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本編
018 それから
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二人から話を聞いたジェシカとエゼクは、運命の女神であるアンリエットの事を思って、彼女に全力で感謝をしていた。
ローグとリアムが食堂で働く切っ掛けを作ってくれなければ、この出会いは無かったと思ったからだ。
そして、アンリエットからもらった謎の木彫りの人形のこと。
恐らくだが、この人形が二人に掛かられていた魔法を解いたのだろうということは容易く想像できた。
ジェシカは、腕の中にいるローグに言っていた。
「ローグちゃん、私、ローグちゃんが好きなの!!私のお嫁さんになって欲しいの!!」
その言葉を聞いたローグは、可笑しそうに笑って言った。
「ジェシー……、それを言うならお婿さんだろうが……。でも、嬉しいよ。俺も、ジェシーのこと初めて会った時から好きだった。でも、リアムの体で、ジェシーと触れ合いたくなかったんだ。ジェシーには、自分の体で触れたかったんだ」
そう言って、困ったように微笑んだ。
それを見たジェシカは、感極まったように瞳を潤ませていた。
それを見たローグは、自分よりも高い位置にあるジェシカの頭に手を添えて、ぐっと自分の方に引き寄せてから言った。
「ジェシー、好きだ。俺の嫁になってくれ」
そう言ってから、さらにジェシカを引き寄せて、その唇にそっと触れたのだ。
唇同士が触れった時、ジェシカは、頭が痺れるような幸福に身を包まれていた。
その幸福をもっと味わいたいと思ったジェシカは、離れようとするローグの頭を抱えるように体制を変えて、離れていこうとする唇を強引に奪っていた。
戸惑うローグの唇を食み、苦しげに開いた隙間に舌を捩じ込んで、思う様ローグの唇と舌を味わって蹂躙していた。
もっと、もっとと、ジェシカはローグの唇を夢中で貪っていたが、脳天に強い衝撃を受けて我に返っていた。
慌てて唇を離すと、茹でダコのように真っ赤な顔をして、腕の中でぐったりとするローグに全力で謝っていた。
「ローグちゃん、ごめんなさい!!とても幸せで、気持ちよくって!!でも、ありがとう!ごちそうさまです!!」
「ジェシー……、お前……。はぁ、これも惚れた弱みってことかよ……」
そう言って、ジェシカの腕の中でぐったりしつつも幸せそうに微笑んだローグは、意識を失っていた。
右手を手刀の形にしたて、呆れたようにエゼクは言った。
「ジェシカ……、大概にしておけ」
そう言ったエゼクの腕の中には、ローグと同じ様に気を失ったリアムがいた。
それを見たジェシカは、半眼でエゼクを見ていた。
それに気が付いたエゼクは、全力で否定していた。
「違うから!!俺は、お前みたいに強引なキスはしていない!!俺の気持ちを伝えて、妻になって欲しいと言ったら真っ赤な顔をして気を失ってしまったんだ!!」
「えー、でもキスはしたんですね……」
「まだ……、まだしていない……」
そう言って、悔しげにジェシカを見るエゼクを無視して、ジェシカはのぼせたように言ったのだ。
「はぁ。好きな人とのキスがあんなに気持ちいいなんて知りませんでした。はぁ、またしたいです~」
ジェシカの呟きを聞いたエゼクは、それを無視して腕の中で嬉しそうな表情で眠るリアムの額に自分の額を合わせて言っていた。
「リアム、好きだよ。君が目覚めたら、改めてプロポーズの答えを聞かせてくれ」
『白百合と呼ばれた伯爵令嬢は死にました~筋肉令嬢と面頬の貴公子の恋愛椅子取りゲーム~』 おわり
ローグとリアムが食堂で働く切っ掛けを作ってくれなければ、この出会いは無かったと思ったからだ。
そして、アンリエットからもらった謎の木彫りの人形のこと。
恐らくだが、この人形が二人に掛かられていた魔法を解いたのだろうということは容易く想像できた。
ジェシカは、腕の中にいるローグに言っていた。
「ローグちゃん、私、ローグちゃんが好きなの!!私のお嫁さんになって欲しいの!!」
その言葉を聞いたローグは、可笑しそうに笑って言った。
「ジェシー……、それを言うならお婿さんだろうが……。でも、嬉しいよ。俺も、ジェシーのこと初めて会った時から好きだった。でも、リアムの体で、ジェシーと触れ合いたくなかったんだ。ジェシーには、自分の体で触れたかったんだ」
そう言って、困ったように微笑んだ。
それを見たジェシカは、感極まったように瞳を潤ませていた。
それを見たローグは、自分よりも高い位置にあるジェシカの頭に手を添えて、ぐっと自分の方に引き寄せてから言った。
「ジェシー、好きだ。俺の嫁になってくれ」
そう言ってから、さらにジェシカを引き寄せて、その唇にそっと触れたのだ。
唇同士が触れった時、ジェシカは、頭が痺れるような幸福に身を包まれていた。
その幸福をもっと味わいたいと思ったジェシカは、離れようとするローグの頭を抱えるように体制を変えて、離れていこうとする唇を強引に奪っていた。
戸惑うローグの唇を食み、苦しげに開いた隙間に舌を捩じ込んで、思う様ローグの唇と舌を味わって蹂躙していた。
もっと、もっとと、ジェシカはローグの唇を夢中で貪っていたが、脳天に強い衝撃を受けて我に返っていた。
慌てて唇を離すと、茹でダコのように真っ赤な顔をして、腕の中でぐったりとするローグに全力で謝っていた。
「ローグちゃん、ごめんなさい!!とても幸せで、気持ちよくって!!でも、ありがとう!ごちそうさまです!!」
「ジェシー……、お前……。はぁ、これも惚れた弱みってことかよ……」
そう言って、ジェシカの腕の中でぐったりしつつも幸せそうに微笑んだローグは、意識を失っていた。
右手を手刀の形にしたて、呆れたようにエゼクは言った。
「ジェシカ……、大概にしておけ」
そう言ったエゼクの腕の中には、ローグと同じ様に気を失ったリアムがいた。
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それに気が付いたエゼクは、全力で否定していた。
「違うから!!俺は、お前みたいに強引なキスはしていない!!俺の気持ちを伝えて、妻になって欲しいと言ったら真っ赤な顔をして気を失ってしまったんだ!!」
「えー、でもキスはしたんですね……」
「まだ……、まだしていない……」
そう言って、悔しげにジェシカを見るエゼクを無視して、ジェシカはのぼせたように言ったのだ。
「はぁ。好きな人とのキスがあんなに気持ちいいなんて知りませんでした。はぁ、またしたいです~」
ジェシカの呟きを聞いたエゼクは、それを無視して腕の中で嬉しそうな表情で眠るリアムの額に自分の額を合わせて言っていた。
「リアム、好きだよ。君が目覚めたら、改めてプロポーズの答えを聞かせてくれ」
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