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おでかけ編
45 私と楽しいお出かけ
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私は、ヴェインさんと手をつないだ状態で歩く自分たちの姿が傍目にどう見えるのか心配だった。
イケメンの隣にいるのに相応しい姿格好でないのは十分理解しているからね。
でも、自意識過剰だったようで、通行人達の視線はヴェインさんただ一人に向けられているみたいだった。
私はモブらしく、空気のように大人しくしていると、ヴェインさんが可笑しそうに微笑んだのだ。
「ん?どうしたんだ?もしかして二人きりで出かけるの嫌だったか?」
まさかの問いかけに慌てて首を振った。
「違います!ヴェインさんと一緒に出掛けられて嬉しいです!でも、あの……、手が……」
「手?」
私は、素直に手を繋いでいるのが恥ずかしいと訴えた。
すると、ヴェインさんは不思議そうな顔をした後に、繋いだ手を見て眉を下げて言った。
「嫌か?」
シュンとした表情のヴェインさんが年上の男性なのに、なんだか可愛く見えてついつい笑ってしまった。
「ふふ。嫌じゃありません。ヴェインさん(の優しい手)が好きなので嬉しいです」
「す、好き?!お、俺のことをか?」
「はい。好きですよ?」
おかしなヴェインさん?どうして急にそんなに真っ赤になるんだろう?私、何か変なこと言ったかな?
「シズに他意はない。きっと、人としてとかお兄さんみたいとかそんなんだ。勘違いするな、大丈夫、俺は冷静だ」
何やら、ヴェインさんがブツブツ言っていたけど、よく分からない独り言はいつものことだから、そっとしておくことにした。
ヴェインさんが最初に案内してくれたのは、家の近所だった。
一人で周辺を散歩はしたけど、私が入ったことのないお店なども教えてくれた。
食材を置いているお店、雑貨屋さんに、薬屋さん。変わったお店だと、魔法薬店というものもあった。
その次に、少し歩いた先にある中央広場を案内してくれた。
そこは、お祭りでも開かれているのかのように人で賑わっていた。
沢山の屋台と、大道芸をする人達。
それを楽しむ人達で大賑わいだった。
「ヴェインさん!あっちです!!」
「ああ」
「うわぁ~、これすごく綺麗です!!あっ、あっちも可愛いです!」
「くすくす。ああ、そうだな」
「はぁ~。可愛いティーカップですね。お揃いで買っておうちで使おうかなぁ」
一つの出店に飾られていた、白磁のティーセットに目を引かれた私は、その繊細なティーカップを気に入ってしまったのだ。
購入しようと、お店の人に声をかけようとすると、ヴェインさんが先にお店の人に話しかけてしまっていた。
「店主、このティーセット一式をくれ」
「はいよ。毎度~。おや、ヴェインの旦那じゃないか?もしかして、可愛いツレにプレゼントか?旦那もやるねぇ~」
「いいから、包んでくれ」
そう言って、ヴェインさんはお店の人にお金を払ってしまっていた。
私は慌ててお金を出してヴェインさんに言った。
「駄目です。お金は出しますから」
「いいよ。美味い飯のお礼だ。それに、このティーセットで、シズとお茶をするのが楽しみだ。美味しいお茶、入れてくれるだろう?」
「~~~、もう……。はい。分かりました。それじゃ、帰ったら、早速このティーセットで美味しいお茶を入れますね。お菓子は何がいいですか?」
私がそう言うと、ヴェインさんはニカって笑って言ってくれた。
「それじゃ、スコーンがいいな」
「はい。ホイップとジャムをたっぷり用意しますね」
「ああ。頼む」
二人で顔を合わせてニコニコしていると、お店の人が微妙な表情でヴェインさんにだけ聞こえるように何かを言った。
「へいへい。ごちそうさまです。しっかし、ここまでの美少女……。しかも、その格好……。旦那、悪いことは言わねぇ、しっかり手ぇ、握って離すんじゃねえぞ?ここは、治安は良いが、その裏を上手くかく輩もいるからなぁ」
「ああ、大事な子だからな」
「!!!これまた……、ごちそうさんっす。これは、旦那のそんな蕩け顔を見せてくれたお礼ってことで、おまけだぜ」
お店の人は、ティーセットの他に可愛らしい白磁の猫をくれた。
驚いていると、ヴェインさんは笑って「いいから、受け取っておけ」って。
私は、お店の人にペコリと頭を下げてお礼を言ったら、「いいってことよ。いいもの見せてもらったしなぁ」って、よく分からないことを言われてしまった。
首を傾げていると、ヴェインさんが反対側を指差して言った言葉に、疑問は吹っ飛んでいってしまっていた。
「シズ、あのジュースはとても人気があるんだ。一緒に飲もうか」
「はい!」
そう言ってヴェインさんは、私にお花の香りのするジュースを買ってくれた。
広場のベンチで休憩も兼ねて座って飲んでいると、ヴェインさんははしゃぎ過ぎて乱れてしまった私の髪を整えるように髪をなでてくれた。
ジュースはとても美味しくて、あっという間に飲みきってしまっていた。
そろそろ、お昼の時間だと思った私は、ヴェインさんにある提案をしていた。
「あの……、実はお弁当を作ってきたんです。アーくんの分もあるので、差し入れに行きたいと思うんですけど……」
イケメンの隣にいるのに相応しい姿格好でないのは十分理解しているからね。
でも、自意識過剰だったようで、通行人達の視線はヴェインさんただ一人に向けられているみたいだった。
私はモブらしく、空気のように大人しくしていると、ヴェインさんが可笑しそうに微笑んだのだ。
「ん?どうしたんだ?もしかして二人きりで出かけるの嫌だったか?」
まさかの問いかけに慌てて首を振った。
「違います!ヴェインさんと一緒に出掛けられて嬉しいです!でも、あの……、手が……」
「手?」
私は、素直に手を繋いでいるのが恥ずかしいと訴えた。
すると、ヴェインさんは不思議そうな顔をした後に、繋いだ手を見て眉を下げて言った。
「嫌か?」
シュンとした表情のヴェインさんが年上の男性なのに、なんだか可愛く見えてついつい笑ってしまった。
「ふふ。嫌じゃありません。ヴェインさん(の優しい手)が好きなので嬉しいです」
「す、好き?!お、俺のことをか?」
「はい。好きですよ?」
おかしなヴェインさん?どうして急にそんなに真っ赤になるんだろう?私、何か変なこと言ったかな?
「シズに他意はない。きっと、人としてとかお兄さんみたいとかそんなんだ。勘違いするな、大丈夫、俺は冷静だ」
何やら、ヴェインさんがブツブツ言っていたけど、よく分からない独り言はいつものことだから、そっとしておくことにした。
ヴェインさんが最初に案内してくれたのは、家の近所だった。
一人で周辺を散歩はしたけど、私が入ったことのないお店なども教えてくれた。
食材を置いているお店、雑貨屋さんに、薬屋さん。変わったお店だと、魔法薬店というものもあった。
その次に、少し歩いた先にある中央広場を案内してくれた。
そこは、お祭りでも開かれているのかのように人で賑わっていた。
沢山の屋台と、大道芸をする人達。
それを楽しむ人達で大賑わいだった。
「ヴェインさん!あっちです!!」
「ああ」
「うわぁ~、これすごく綺麗です!!あっ、あっちも可愛いです!」
「くすくす。ああ、そうだな」
「はぁ~。可愛いティーカップですね。お揃いで買っておうちで使おうかなぁ」
一つの出店に飾られていた、白磁のティーセットに目を引かれた私は、その繊細なティーカップを気に入ってしまったのだ。
購入しようと、お店の人に声をかけようとすると、ヴェインさんが先にお店の人に話しかけてしまっていた。
「店主、このティーセット一式をくれ」
「はいよ。毎度~。おや、ヴェインの旦那じゃないか?もしかして、可愛いツレにプレゼントか?旦那もやるねぇ~」
「いいから、包んでくれ」
そう言って、ヴェインさんはお店の人にお金を払ってしまっていた。
私は慌ててお金を出してヴェインさんに言った。
「駄目です。お金は出しますから」
「いいよ。美味い飯のお礼だ。それに、このティーセットで、シズとお茶をするのが楽しみだ。美味しいお茶、入れてくれるだろう?」
「~~~、もう……。はい。分かりました。それじゃ、帰ったら、早速このティーセットで美味しいお茶を入れますね。お菓子は何がいいですか?」
私がそう言うと、ヴェインさんはニカって笑って言ってくれた。
「それじゃ、スコーンがいいな」
「はい。ホイップとジャムをたっぷり用意しますね」
「ああ。頼む」
二人で顔を合わせてニコニコしていると、お店の人が微妙な表情でヴェインさんにだけ聞こえるように何かを言った。
「へいへい。ごちそうさまです。しっかし、ここまでの美少女……。しかも、その格好……。旦那、悪いことは言わねぇ、しっかり手ぇ、握って離すんじゃねえぞ?ここは、治安は良いが、その裏を上手くかく輩もいるからなぁ」
「ああ、大事な子だからな」
「!!!これまた……、ごちそうさんっす。これは、旦那のそんな蕩け顔を見せてくれたお礼ってことで、おまけだぜ」
お店の人は、ティーセットの他に可愛らしい白磁の猫をくれた。
驚いていると、ヴェインさんは笑って「いいから、受け取っておけ」って。
私は、お店の人にペコリと頭を下げてお礼を言ったら、「いいってことよ。いいもの見せてもらったしなぁ」って、よく分からないことを言われてしまった。
首を傾げていると、ヴェインさんが反対側を指差して言った言葉に、疑問は吹っ飛んでいってしまっていた。
「シズ、あのジュースはとても人気があるんだ。一緒に飲もうか」
「はい!」
そう言ってヴェインさんは、私にお花の香りのするジュースを買ってくれた。
広場のベンチで休憩も兼ねて座って飲んでいると、ヴェインさんははしゃぎ過ぎて乱れてしまった私の髪を整えるように髪をなでてくれた。
ジュースはとても美味しくて、あっという間に飲みきってしまっていた。
そろそろ、お昼の時間だと思った私は、ヴェインさんにある提案をしていた。
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