(本編)カトレーネ・トマス前々公爵夫人の事件簿

青空一夏

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弁護士にあってみた

 私は、先日のジェームズを尾行して得た録画記録を弁護士と確認していた。二人で食事をしている様子と会話もバッチリ撮れている。ボートの上でのキスは、丘から撮ったので、ぼやけて顔を寄せ合っているようにしか見えないが・・・・・・
ホテルの部屋に、二人で入るところまで撮ったので完璧な不倫の証拠と思っていた。

 私が、今回雇った弁護士は、『離婚専門のマックス慰謝料を取る』で有名な女性の方だった。この証拠の見解をお聞きする為に今日は私の家に来ていただいたのだった。

「まずね、この二人の会話ですけれど、有力な資料にはなるのですが、マックス慰謝料となると会話だけでは難しいですね。ボートのキスの映像は遠すぎてキスしているように見えません。それと、ホテルの部屋。これは、一般の高級ホテルですよね?ここで、肉体関係があったと証明するのはこれだけでは足りないです。『ここで人に聞かれたくない悩みを相談していた』と言い逃れる有名人はとても多いですからね。こうした場所であれば、3回以上はその部屋に入ったところと、出てくるところを撮ってください。その部屋にどれだけ滞在していたかも問題になります。」

「そんなに、難しいものなのですか? この手帳の写しはどうですか?」

「それも、いい資料ですが、単に妄想していたと言い逃れようとする男も多いですからね。けれど、悔しいですね。二人に対する鬱憤を晴らしたいですね。お金はいりませんよ。全面的に協力しましょう。久しぶりにみるクズな人達に正義の鉄拳を与えましょう」

「ありがとうございます! 先生、3回以上となると、かなり難しいですね? どういった証拠が決め手ですか?」

「それは、ずばり、肉体関係があるという明確な証拠ですね。例えば、いたしている画像や音声。それが無理なら、いわゆる、その為だけに用意されたホテルに入る場面と出てくる場面が強力な証拠です。ですが、身分が高い者やお金持ちは、逢い引きには高級ホテルを使うのでこの場合は無理かもしれませんね」

「夫の手帳をもう一度、確認します。なにか、見落としている法則性があるかもしれません。夫は、そう言えば・・・・・・その・・・・・・」

「どうぞ、遠慮なくおっしゃってください。私は弁護士ですよ?守秘義務は守りますし、何を聞いても驚きませんよ?」

「でしたら・・・・・・あの、夫には外でしたがる性癖があったと思います。昔、妻になる前に数回・・・・・・」

「みなまで、おっしゃらなくて結構ですよ。了解しました。それは、いいことを聞きました。外でするなら映像も音声もバッチリ撮れそうですね・・・・・・あぁ、これは、夜でも写る装置ですね? 手帳をばれないようにチェックして日記もつけるようにしてください。旦那様の様子や帰宅時間、それとミランダさんが子供を預ける時に来た時間と迎えに来た時間、その様子なども事細かにつけてください。あなたの、毎日の日記も証拠資料になっていきますからね」

 弁護士の先生の話がちょうど終わった頃に、侍女が来客の知らせを持ってきた。

「奥様、またミランダ様がいらっしゃいましたよ。お子様達も一緒です」

 
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