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7 自殺未遂を聞いた王妃殿下のとった行動は?
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私と王太子殿下が小さな丸テーブルで真向かいに座りランチを頂いているところに、王太子殿下寄りに椅子を持ってきてちょこんと座りニコニコしているイングリッド。
「私、フルーツを切って持って来たのですよぉーー。あとね、デザートも手作りです!」
ウサギさんになった林檎に、オレンジ皮の器に薔薇のように盛ったオレンジの実。デザートはプリン?
学園にはカフェテリアがあり、ここにはフルーツもデザートも揃っているのに?
「私ぃ、プリンシペ公爵家の居候なので、カフェテリアでランチを買うお金がないんです。だから、公爵家の厨房から余った果物とかもらって持って来ましたぁーー」
「え? お母様から今朝ランチ代を一緒にもらったわよね? あれはどうしたの?」
「ほぇ? あぁ、あれは参考書を買いたいので貯めています」
「参考書ならお母様に言えば別にお金をもらえるわよ? 昼食代をケチるほどプリンシペ公爵家は困っていませんよ」
「ひっ! ごめんなさぁーーい。そういうつもりで言ったんじゃないんですぅ。あのお屋敷に置いてもらえるだけでも有り難いのに、お金をもらうなんて申し訳なくて・・・・・・」
ここは学園内のカフェテリア、私のクラスメイトも親友も大きく叫ぶイングリッドの声に注目している。
「私は怒っているんじゃないのよ。ただ、事実を言っただけです。なぜ、イングリッド様は私の言うことをいちいち歪曲して受け取るのかしら?」
「あっ、ごめんなさい。ごめんなさい。これからは気をつけますので。そんなに怒らないでぇーー。イサベラ様はその美しい容姿と言い方ですごく怖いんですぅーー」
――え? 怖い? 私がなんで?
「イサベラ! 仮にも妹だろう? もっと優しく話しかけてあげなさい」
――王太子殿下までがイングリッドの味方なの?
「イングリッドは妹なんかじゃありません!」
思わず言ってしまったその言葉がカフェテリア中に響き渡った。いつもはガヤガヤと談笑してランチをする学園の生徒達は、皆私達の会話に聞き耳を立てていたのだ。
運悪く少しばかり離れた場所にいたお兄様がそれを見ていたようだ。
「いったいイサベラはどうしたんだ! 屋敷の中だけでなく学園でもイングリッドを虐めているのか! 血は繋がっていないが父上と母上がイングリッドを娘のように可愛がっているんだぞ? イサベラの妹でいいじゃないか? 両親を亡くして気の毒なイングリッドを可哀想に思えないお前は鬼だな」
その言葉が私の交友関係に致命的な爆弾を落とした。私の親友はイングリッドとお兄様の言葉を信じ、私を避けるようになったのだ。それは王太子殿下も例外ではなかった。
ひと月後言われた言葉は、
「イサベラ! お前のような心の歪んだ冷たい女とは婚約破棄する!」
なのだった。
「なぜですか?」
――聞かなくてもわかっている・・・・・・あのイングリッドが好きになったとかそんなことよね・・・・・・
「理由ならお前もわかっているはずだ ! イングリッドを虐めただろう? ノートを破いたりテキストは汚したり、階段では突き落とそうとしたらしいな? 最早、犯罪者ではないか!」
「は? さすがにそんなことはしておりませんわ! どこにそのような証拠があるのですか?」
「私が見ておりましたわ!」
親友の一人アイラ・アーバスノット伯爵令嬢が歪んだ顔でそう言った時に、私はショックのあまり気絶したのだった。
「イサベラ! お前のような心の歪んだ冷たい女とは婚約破棄する!」王太子殿下の声が遠くから聞こえた。
その夜、闇に包まれた私はふらっとバルコニーに歩み寄りそのままそこから飛び降りた。この理不尽な世界を終わらせるために・・・・・・
ꕤ୭*王妃殿下視点
「母上! 私は性悪なイサベラとは婚約破棄するつもりです。あいつは妹のイングリッドを虐めたんだ」
「なにをばかなことを! イサベラに妹などいません!」
「いや、プリンシペ公爵が引き取った親友の娘です。プリンシペ公爵夫妻はとても愛情が豊かだから娘より可愛がっているのです」
「なんと、愚かな! それのどこが愛情豊かなのですか? では王太子に聞きましょう。私と陛下がまるで血の繋がらない男の子を引き取りあなたよりも可愛がったら、あなたはどんな気持ちがしますか?」
「そ、それは、もちろん歓迎しますよ。イサベラのようにヤキモチなど妬いたりしない!」
「1歳下の実の弟にさえ嫌味ばかり言うあなたがですか? レオはそんなあなたの相手をするのが面倒になって私の祖国である隣国ウルグアイランドに留学したのですよ」
「あ、あれは、あいつがあまりにも生意気だからです!」
――レオは王太子より数倍優秀なだけだ。それを生意気とは! これが王太子で本当にいいの? 我が子ながら呆れる愚かさ。
数日後イサベラの自殺未遂の知らせが耳に入り、学園でなにがあったのかを王太子の護衛騎士に白状させた。私は隣国から早速レオを呼び戻した。
幼い頃よりレオが好きだったのはイサベラだった。王太子妃になるのはあの子しかいないと思ったからレオを離れさせて諦めさせようとしたけれど、王太子選びがそもそも間違っていたのよね?
「私、フルーツを切って持って来たのですよぉーー。あとね、デザートも手作りです!」
ウサギさんになった林檎に、オレンジ皮の器に薔薇のように盛ったオレンジの実。デザートはプリン?
学園にはカフェテリアがあり、ここにはフルーツもデザートも揃っているのに?
「私ぃ、プリンシペ公爵家の居候なので、カフェテリアでランチを買うお金がないんです。だから、公爵家の厨房から余った果物とかもらって持って来ましたぁーー」
「え? お母様から今朝ランチ代を一緒にもらったわよね? あれはどうしたの?」
「ほぇ? あぁ、あれは参考書を買いたいので貯めています」
「参考書ならお母様に言えば別にお金をもらえるわよ? 昼食代をケチるほどプリンシペ公爵家は困っていませんよ」
「ひっ! ごめんなさぁーーい。そういうつもりで言ったんじゃないんですぅ。あのお屋敷に置いてもらえるだけでも有り難いのに、お金をもらうなんて申し訳なくて・・・・・・」
ここは学園内のカフェテリア、私のクラスメイトも親友も大きく叫ぶイングリッドの声に注目している。
「私は怒っているんじゃないのよ。ただ、事実を言っただけです。なぜ、イングリッド様は私の言うことをいちいち歪曲して受け取るのかしら?」
「あっ、ごめんなさい。ごめんなさい。これからは気をつけますので。そんなに怒らないでぇーー。イサベラ様はその美しい容姿と言い方ですごく怖いんですぅーー」
――え? 怖い? 私がなんで?
「イサベラ! 仮にも妹だろう? もっと優しく話しかけてあげなさい」
――王太子殿下までがイングリッドの味方なの?
「イングリッドは妹なんかじゃありません!」
思わず言ってしまったその言葉がカフェテリア中に響き渡った。いつもはガヤガヤと談笑してランチをする学園の生徒達は、皆私達の会話に聞き耳を立てていたのだ。
運悪く少しばかり離れた場所にいたお兄様がそれを見ていたようだ。
「いったいイサベラはどうしたんだ! 屋敷の中だけでなく学園でもイングリッドを虐めているのか! 血は繋がっていないが父上と母上がイングリッドを娘のように可愛がっているんだぞ? イサベラの妹でいいじゃないか? 両親を亡くして気の毒なイングリッドを可哀想に思えないお前は鬼だな」
その言葉が私の交友関係に致命的な爆弾を落とした。私の親友はイングリッドとお兄様の言葉を信じ、私を避けるようになったのだ。それは王太子殿下も例外ではなかった。
ひと月後言われた言葉は、
「イサベラ! お前のような心の歪んだ冷たい女とは婚約破棄する!」
なのだった。
「なぜですか?」
――聞かなくてもわかっている・・・・・・あのイングリッドが好きになったとかそんなことよね・・・・・・
「理由ならお前もわかっているはずだ ! イングリッドを虐めただろう? ノートを破いたりテキストは汚したり、階段では突き落とそうとしたらしいな? 最早、犯罪者ではないか!」
「は? さすがにそんなことはしておりませんわ! どこにそのような証拠があるのですか?」
「私が見ておりましたわ!」
親友の一人アイラ・アーバスノット伯爵令嬢が歪んだ顔でそう言った時に、私はショックのあまり気絶したのだった。
「イサベラ! お前のような心の歪んだ冷たい女とは婚約破棄する!」王太子殿下の声が遠くから聞こえた。
その夜、闇に包まれた私はふらっとバルコニーに歩み寄りそのままそこから飛び降りた。この理不尽な世界を終わらせるために・・・・・・
ꕤ୭*王妃殿下視点
「母上! 私は性悪なイサベラとは婚約破棄するつもりです。あいつは妹のイングリッドを虐めたんだ」
「なにをばかなことを! イサベラに妹などいません!」
「いや、プリンシペ公爵が引き取った親友の娘です。プリンシペ公爵夫妻はとても愛情が豊かだから娘より可愛がっているのです」
「なんと、愚かな! それのどこが愛情豊かなのですか? では王太子に聞きましょう。私と陛下がまるで血の繋がらない男の子を引き取りあなたよりも可愛がったら、あなたはどんな気持ちがしますか?」
「そ、それは、もちろん歓迎しますよ。イサベラのようにヤキモチなど妬いたりしない!」
「1歳下の実の弟にさえ嫌味ばかり言うあなたがですか? レオはそんなあなたの相手をするのが面倒になって私の祖国である隣国ウルグアイランドに留学したのですよ」
「あ、あれは、あいつがあまりにも生意気だからです!」
――レオは王太子より数倍優秀なだけだ。それを生意気とは! これが王太子で本当にいいの? 我が子ながら呆れる愚かさ。
数日後イサベラの自殺未遂の知らせが耳に入り、学園でなにがあったのかを王太子の護衛騎士に白状させた。私は隣国から早速レオを呼び戻した。
幼い頃よりレオが好きだったのはイサベラだった。王太子妃になるのはあの子しかいないと思ったからレオを離れさせて諦めさせようとしたけれど、王太子選びがそもそも間違っていたのよね?
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