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本編
第三章 欠陥姫と招かれざる客(3)
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女性にしては低い声がミリアリアのピンチを救った。
灰色の髪をした少女は、身に纏っていたショールを脱ぎながらミリアリアに近づいて、その体を隠すように脱いだショールを掛けたのだ。
そして、ミドガルズ王国の王女を振り返って落ち着き払った声で言ったのだ。
「そろそろこの子の侍女が戻ってくる頃です。面倒が増える前に戻りましょう」
その声は、聴いているものに有無を言わせない力があった。
灰色の髪をした少女にそう言われたミドガルズ王国の王女は、唇を噛んだ後にミリアリアを睨みつけたのだ。
見下ろした先にいるミリアリアは、淡い金色の髪は乱れ、服は用を為さない状態になっていた。さらには、幼さの残る美しい顔は涙で汚れていた。それでも、ミリアリアの持つ美しさは変わらずにそこにあったのだ。
だからこそ、ミドガルズ王国の王女は感情のままに床を踏み鳴らしたのだった。
その音に驚き身を竦めるミリアリアは、体を包むショールを握りしめることしか出来ずにいた。
少しの間をおいた後に、ミドガルズ王国の王女は取り巻きたちを引き連れて小屋を後にしたのだった。
小屋に取り残されたミリアリアは、ようやく解放されたことで緊張の糸が切れてしまいその場で気を失ってしまっていた。
小屋を後にするミドガルズ王国の王女と取り巻きたちは、何も言葉を交わさずに歩いていたが、一番後ろを歩いていた護衛の兵士たちは、今日の出来事について小さな声で相談をしていた。
「なぁ、これってまずくないか? もし、あの小屋にいたメローズ王国の王女様が本当に陛下の思い人だったら、俺たち殺されるんじゃないのか?」
一人の兵士がそう言うと、もう一人の兵士は冷や汗を拭いながらそれを否定していた。
「大丈夫だろう? だって、本当に大事ならあんな小屋で暮らさせるかよ。それに、もともと離宮で暮らしてるはずなのに、なんだってあの小屋にいるんだよ。あの子がお姫様っていること自体が何かの間違いだとしか思えないけどな……」
「確かにな。だけど、ここ数日離宮の中を探し回ったのに、誰かが暮らしている形跡が無かったことと、王女様の侍女が食材を取りに王宮にいるところを見たって話しから考えると、あの小屋にいたのがメローズ王国の王女様で間違いないと思うんだが……」
「はぁ。なんで俺がミドガルズ王国の王女様の護衛当番の日にこんなことになるんだよ……。でも、あの小屋にいた子、可愛かったな……」
「おまえなぁ……。まぁ、確かに可愛かったな……」
兵士たちがミリアリアの姿を思い出して表情を緩めた時だった。
話に夢中になっていた兵士たちは、前方からくる人物に全く気が付いていなかったのだ。
前方から歩いてきた人物が、兵士の発した言葉に反応して低い声で言ったのだ。
「おい、小屋にいた可愛い子とは誰のことだ?」
心臓を抉るような低く凍り付くような声が耳に入った兵士たちは、表情を引きつらせながら声が聞こえた方に顔を向けたのだ。
そして、声の主を見た次の瞬間、その場に伏した後に頭を地面に擦りつけたのだった。
「「陛下!?」」
兵士たちに陛下と言われた人物は、いらいらとした口調で質問を繰り返したのだった。
「答えろ。貴様らは誰の話をしていたのだ」
その身を堅くするだけで兵士たちは、なかなか答えを口にすることが出来ずにいた。
そんな中、先頭を歩いていたミドガルズ王国の王女が後方の異変に気が付き振り返ったのだ。
後ろを歩いていたはずの兵士たちが地面に頭を擦りつけている姿を目にして驚きの表情を浮かべたのだった。
そして、兵士たちの傍に立つ、苛立たし気な表情を隠そうともしない銀色の髪の見目麗しい青年を見て目を丸くしたのだった。
灰色の髪をした少女は、身に纏っていたショールを脱ぎながらミリアリアに近づいて、その体を隠すように脱いだショールを掛けたのだ。
そして、ミドガルズ王国の王女を振り返って落ち着き払った声で言ったのだ。
「そろそろこの子の侍女が戻ってくる頃です。面倒が増える前に戻りましょう」
その声は、聴いているものに有無を言わせない力があった。
灰色の髪をした少女にそう言われたミドガルズ王国の王女は、唇を噛んだ後にミリアリアを睨みつけたのだ。
見下ろした先にいるミリアリアは、淡い金色の髪は乱れ、服は用を為さない状態になっていた。さらには、幼さの残る美しい顔は涙で汚れていた。それでも、ミリアリアの持つ美しさは変わらずにそこにあったのだ。
だからこそ、ミドガルズ王国の王女は感情のままに床を踏み鳴らしたのだった。
その音に驚き身を竦めるミリアリアは、体を包むショールを握りしめることしか出来ずにいた。
少しの間をおいた後に、ミドガルズ王国の王女は取り巻きたちを引き連れて小屋を後にしたのだった。
小屋に取り残されたミリアリアは、ようやく解放されたことで緊張の糸が切れてしまいその場で気を失ってしまっていた。
小屋を後にするミドガルズ王国の王女と取り巻きたちは、何も言葉を交わさずに歩いていたが、一番後ろを歩いていた護衛の兵士たちは、今日の出来事について小さな声で相談をしていた。
「なぁ、これってまずくないか? もし、あの小屋にいたメローズ王国の王女様が本当に陛下の思い人だったら、俺たち殺されるんじゃないのか?」
一人の兵士がそう言うと、もう一人の兵士は冷や汗を拭いながらそれを否定していた。
「大丈夫だろう? だって、本当に大事ならあんな小屋で暮らさせるかよ。それに、もともと離宮で暮らしてるはずなのに、なんだってあの小屋にいるんだよ。あの子がお姫様っていること自体が何かの間違いだとしか思えないけどな……」
「確かにな。だけど、ここ数日離宮の中を探し回ったのに、誰かが暮らしている形跡が無かったことと、王女様の侍女が食材を取りに王宮にいるところを見たって話しから考えると、あの小屋にいたのがメローズ王国の王女様で間違いないと思うんだが……」
「はぁ。なんで俺がミドガルズ王国の王女様の護衛当番の日にこんなことになるんだよ……。でも、あの小屋にいた子、可愛かったな……」
「おまえなぁ……。まぁ、確かに可愛かったな……」
兵士たちがミリアリアの姿を思い出して表情を緩めた時だった。
話に夢中になっていた兵士たちは、前方からくる人物に全く気が付いていなかったのだ。
前方から歩いてきた人物が、兵士の発した言葉に反応して低い声で言ったのだ。
「おい、小屋にいた可愛い子とは誰のことだ?」
心臓を抉るような低く凍り付くような声が耳に入った兵士たちは、表情を引きつらせながら声が聞こえた方に顔を向けたのだ。
そして、声の主を見た次の瞬間、その場に伏した後に頭を地面に擦りつけたのだった。
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そんな中、先頭を歩いていたミドガルズ王国の王女が後方の異変に気が付き振り返ったのだ。
後ろを歩いていたはずの兵士たちが地面に頭を擦りつけている姿を目にして驚きの表情を浮かべたのだった。
そして、兵士たちの傍に立つ、苛立たし気な表情を隠そうともしない銀色の髪の見目麗しい青年を見て目を丸くしたのだった。
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