士の戦闘を行うイエロープランにおいて、得られるのは『そういうゲームをしていた自分が投影されているキャラクターの夢』でしかない。
キャラクターの作成画面だって素面でやっているつもりで完全に夢の中である。
当然と、見合ったキャラクターが演じられる。
損得よりも、感情論で動くならばそちらが優先となる。
異世界侵略に、多くがのっぴきならない事情を抱えて挑んでいる『背景』を持つ様辻褄を合わせられている。
どうしても他人に従えず、玉砕する事を選んだ者はオービットの提案に反旗を翻し、ブレイズ達に玉持ちまで全員倒されて権限は強引に奪われる形となった。
逆に玉を差し出す事で忠誠を示した者は、いずれオービットから統合されて規模が大きくなった玉を取り返す機会を持ち得たまま異世界残留となる。
正しくは、玉持ちを殺さない限り玉の統合は完了しない様だ。従属を示す印が現れて、倒した相手の玉がオービットの持つ玉に吸い込こまれるという動作には至らなかった。
外見の違いこそあれど扱いとしては同じである。
この『印』が出て玉が奪われれば枠はオービットの玉に統合されるが、もし先にオービットが誰かに倒されたりすれば印は即座解除、また生き残ったまま保全者に攻め込まれ、撤退を選べばこの異世界侵略ステージにおいては従属印を抱えたまま、再度ログインが可能。
もっとも、それを正しく理解するのは全員、この夢から覚めた後なのだが……。
さらに人数は半分ほどに減ったがオービットはお構いなしと、城の構造を残った者達に説明、敵の侵入経路操作の為の作戦会議に移った。
「表門と裏門が在る事が分かった。前の門からは真っ直ぐ城の中心に出てしまうので、入りにくくしてなんとか裏から来てもらうように誘導したいんだけど……」
「外の部隊が表の堀にかかる主だった桟橋を破壊、一か所だけを残した様です」
「いいね、じゃぁ表門は完全に閉じて、魔法やら何やらでがっつり封じて裏門に誘い込もう」
あれこれと、各自の魔法使いを集めて罠や行動誘導の為の仕掛けを考えている所に、内側から放った外の偵察が戻って来る。
殆どの戦士、および半数以上の玉持ちが城の外に出てしまった。そうしてどうしているかというと……オービットの監視が届いていない事を一部が察して小規模のPvPが発生しているという。
「うん、そうなるだろう事は分かっていたから放置でいい」
「しかし、」
「そうだね、そうやって第二の勢力になって拠点である城の制圧をするつもりだろうけれど……」
「敵影確認しました!」
慌てて飛び込んできた者の声に一同慌てたが、オービットは動じず腕を組んだまま訊ねた。
「確かな情報か?」
「確かです、森の向こう側から来て今、遠くからこちらを伺っている様子を確認できます」
ハイドローが小さく指を回してみせた。統率した者達は『上手く回っている』という評価である事をオービットは理解。と云う事は、どうやらタイムリミットが来たようで準備に回せるのはここまでの様だ。
報告を聞いていたルインはいよいよだなと拳を合わせている。もっとも、彼は殴り合いは出来ない魔法使いなのだが。
「数は?」
「6および7名程」
「少ないねぇ、あるいは……第一陣で、これから続々と集まって来るのかもしれない。まずは彼らの実力を見よう」
「失礼、」
魔導師の玉持ちが軽く手を上げて、報告。
「表の門を閉じた事で一部の外兵が何故門を閉じたのだと、抗議している様です」
「問題無い、そいつらは叛乱分子として攻撃許可を出す」
即座、報告した魔導師は門番として向かっていた自分の従者に魔法で攻撃指示を与えた様だ。情報力を得られる機会をコントロールする事で、すっかりと人の動きを自在に操る事に成功している。
すでにイエローフラグ同士のプレイヤーキルによって城と、その周辺に居る人の数は半数以下になっているが、その分『強さ』はある程度引き上げた。
戦うべきフィールドは狭い、とオービットは判断している。その都合大多数よりも少数精鋭が有利と見て、意図的にPvPを仕掛けて数を絞っている。
もう少し絞り込みたいというのが彼の理想だ。城の外に出た者は状況の判断力が低いと見て、自分たちの経験値として消費するつもりでいたくらいなのだが……敵が来てしまったのだから、そちらへの対策を急ぐ方が先だ。
ある程度城外を残して斥候に使うつもりではいたが、それにしてはまだ数が多すぎる。
「セカイ系がいまいちよくわからないけれど、玉持ちが情報量によって強くなれるって事は、配布されている情報量、つまり……なんだろう、すっと『思い出した』けどこういうのって『経験値』って言ってよいのだろうか?」
「良いと思うよ」
「俺もその認識だ、」
オービット以外の玉持ちが頷いて肯定するのを見て……この異世界への扉を管理する存在はとんでもない奴だなと思った。口に出したらそれも同意を得られるだろうかと考えて……思いとどまる。
あるいはその『存在』こそが最終的には倒すべき真の敵である可能性もあると、思い至ったからだ。
別に何か根拠があるわけでは無いが……何故か、とても的を得ている様な気がしてふいとハイドローを伺う。彼はずっとオービットを見ていた様で、視線が合うとにんまりとした笑みを返されてしまった。
普段、どちらかと云えば不機嫌な顔をしている事が多い彼の、その意味深な笑みを見てオービットは苦笑いするよりない。
「あー……じゃぁ、その経験値は、他に倒すべき敵やら何やら存在しない現フィールドにおいては極めて有限であり、それは相手側に向けても同じと解釈してよいのかな?」
オービットが何を言いたいのか、その場に残っていた玉持ち、およびそれの軍師役として付いている者達は即座理解を示し何をすべきか察した様だ。
懸念したのは、敵から『経験値』を奪われてしまう事である。
こちらで得られる経験値が、異界へ開いた扉から来る者達のみであるのなら、有限である資源は出来るだけ回収し、来るべき敵に備えるべきだ。それをみすみす敵に奪われる様な事は愚の骨頂、ともすれば……。
閉じていた門を開き、堀に掛かる跳ね橋を下ろして桟橋をつなげた先。
そこに広がる血の海は、余計な経験値を相手に渡すべきでは無いと判断した城内の玉持ちが、敵の襲来を告げて城の中に味方となるだろう者達を招き入れる様装って……全て罠に嵌めて狩り殺された現場、である。
「玉持ちの死体が残っちゃう……って事は、」
「こちらの世界にやってきた『情報』は元の世界に帰れない。トビラの潜り損だね」
やって来た6人と一匹の『敵』が、こちらの予定通りに正面から入ろうと突撃して来たのを城の中から魔法で迎え撃ちながら……状況を見ていてオービットは首傾げていた。
こちらの魔法攻撃、氷の槍を生成して超高速で叩きつける攻撃は全部叩き落され、あるいは相殺されてしまって相手に一発たりとも当っていない。それどころか、城の小さなのぞき窓のどこに人が控えているのか探し当てて魔法を放って来ている。
勿論、魔法対策は事前に済ませてあるのでこちらに被害は無い。とはいえ……全くダメージを与えられていない事、その上で固く閉ざした門までやってきて一応、開けられないか一通り調べられてしまった事に、オービットはすでに嫌な予感がしていた。
ようやく外堀に残っていた少ない『小手調べ』部隊が到達し、あっという間に乱戦になっている。
城、とはいえ規模的にはさほど大きくは無い。堀を超え、塀の中にある門の前の中庭は、確かに他よりはいくらか広いとはいえ30人近くの数の人が武器を構えて振り回すのに適している広さは有しているとは言えない。
事前に誘導兵を外に置き、『敵はコッチに居る』と嘘の誘導をして塀をぐるっと一周させてきたこのカナリア部隊、残念ながらちゃんとした統率体が出来ていなかったので完全に個々の判断で敵を倒そうと狭い中庭に入り込んでしまっている。
あっという間に6人の『敵』が、30人近いこちらの戦力を消し去ってしまったのをオービットは唸りながら見ていた。
あの一団は何故堀をあえて橋から渡り、塀を壊す事なく、門から入ろうと考えたのだろうか?
そういう疑問が湧く位には能力的に高い一団である事を察している。何しろ、一人は大きな羽を持った有翼族。なぜそれが空を飛ばないで陸を歩いて居るのか。一通りの戦闘を見たが、殆どが躊躇なく一撃で敵とみなした者を仕留めている。
ハイドローがオービットの二の腕を軽く突つく。
「……準備が終わったのか?」
「あらかたね、どうする?」
主語の無い言葉を交わし、これから取るべき具体的な策を他の玉持ちに悟られない様にオービットは簡潔に答えた。
「予定通り、かな」
その後、表の門を開けるのを諦めて6人と小さな竜は、城の周りとぐるりと一周して様子を見る事にした様だ。
こちらが事前に仕掛けた魔法に反応するタイプの罠に触れないように、最新の注意を払いながらもしきりに城の内部構造を探ろうとしている……と、ルインとハイドローがこれを敏感に察知してずっと緊張している。
裏手にも門があるが、結局はこちらもしっかり閉じてあった。大層な魔法が発動するように『見せかけて』仰々しく封じてあるのを察して『敵』は、やはり……強引な突破を諦めた様だ。
そして、こちらの思惑通りに干からびた堀から地下入口があるのを察し、そちらから入って来てくれるらしい。
予定通りで行くと口裏を合わせて、割と大きな貯水槽で迎え撃つ様陣形を組む。
堀の水が殆ど干上がっている通り、貯水槽に繋がる通路が足をいくばか泥水に沈めたまま通行可能になっているのだ。ここの通路をあえて魔法関知の類を掛けずに置けば、相手も色々と魔法的な準備をしたうえでここから侵入してくるだろう……そのように罠を張り、相手は見事にそれに乗って来た形だが、どうにもそれが気に食わない。
相手は、もっと別の方法を取れるはずだ、という懸念が拭えないのだ。
と云う事は……完全に手加減されて相手をされているのだろう。
果たして優位な頭上を取って退路を塞ぎ、一方的な攻撃を加えた所で彼らに有効打となり得るのか?
オービットはその懸念を誰にも洩らさずに『予定通り』と演技で笑い、ここで仕留めるぞと言い含めているが……多分無理だと思ってもいる。
その心の内を察しているのはハイドローと、魔法的な情報伝達の橋を掛けているルインだけだろう。ブレイズは上司であるが自分が実戦部隊である事を了承しているので細かい事は聞いて来ないし、ダークもそれはハイドローに対し同じ感覚で、言われた事をただ忠実に実行するだけだ。
彼らに向けての予定通りとは……玉持ちの暗殺であったりする。
敵がついに舞台へと到達、予定通り鉄の落とし戸を落として今彼らが通って来た水路を塞ぐ。万が一逃げられないように、物理強化付加も掛けつつ、もう一部隊残して置いた魔法使いが氷結魔法を発動させる。
罠は事前に敷いた、オービットの知識には無い事だったが、紫色の魔導マントを羽織った魔法使いというのは最上位の使い手であるとの事だ。魔法詠唱やら何やらから始めていたら対処されてしまうのは目に見えているとの事で、すでにこの貯水プールの底に色々な魔導式というものを描き込んで合図一つで魔法が起動する様にしてあったのだ。
その不意打ちはしっかりと侵入者の足を凍り付かせている。
泥で装備品が汚れないようにする簡単な保護魔法を纏っていて、それで絶縁処理はしていた様だ。水場で電撃系の魔法を使えば一網打尽と出来る所だが、それが一番手っ取り早いからこそその手は使わないで氷漬けを選んで正解である。
残っていた魔導師、戦士達が足を取られて動けない敵に向かって踊りかかる、その一方で二階相当の踊り場奥でまずは状況を伺っていた『玉持ち』の玉を、奪う。
ブレイズとダークが、何の迷いも無くその仕事をして、オービットは残った玉持ちを殺す事で一方的にその権限を奪う。
全ての『経験値』を集約で来た訳では無いが、これでまずほとんどをオービット側で掌握出来た事になる。
この次の手はハイドローと、一番最初に城を出た時に決めてあった通りだ。
玉持ちの権限がオービットに変わった事を、従者たちは即座知る事が出来るのだろうか?
いや、分かる筈はないな、とかぶりを振る。
これでオービットは得た『経験値』を割いて、この異世界に来たほとんどの『キャラクター』の枠を支配し扉を開き、経験値消費というリスクを経て再召喚が可能になった。しかしリスクは経験値消費だけでは無いだろう。
呼ぶまでも無い事だ、呼び出した人の生殺与奪権を得られるとしても、それだけでは『心』までは縛れない。玉で出来る扉の開閉とは、一方的な隷属を約束する機能がついていない。そういう仕様があるのなら最初から出会った全ての者を排除し、玉を奪う事を最優先にしろとハイドローは教えてくれるだろう。わざわざ力の違いを見せつけて人の動きを掌握する為の段取りを踏んだのは、玉にそういった働きが無い事をハイドローが暗に示している。
扉の開閉をオービットはする必要が無いだろうと……ハイドローは言っていた。
そう、する必要はない。
最初から、こうやって全ての玉と、枠を手に入れる事が自分たちの目的なのだから。
滅びるかもしれない、あるいはハイドロー曰く確実に滅ぶより無いという……故郷サンデイを救うために必要とした異世界侵略なのだ。
これは、どこか遊戯の様にふざけた制約に縛られているが……遊びでやっているつもりは毛頭無い。自分たちは本気でサンデイを救うための手段として異世界に来ている。
戦うからには最善を尽くす、そして一先ず全ての玉の制圧と異世界における拠点の作成がオービットが決めた今回の侵略目的である。
「拠点制圧も無理かもしれないんだけど」
氷の天井を落とし込んでやったのだが、逆に氷に干渉されて操られ、致命的な反撃を受けた事を確認してオービットは頭を掻いた。
「じゃ、とりあえず今回は逃げる方向性で舵を切ったらどうだ」
オービットの苦悩が魔法的な繋がりの関係で分かるルインだが、彼は楽天家なので何でオービットが悩んでいるのか良く分からないでいる。
「……でも、もう少しだけ相手の力量を知りたいんだよね。なんというか、まだ底を見てない気がして」
「お前がそれを最善と思うなら、そうすればよいだろう」
ブレイズが頷くのを見てオービットは首を垂れる。
「えっと、俺の言ってる意味ちゃんと分かって言ってる?」
「うん?要するに俺達に向け、あいつらと全力で戦えと言いたいのではないのか?」
「いや合ってるけどね、でもそれで要するに、」
ハイドローが少し俯いたのを見て、ダークは事情を察した様だ。この大男は会話が苦手な分、それ以外で相手の意思を機敏に察知する。
「しね と いってる ?」
ダークの言葉に、ああそうかと大きく頷いてオービットの迷いを理解する。
「でも、構わないのだろう?」
と、ブレイズは同意を求める様にハイドローを振り返る。
「お前は何も説明されていないのに状況が分かっているのか?」
微妙にこの天然領主を苦手と心得るハイドローは苦い顔でこれに応えた。
「説明されたところで理解できるとは限らないだろう。俺は、そういうのは正直に言って苦手だからオービットを手元に置いている。この世界では、俺では無くオービットを死守出来ればそれで良いという認識は間違っていたか?」
ハイドローは一瞬オービットを伺ってから言った。
「間違っていないよ、」
「拠点の占拠は難しいが……最後に相手に一発入れてスタコラサッサ、か」
ルインは頭の後ろで手を組んで笑う。
「面白ぇ、丁重におもてなししてやろうじゃんか」
*** 続く ***
※正式リリースされた想定の『後日談』
『黄金色の扉を閉めろ!』SFサイド側からバージョン
※※ この番外編は某のCM的な要素を含みます ※※
玉の統合、勿論これは玉の権限を『奪う』側と『奪われる』側がある訳だが、これをしかけられて取るべき手段は二つに一つ。
大人しく従って次回の侵略戦に加わる権限を留めるか、あるいは抗って完全に『枠』を奪われるか、である。
もしこれがプレイヤーの意思がある完全なゲームに対する思考であれば、利益の無さを理解して枠を手放す者が後を絶たない事だろう。しかしそうならないように、イエロープランの場合プレイヤーは立てたキャラクターに完全依存して行動をが決まる。
イエロープランのキャラクターには、世界が、見合った『辻褄を合わせる』
故に、行動はキャラクターが自動的に背負った背景と、それに対するスタンスに左右されるのだ。
自分で判断出来ないでいて、どうしてゲームをしていると言えるのか?そういう疑問を抱く者も居るだろう。
しかし、よく考えてもらうにこのゲーム、コードネーム時代はMFCと呼ばれた『夢を見る間にゲーム』であり、それを遊ぶのに自意識など最初から介入しようがない。
あくまで、夢を見る領域を使って異世界遊びが出来るというコンセプトなのだから、その中で『プレイヤーキルプレイ』と呼ばれるプレイヤー同士の戦闘を行うイエロープランにおいて、得られるのは『そういうゲームをしていた自分が投影されているキャラクターの夢』でしかない。
キャラクターの作成画面だって素面でやっているつもりで完全に夢の中である。
当然と、見合ったキャラクターが演じられる。
損得よりも、感情論で動くならばそちらが優先となる。
異世界侵略に、多くがのっぴきならない事情を抱えて挑んでいる『背景』を持つ様辻褄を合わせられている。
どうしても他人に従えず、玉砕する事を選んだ者はオービットの提案に反旗を翻し、ブレイズ達に玉持ちまで全員倒されて権限は強引に奪われる形となった。
逆に玉を差し出す事で忠誠を示した者は、いずれオービットから統合されて規模が大きくなった玉を取り返す機会を持ち得たまま異世界残留となる。
正しくは、玉持ちを殺さない限り玉の統合は完了しない様だ。従属を示す印が現れて、倒した相手の玉がオービットの持つ玉に吸い込こまれるという動作には至らなかった。
外見の違いこそあれど扱いとしては同じである。
この『印』が出て玉が奪われれば枠はオービットの玉に統合されるが、もし先にオービットが誰かに倒されたりすれば印は即座解除、また生き残ったまま保全者に攻め込まれ、撤退を選べばこの異世界侵略ステージにおいては従属印を抱えたまま、再度ログインが可能。
もっとも、それを正しく理解するのは全員、この夢から覚めた後なのだが……。
さらに人数は半分ほどに減ったがオービットはお構いなしと、城の構造を残った者達に説明、敵の侵入経路操作の為の作戦会議に移った。
「表門と裏門が在る事が分かった。前の門からは真っ直ぐ城の中心に出てしまうので、入りにくくしてなんとか裏から来てもらうように誘導したいんだけど……」
「外の部隊が表の堀にかかる主だった桟橋を破壊、一か所だけを残した様です」
「いいね、じゃぁ表門は完全に閉じて、魔法やら何やらでがっつり封じて裏門に誘い込もう」
あれこれと、各自の魔法使いを集めて罠や行動誘導の為の仕掛けを考えている所に、内側から放った外の偵察が戻って来る。
殆どの戦士、および半数以上の玉持ちが城の外に出てしまった。そうしてどうしているかというと……オービットの監視が届いていない事を一部が察して小規模のPvPが発生しているという。
「うん、そうなるだろう事は分かっていたから放置でいい」
「しかし、」
「そうだね、そうやって第二の勢力になって拠点である城の制圧をするつもりだろうけれど……」
「敵影確認しました!」
慌てて飛び込んできた者の声に一同慌てたが、オービットは動じず腕を組んだまま訊ねた。
「確かな情報か?」
「確かです、森の向こう側から来て今、遠くからこちらを伺っている様子を確認できます」
ハイドローが小さく指を回してみせた。統率した者達は『上手く回っている』という評価である事をオービットは理解。と云う事は、どうやらタイムリミットが来たようで準備に回せるのはここまでの様だ。
報告を聞いていたルインはいよいよだなと拳を合わせている。もっとも、彼は殴り合いは出来ない魔法使いなのだが。
「数は?」
「6および7名程」
「少ないねぇ、あるいは……第一陣で、これから続々と集まって来るのかもしれない。まずは彼らの実力を見よう」
「失礼、」
魔導師の玉持ちが軽く手を上げて、報告。
「表の門を閉じた事で一部の外兵が何故門を閉じたのだと、抗議している様です」
「問題無い、そいつらは叛乱分子として攻撃許可を出す」
即座、報告した魔導師は門番として向かっていた自分の従者に魔法で攻撃指示を与えた様だ。情報力を得られる機会をコントロールする事で、すっかりと人の動きを自在に操る事に成功している。
すでにイエローフラグ同士のプレイヤーキルによって城と、その周辺に居る人の数は半数以下になっているが、その分『強さ』はある程度引き上げた。
戦うべきフィールドは狭い、とオービットは判断している。その都合大多数よりも少数精鋭が有利と見て、意図的にPvPを仕掛けて数を絞っている。
もう少し絞り込みたいというのが彼の理想だ。城の外に出た者は状況の判断力が低いと見て、自分たちの経験値として消費するつもりでいたくらいなのだが……敵が来てしまったのだから、そちらへの対策を急ぐ方が先だ。
ある程度城外を残して斥候に使うつもりではいたが、それにしてはまだ数が多すぎる。
「セカイ系がいまいちよくわからないけれど、玉持ちが情報量によって強くなれるって事は、配布されている情報量、つまり……なんだろう、すっと『思い出した』けどこういうのって『経験値』って言ってよいのだろうか?」
「良いと思うよ」
「俺もその認識だ、」
オービット以外の玉持ちが頷いて肯定するのを見て……この異世界への扉を管理する存在はとんでもない奴だなと思った。口に出したらそれも同意を得られるだろうかと考えて……思いとどまる。
あるいはその『存在』こそが最終的には倒すべき真の敵である可能性もあると、思い至ったからだ。
別に何か根拠があるわけでは無いが……何故か、とても的を得ている様な気がしてふいとハイドローを伺う。彼はずっとオービットを見ていた様で、視線が合うとにんまりとした笑みを返されてしまった。
普段、どちらかと云えば不機嫌な顔をしている事が多い彼の、その意味深な笑みを見てオービットは苦笑いするよりない。
「あー……じゃぁ、その経験値は、他に倒すべき敵やら何やら存在しない現フィールドにおいては極めて有限であり、それは相手側に向けても同じと解釈してよいのかな?」
オービットが何を言いたいのか、その場に残っていた玉持ち、およびそれの軍師役として付いている者達は即座理解を示し何をすべきか察した様だ。
懸念したのは、敵から『経験値』を奪われてしまう事である。
こちらで得られる経験値が、異界へ開いた扉から来る者達のみであるのなら、有限である資源は出来るだけ回収し、来るべき敵に備えるべきだ。それをみすみす敵に奪われる様な事は愚の骨頂、ともすれば……。
閉じていた門を開き、堀に掛かる跳ね橋を下ろして桟橋をつなげた先。
そこに広がる血の海は、余計な経験値を相手に渡すべきでは無いと判断した城内の玉持ちが、敵の襲来を告げて城の中に味方となるだろう者達を招き入れる様装って……全て罠に嵌めて狩り殺された現場、である。
「玉持ちの死体が残っちゃう……って事は、」
「こちらの世界にやってきた『情報』は元の世界に帰れない。トビラの潜り損だね」
やって来た6人と一匹の『敵』が、こちらの予定通りに正面から入ろうと突撃して来たのを城の中から魔法で迎え撃ちながら……状況を見ていてオービットは首傾げていた。
こちらの魔法攻撃、氷の槍を生成して超高速で叩きつける攻撃は全部叩き落され、あるいは相殺されてしまって相手に一発たりとも当っていない。それどころか、城の小さなのぞき窓のどこに人が控えているのか探し当てて魔法を放って来ている。
勿論、魔法対策は事前に済ませてあるのでこちらに被害は無い。とはいえ……全くダメージを与えられていない事、その上で固く閉ざした門までやってきて一応、開けられないか一通り調べられてしまった事に、オービットはすでに嫌な予感がしていた。
ようやく外堀に残っていた少ない『小手調べ』部隊が到達し、あっという間に乱戦になっている。
城、とはいえ規模的にはさほど大きくは無い。堀を超え、塀の中にある門の前の中庭は、確かに他よりはいくらか広いとはいえ30人近くの数の人が武器を構えて振り回すのに適している広さは有しているとは言えない。
事前に誘導兵を外に置き、『敵はコッチに居る』と嘘の誘導をして塀をぐるっと一周させてきたこのカナリア部隊、残念ながらちゃんとした統率体が出来ていなかったので完全に個々の判断で敵を倒そうと狭い中庭に入り込んでしまっている。
あっという間に6人の『敵』が、30人近いこちらの戦力を消し去ってしまったのをオービットは唸りながら見ていた。
あの一団は何故堀をあえて橋から渡り、塀を壊す事なく、門から入ろうと考えたのだろうか?
そういう疑問が湧く位には能力的に高い一団である事を察している。何しろ、一人は大きな羽を持った有翼族。なぜそれが空を飛ばないで陸を歩いて居るのか。一通りの戦闘を見たが、殆どが躊躇なく一撃で敵とみなした者を仕留めている。
ハイドローがオービットの二の腕を軽く突つく。
「……準備が終わったのか?」
「あらかたね、どうする?」
主語の無い言葉を交わし、これから取るべき具体的な策を他の玉持ちに悟られない様にオービットは簡潔に答えた。
「予定通り、かな」
その後、表の門を開けるのを諦めて6人と小さな竜は、城の周りとぐるりと一周して様子を見る事にした様だ。
こちらが事前に仕掛けた魔法に反応するタイプの罠に触れないように、最新の注意を払いながらもしきりに城の内部構造を探ろうとしている……と、ルインとハイドローがこれを敏感に察知してずっと緊張している。
裏手にも門があるが、結局はこちらもしっかり閉じてあった。大層な魔法が発動するように『見せかけて』仰々しく封じてあるのを察して『敵』は、やはり……強引な突破を諦めた様だ。
そして、こちらの思惑通りに干からびた堀から地下入口があるのを察し、そちらから入って来てくれるらしい。
予定通りで行くと口裏を合わせて、割と大きな貯水槽で迎え撃つ様陣形を組む。
堀の水が殆ど干上がっている通り、貯水槽に繋がる通路が足をいくばか泥水に沈めたまま通行可能になっているのだ。ここの通路をあえて魔法関知の類を掛けずに置けば、相手も色々と魔法的な準備をしたうえでここから侵入してくるだろう……そのように罠を張り、相手は見事にそれに乗って来た形だが、どうにもそれが気に食わない。
相手は、もっと別の方法を取れるはずだ、という懸念が拭えないのだ。
と云う事は……完全に手加減されて相手をされているのだろう。
果たして優位な頭上を取って退路を塞ぎ、一方的な攻撃を加えた所で彼らに有効打となり得るのか?
オービットはその懸念を誰にも洩らさずに『予定通り』と演技で笑い、ここで仕留めるぞと言い含めているが……多分無理だと思ってもいる。
その心の内を察しているのはハイドローと、魔法的な情報伝達の橋を掛けているルインだけだろう。ブレイズは上司であるが自分が実戦部隊である事を了承しているので細かい事は聞いて来ないし、ダークもそれはハイドローに対し同じ感覚で、言われた事をただ忠実に実行するだけだ。
彼らに向けての予定通りとは……玉持ちの暗殺であったりする。
敵がついに舞台へと到達、予定通り鉄の落とし戸を落として今彼らが通って来た水路を塞ぐ。万が一逃げられないように、物理強化付加も掛けつつ、もう一部隊残して置いた魔法使いが氷結魔法を発動させる。
罠は事前に敷いた、オービットの知識には無い事だったが、紫色の魔導マントを羽織った魔法使いというのは最上位の使い手であるとの事だ。魔法詠唱やら何やらから始めていたら対処されてしまうのは目に見えているとの事で、すでにこの貯水プールの底に色々な魔導式というものを描き込んで合図一つで魔法が起動する様にしてあったのだ。
その不意打ちはしっかりと侵入者の足を凍り付かせている。
泥で装備品が汚れないようにする簡単な保護魔法を纏っていて、それで絶縁処理はしていた様だ。水場で電撃系の魔法を使えば一網打尽と出来る所だが、それが一番手っ取り早いからこそその手は使わないで氷漬けを選んで正解である。
残っていた魔導師、戦士達が足を取られて動けない敵に向かって踊りかかる、その一方で二階相当の踊り場奥でまずは状況を伺っていた『玉持ち』の玉を、奪う。
ブレイズとダークが、何の迷いも無くその仕事をして、オービットは残った玉持ちを殺す事で一方的にその権限を奪う。
全ての『経験値』を集約で来た訳では無いが、これでまずほとんどをオービット側で掌握出来た事になる。
この次の手はハイドローと、一番最初に城を出た時に決めてあった通りだ。
玉持ちの権限がオービットに変わった事を、従者たちは即座知る事が出来るのだろうか?
いや、分かる筈はないな、とかぶりを振る。
これでオービットは得た『経験値』を割いて、この異世界に来たほとんどの『キャラクター』の枠を支配し扉を開き、経験値消費というリスクを経て再召喚が可能になった。しかしリスクは経験値消費だけでは無いだろう。
呼ぶまでも無い事だ、呼び出した人の生殺与奪権を得られるとしても、それだけでは『心』までは縛れない。玉で出来る扉の開閉とは、一方的な隷属を約束する機能がついていない。そういう仕様があるのなら最初から出会った全ての者を排除し、玉を奪う事を最優先にしろとハイドローは教えてくれるだろう。わざわざ力の違いを見せつけて人の動きを掌握する為の段取りを踏んだのは、玉にそういった働きが無い事をハイドローが暗に示している。
扉の開閉をオービットはする必要が無いだろうと……ハイドローは言っていた。
そう、する必要はない。
最初から、こうやって全ての玉と、枠を手に入れる事が自分たちの目的なのだから。
滅びるかもしれない、あるいはハイドロー曰く確実に滅ぶより無いという……故郷サンデイを救うために必要とした異世界侵略なのだ。
これは、どこか遊戯の様にふざけた制約に縛られているが……遊びでやっているつもりは毛頭無い。自分たちは本気でサンデイを救うための手段として異世界に来ている。
戦うからには最善を尽くす、そして一先ず全ての玉の制圧と異世界における拠点の作成がオービットが決めた今回の侵略目的である。
「拠点制圧も無理かもしれないんだけど」
氷の天井を落とし込んでやったのだが、逆に氷に干渉されて操られ、致命的な反撃を受けた事を確認してオービットは頭を掻いた。
「じゃ、とりあえず今回は逃げる方向性で舵を切ったらどうだ」
オービットの苦悩が魔法的な繋がりの関係で分かるルインだが、彼は楽天家なので何でオービットが悩んでいるのか良く分からないでいる。
「……でも、もう少しだけ相手の力量を知りたいんだよね。なんというか、まだ底を見てない気がして」
「お前がそれを最善と思うなら、そうすればよいだろう」
ブレイズが頷くのを見てオービットは首を垂れる。
「えっと、俺の言ってる意味ちゃんと分かって言ってる?」
「うん?要するに俺達に向け、あいつらと全力で戦えと言いたいのではないのか?」
「いや合ってるけどね、でもそれで要するに、」
ハイドローが少し俯いたのを見て、ダークは事情を察した様だ。この大男は会話が苦手な分、それ以外で相手の意思を機敏に察知する。
「しね と いってる ?」
ダークの言葉に、ああそうかと大きく頷いてオービットの迷いを理解する。
「でも、構わないのだろう?」
と、ブレイズは同意を求める様にハイドローを振り返る。
「お前は何も説明されていないのに状況が分かっているのか?」
微妙にこの天然領主を苦手と心得るハイドローは苦い顔でこれに応えた。
「説明されたところで理解できるとは限らないだろう。俺は、そういうのは正直に言って苦手だからオービットを手元に置いている。この世界では、俺では無くオービットを死守出来ればそれで良いという認識は間違っていたか?」
ハイドローは一瞬オービットを伺ってから言った。
「間違っていないよ、」
「拠点の占拠は難しいが……最後に相手に一発入れてスタコラサッサ、か」
ルインは頭の後ろで手を組んで笑う。
「面白ぇ、丁重におもてなししてやろうじゃんか」
*** 続く ***
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