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(サッシャ・ギャール前公爵視点)
わたしは妻を崇拝していた。幼なじみだったアネモーネは、シルバーグレーの髪と瞳のとても美しい女性だった。わたしを愛し尽くしてくれた妻は、この世界のなによりも大事で愛おしくて・・・・・・アネモーネと結婚できて神に心から感謝した。
彼女が懐妊した時は、天にも昇る気持ちだった。だが、彼女はどんどん衰弱していく。
最初は子供の誕生を二人で心待ちにしていたが、途中からは彼女に堕ろすように懇願した。
「このままだと君が死んでしまうよ。お願いだからこの子供を諦めて・・・・・・わたしの為に生きてくれ」
「・・・・・・この子は堕ろさない、絶対に! だって、愛するあなたの子供なのよ? これは私達の愛の結晶なの。お願い。そんな哀しいことは言わないで」
アネモーネは日に日に弱っていく。痩せ細っていっても、お腹の子どもだけは絶対に守って・・・・・・最期の力を振り絞って産んだ子供は、彼女の髪と瞳を受け継いだ男の子だ。
「お願い。この子を愛して。私は絶対に元気になるから」
元気になると約束したのに。わたしとこれからも生きたい、とアネモーネは望んでいたのに・・・・・・それから数日後に亡くなった。
わたしはもちろん、妻の忘れ形見を愛した。ただ、わたしはこの子には同じ思いをさせたくないと思う。だから・・・・・・
(ジュスタン・ギャール公爵視点)
わたしの父上は母上をとても愛していた。そして母上に生き写しのわたしも、息子として慈しんでくれた。父上の後悔は私へと受け継がれ・・・・・・それはギャール公爵家の使用人までが知るところになる。
「出産は女性の命を奪う過酷なものだ。だから、本当に愛する女性を妻にしたのなら、決して子供は産ませるな」
この言葉を幼い頃から呪文のように聞かされて育つ。家令や侍女達にも、父上は涙ながらに母上の思い出を語りながら話す。
「お前達の女主人、このギャール公爵夫人となる女性に出産をさせてはならない! 二度とこの悲劇が起こらない為に!」
わたしの母上は使用人達に優しく、慕う者が多かった。彼らもまたお互いが言い合う。
「大事な当主夫人に出産などという危険なことをさせてはならない!」と。
ゆえに、わたしの最愛ロズリーヌに出産など危険なことをさせるつもりはない。いつまでも美しく綺麗なまま、わたしと長く人生を歩むのだ。
これがわたしの愛だから。絶対にロズリーヌに死んでほしくない。愛しているんだ・・・・・・心から・・・・・・
わたしは妻を崇拝していた。幼なじみだったアネモーネは、シルバーグレーの髪と瞳のとても美しい女性だった。わたしを愛し尽くしてくれた妻は、この世界のなによりも大事で愛おしくて・・・・・・アネモーネと結婚できて神に心から感謝した。
彼女が懐妊した時は、天にも昇る気持ちだった。だが、彼女はどんどん衰弱していく。
最初は子供の誕生を二人で心待ちにしていたが、途中からは彼女に堕ろすように懇願した。
「このままだと君が死んでしまうよ。お願いだからこの子供を諦めて・・・・・・わたしの為に生きてくれ」
「・・・・・・この子は堕ろさない、絶対に! だって、愛するあなたの子供なのよ? これは私達の愛の結晶なの。お願い。そんな哀しいことは言わないで」
アネモーネは日に日に弱っていく。痩せ細っていっても、お腹の子どもだけは絶対に守って・・・・・・最期の力を振り絞って産んだ子供は、彼女の髪と瞳を受け継いだ男の子だ。
「お願い。この子を愛して。私は絶対に元気になるから」
元気になると約束したのに。わたしとこれからも生きたい、とアネモーネは望んでいたのに・・・・・・それから数日後に亡くなった。
わたしはもちろん、妻の忘れ形見を愛した。ただ、わたしはこの子には同じ思いをさせたくないと思う。だから・・・・・・
(ジュスタン・ギャール公爵視点)
わたしの父上は母上をとても愛していた。そして母上に生き写しのわたしも、息子として慈しんでくれた。父上の後悔は私へと受け継がれ・・・・・・それはギャール公爵家の使用人までが知るところになる。
「出産は女性の命を奪う過酷なものだ。だから、本当に愛する女性を妻にしたのなら、決して子供は産ませるな」
この言葉を幼い頃から呪文のように聞かされて育つ。家令や侍女達にも、父上は涙ながらに母上の思い出を語りながら話す。
「お前達の女主人、このギャール公爵夫人となる女性に出産をさせてはならない! 二度とこの悲劇が起こらない為に!」
わたしの母上は使用人達に優しく、慕う者が多かった。彼らもまたお互いが言い合う。
「大事な当主夫人に出産などという危険なことをさせてはならない!」と。
ゆえに、わたしの最愛ロズリーヌに出産など危険なことをさせるつもりはない。いつまでも美しく綺麗なまま、わたしと長く人生を歩むのだ。
これがわたしの愛だから。絶対にロズリーヌに死んでほしくない。愛しているんだ・・・・・・心から・・・・・・
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