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大作家になった楓
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「君さぁ、勘違いしないで?君はあくまで引き立て役、そんなに意味不明な目力、ださないで。通るときもなにもしないでよ。歩いて横切ればいいだけ!!演技なんてするなよ!!脇役はそれがお仕事」
「は、はい。わかりました」
はぁーーい。位置に戻ってぇーー!!いきまぁーーす!!
「アクション!!」
☆
楓はヒロインの横でただ頷くだけの役だ。
笑ってもいけない、演技などいらない、ただ無表情な顔で首を縦に振るだけ。
個性はいらない。なんにもいらない。そこにいればいいだけだ。
☆
こんどは泣く役がきた。
泣けばいいだけ‥‥そこにはなんの工夫もいらないと言われた。
没個性‥‥が要求される。
少しぐらいの美しさなんて芸能界では通用しない。
楓が主役になれる映画なんてないし、楓を中心に回る世界なんてない‥‥
と、思ったらひとつだけ楓は思いついた。
自分の世界をつくればいいんだ。自分が中心になる、というより支配者になれる世界!
それは、小説。物語の作者は登場人物を笑わせたり、泣かせたり、殺すことだってできる。
☆
それから、楓は小説を書きまくった。
自分に蔑むような言葉を投げつけた監督を見返したくて
これでもか、これでもか、というくらいに‥‥
☆
10年後、大作家になった楓は映画を作り始めた。
「ほら、君!!余計なことしないでよ。ただ、そのヒロインの横を通り過ぎればいいだけなんだからっ!」
エキストラに文句を言った楓は自分のその言葉になんの疑問も、もたなかった。
「は、はい。わかりました」
はぁーーい。位置に戻ってぇーー!!いきまぁーーす!!
「アクション!!」
☆
楓はヒロインの横でただ頷くだけの役だ。
笑ってもいけない、演技などいらない、ただ無表情な顔で首を縦に振るだけ。
個性はいらない。なんにもいらない。そこにいればいいだけだ。
☆
こんどは泣く役がきた。
泣けばいいだけ‥‥そこにはなんの工夫もいらないと言われた。
没個性‥‥が要求される。
少しぐらいの美しさなんて芸能界では通用しない。
楓が主役になれる映画なんてないし、楓を中心に回る世界なんてない‥‥
と、思ったらひとつだけ楓は思いついた。
自分の世界をつくればいいんだ。自分が中心になる、というより支配者になれる世界!
それは、小説。物語の作者は登場人物を笑わせたり、泣かせたり、殺すことだってできる。
☆
それから、楓は小説を書きまくった。
自分に蔑むような言葉を投げつけた監督を見返したくて
これでもか、これでもか、というくらいに‥‥
☆
10年後、大作家になった楓は映画を作り始めた。
「ほら、君!!余計なことしないでよ。ただ、そのヒロインの横を通り過ぎればいいだけなんだからっ!」
エキストラに文句を言った楓は自分のその言葉になんの疑問も、もたなかった。
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maro様
そう、そう
よくあることですよねー😅
感想、寄せていただき感謝です!