探偵注文所

八雲 銀次郎

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ファイルⅪ:先手必勝

#27

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 俺が、幼少期の頃は、そう言う反応が、面白くて、毎日、周りの人の、行動を、操ってきた。そして、その本人は、それに気が付かない。何故なら、自分の思考が、変っていることを、認識しないから。
 例えば、いつも通る、帰り道を、『偶には、気分転換』と、別のルートを選択することも、ある。だが人間は、それを、“違和感”として、捉えることは、先ず無い。それが、自分の“意思”だから。
 だが、俺は他人の感情を汲み取る事ができる。それを利用し、他人の行動や、思考を、気が付かないうちに、変える事が出来た。
 小学校低学年のころまでは、『凄い』で済んでいたが、大人になるにつれ、気味悪がられることが増えた。
 それもそうだ。自分の心に、土足で、しかも、無条件に入る事が出来てしまう…。
 それに気が付いたときには、自分の周りには、友人と呼べる人は、誰一人いなくなっていた…。
 「嘘だ…。だって、俺は自分の意思で、この事件を起こして、自分の思うタイミングで、計画を実行して…。あれ?」
 三嶋が、ブツブツと呟いた。そして、何かに気が付いた様だった。
 「待てよ?お前、一体、何時から、俺の…いや、俺たちの計画に、気が付いていた?」
 そう、いくら相手の行動を、ある程度、操作できたとしても、計画が、分からないことには、どうしようもない…。
 「計画なんざ、あんたが事件を起こしたときに気が付いていたよ。俺の仲間に、そう言うのに、詳しい奴がいるんでな…。」
 
 『今回の事件の犯人。ちょっと、厄介かも…。ツッチーなら大丈夫だと思うけど、気を付けて、相手は単独で突き進むタイプではないし、もし複数犯なら、必ず、“計画”があはず。それを、一番最初に汲み取って。』
 事件が始まった当初、ギリギリ、アマキから、入った、報告だった。
 正直、自分一人でも、何とかなると思ったのだが、時間がないから、そうはいっていられなくなった。だから、彼女のアドバイスを、有難く、受け取った。
 「計画なんざ、元々、何なのか知らない…。精々時間を稼いでいることくらいしか、分からなかった。
 だからこそ、お前さんを、利用させてもらったんだよ。」
 俺は、未だに銃を構えている、女子大生…いや、宍戸花音に…。
 それでも、彼女は、怯むことなく、銃口を、俺に向けていた。
 「ヘアピンを、くすねる直前、あんたの、殺気立った、眼をしていたのが、見えてしまってね…。事件が始まったばかりなのに、そんな表情できるのか…と思って、ずっと最初から、君を、揺さぶっていたんだよ…。」
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