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第三部
第五章 好きという気持ち 1
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ただカインのことを知りたいと思っただけだったはずが、とんでもない秘密を見てしまったシーナはその場を動くことが出来なかった。
そうしていると、気が付かないうちに背後に近づいてきた人物によって意識を奪われたのだった。
シーナの意識を奪ったのは、カインの協力者となっていたミュルエナだった。
ミュルエナは、意識を失ったシーナを横抱きにした状態で部屋の中にいるカインに声をかけた。
「旦那様、油断が過ぎますよ?それで、この子どうします?消しますか?それとも何らかの理由をつけて閉じ込めます?」
ミュルエナの言葉にカインは驚いた表情をした。
そして、緩く首を振ってミュルエナの提案を否定した。
「これは俺の油断が招いたことだ。彼女に何かするつもりはない」
「でも、この事を他所に漏らされたら……」
「いや、その必要はない。準備は整った」
カインの言葉を聞いたミュルエナは、数回瞬きをした後でにやりと口元を歪めた。
「そうですか。その準備が整ったということは、とうとうあの女を殺せるんですね?」
「ああ、そのための準備をしていた。そして、今後このような事が起こらないように手筈は整えた」
「そうですか。今まで意味も分からずに、あの女の血を採って技術特区に持って行ってましたが、もうそんな事しなくてもよくなるんですね?」
「ああ。それももう終わりだ。全てが終わる。俺もイシュタルも、お前の復讐も、何もかもだ」
「ふふふ。永かった。とっても永かった。これで、お嬢様の汚名を雪ぐ事がやっとできる」
二人がそんな事を話していると、意識を失っていたシーナが微かに身じろいだ。
ミュルエナは、おや?っといった表情をしたが、さらにシーナの意識を奪うことはしなかった。
そうしているうちに、シーナは目を覚ました。
「……、あれ?私、どうして…………。っ!!カイン様!!あの女の人は!?」
ミュルエナの腕の中にいたシーナは、飛び起きた勢いのままにカインを問い詰めた。
カインは、何も言わずにシーナから顔を背けただけだった。
カインのその態度にシーナは、心が痛くなった。
どうして何も言ってくれないのか、どうしてイシュタルを閉じ込めているのか、本当はイシュタルの事が好きだったのかと、心の中がぐちゃぐちゃだった。
「どうして?カイン様は、あの人のことが好きで閉じ込めているの?あの人が好きなら、どうしてもっと大切にしてあげないの?」
シーナの言葉に顔を逸らしたカインの代わりにミュルエナが、面白そうな表情をしながら答えた。
「くっ!旦那様が、あの女のことを好きだって?無い無い。物凄く憎んでるよ。殺したいくらいね。でも、旦那様は、ヘタレだから愛した人と同じ顔だからって理由で、あの顔を見て、自分を責めてるド変態だよ?はぁ、初恋をこじらせるってマジに痛すぎるよ」
「ミュルエナ!!俺が変態みたいに言うな!!ヘタレな自覚はあるがそんなんじゃないから!!」
「へぇ~、ヘタレの自覚はあるんだ?それは良かった。無自覚のヘタレほど最悪なものはないからね」
「おっ、お前はぁ。まぁ、お前にどう思われようともどうでもいい」
「あたしも、旦那様にどう思われようともどうってこと無いよ」
イシュタルの事を聞いたはずが、いつの間にかカインとミュルエナの喧嘩に発展していた状況にシーナはどうしていいのかオロオロしていた。
そんなシーナのことを思い出したかのように、ミュルエナはあっけらかんとした口調でいった。
「で、この子のことどうするの?」
「どうもしない。迎えが来たら帰すさ」
カインの返答にミュルエナは、肩をすくめるだけだった。しかし、シーナはその返答に納得がいかなっか。
まだ、答えを聞いていないのだ。
「いや、帰らない!!あの人のことを聞くまで帰らない!!」
シーナの意外な言葉にカインは動揺した。
何故か、シーナにはイシュタルを監禁していた事実を言いたくなかったのだ。
だから、シーナを冷たく突き放すことに決めた。
「お前には関係ないことだ」
カインの冷たい物言いに、シーナは挫けそうになる心を奮い立たせた。ここで引いたらきっとカインとの距離は永遠に縮まらないと感じた。
何故カインのことをもっと知りたいと思ったのか。カインのことを心配に思うのか、会話が続かなくてガッカリしたのか。カインが女の人を囲っていると思った時、心が痛くなったのか。
シーナは、自分の心に問いかけた。
今考えなければ、今答えを出さなければ、きっと後悔すると。
シーナには、そう思えてならなかった。
だから、分からないままでも何かを言わなければ伝わらないと、何も考えがまとまらないままで、思うまま口に出した。
「関係なくない!!私は……、カイン様が心配なの。いつも王都から戻ると目の下に隈を作って、顔色も悪くて……」
「お前に迷惑を掛けるつもりはない」
「迷惑とかじゃない。ただ、心配なだけなの」
「お前が気にすることじゃない」
カインの突き放すような言葉に、挫けそうになりつつも自分を奮い立たせて言葉を続けた。ここで、カインとの間に距離が出来てしまった時点で、もう近くにはいけないと思ったシーナは、思いつくままに言葉を続けた。
「気にするの!!カイン様が気になるの!!気になって仕方がないの!!だから、だから!!いけないことだと思ったけど、部屋を出ていったカイン様の後を追ってきたの!!」
「好奇心で、人の屋敷を歩き回るのは感心しないな」
「正直に言うと、好奇心が無かったとは言わないよ。でも、でも!!私は、カイン様の事が……、カイン様の……こと?わたし、私は……」
そこまで言ったシーナは、自分が何を言いたいのか言葉が出ずに言い淀んだ。そして、自分がカインに対してどういった思いから行動を起こしたのか改めて考えて、あるひとつの言葉が頭に浮かんだ。
しかし、シーナの知るそれは、もっと温かくて、優しくて、ふわふわしている気持ちを指す言葉だと思っていた。
こんなに、訳の分からない、自分の事なのにどうしていいのか分からないこんな気持は絶対に違うと否定した。
しかし、ふと思い出した言葉があった。
以前、クリストフから言われた言葉だ。
『その人の事が気になって、いつもその人の事を考えちゃう。』
『色々な感情が、こう、胸の中で暴れて、ジタバタしたくなったり。自分のことなのに、自分で制御出来ない気持ち?』
以前、クリストフに「好き」とは、何なのだろうと聞いたことがあった。
その時の、彼の言葉にシーナは同意することは出来ずにいた。
しかし、今ならその気持に同意することが出来た。
「そっか。私、カイン様のこと好きなんだ……」
自分の中で、行き場のなかった感情に名前をつけた途端に、その名前が心のなかにカチッとはまったことが分かった。
自分の理解できなかった、感情に名前をつけた途端にシーナは、心の中にいつの間にか広がっていたモヤモヤが晴れていくのが分かった。
(そっか、そうだったんだ。わたし、生まれ変わっても彼が好きな気持を捨てることは出来なかったんだ。私、カイン様に初めて会った時、普通ならあんな汚いおっさん近づきたくない筈なのに自分から声を掛けてたっけ……。アレが、私が初めて恋をした瞬間で、イシュミールの魂が二度目の恋をした瞬間だったんだ……。もう迷わない。わたしは、私は、この恋をもう手放したりしない!!)
この時、イシュミールの恋心とシーナの恋心が一つの想いとなった。
シーナは、今まで気が付かないうちに故人であるイシュミールに遠慮していた部分があったのだ。しかし、自分の恋心と、イシュミールの恋心のどちらも今の自分の気持ちとして受け入れた瞬間、その思いは一つの想いとして溶け合いシーナの心を満たしたのだった。
心が決まった後のシーナの行動は、シーナらしかった。
「カイン様、私。カイン様が好きなの。大好きなの。カイン様が悪い人でも、女の人を囲っていてもいい。私が、カイン様を更生させてみせる!!大丈夫、私結構根気強い方だから!!」
突然のシーナの告白に反応したのはその相手のカインではなく、ミュルエナだった。
「ぶっぶぶぶーーふーーー!!くっ、あっ、あはははは!!この子この状況で告ったよ!!しかも、旦那様犯罪者って思われてるし!!間違いではないけど、まじに面白過ぎるし!!!」
そう言って、一人腹を抱えて涙を流しながら爆笑したのだった。
そうしていると、気が付かないうちに背後に近づいてきた人物によって意識を奪われたのだった。
シーナの意識を奪ったのは、カインの協力者となっていたミュルエナだった。
ミュルエナは、意識を失ったシーナを横抱きにした状態で部屋の中にいるカインに声をかけた。
「旦那様、油断が過ぎますよ?それで、この子どうします?消しますか?それとも何らかの理由をつけて閉じ込めます?」
ミュルエナの言葉にカインは驚いた表情をした。
そして、緩く首を振ってミュルエナの提案を否定した。
「これは俺の油断が招いたことだ。彼女に何かするつもりはない」
「でも、この事を他所に漏らされたら……」
「いや、その必要はない。準備は整った」
カインの言葉を聞いたミュルエナは、数回瞬きをした後でにやりと口元を歪めた。
「そうですか。その準備が整ったということは、とうとうあの女を殺せるんですね?」
「ああ、そのための準備をしていた。そして、今後このような事が起こらないように手筈は整えた」
「そうですか。今まで意味も分からずに、あの女の血を採って技術特区に持って行ってましたが、もうそんな事しなくてもよくなるんですね?」
「ああ。それももう終わりだ。全てが終わる。俺もイシュタルも、お前の復讐も、何もかもだ」
「ふふふ。永かった。とっても永かった。これで、お嬢様の汚名を雪ぐ事がやっとできる」
二人がそんな事を話していると、意識を失っていたシーナが微かに身じろいだ。
ミュルエナは、おや?っといった表情をしたが、さらにシーナの意識を奪うことはしなかった。
そうしているうちに、シーナは目を覚ました。
「……、あれ?私、どうして…………。っ!!カイン様!!あの女の人は!?」
ミュルエナの腕の中にいたシーナは、飛び起きた勢いのままにカインを問い詰めた。
カインは、何も言わずにシーナから顔を背けただけだった。
カインのその態度にシーナは、心が痛くなった。
どうして何も言ってくれないのか、どうしてイシュタルを閉じ込めているのか、本当はイシュタルの事が好きだったのかと、心の中がぐちゃぐちゃだった。
「どうして?カイン様は、あの人のことが好きで閉じ込めているの?あの人が好きなら、どうしてもっと大切にしてあげないの?」
シーナの言葉に顔を逸らしたカインの代わりにミュルエナが、面白そうな表情をしながら答えた。
「くっ!旦那様が、あの女のことを好きだって?無い無い。物凄く憎んでるよ。殺したいくらいね。でも、旦那様は、ヘタレだから愛した人と同じ顔だからって理由で、あの顔を見て、自分を責めてるド変態だよ?はぁ、初恋をこじらせるってマジに痛すぎるよ」
「ミュルエナ!!俺が変態みたいに言うな!!ヘタレな自覚はあるがそんなんじゃないから!!」
「へぇ~、ヘタレの自覚はあるんだ?それは良かった。無自覚のヘタレほど最悪なものはないからね」
「おっ、お前はぁ。まぁ、お前にどう思われようともどうでもいい」
「あたしも、旦那様にどう思われようともどうってこと無いよ」
イシュタルの事を聞いたはずが、いつの間にかカインとミュルエナの喧嘩に発展していた状況にシーナはどうしていいのかオロオロしていた。
そんなシーナのことを思い出したかのように、ミュルエナはあっけらかんとした口調でいった。
「で、この子のことどうするの?」
「どうもしない。迎えが来たら帰すさ」
カインの返答にミュルエナは、肩をすくめるだけだった。しかし、シーナはその返答に納得がいかなっか。
まだ、答えを聞いていないのだ。
「いや、帰らない!!あの人のことを聞くまで帰らない!!」
シーナの意外な言葉にカインは動揺した。
何故か、シーナにはイシュタルを監禁していた事実を言いたくなかったのだ。
だから、シーナを冷たく突き放すことに決めた。
「お前には関係ないことだ」
カインの冷たい物言いに、シーナは挫けそうになる心を奮い立たせた。ここで引いたらきっとカインとの距離は永遠に縮まらないと感じた。
何故カインのことをもっと知りたいと思ったのか。カインのことを心配に思うのか、会話が続かなくてガッカリしたのか。カインが女の人を囲っていると思った時、心が痛くなったのか。
シーナは、自分の心に問いかけた。
今考えなければ、今答えを出さなければ、きっと後悔すると。
シーナには、そう思えてならなかった。
だから、分からないままでも何かを言わなければ伝わらないと、何も考えがまとまらないままで、思うまま口に出した。
「関係なくない!!私は……、カイン様が心配なの。いつも王都から戻ると目の下に隈を作って、顔色も悪くて……」
「お前に迷惑を掛けるつもりはない」
「迷惑とかじゃない。ただ、心配なだけなの」
「お前が気にすることじゃない」
カインの突き放すような言葉に、挫けそうになりつつも自分を奮い立たせて言葉を続けた。ここで、カインとの間に距離が出来てしまった時点で、もう近くにはいけないと思ったシーナは、思いつくままに言葉を続けた。
「気にするの!!カイン様が気になるの!!気になって仕方がないの!!だから、だから!!いけないことだと思ったけど、部屋を出ていったカイン様の後を追ってきたの!!」
「好奇心で、人の屋敷を歩き回るのは感心しないな」
「正直に言うと、好奇心が無かったとは言わないよ。でも、でも!!私は、カイン様の事が……、カイン様の……こと?わたし、私は……」
そこまで言ったシーナは、自分が何を言いたいのか言葉が出ずに言い淀んだ。そして、自分がカインに対してどういった思いから行動を起こしたのか改めて考えて、あるひとつの言葉が頭に浮かんだ。
しかし、シーナの知るそれは、もっと温かくて、優しくて、ふわふわしている気持ちを指す言葉だと思っていた。
こんなに、訳の分からない、自分の事なのにどうしていいのか分からないこんな気持は絶対に違うと否定した。
しかし、ふと思い出した言葉があった。
以前、クリストフから言われた言葉だ。
『その人の事が気になって、いつもその人の事を考えちゃう。』
『色々な感情が、こう、胸の中で暴れて、ジタバタしたくなったり。自分のことなのに、自分で制御出来ない気持ち?』
以前、クリストフに「好き」とは、何なのだろうと聞いたことがあった。
その時の、彼の言葉にシーナは同意することは出来ずにいた。
しかし、今ならその気持に同意することが出来た。
「そっか。私、カイン様のこと好きなんだ……」
自分の中で、行き場のなかった感情に名前をつけた途端に、その名前が心のなかにカチッとはまったことが分かった。
自分の理解できなかった、感情に名前をつけた途端にシーナは、心の中にいつの間にか広がっていたモヤモヤが晴れていくのが分かった。
(そっか、そうだったんだ。わたし、生まれ変わっても彼が好きな気持を捨てることは出来なかったんだ。私、カイン様に初めて会った時、普通ならあんな汚いおっさん近づきたくない筈なのに自分から声を掛けてたっけ……。アレが、私が初めて恋をした瞬間で、イシュミールの魂が二度目の恋をした瞬間だったんだ……。もう迷わない。わたしは、私は、この恋をもう手放したりしない!!)
この時、イシュミールの恋心とシーナの恋心が一つの想いとなった。
シーナは、今まで気が付かないうちに故人であるイシュミールに遠慮していた部分があったのだ。しかし、自分の恋心と、イシュミールの恋心のどちらも今の自分の気持ちとして受け入れた瞬間、その思いは一つの想いとして溶け合いシーナの心を満たしたのだった。
心が決まった後のシーナの行動は、シーナらしかった。
「カイン様、私。カイン様が好きなの。大好きなの。カイン様が悪い人でも、女の人を囲っていてもいい。私が、カイン様を更生させてみせる!!大丈夫、私結構根気強い方だから!!」
突然のシーナの告白に反応したのはその相手のカインではなく、ミュルエナだった。
「ぶっぶぶぶーーふーーー!!くっ、あっ、あはははは!!この子この状況で告ったよ!!しかも、旦那様犯罪者って思われてるし!!間違いではないけど、まじに面白過ぎるし!!!」
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