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第9章 突破への道筋
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もうダメだ……。
ソラは快感に抗えず、リリアもエルノアも限界寸前。
俺は無力感に打ちひしがれ、ただ三人のエッチな姿を前にうろたえるだけ。
勇者失格だ……。
そんな絶望的な状況の中、意外にも冷静な声が響いた。
「個人技では……限界がありますね……あん♡」
声の主はエルノアだった。
彼女はローブをはだけさせられ、触手の先端で肌をなぞられながらも、その知的な瞳は分析の光を失っていなかった。
耳の先は真っ赤に染まっているが、さすがは400年生きた森の賢者だ。
「皆さん、諦めてはいけません。協力すれば、必ず道は開けます……きゃん♡」
リリアもまた、逆さ吊りにされて豊満な体を晒しながら、前向きな言葉を口にする。
彼女の純粋さは、こんな極限状況でも揺らがないらしい。
「そ、そうか……協力……!」
俺が何かを掴みかけた、その時だった。
リリアがそっと目を閉じ、祈りを捧げ始めた。
「天におわす神様……。私たちは今、大変な試練に直面しております。どうか、この迷える子羊たちに、あなた様のお知恵とお力をお授けくださいませ……」
触手に体を弄ばれながら捧げる、あまりにも清らかで、純粋な祈り。
その声に応えるかのように、彼女の体から淡く、そして温かい光が溢れ出した!
「こ、これは……!」
リリアの体を包んだ「神の加護」の光が、森全体に広がっていく。
すると、あれほど積極的に俺たちを「お世話」していた触手たちの動きが、ピタリと一瞬だけ止まったのだ!
「あらあら、神様は試練の真っ最中でも、ちゃんとお助けくださるのですね♡」
リリアは嬉しそうに微笑む。
しかし、その瞬間、彼女の体に残っていた神官戦士装備の最後の布地が、光の副作用で「ぷち、ぷちぷち……」と音を立ててほつれ始めた。
ああ、神様! 助けてくれるのはありがたいけど、その副作用はどうにかならないんですか!?
「リリアさん、好機です! 私の森の知恵と組み合わせましょう……んんっ♡」
エルノアが、リリアの作り出した隙を見逃さなかった。
彼女は触手に胸を愛撫され、甘い声を漏らしながらも、魔法の詠唱を開始する。
「エルフの古き知識よ、我に力を……森の声を聞かせたまえ!」
エルノアの魔法が発動すると、リリアの光と緑の魔力が混じり合い、森全体を優しい波動で満たしていく。
すると、触手たちの動きがさらにゆっくりとなり、さっきまでの執拗な愛撫が、まるで壊れ物を扱うかのような、敬意のこもった優しい撫で方に変わったのだ。
「これは……どういうことだ?」
俺が呆然と呟くと、エルノアが息を整えながら説明してくれた。
「どうやら、この森の触手たちは本来、純粋な心を持つ者を歓迎し、その魂の輝きに敬意を示す習性があるようです。 ソラさんの攻撃的な意志には反発しましたが、リリアさんの純粋無垢な祈りの光には、心を開いたのですよ」
その言葉通り、触手たちはリリアの光に導かれるように、ゆっくりと左右に分かれていく。
まるで、王を迎える臣下のように。
そして、触手たちが開いた道の先――森の奥に、次の階層へと続くであろう、まばゆい光の出口が現れたのだ。
「出口だ!」
「や、やった……!」
ソラも安堵の声を上げる。
物理的な攻撃ではどうにもならなかったこの状況を、リリアの純粋な心と、エルノアの知恵が打ち破ったのだ。
三人の服装は過去最高に破廉恥な状態になっているわけだが……今はそれどころじゃない!
俺たちは、ようやく見えた希望の光に向かって、再び歩き始めた。
◇
俺たちの目の前で、森の触手たちがまるで敬礼するかのように静かに道を開けている。
リリアの純粋な祈りとエルノアの知恵が、この階層の真の攻略法だったのだ。
「す、すごい……」
「これも神様の思し召しですわ♡」
俺たちは、森の奥から差し込むまばゆい光の出口に向かって、一歩一歩、足を進めた。
ひとまず、あの辱めからは解放されたんだ……!
光のトンネルを抜けた先は、上へと続く石造りの階段だった。
安堵のため息をついた俺たちの間で、しかし、ソラが不満そうな声を上げた。
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」
彼女が指差すのは、自分自身、そしてリリアとエルノアの姿。
「この格好で次の階層に行けって言うの!?」
それもそのはず。ソラの上半身は紅蓮色の下着だけ。
リリアに至っては「神の加護」の副作用で装備がほとんど繊維状になっており、隠すべき場所がギリギリ隠れているかどうかという奇跡的な状態。
エルノアもローブがはだけきって、もはや前を隠すマントのようになってしまっている。
「あらあら、風通しが良くて涼しいですわ♡」
「これはこれで、極限状況下における体温調整機能の維持という点で興味深いデータが取れますが……」
リリアはにこにこしているし、エルノアは冷静に分析しているが、二人の頬はほんのり赤い。
やっぱり恥ずかしいんじゃないか!
「とにかく! 何とかしないと!」
ソラの必死の抗議の結果、俺は自分のトレードマークである赤いマントをソラに貸し、エルノアとリリアはかろうじて残っていたローブの切れ端を体に巻き付けることになった。
結果、三人とも薄い布を体に巻いただけという、踊り子みたいな、さらにエッチで扇情的な格好になってしまったのだが……。
布地が体にフィットして、スタイルの良さがかえって強調されている。
俺の視線は完全に泳いでいた。
「こ、これは仕方ない事故だから問題ない!」
俺は自分に言い聞かせながら、気を取り直して階段を上り始めた。
「でも、まあ……これで1つクリアね……」
階段の途中で、ソラが少しだけ安堵したように呟いた。
その時だった。
踊り場のような場所に、石版が埋め込まれているのが目に入った。
俺が恐る恐るその文字を読む。
「……残り階層:六つ。次の試練『透明スライム湖』へようこそ」
「……え?」
ソラの表情が凍りつく。
「六つ!? まだ六つも残ってるの!? しかもこの格好で!?」
彼女の絶望的な叫びが、階段にこだまする。
そうだ、全七階層なんだった……。
まだ、地獄は始まったばかりなのだ。
がっくりと膝を折るソラ。
そんな彼女たちを見て、俺はぐっと拳を握りしめた。
そうだ、俺は勇者なんだ!
ここで俺がしっかりしなくてどうする!
「大丈夫だ! 俺が絶対にみんなを守ってみせる!」
俺は胸を張って高らかに宣言した。
……ただし、布一枚をまとっただけの三人の美少女の眩しい姿を前に、俺の顔は相変わらず真っ赤なままだった。
◇
俺の頼りない、しかし精一杯の宣言が、静かな階段の踊り場に響き渡った。
……しーん。
三人の美少女からの反応はない。
そりゃそうだ。
顔を真っ赤にしながら宣言したところで、説得力ゼロだもんな……。
気まずい沈黙を破ったのは、ソラの深いため息だった。
「はぁ……。それにしても、この迷宮の罠は想像以上ね……」
彼女は俺の赤いマントを体にきつく巻き付け直し、豊かな胸のラインを隠しながら呟く。
その仕草が、逆に妙に色っぽい。
「興味深いことに、触手たちは実際に我々に危害を加えようとはしませんでした。どうやら、この迷宮は冒険者の羞恥心を煽り、そこから発生するエネルギーを収集することが真の目的のようですね」
エルノアが、はだけたローブの前を必死に抑えながら、冷静に分析する。
その学者のような口ぶりとは裏腹に、彼女の耳はまだほんのり赤い。
「まあ♡ では神様は、私たちに恥じらいの美しさというものを、身をもって教えてくださっているのでしょうか?」
リリアだけが、体のラインがくっきりと浮かび上がったボロボロの布を纏いながら、にこにこと天然なことを言っている。
そのポジティブさは、もはや一種の才能だ。
「次の試練ですが……」
エルノアが、いつの間にか取り出した研究ノートに視線を落とす。
その表情は、いつになく真剣だった。
「『透明スライム湖』……。『透明』という単語が、非常に不穏です」
「透明……ですか?」
リリアがこてんと首をかしげる。
「それって、スライムさんの体が完全に見えなくなるということですか?」
「文字通りでしょ! 最悪じゃない! 見えない何かにまとわりつかれるなんて!」
ソラが顔を青くして叫ぶ。
確かに、想像しただけでヤバい。
見えないぬるぬるが、この布一枚の体にまとわりついてきたら……。
「……その可能性は、否定できませんね」
エルノアの冷静な一言が、俺たちの不安をさらに煽った。
絶望的な空気が漂い始める。
俺はこの雰囲気を振り払うように、まだ彼女たちに顔を向けられないまま、壁に向かって叫んだ。
「どんな敵が出てきても、俺が絶対にみんなを守る! 今度こそ……絶対に見ないで守るから!」
「……ええ。でも、今度は私たちの服も守ってよね、ケイン」
呆れたような、でもどこか信頼のこもったソラの声。
「貴重なデータが期待できますが……。ええ、私の尊厳も守っていただきたいところです」
エルノアの本音と建前が混じった声。
俺は意を決して、ゆっくりと振り返る。
布一枚の格好で恥ずかしそうに頬を染めながらも、三人の瞳はまっすぐに俺を見つめていた。
目の前の扉の横にある石版が、新たな文字を浮かび上がらせる。
『第二階層――透明スライム湖』
俺たちは、誰からともなく顔を見合わせ、そして、力強く頷いた。
どんなエッチな試練が待っていようと、この仲間たちとなら乗り越えられる。
そんな奇妙な確信を胸に、俺たちは次の階層への扉を見据えるのだった。
ソラは快感に抗えず、リリアもエルノアも限界寸前。
俺は無力感に打ちひしがれ、ただ三人のエッチな姿を前にうろたえるだけ。
勇者失格だ……。
そんな絶望的な状況の中、意外にも冷静な声が響いた。
「個人技では……限界がありますね……あん♡」
声の主はエルノアだった。
彼女はローブをはだけさせられ、触手の先端で肌をなぞられながらも、その知的な瞳は分析の光を失っていなかった。
耳の先は真っ赤に染まっているが、さすがは400年生きた森の賢者だ。
「皆さん、諦めてはいけません。協力すれば、必ず道は開けます……きゃん♡」
リリアもまた、逆さ吊りにされて豊満な体を晒しながら、前向きな言葉を口にする。
彼女の純粋さは、こんな極限状況でも揺らがないらしい。
「そ、そうか……協力……!」
俺が何かを掴みかけた、その時だった。
リリアがそっと目を閉じ、祈りを捧げ始めた。
「天におわす神様……。私たちは今、大変な試練に直面しております。どうか、この迷える子羊たちに、あなた様のお知恵とお力をお授けくださいませ……」
触手に体を弄ばれながら捧げる、あまりにも清らかで、純粋な祈り。
その声に応えるかのように、彼女の体から淡く、そして温かい光が溢れ出した!
「こ、これは……!」
リリアの体を包んだ「神の加護」の光が、森全体に広がっていく。
すると、あれほど積極的に俺たちを「お世話」していた触手たちの動きが、ピタリと一瞬だけ止まったのだ!
「あらあら、神様は試練の真っ最中でも、ちゃんとお助けくださるのですね♡」
リリアは嬉しそうに微笑む。
しかし、その瞬間、彼女の体に残っていた神官戦士装備の最後の布地が、光の副作用で「ぷち、ぷちぷち……」と音を立ててほつれ始めた。
ああ、神様! 助けてくれるのはありがたいけど、その副作用はどうにかならないんですか!?
「リリアさん、好機です! 私の森の知恵と組み合わせましょう……んんっ♡」
エルノアが、リリアの作り出した隙を見逃さなかった。
彼女は触手に胸を愛撫され、甘い声を漏らしながらも、魔法の詠唱を開始する。
「エルフの古き知識よ、我に力を……森の声を聞かせたまえ!」
エルノアの魔法が発動すると、リリアの光と緑の魔力が混じり合い、森全体を優しい波動で満たしていく。
すると、触手たちの動きがさらにゆっくりとなり、さっきまでの執拗な愛撫が、まるで壊れ物を扱うかのような、敬意のこもった優しい撫で方に変わったのだ。
「これは……どういうことだ?」
俺が呆然と呟くと、エルノアが息を整えながら説明してくれた。
「どうやら、この森の触手たちは本来、純粋な心を持つ者を歓迎し、その魂の輝きに敬意を示す習性があるようです。 ソラさんの攻撃的な意志には反発しましたが、リリアさんの純粋無垢な祈りの光には、心を開いたのですよ」
その言葉通り、触手たちはリリアの光に導かれるように、ゆっくりと左右に分かれていく。
まるで、王を迎える臣下のように。
そして、触手たちが開いた道の先――森の奥に、次の階層へと続くであろう、まばゆい光の出口が現れたのだ。
「出口だ!」
「や、やった……!」
ソラも安堵の声を上げる。
物理的な攻撃ではどうにもならなかったこの状況を、リリアの純粋な心と、エルノアの知恵が打ち破ったのだ。
三人の服装は過去最高に破廉恥な状態になっているわけだが……今はそれどころじゃない!
俺たちは、ようやく見えた希望の光に向かって、再び歩き始めた。
◇
俺たちの目の前で、森の触手たちがまるで敬礼するかのように静かに道を開けている。
リリアの純粋な祈りとエルノアの知恵が、この階層の真の攻略法だったのだ。
「す、すごい……」
「これも神様の思し召しですわ♡」
俺たちは、森の奥から差し込むまばゆい光の出口に向かって、一歩一歩、足を進めた。
ひとまず、あの辱めからは解放されたんだ……!
光のトンネルを抜けた先は、上へと続く石造りの階段だった。
安堵のため息をついた俺たちの間で、しかし、ソラが不満そうな声を上げた。
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」
彼女が指差すのは、自分自身、そしてリリアとエルノアの姿。
「この格好で次の階層に行けって言うの!?」
それもそのはず。ソラの上半身は紅蓮色の下着だけ。
リリアに至っては「神の加護」の副作用で装備がほとんど繊維状になっており、隠すべき場所がギリギリ隠れているかどうかという奇跡的な状態。
エルノアもローブがはだけきって、もはや前を隠すマントのようになってしまっている。
「あらあら、風通しが良くて涼しいですわ♡」
「これはこれで、極限状況下における体温調整機能の維持という点で興味深いデータが取れますが……」
リリアはにこにこしているし、エルノアは冷静に分析しているが、二人の頬はほんのり赤い。
やっぱり恥ずかしいんじゃないか!
「とにかく! 何とかしないと!」
ソラの必死の抗議の結果、俺は自分のトレードマークである赤いマントをソラに貸し、エルノアとリリアはかろうじて残っていたローブの切れ端を体に巻き付けることになった。
結果、三人とも薄い布を体に巻いただけという、踊り子みたいな、さらにエッチで扇情的な格好になってしまったのだが……。
布地が体にフィットして、スタイルの良さがかえって強調されている。
俺の視線は完全に泳いでいた。
「こ、これは仕方ない事故だから問題ない!」
俺は自分に言い聞かせながら、気を取り直して階段を上り始めた。
「でも、まあ……これで1つクリアね……」
階段の途中で、ソラが少しだけ安堵したように呟いた。
その時だった。
踊り場のような場所に、石版が埋め込まれているのが目に入った。
俺が恐る恐るその文字を読む。
「……残り階層:六つ。次の試練『透明スライム湖』へようこそ」
「……え?」
ソラの表情が凍りつく。
「六つ!? まだ六つも残ってるの!? しかもこの格好で!?」
彼女の絶望的な叫びが、階段にこだまする。
そうだ、全七階層なんだった……。
まだ、地獄は始まったばかりなのだ。
がっくりと膝を折るソラ。
そんな彼女たちを見て、俺はぐっと拳を握りしめた。
そうだ、俺は勇者なんだ!
ここで俺がしっかりしなくてどうする!
「大丈夫だ! 俺が絶対にみんなを守ってみせる!」
俺は胸を張って高らかに宣言した。
……ただし、布一枚をまとっただけの三人の美少女の眩しい姿を前に、俺の顔は相変わらず真っ赤なままだった。
◇
俺の頼りない、しかし精一杯の宣言が、静かな階段の踊り場に響き渡った。
……しーん。
三人の美少女からの反応はない。
そりゃそうだ。
顔を真っ赤にしながら宣言したところで、説得力ゼロだもんな……。
気まずい沈黙を破ったのは、ソラの深いため息だった。
「はぁ……。それにしても、この迷宮の罠は想像以上ね……」
彼女は俺の赤いマントを体にきつく巻き付け直し、豊かな胸のラインを隠しながら呟く。
その仕草が、逆に妙に色っぽい。
「興味深いことに、触手たちは実際に我々に危害を加えようとはしませんでした。どうやら、この迷宮は冒険者の羞恥心を煽り、そこから発生するエネルギーを収集することが真の目的のようですね」
エルノアが、はだけたローブの前を必死に抑えながら、冷静に分析する。
その学者のような口ぶりとは裏腹に、彼女の耳はまだほんのり赤い。
「まあ♡ では神様は、私たちに恥じらいの美しさというものを、身をもって教えてくださっているのでしょうか?」
リリアだけが、体のラインがくっきりと浮かび上がったボロボロの布を纏いながら、にこにこと天然なことを言っている。
そのポジティブさは、もはや一種の才能だ。
「次の試練ですが……」
エルノアが、いつの間にか取り出した研究ノートに視線を落とす。
その表情は、いつになく真剣だった。
「『透明スライム湖』……。『透明』という単語が、非常に不穏です」
「透明……ですか?」
リリアがこてんと首をかしげる。
「それって、スライムさんの体が完全に見えなくなるということですか?」
「文字通りでしょ! 最悪じゃない! 見えない何かにまとわりつかれるなんて!」
ソラが顔を青くして叫ぶ。
確かに、想像しただけでヤバい。
見えないぬるぬるが、この布一枚の体にまとわりついてきたら……。
「……その可能性は、否定できませんね」
エルノアの冷静な一言が、俺たちの不安をさらに煽った。
絶望的な空気が漂い始める。
俺はこの雰囲気を振り払うように、まだ彼女たちに顔を向けられないまま、壁に向かって叫んだ。
「どんな敵が出てきても、俺が絶対にみんなを守る! 今度こそ……絶対に見ないで守るから!」
「……ええ。でも、今度は私たちの服も守ってよね、ケイン」
呆れたような、でもどこか信頼のこもったソラの声。
「貴重なデータが期待できますが……。ええ、私の尊厳も守っていただきたいところです」
エルノアの本音と建前が混じった声。
俺は意を決して、ゆっくりと振り返る。
布一枚の格好で恥ずかしそうに頬を染めながらも、三人の瞳はまっすぐに俺を見つめていた。
目の前の扉の横にある石版が、新たな文字を浮かび上がらせる。
『第二階層――透明スライム湖』
俺たちは、誰からともなく顔を見合わせ、そして、力強く頷いた。
どんなエッチな試練が待っていようと、この仲間たちとなら乗り越えられる。
そんな奇妙な確信を胸に、俺たちは次の階層への扉を見据えるのだった。
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