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1 愛されていると信じているエステル(R15)
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※性的表現あり。
「旦那様、お帰りなさいませ」
愛しい旦那様が、いつものように夕刻六時きっかりに屋敷へ帰ってきた。王城に仕える文官として、規則正しい生活を送る彼にふさわしい正確さだ。
ところが、返事をすることもなく、旦那様は私の腕を引き、気づけばそのまま横抱きにされていた。
「ちょっ、旦那様――!」
戸惑う間もなく寝室の扉が勢いよく開く。
「……君の顔を見たら、挨拶する暇なんてない」
愛されている。そう解釈せざるを得ない状況は、結婚した翌日からずっと続いている。
狂おしいキスをされながら器用にドレスを脱がされた。乱暴にベッドに押し倒されると、彼は私の胸を激しく揉んでガリッと歯を立てた。乳房に歯形がついて、うっすらと血が滲む。
「つっ、痛い……」
「あぁ、すまない。愛している……愛している。とても、我慢なんかできないよ」
首筋もきつく吸われて、まるでキスマークが首を絞められたのかと思うぐらいに、首全体につけられていく。先日もつけられたキスマークに上書きされるから、いつでも私の首筋は旦那様のキスマークで覆い尽くされている。そのまま愛の行為に突入されると、私は苦痛の声をあげた。まだ、私には旦那様を迎え入れる準備ができていない。苦痛で顔を歪ませているのに、旦那様はそんな私の顔を、快感で愉悦に浸る表情だと思った。
「そんなに気持ちいいのかい? まだまだこれからたっぷり愛してあげるよ」
初めは痛かったけれど、だんだんと慣れてきて途中から私の身体は快感をひろいはじめる。けれど、旦那様は私の身体を急にうつ伏せにした。お尻をパンパンと平手打ちされながら、動物のように背後から繋がる。
「気持ちいいんだろう? エステルはこうされると興奮するんだよな?」
正直、私にそんな趣味はない。お尻を叩かれてゾクッとすることも、乱暴に扱われて快感を覚えることもなかった。でも、それが旦那様の愛し方なんだと、そう思いこみ、それを受け入れるのが妻の勤めだと思った。行為そのものは嫌ではないし、気持ち良いと思うこともあるのだから、私が我慢しされすればいい。
――これほど私は旦那様から求められている。こんなにも愛の行為に夢中になるほど、私は愛されている。……だから、私は幸せよ。
行為が終わった後は、メイドたちが湯浴みの準備をしてくれて、専属侍女のジェーンが身体を丁寧に洗ってくれた。
「……いくらなんでも、このキスマークは多すぎませんか? お嬢様は公爵令嬢なんですよ。あの男、不敬すぎでは……」
「ザカライア様は私の愛する旦那様なのよ。私は彼の妻なの。だから、愛の営みを受け入れるのは当然のことだわ」
「ですが、痣ひとつなかったお嬢様の身体が、今では歯形やキスマークだらけ。お尻は紫に腫れています。これでは首まで覆われた長袖のドレスしか着ることができませんわ。あいつの性癖は異常です」
「ジェーン、お願い。私の旦那様を悪く言わないで。大好きなあなたが旦那様を悪く言うのを聞いているのは辛いの」
「……申し訳ありません。ただ、私はお嬢様が心配で……」
「ジェーン。私は旦那様からこんなに愛されて幸せなのよ。なにも心配ないわ」
幼い頃から私に仕えてくれたジェーンは、大事な家族の一員だと思っている。私を心から大事に思っているのもわかっていた。だから、私はジェーンにもザカライア様を認めてもらいたい。
でも、ジェーンはザカライア様を嫌っていた。態度に表さないようにしていても、ジェーンが旦那様を見つめる眼差しは氷のように冷たい。そして、私はそれがとても悲しい。
「ふたりとも私の愛する人たちだから仲良くして欲しいわ」
ジェーンにお願いしたら、きっぱりとこう言われた。
「天地がひっくり返ってもあいつと仲良くすることはありません。いくらお嬢様のお願いでも、こればかりは無理です。だって、あいつがお嬢様を大切にしているように、私には見えないのですから」
「自分が大切にしたい人と一緒にいたいの。私にとっては旦那様がそうなのよ。だって、本当に大好きなのだもの。それに、私は大切にされているわよ?」
――毎日、抱いてもらえるのだから、私は大切にされている。 ジェーンにはどうしてわからないのかしら?
「旦那様、お帰りなさいませ」
愛しい旦那様が、いつものように夕刻六時きっかりに屋敷へ帰ってきた。王城に仕える文官として、規則正しい生活を送る彼にふさわしい正確さだ。
ところが、返事をすることもなく、旦那様は私の腕を引き、気づけばそのまま横抱きにされていた。
「ちょっ、旦那様――!」
戸惑う間もなく寝室の扉が勢いよく開く。
「……君の顔を見たら、挨拶する暇なんてない」
愛されている。そう解釈せざるを得ない状況は、結婚した翌日からずっと続いている。
狂おしいキスをされながら器用にドレスを脱がされた。乱暴にベッドに押し倒されると、彼は私の胸を激しく揉んでガリッと歯を立てた。乳房に歯形がついて、うっすらと血が滲む。
「つっ、痛い……」
「あぁ、すまない。愛している……愛している。とても、我慢なんかできないよ」
首筋もきつく吸われて、まるでキスマークが首を絞められたのかと思うぐらいに、首全体につけられていく。先日もつけられたキスマークに上書きされるから、いつでも私の首筋は旦那様のキスマークで覆い尽くされている。そのまま愛の行為に突入されると、私は苦痛の声をあげた。まだ、私には旦那様を迎え入れる準備ができていない。苦痛で顔を歪ませているのに、旦那様はそんな私の顔を、快感で愉悦に浸る表情だと思った。
「そんなに気持ちいいのかい? まだまだこれからたっぷり愛してあげるよ」
初めは痛かったけれど、だんだんと慣れてきて途中から私の身体は快感をひろいはじめる。けれど、旦那様は私の身体を急にうつ伏せにした。お尻をパンパンと平手打ちされながら、動物のように背後から繋がる。
「気持ちいいんだろう? エステルはこうされると興奮するんだよな?」
正直、私にそんな趣味はない。お尻を叩かれてゾクッとすることも、乱暴に扱われて快感を覚えることもなかった。でも、それが旦那様の愛し方なんだと、そう思いこみ、それを受け入れるのが妻の勤めだと思った。行為そのものは嫌ではないし、気持ち良いと思うこともあるのだから、私が我慢しされすればいい。
――これほど私は旦那様から求められている。こんなにも愛の行為に夢中になるほど、私は愛されている。……だから、私は幸せよ。
行為が終わった後は、メイドたちが湯浴みの準備をしてくれて、専属侍女のジェーンが身体を丁寧に洗ってくれた。
「……いくらなんでも、このキスマークは多すぎませんか? お嬢様は公爵令嬢なんですよ。あの男、不敬すぎでは……」
「ザカライア様は私の愛する旦那様なのよ。私は彼の妻なの。だから、愛の営みを受け入れるのは当然のことだわ」
「ですが、痣ひとつなかったお嬢様の身体が、今では歯形やキスマークだらけ。お尻は紫に腫れています。これでは首まで覆われた長袖のドレスしか着ることができませんわ。あいつの性癖は異常です」
「ジェーン、お願い。私の旦那様を悪く言わないで。大好きなあなたが旦那様を悪く言うのを聞いているのは辛いの」
「……申し訳ありません。ただ、私はお嬢様が心配で……」
「ジェーン。私は旦那様からこんなに愛されて幸せなのよ。なにも心配ないわ」
幼い頃から私に仕えてくれたジェーンは、大事な家族の一員だと思っている。私を心から大事に思っているのもわかっていた。だから、私はジェーンにもザカライア様を認めてもらいたい。
でも、ジェーンはザカライア様を嫌っていた。態度に表さないようにしていても、ジェーンが旦那様を見つめる眼差しは氷のように冷たい。そして、私はそれがとても悲しい。
「ふたりとも私の愛する人たちだから仲良くして欲しいわ」
ジェーンにお願いしたら、きっぱりとこう言われた。
「天地がひっくり返ってもあいつと仲良くすることはありません。いくらお嬢様のお願いでも、こればかりは無理です。だって、あいつがお嬢様を大切にしているように、私には見えないのですから」
「自分が大切にしたい人と一緒にいたいの。私にとっては旦那様がそうなのよ。だって、本当に大好きなのだもの。それに、私は大切にされているわよ?」
――毎日、抱いてもらえるのだから、私は大切にされている。 ジェーンにはどうしてわからないのかしら?
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