30 / 72
廃洋館
#10
しおりを挟む
生駒さん宅を出た頃には、日もだいぶ傾いていた。
改めて、礼を言い、車に乗ろうとした時だった。
「お前さん、気を付けなさい。」
生駒さんは、私にしか聞こえない様な声で、そう呟いた。
「え?そうれはどういう…。」
「そのままの意味ですよ。お気を付けて…。」
何か、深い意味がありそうな気がしたが、ロケの時間も迫っていたことから、それ以上、言及することなく、その場を後にした…。
「生駒さんが言っていたことは、本当なんでしょうかね…。」
途中コンビニで買った、菓子パンを夕食代わりに、車中で食べていた時、大谷が、口を開いた。
「ん~。私も、産まれてから、今の今まで、この市に住んでいるけど、そんな話は、聞いた事なかったね…。」
「それを、いまから、確かめに行くんだろ?」
寺井さんが、そう答えた。
「そうですけど、実感がわかないんですよね…。」
「それが、“噂”の根源だろ。それに、煙を立たせるか、それとも、消えさせるかは、俺達、の仕事だろ。」
吸っていた煙草の煙を、窓から、外に吐きだした。
「ん?それって…。」
大谷が、何かに気が付いた様だった。
「そうだ。さっきの爺さんの話が、本当なら、40年前、警察や、地元議員だけでなく、俺たちの様な、メディアの人間も、携わっている可能性が、高い。
そうなったら、俺たちは、大先輩方に、喧嘩を売る様な、真似になっちまうかもな。」
それは、流石に、マズい…。喧嘩を売る事自体は、正直、どうでもいいが、取材やロケ、その物が握りつぶされかねない…。そうなれば、今回のロケ費用が、全て 無駄になってしまう。
「一応、プロデューサーには、連絡入れた方が、良いんじゃないですか?」
私の提案に、大谷も、首を縦に振った。だが、寺井さんの答えは、違った。
「その必要は、無いと思うぜ。あの人は、今年で、46歳だ。しかも、長年、この業界にいる、ある意味、大御所だ。あの人レベルが、この手の話を知らない筈がない。だから、今回の件は、プロデューサーに、一杯食わされている可能性が、あるな…。」
もし、そうだとしたら、今回のロケは、プロデューサー個人の企画に近い可能性も高い…。
何のために、例え、“知らなかった”言い張ったとしても、オンエアされることは、先ず無いに等しい。
今回の企画その物が、無駄になる可能性が高いのに、何故、私たちを、ロケに送り出したのか…。
そうこう考えている内に、車は、例の洋館の前に辿り着いてしまった。
昼の時とは違い、驚ろ驚ろしく、不気味な、雰囲気を放っていた。
改めて、礼を言い、車に乗ろうとした時だった。
「お前さん、気を付けなさい。」
生駒さんは、私にしか聞こえない様な声で、そう呟いた。
「え?そうれはどういう…。」
「そのままの意味ですよ。お気を付けて…。」
何か、深い意味がありそうな気がしたが、ロケの時間も迫っていたことから、それ以上、言及することなく、その場を後にした…。
「生駒さんが言っていたことは、本当なんでしょうかね…。」
途中コンビニで買った、菓子パンを夕食代わりに、車中で食べていた時、大谷が、口を開いた。
「ん~。私も、産まれてから、今の今まで、この市に住んでいるけど、そんな話は、聞いた事なかったね…。」
「それを、いまから、確かめに行くんだろ?」
寺井さんが、そう答えた。
「そうですけど、実感がわかないんですよね…。」
「それが、“噂”の根源だろ。それに、煙を立たせるか、それとも、消えさせるかは、俺達、の仕事だろ。」
吸っていた煙草の煙を、窓から、外に吐きだした。
「ん?それって…。」
大谷が、何かに気が付いた様だった。
「そうだ。さっきの爺さんの話が、本当なら、40年前、警察や、地元議員だけでなく、俺たちの様な、メディアの人間も、携わっている可能性が、高い。
そうなったら、俺たちは、大先輩方に、喧嘩を売る様な、真似になっちまうかもな。」
それは、流石に、マズい…。喧嘩を売る事自体は、正直、どうでもいいが、取材やロケ、その物が握りつぶされかねない…。そうなれば、今回のロケ費用が、全て 無駄になってしまう。
「一応、プロデューサーには、連絡入れた方が、良いんじゃないですか?」
私の提案に、大谷も、首を縦に振った。だが、寺井さんの答えは、違った。
「その必要は、無いと思うぜ。あの人は、今年で、46歳だ。しかも、長年、この業界にいる、ある意味、大御所だ。あの人レベルが、この手の話を知らない筈がない。だから、今回の件は、プロデューサーに、一杯食わされている可能性が、あるな…。」
もし、そうだとしたら、今回のロケは、プロデューサー個人の企画に近い可能性も高い…。
何のために、例え、“知らなかった”言い張ったとしても、オンエアされることは、先ず無いに等しい。
今回の企画その物が、無駄になる可能性が高いのに、何故、私たちを、ロケに送り出したのか…。
そうこう考えている内に、車は、例の洋館の前に辿り着いてしまった。
昼の時とは違い、驚ろ驚ろしく、不気味な、雰囲気を放っていた。
0
あなたにおすすめの小説
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。
雨が止むとき、人形は眠る
秋初夏生
ホラー
「雨の日に人が突然倒れる」という不可解な事件が、金沢で続発していた。
冥府庁調査課の神崎イサナと黒野アイリは調査の末、ひがし茶屋街に佇む老舗の人形店「蓮月堂」へ辿り着く。
そこでは“誰も作った覚えのない人形が、夜ごと少しずつ増えている”という奇妙な噂が立っていた。
病に伏す人形師・桐生誠士は、異変の真相解明を二人に託し、さらに姿を消した元弟子の人形師“斎宮”を探してほしいと願う。
増え続ける人形、曖昧に濁される証言、消えた記録。静かな雨音の下で、隠された想いが少しずつ輪郭を帯びていく。
これは、失ったものを手放せなかった人間の執念が引き起こす、じわじわと心を侵す怪異の物語。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
洒落にならない怖い話【短編集】
鍵谷端哉
ホラー
その「ゾワッ」は、あなたのすぐ隣にある。
意味が分かると凍りつく話から、理不尽に追い詰められる怪異まで。
隙間時間に読める短編ながら、読後の静寂が怖くなる。 洒落にならない実話風・創作ホラー短編集。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる