魔王ルシファー様のイケメンの恋人は聖女様?

青空一夏

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魔王ルシファー様のイケメンの恋人は聖女様?

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「アビゲイル、お前はサマンサを虐げた罪によって国外追放とする!お前など聖女ではない!聖女の地位を剥奪、貴族の爵位を返すのだ!」


「あぁ、やっとわかってくれたんですね?聖女ではないと何万回言ったことか!それから、その女を虐げた覚えは全くありませんね。爵位?そんなものは初めから頂いた覚えはありませんよ?」

「ん?『サマンサが虐められた』と思えばそれが真実だ。実際にあろうとなかろうと、サマンサが傷ついたのなら、それは虐めなのだ!爵位は渡したはずだぞ?」

「そうですか。王様とは意思の疎通が無理だということは今はっきりわかりました。爵位ねぇ?どうでもいいです.
いやはや‥‥」

「とにかく出て行け!二度と戻ってくるなよ!」

王は私の首から十字架をとると床に投げつけた。





私は、大聖堂にあったほんの少しの荷物をまとめると、小者の魔物が住む森に行った。この森はいつも子供の頃から遊んでいるからどうってことない。魔物なんてペットのようなものじゃないか?ほら、早速、魔物のお出ましだ。

「聖女様、よくお越しくださいました。本日はなんのご用でしょう?」

「あぁ、やっと足かせの十字架をとってもらったよ。」

「「「「ふはははは」」」」

隠れていた魔物たちが一斉に笑った。

「「「「魔王様がお喜びになります!!」」」」

私はドレスを脱ぎ捨て、男物の服に袖を通す。そう、私はそもそも女ではないのだ。女のように美しい私は人間界ではよく女に間違われた。いい迷惑だ。





魔界のドラゴンに乗って、どすぐろい霧に覆われた黒光りする城に着くと、そこにいた魔物達が一斉にひざまずいた。

「「「「お帰りなさいませ」」」」

「うむ、我が主はどこだ?」

「玉座に‥‥あ、いらっしゃったようです‥‥」

駆け足で来る我が主は美しい少年だ。黒い髪とルビーの瞳の麗しい顔に私は思わず顔がほころぶ。抱きついてきた主を抱き返し、お姫様抱っこをすると主が嬉しそうに頬を染めた。

「ベルゼブブ!だめじゃないか。人間などに捕まって。僕のそばにお前はずっといなければいけないのに!」


「ルシファー様、申し訳ありません。ずっとお側にいましょう」

そう、私はこのサタンの異名も持つルシファー様の側近であり恋人なのだ。私が玉座に座るとルシファー様は私の膝の上で嬉しそうに笑った。




「さて、ベルゼブブのいなくなった人間界は滅ぼしても良いだろう。魔物すべてを解き放て!!これこそが、『の加護がなくなった!』といえるだろう」

「「「「「ふははは。ふははは。あはははー」」」」

魔物達が愉快に笑った。ルシファー様は私の頬にキスする。

「やれやれ、続きはどうぞベッドで。金髪碧眼の美男子と美少年のイチャイチャで目が潰れます」

魔物の一人が言うと、どっと他の魔物も笑った。平和な暗黒の世界が戻った。めでたいな‥‥あのいかれた女、サマンサに感謝!!




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